2018年08月23日公開
2024年07月31日更新
脂肪肝は運動で減らせる?室内でもできる効果的な方法をご紹介!
「脂肪肝」の治す方法を人に尋ねても、「脂肪というからには運動すればいいんじゃない?」くらいの認識しかないのが一般的かもしれません。ですが「脂肪肝」がどんな病気なのか、漠然とはわかってもはっきり「○○な病気」と答えられる人は、結構少ないのではないでしょうか?脂肪肝は、人間ドックを受ける人3人当たり1人の割合で見つかると言います。そんな脂肪肝がどんな病気なのかから、脂肪肝に効果的な室内でもできる運動まで紹介します。
脂肪肝になってしまったらどうする?
出典: http://ankoh.jp
人間ドックや会社の健康診断で、自身や身内が「脂肪肝」と言われて、衝撃を受けた経験はありませんか?問題はこの脂肪肝は、見た目の体形では判断が付かない病気でもあるのです。しかも肝臓と言えば「沈黙の臓器」の異名を持つ、異常がわかりにくいにもかかわらず、体にとって命に係わる大切な臓器なのです。「脂肪肝」がどんな病気で、室内でも効果的に改善できる運動方法まで紹介します。
まずは脂肪肝について知ろう
病気を治療するには、まずはその病気に対して正しい知識を持っていることが大切です。脂肪肝も例外ではありません。正しい知識を持って正しい方法で治療することが、効果的に改善するのに最も大切なことです。脂肪肝とはどんな病気なのか、その仕組みとデメリットから見ていってみましょう。
脂肪肝とは?
脂肪肝とは様々な理由が重なった結果、肝臓に大量の中性脂肪が溜まった状態を指す病気です。肝臓はもともと脂肪の処理も行う臓器ですが、その処理能力が何らかの要因で追いつかなくなったために、肝細胞の中に脂肪の粒が溜まって、肝細胞が膨れ上がってしまっているのが「脂肪肝」なのです。
実は正常な肝臓でも、生のままの臓器の重量を表す湿重量の5%ほどの脂肪を持っています。湿重量がその臓器に含まれる水分の重さも含むことを考えても、5%というのはかなりの量と言えます。ですが脂肪肝の場合には、この湿重量に対して30%もの脂肪、それも中性脂肪が溜まっている状態を指します。まれに疲労や腹部の軽い不快感はあるものの、明確に脂肪肝とわかるような自覚症状はありません。
体形や肥満度にも関係なく脂肪肝にかかることや、肝障害の合併症の一つ程度に考えられていたこと、肝硬変や肝臓がんと異なってまだ肝臓が回復可能な状態にあることから、医学会からも軽視される傾向があることから、研究や対策が不十分とも言われています。「フォアグラ」も強制的にガチョウを太らせることで脂肪肝にしたものであることから、脂肪肝のことを俗にフォアグラ状態と揶揄するのはこのためでもあるのです。
脂肪肝の原因は?
世界的にみると脂肪肝の原因として多いのは、アルコール性脂肪肝です。日本ではアルコール飲料である酒類の消費量は減少傾向にあるものの、脂肪肝の頻度は上昇傾向にあります。日本では健康診断で発見される脂肪肝のうち、非アルコール性脂肪肝は成人受診者の30%以上(男性が約40%、女性が約17%)とされています。ではこの30%以上の人たちが脂肪肝になった原因は何なのでしょうか?
日本人は通称「倹約遺伝子」と呼ばれる遺伝子変異を、3人に1人が持っていると言われています。このため基礎代謝量がほかの民族と比べて低く、肥満や脂肪細胞の肥大が主な原因となるインスリン抵抗性や中性脂肪高値、炭水化物の過剰摂取が原因と見られています。この他にもアスピリンなどの特定の薬剤による脂肪肝が確認されているほか、妊娠や偏食、糖質の代謝異常、さらには飢餓や拒食症でも脂肪肝の報告があるのです。
脂肪肝が引き起こすデメリット
先にも紹介したように、医学的に脂肪肝は原因を取り除けば改善するために、まだ「病気」としての認識はされていないのが実情です。ですが、脂肪肝が原因で肝臓が慢性的に炎症を起こしたり、肝機能障害を併発することもあります。そのまま放っておくと、肝硬変や肝臓がんに発展してしまうこともあります。長期の糖尿病患者が脂肪肝になった時は、気付かないうちに肝硬変になっていた事例もあります。
特に気を付けたいのが妊娠後期です。まれに急性妊娠脂肪肝を発症することがあり、肝不全や腎不全といった母親のみならずお腹の子供まで危険にさらされることがあるのです。急激に発症することも手伝って予測ができず、緊急分娩が必要とされる重篤な状態に陥ることもあります。脂肪肝はエコー検査やCTスキャンなどの画像検査でないと判断しにくいため、病気とされていなくても危険なことに変わりはないのです。
脂肪肝を減らすにはどうしたら良い?
脂肪肝を正常な肝臓に戻すには、脂肪肝の原因を特定して取り除くことが一番の方法とされています。アルコール性脂肪肝の人はお酒を控え、運動をすることが一番効果的な改善方法となります。ですが日本で増えている非アルコール性脂肪肝のほうが危険度も高く、食事や生活習慣の見直しとともに効果的に運動を取り入れることで、肝臓に溜まった脂肪を消費する必要があるのです。
脂肪肝を減らす効果的な運動方法を紹介
では脂肪肝を改善するのに効果的な運動とは、一体どんなものがあるのでしょうか?食の欧米化とともに肥満が増えていることは取り沙汰されていますが、運動といっても種類も多いしどんな運動が効果的なのかわからない、と言う人もいれば、忙しくて運動のために外出したりジムに通う余裕はない、という人もいることでしょう。脂肪肝改善に効果的な運動を、室内でできる物を中心に紹介していきます。
脂肪肝を減らすには運動が効果的!
脂肪肝は先にも紹介したように、肝臓に主に中性脂肪が溜まってしまった状態を指します。脂肪が溜まっているわけですから、当然脂肪を減らすことをするのが一番です。ですが先にも紹介したように、肝臓に脂肪が溜まる理由は様々です。偏食や拒食症と言った摂食障害でも脂肪肝になる以上、まずは栄養とカロリーのバランスの良い食事に切り替えることが大切です。「食べないこと」は解決方法にならないのです。
そしてもう一つは、肝臓に溜まってしまった脂肪を消費することです。脂肪肝は肝臓の肥満でもあるのですから、やはり効果的な改善方法として運動は不可欠となります。肝臓のダイエットと考えてみると、イメージが湧きやすいことでしょう。では脂肪肝の改善に最も適した運動とは、一体どのようなものなのでしょうか?
脂肪肝を減らすには有酸素運動が効果的
ダイエットと言えば有酸素運動です。肝臓のダイエットである脂肪肝の改善においても、やはり有効なのは有酸素運動です。有酸素運動と言えば、やはり真っ先に浮かぶのはウォーキングやジョギングでしょう。ですが忙しい生活の中で、運動のための時間がとりにくいという人も多いのではないでしょうか?通勤時に1つ手前の駅で降りて歩くという話はよくありますが、脂肪肝には効果的なのでしょうか?
脂肪肝を改善することを目的に歩くときには、軽く息が上がる程度の速足で1日36分以上、週で250分実践すれば肝臓の脂肪が大きく減ることがわかっています。ですが朝早く出て夜遅くに帰ってくる、という人にとっては、1日36分でも時間を作るのは大変です。ましてや雨や日差しの強い中を速足で歩くのは、時間を取れる人でも嫌になってしまうのではないでしょうか?ダイエット同様、ストレスを感じながらやるのは長続きしません。
また、人のエネルギー消費に使う材料には、順番というものがあります。運動を始めたばかりの時には、血液中の糖分や、筋肉中に蓄えられている糖を材料に作られたグリコーゲンから消費されていきます。肝臓の脂肪が使われ始めるのは、運動を始めてから早くても10分以上経ってからと言われています。そのため脂肪を消費するためには、10分以上続けて運動し続けないと効果が薄いのです。
ダイエットにも共通して言えることですが、初めから飛ばし過ぎると負担がかかり過ぎてしまい、結果として体を痛めたり筋肉痛になったりして、嫌になって止めてしまいます。負荷は軽めで時間は気が向く間やってみる、その繰り返しのほうがストレスが少なくて済みます。ストレスを感じると、せっかく始めた運動も義務になってしまって続きません。体にも気持ちにも負担が軽くなるように調節しましょう。
脂肪肝を減らすには水泳やエアロバイクがおすすめ
特に体重のある人にとって、いきなり運動するのは膝に大きな負担がかかります。そんな人におすすめなのが水泳です。泳げない、という人でも、水中ウォーキングでも大きな効果が期待できます。水の浮力で膝への負担を減らし、水をかき分けて進むことで適度な負荷をかけてくれます。ただし、公共のプールだと混み具合で泳ぎにくかったり屋外だったりします。スイミングスクールは室内ですが、費用が掛かるなどの欠点もあります。
そんなときにはエアロバイクもおすすめです。こちらも先行投資は必要ですが、機種によってはかなり細かく強度も選べるので、水泳同様に膝への負担を軽減することができます。また自宅の室内でできるだけでなく、テレビを見ながらといった「ながら運動」もできるので、やりたい時間に気軽にできるメリットがあります。他の人に運動している姿を見られたくないから室内で、という人には特におすすめの運動方法です。
脂肪肝を家にあるもので減らす踏み台昇降
踏み台昇降も家庭で簡単にできる有酸素運動です。こちらも水泳やエアロバイク同様に、負荷をコントロールすることができます。家にある週刊誌や雑誌をまとめて踏み台を作れ、無理のない高さで運動できる方法です。自宅に階段がある場合は、その上り下りでも踏み台昇降になります。室内で無理せずに、軽い負荷でも続けていると、意外と疲れてくるものです。後々に疲れを残し過ぎないのも、長く続けるのに欠かせない方法です。
脂肪肝を減らす省スペース運動のエア縄跳び
「エア」と付くだけあって本物の縄は使わずに、イメージだけでする縄跳びのことです。縄跳びの真似をするだけなので、室内の狭いスペースでできるだけでなく先行投資も必要ありません。縄跳びはただ飛び跳ねるだけの運動でありながら、消費カロリーが多い点も魅力です。たった10分の消費カロリーが70kcalというのは、ウォーキング30分に相当するのです。エア縄跳びでも同様の効果があるので、テレビを見ながら始めてみませんか?
エア縄跳びは足が縄に引っかかることが無いため、自分のペースで進められます。ポイントは高く跳ばずに、つま先だけで静かに跳ぶようにすることです。そして腕は体の両脇に引き寄せたまま、手首から先を回転させるだけでなるべく動かさないことです。高く跳んだりいきなり長時間続けると、膝を痛めることになりかねません。まずは1回3分ほどを1日3セット(併せて約10分)から始めて、少しずつ体を慣らしていくことが大切です。
脂肪肝を減らすために体の燃焼効率を上げるスクワットと片足立ち
脂肪の多くは筋肉で消費されます。脂肪肝の改善に筋肉量を増やすことは、効率アップにもなり体の負担も軽くなります。特に「インナーマッスル」と呼ばれる体の中心部分にあるような筋肉は、体のバランスをとったり動きをスムーズにする働きもあります。普段つまづきやすい人やバランス感覚が悪いと感じている人には、運動能力の面でも改善効果が期待できます。室内でできる運動で腰痛の改善効果もあり、一石二鳥を狙えます。
まずはスクワットから始めてみましょう。有酸素運動にもなるように、動きはゆっくりを心掛けてください。まずは足を肩幅に開いて立ちます。背筋をまっすぐに伸ばしたら、手を前のほうに水平にまっすぐ伸ばします。指先まで意識して伸ばすようにしましょう。5秒かけてゆっくりお尻を後ろに突き出すようにして、太ももが床に水平になるくらいまで腰を落とします。顔は前を向いたまま、手も水平を保つように意識しましょう。
再び太ももを踏ん張るようにしながら、5秒かけてゆっくりと姿勢を元に戻していきます。これを5回繰り返しましょう。初めのうちはかなりきついので、無理をせずに落とせるところまでゆっくり落とし、徐々に慣らしていくと良いでしょう。スムーズにスクワットができるようになったら、お腹をへこませるように意識してやるようにすると、さらに効果が期待できます。
次は片足立ちをしてみましょう。両足を付けてまっすぐに立ったら、右足を床から5㎝~10㎝ほど上げて、1分間バランスを保つようにします。次に左足も同様に床から上げてバランスを保ちます。バランスを取りにくいときには、テーブルに軽く指先を付けるなどすると良いでしょう。あくまで体重は足で支えるように意識します。左右の足でバランス感覚が異なるのが普通なので、少しずつ手を離した状態でできるよう続けていきましょう。
脂肪肝を減らすためには毎日運動を続けるのが大事!
脂肪肝も肝臓の肥満ですから、通常のダイエットと同様に毎日コツコツと運動を続けることが大切です。運動をすることで、脂肪燃焼を促すホルモンであるアディポネクチンが分泌されることがわかっています。脂肪肝を改善するために運動することは、そのままダイエットにもなる方法なのです。運動しなければ、と気負ったりせずに、体に溜まった疲れを流してコリをほぐすくらいの気持ちで、楽しむように続けるようにしましょう。
脂肪肝には毎日の運動が効果あり!
脂肪肝はまだまだその危険性が認識されていない、ひとつの「万病の素」と言えます。一方であなたに生活習慣を見直したり、健康を守るための室内でもできるような、ちょっとした運動を始めるためのきっかけを作ってくれることでしょう。脂肪肝と診断された人もそうでない人も、ちょっとした空き時間に室内で体を動かす習慣をつけてみませんか?