2018年08月23日公開
2024年07月30日更新
水溶性食物繊維の多い食品は?体にいい摂取量と食べ方を紹介!
食品に含まれる食物繊維とは人の消化酵素によって消化されない食物に含まれている難消化性成分の総称です。食物繊維は腸を刺激して活発にさせます。それにより便秘の改善と腸内の悪玉菌や有害物質を減少させる働きがあります。今ではこの食物繊維を第六栄養素とも言われ重要視されています。食物繊維は水溶性と不溶性の2種があります。ここでは健康に欠かせない栄養素となった食物繊維の水溶性食物繊維について多く含まれる食品や特性などを紹介していきます。
水溶性食物繊維を多く含む食品と摂取方法を知りたい!
食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があります。不溶性は主にサツマイモなどの穀類やゴボウ等に多く含まれています。不溶性食物繊維は腸内のお掃除屋さんです。消化管内の水分も含んで容積を大きくし、排便を促します。水溶性食物繊維は便を軟らかくするほかに様々な効果があります。そして水溶性食物繊維は意識して摂らないと不足してしまいがちなのです。これから水溶性食物繊維について知っていきましょう。
水溶性食物繊維について
平成28年度国民健康・栄養調査によると私たちの食物繊維の摂取量は目標摂取量より少ないと出ています。食物繊維が不足すると体に不調が出てきやすくなります。まず良く知られている便秘。そして、痔・肌荒れといった便秘から広がる不調です。
それ以外にも、胃潰瘍・胆石・糖尿病・腸閉塞・虫垂炎などの病気。胃腸以外に血管でも、動脈硬化・高血圧・高脂血症という不調が出てきます。食物繊維が不足したままでいると生活習慣病になる可能性が高くなってしまいます。食物繊維を摂る食習慣に変えていく必要があります。
水溶性食物繊維とは?
水溶性食物繊維とは字の通り水に溶ける性質の食物繊維です。水溶性食物繊維を摂取すると便秘以外にもたくさんの効果があります。水溶性食物繊維は主にねばねば系とさらさら系に分かれています。腸内に入った水溶性食物繊維は水に溶けて粘着物質となって糖分と消化酵素の接触を防ぎます。糖質の消化・吸収を緩やかにするので血糖値の上昇を抑え、コレステロールの排出にも一役買います。ですのでダイエット効果もあります。
水溶性食物繊維の特徴と効果
水溶性食物繊維の特性は「粘性・吸着性・発酵性」の3つあります。粘性は粘着性により胃腸内をゆっくり移動するのでお腹が空きにくく食べ過ぎを防ぎます。そしてブドウ糖の吸収を緩やかにして食後の血糖値の急激な上昇を抑えます。糖尿病の発症低下させます。
吸着性は胆汁酸やコレステロールを吸着し体外に排出します。悪玉コレステロールを減らしてくれます。動脈硬化の予防、腸内でのナトリウムイオンとカリウムイオンの交換反応により食塩のナトリウムを排泄させ血圧を下げるなど生活習慣病予防に効果があります。
発酵性は大腸内で発酵・分解されるとビフィズス菌が増えて整腸効果があります。腸内環境がよくなりスムーズな排便を促します。これにより便秘が改善されます。この3つの性質により、血圧が下がったり、癌のリスクの低下など想像する以上に色々な効果があるのです。
出典: https://cury.jp
食品素材として使用される水溶性食物繊維は主に3種類あります。1つは難消化デキストリンといい、食物繊維不足を補う為にでんぷんから作られた特定保健用食品に良く使われている安全性の高い食物繊維です。2つ目はポリデキストロースは血糖値の上昇やコレステロールを減らす効果がある食物繊維です。3つ目は大麦βグルカンは大麦に含まれ、こちらも血糖値の上昇やコレステロールを減らす効果があります。
水溶性食物繊維の多い食品と摂取量を知ろう
大体の人は水溶性食物繊維が不足してしまいがちです。どのような食品に水溶性食物繊維が多く含まれているのか、どれぐらい摂取すれば良いのかを頭に入れておけば生活に取り入れやすいです。おすすめレシピも紹介します。
水溶性食物繊維の1日の摂取量は?
食物繊維の1日の摂取量は「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では今後5年間実現可能な量として成人の食物繊維目標量は1日19g以上です。男性は20g以上、女性は18g以上です。普段の食生活で摂取している食物繊維の量は5g~10gも不足しています。
毎日の健康なお通じには1日の摂取量は20g以上、心筋梗塞による死亡率の低下が観察されたのは1日24g以上だそうです。このようにかなり多く食物繊維を摂取するには普段から意識して摂取していくことが大切です。
水溶性食物繊維を多く含む食品
水溶性食物繊維を多く含む食品は、昆布・わかめ・ひじきなどの海藻類、オクラ・大豆、果物・こんにゃく・里芋・きのこ、大麦・オーツ麦などです。こんにゃくはこんにゃくの主成分グルコマンナンは水溶性ですが、食用のこんにゃくは凝固剤に水酸化カルシウムを使うので水溶性食物繊維ではなく不溶性食物繊維です。特定保健食品のこんにゃくゼリーはこんにゃくの主成分のグルコマンナンを使って作られています。
水溶性食物繊維を多く含む食品を10品を紹介します。(100gあたり、水分量40%以上のもの)大麦・オートミール・エシャロット・らっきょう・ゆり根・のびる・ごぼう・昆布・ひじき・プルーンです。乾燥されているものは生のものより食物繊維が多いです。乾燥しているしいたけ・かんぴょう・わかめ・切干大根・抹茶(粉)・プルーン・いちじく等です。スーパーに行けば揃うものばかりですので取り入れやすいです。水溶性食物繊維の摂取を意識して献立を考えましょう。
水溶性食物繊維の食べ方を解説
意識していてもなかなか摂取出来ないのが食物繊維です。とくに水溶性食物繊維は不足してしまいがちです。身近にある食品から食物繊維を摂る事ができます。普段の食生活を工夫して摂取していく方法と注意をお伝えします。
食物繊維は色々な食品からバランス良く摂ろう
おすすめの摂取方法は、水溶性食物繊維が多い海藻サラダや大麦など含む雑穀サラダ。食物繊維の効果を活かすには水分が必要なので、キノコや海藻類、里芋など具だくさんにした味噌汁やスープ。そして普段の食事に発酵した食品、キムチやお漬物を添えたり、デザートとしてヨーグルトにバナナやリンゴなどの果物をプラスして1品増やすのもお勧めです。
生のままで食べるより蒸したり揚げたりする方が食べる量が多くなるので同じ100gの中でも食物繊維の量も多くなりますので、沢山摂取したいときは調理するのが良いでしょう。
水溶性食物繊維がたっぷりの簡単に出来るおすすめレシピを3つ紹介します。1つは冷ややっこの上に納豆と昆布刻みとキムチを混ぜて麺つゆを1・2滴たらして味付けして出来上がりです。おつまみや1品増やすのに簡単です。2つ目はご飯の上に水溶性食物繊維の多い海藻と山芋と納豆とオクラと卵黄をのせて醤油で味付けしてねばねば丼です。
3つ目は切干大根を水で戻し、サラダ豆セット(蒸し豆)と戻して水を切った切干大根にごま油とポン酢であえてつくるサラダです。煮なくていいのでさっぱり頂けます。水溶性食物繊維を摂るレシピがたくさんの紹介されていますので是非試してみてください。
水溶性と不溶性の食物繊維の摂取割合に気を付けよう
不溶性と水溶性はそれぞれ腸の中で違う働きをしています。不溶性食物繊維は腸内で容積を多くして排便を促していく便秘の改善に効果がありますが、水に溶けない為、摂取しすぎると便が固くなってしまいます。水溶性食物繊維は便を軟らかくする性質があります。
ですので一緒に摂取すると効果的です。食物繊維の摂取の割合ですが、「不溶性食物繊維:水溶性食物繊維=2:1」です。特に数字にこだわり過ぎなくて大丈夫です。ただ不溶性食物繊維より水溶性食物繊維の方が摂取しにくいので意識して摂るようにしましょう。
食物繊維の強化された食品や飲料は規定量を守ろう
普段の食生活から目標量の19gの食物繊維を摂取するのがとても難しいです。食物繊維が強化された食品や飲料で食物繊維を補うのが簡単でお勧めです。とくに血糖値が気になる人、外食や飲み会が多い人、コレステロール値や血圧が高めの人、便秘気味な人にはおすすめです。
しかし食物繊維の強化された加工食品ばかり摂取すると便がゆるくなったり、不溶性が多い場合だと逆に便が固くなりすぎたりしますので食物繊維の強化された食品や飲料は規定量を守りましょう。
水溶性食物繊維をサプリで摂取するときの注意
水溶性食物繊維をサプリで摂取する場合、目的別で飲むタイミングを変えたほうが良いです。便秘の解消ならば、朝起きたときに飲むのが良いとされています。血糖値の改善やコレステロール低下でしたら食間から食後が良いそうです。また、食物繊維の強化食品やサプリメントで過剰摂取した場合、鉄分やカルシウムなどの吸収を妨げ、ミネラル欠乏症を引き起こす可能性がありますので、注意しましょう。
水溶性食物繊維を食品から上手に摂取しよう!
水溶性食物繊維には便秘だけでなく、誰もが気になる血圧やコレステロールの低下など沢山の健康の問題に効果がある事がわかりました。その水溶性食物繊維は身近にある食品で補うことが出来るのです。どの食材に水溶性食物繊維が豊富に含まれてるか頭に入れておくと献立が立てやすくなります。
キムチや納豆、ヨーグルトなどの発酵食品と組み合わせたりなどすると美味しく摂取できます。色々工夫して、水溶性食物繊維を積極的に取り入れ、健康な体作りをしていきましょう。