JASマークとは?有機JASマークなど種類を商品・食品例で紹介!

JASという言葉またはマークを知らない人は、多分いないでしょう。けれども、JASマークの由来や意味するところとなると、「?」が付くのではありませんか?そのあたりを詳しく説明いたします。また、JASマークには、いろいろな種類があります。それぞれのJASマークによって、品質保証された商品や食品例を詳しく紹介していきます。より賢い消費生活を営むために、紹介した情報を活かしていきましょう!

JASマークとは?有機JASマークなど種類を商品・食品例で紹介!のイメージ

目次

  1. 1JASマークについて詳しく知りたい!
  2. 2JASマークとは?意味や種類を紹介
  3. 3JASマーク使用の商品例や食品例
  4. 4JASマークとは安全な食品の基準となるマーク

JASマークについて詳しく知りたい!

JASマークは、品位、成分、性能その他の品質について、日本農林規格に適合する製品に貼付けられるマークのことです。日本農林規格の英語名称が「Japanese Agricultural Standard」であることから、頭文字をとって、一般にJAS(ジャス)と略称されたわけですが、現在では制度全体をあらわす意味の言葉として使用されています。したがって、その規格はJAS規格であり、マークはJASマークと呼ばれるようになっています。

JASマークとは?意味や種類を紹介

JASマークとは?

JASマークは、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」という、法律(通称JAS法)に基づいた、農、林、水、畜産物およびその加工品の品質保証の規格(JAS規格)に適合した製品に、貼付けが認められている規格証票のことを言います。マークの下に「認定機関名」とありますが、第三者である認証機関の検査に合格しなければ、JASマークの貼付けは認可されません。

JAS法において、農林物資とは酒類、医薬品等を除く1.飲食料品及び油脂、2.農産物、林産物、畜産物及び水産物並びにこれらを原料又は材料として製造し、又は加工した物資であって政令で定めるもの(一般材、合板等)をいい、これに該当するものであれば国内外のいずれで生産・製造されたかにかかわらず、JAS規格の制定の対象となります。

JASマークの意味とは?なんの略?

前の章でも述べたように、JASの略称は、「日本農林規格」という正式名称を英語表記した際の、頭文字を取ったものです。ちなみに、日本工業規格はJISとなっています。JAS規格によって、その貼付けが認められるJASマークは、平成30年3月現在で、64品目について206規格が認められています。大きな項目で分けると、「飲食料品及び油脂」「木質建材」「その他(畳表)」などと、「生産の方法」についてのJAS規格があります。

生産の方法についてのJAS規格では「有機」「生産情報公表」「その他」に分かれていて、それぞれ貼付けするマークも異なります。いずれにしても、JASマークが示すのは、製品の品質や作り方を保証しているという意味です。したがって、JASマークが貼付けられているということは、信頼するに足る商品や食品例である、ということを意味しています。

JASマークには種類がある

JASマークを認定するためのJAS規格は、時代や社会の変遷とともに、対象品目はわずかずつにしろ出入りがあります。平成30年現在では、64品目206規格という種類になっています。その規格は、大きく分けてア.(一般JAS規格)品位、成分、性能その他の品質について基準を定めたもの。イ.(特定JAS規格)生産の方法についての基準を定めたもの。ウ.流通の方法についての基準を定めたもの。
 

アの一般JASマークについては、「飲食料品及び油脂」「木質建材(林産物)」「その他」に細分化されます。イの特定JASマークについては14品目について15規格が定められており、a.有機JASマーク、b.特定JASマーク、c.生産情報公表JASマークの3つの種類に分かれます。ウについては、低温管理流通JASマークとなります。

一般JASマークとは?

一般JASマークの貼付けを認められるのは、飲食料品については即席めん、マーガリン類、ジャム等の38品目の種類についてJAS規格が制定されています。それぞれのJAS規格では、性状、原材料、添加物、内容量等についても詳しく定められています。林産物については集成材、合板、フローリング等の9品目の種類についてJAS規格が制定されています。

それぞれの木質建材のJAS規格については、含水率、接着の程度、寸法、表示事項、表示禁止事項等について定められています。その他としては、畳表のJAS規格が品位、成分、性能その他の品質について定められています。また、一般JASマークには、「特級」「上級」「標準」という基準もあります。けれども、このランク付けは、製造業者の申請によって行われるものであり、格付けするかどうかは、自由意志です。

そして、一般JASマークの普及如何は、消費者がJASマークの付いた製品を、支持して購入するかどうかにかかっています。その意味はと言いますと、JASマークが付いていなくても、その製品が市場に流通できないわけではないからです。

有機JASマークとは?

特定JAS規格の14品目15規格のうち、有機JAS規格は、「有機農産物」「有機加工食品」「有機飼料」「有機畜産物」の、4品目の種類について4規格になります。有機農産物の日本農林規格は、国際食品規格委員会(コーデックス委員会)の総会で平成11年に採択された「有機的に生産される食品の生産、加工表示及び販売に係るガイドライン」に、準拠して定められています。現在、4つの有機関係JAS規格が制定されています。

「有機農産物」については、種まきまたは植え付けの時点からさかのぼり、2年以上、禁止されている農薬や化学合成肥料を使用していない水田や畑で栽培された農産物、であること。「有機加工食品」については、有機農産物、有機畜産物、有機加工食品を主な原材料とし、化学合成された食品添加物や薬剤を使用しないことを基本として生産された加工食品、であること。

「有機畜産物」については、飼料は主に有機農産物を与え、抗生物質等を病気予防の目的に使用せず、ストレスのない野外等での飼育により生産された畜産物、であること。「有機飼料」については、有機農産物、有機畜産物(乳に限る)、有機加工食品を主な原材料とし、化学的に合成された飼料添加物や薬剤を使用しないことを基本として生産された飼料、であること。

4品目の種類について以上のような4規格が定められていて、これらの条件を満たした農産物、加工食品に対して有機JASマークが認められているのです。

特定JASマークとは?

特定JAS規格は、6品目の種類の商品に対して6規格が定められています。「熟成ハム類」「熟成ソーセージ類」「熟成ベーコン類」「地鶏肉」「手延べ干しめん」「日持ち生産管理切り花」の,6種類です。特定JAS規格の意味は、特色ある生産方法や原材料に着目した認証制度であることです。たとえば、地鶏肉のJAS規格をみてみると4つほどの条件があります。1.在来種の血液の百分率が50%以上の鶏の品種で、出生の証明ができるもの。

2.28日齢以降。平飼いで飼育していること。3.28日齢以降、1平方メートル当たり10羽以下で飼育していること。4.ふ化日から75日間以上飼育していること、等々です。また、手延べ干しめんのJAS規格をみると、1.小麦粉に対する食塩水の配合割合が、45%以上であること。2.小引き工程から門干し工程までの間において、めん線を引き延ばす行為のすべてを手作業により行っていること。

3.混合工程と、かけば工程の間の熟成については6時間、かけば工程と小引き工程の間の熟成については1時間、小引き工程と門干し工程についての熟成は合計12時間、それぞれについてそれ以上の期間、熟成が行われていること、等々です。これらの要件を満たした商品に対して、特定JASマークが認められるのです。

生産情報公表JASマークとは?

生産情報公表JAS規格は、4品目の商品の種類に対して5規格があります。「生産情報公表牛肉」「生産情報公表豚肉」「生産情報公表農産物」「生産情報公表養殖魚」の、4種類です。生産情報公表規格の意味は、食品の生産段階における情報を、消費者に正確に伝える仕組みと言えます。食品のトレーサビリティの一つの形として、情報を公表している商品に対してJASマークを付す制度です。

消費者は、店頭での表示やインターネット、FAX等を通じて、生産者の氏名、給餌飼料や動物医薬品の使用状況、農薬の使用回数等に関する情報を入手することが可能になります。

低温管理流通JASとは?

低温管理流通JAS規格は、「低温管理流通加工食品」の1品目1規格となります。平成21年に低温管理流通加工食品のJAS規格が制定されました。製造から販売までの流通工程を、一貫して一定の温度を保って流通させるという、流通の方法に特色がある加工食品に付されるJASマークです。米飯を用いた弁当類(寿司、チャーハン等を含む)について認定を受けることができます。

JASマーク使用の商品例や食品例

一般JASマークがついている商品や食品例は?

一般JASマークが付いている商品や食品例は、平成30年3月現在で、従来より1品目増えて49品目となっています。飲食料品及び油脂が、39品目ともっとも多く、林産物等が9品目で、その他として畳表が1品目です。飲食料品及び油脂の、よく親しまれている商品や食品例を挙げると、「即席めん」「乾めん類」「マカロニ類」「しょうゆ」「ウスターソース類」「ドレッシング」「醸造酢」「乾燥スープ」「マーガリン類」「ジャム類」

「果実飲料」「炭酸飲料」「豆乳類」「ハム類」「ソーセージ」「ベーコン類」「ハンバーガーパティ」「チルドミートボール」「削り節」「煮干魚類」「そしゃく配慮食品」などです。「そしゃく配慮食品」が、新たに増えた1品目になります。林産物等の商品を挙げると、「素材」「製材」「集成材」「構造用パネル」「合板」「フローリング」などがあります。これらに、その他として挙げた「畳表」を加えて、49品目となります。

有機JASマークがついている商品や食品例は?

有機JASマークが付いている商品や食品例は、有機農産物、有機加工食品、有機飼料、有機畜産物の4品目だけです。けれども、それぞれの品目に属する、商品や食品例は並べきれないほど数多くあります。有機JASマークの規格は、生産の方法についてであるため、個々の具体的な商品や食品例は限りのないものになるわけです。有機JASマークが包装や容器に付いていない場合には、有機〇〇、オーガニック〇〇といった表示はできません。

けれども、有機加工食品となると、少し問題が出てきます。原材料に有機農産物、有機加工食品を使用している加工食品の場合は、加工食品自体に有機JASマークがなくても「有機〇〇使用」といった協調表示は可能です。有機大豆使用醤油、有機トマト〇〇%使用ケチャップなどというように表示することは、ルール違反とはなりません。こうなると、有機JASマークが意図している意味合いが、薄れてしまうことにもなります。

特定JASマークがついている商品や食品例は?

特定JASマークの付いた商品や食品例は、熟成ハム類、熟成ソーセージ類、熟成ベーコン類、地鶏肉、手延べ干しめんなどの5食品と、日持ち生産管理切り花の1商品になります。

生産情報公表JASマークがついている商品や食品例は?

生産情報公表JASマークの付いた商品や食品例は、牛肉、豚肉、農産物、養殖魚になります。これまで説明してきましたように、この生産情報公表JASマークというのは、消費者にとって有意義で大切な意味を持ったマークです。商品の履歴が分かるというのは、安心につながります。そのなかで、牛肉や豚肉はそれぞれ単品としてよく知られていますが、農産物についての種類は数多くあります。

しめじ、なめこ、人参、ジャガイモ、トマト、ナス、チンゲン菜など、数えきれません。養殖魚については、生産情報公表JAS規格に新たに加わったこともあって、ウナギなどの例はありますが、まだ十分に浸透しきれていない感じがあります。

定温管理流通JASマークがついている商品や食品例は?

定温管理流通JASマークの付いた商品や食品例は、定温管理流通加工食品の1品目のみとなります。その1品目は、米飯を用いた弁当類ということです。この弁当類という意味のなかには、おにぎりや寿司、チャーハン、カレーライス、ハヤシライス、オムライス等も含まれます。

JASマークとは安全な食品の基準となるマーク

JASマークと、一口に言っても、その種類は5つにもなりました。「一般」「有機」「特定」「生産情報公表」「低温管理流通」です。それら5つのJASマークについて、説明をしてきましたが、法律用語などいくらか難しい言葉使いもあったように思います。けれども、人々の消費生活に必要で大切なマークであることは理解できました。また、JASマークが食品のみならず建築資材等や畳表にまで及んでいることは、意外でした。

ここまで紹介したことから、5つのJASマークが意味するところを理解したうえで、賢い消費生活につなげていただきたいと思います。すべてのJASマークは、商品や食品の安心や安全に重要なものばかりです。特に食品の場合は、われわれの体に直接影響を与えるものだけに、これらのJASマークが示す基準を有効に活用して、健康な食生活を営んでいきたいものです。

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