2018年07月07日公開
2024年07月23日更新
ゼリーフライとは行田のご当地グルメ!有名店から簡単な作り方まで!
みなさん、ゼリーフライという食べ物を知っていますか?はじめて聞いたという方は、内容も由来もまったくわからない謎の食べ物だと思います。ゼリーフライは埼玉県行田市のご当地グルメで、市民の間では赤ちゃんからお年寄りまで多くの人に愛されれる家庭料理の定番です。今回はそんなゼリーフライに焦点を当ててみました。ゼリーフライが生まれた経緯から、ゼリーフライが食べられる有名店、家庭でも簡単に作れるゼリーフライのレシピまで、一挙大公開します!
目次
甘くないゼリーフライ?
埼玉県北部に位置する行田市(ぎょうだし)は、大型の古墳が群衆する歴史深い街です。稲荷山古墳、秘本最大級の円墳である丸墓山古墳、武蔵国最大の前方後円墳の二子山古墳、将軍山古墳など、県内には9基もの古墳が点在していています。また、室町時代には、忍城が築かれ、城下町として栄えた歴史もあります。関東名7城のひとつとして知られる忍城は石田三成の水責めに落城しなかったことから、浮城とも呼ばれている名城です。
そんな歴史深い埼玉県行田市のご当地B級グルメとして話題を集めているのが「ゼリーフライ」です。ゼリーなのにフライ?と不思議に思う方もいるでしょう。行田市民にはおなじみの食べ物、ゼリーフライが気になりますね。今回は謎の食べ物、ゼリーフライについて調査してみました。ゼリーフライの由来からゼリーフライが食べられる有名店、家庭でも簡単に作れるゼリーフライのレシピまで一挙にお届けします!
ゼリーフライは生田の名物グルメ
ゼリーフライとは
世の中には不思議なネーミングの食べ物がたくさんあります。例えばトルコライスやオランダ煮、すっぽこ汁にじょじょ切り、しもつかれ、おっきりこみ、べろべろ…某テレビ番組の格好のネタになりそうな名前からは内容も由来も全く想像できない食べ物が数多く存在します。埼玉県行田市の名物グルメであるゼリーフライもその中のひとつで、名前だけを聞くとゼリーを油で揚げているかのように想像してしまいます。
埼玉県行田の名物グルメ、ゼリーフライは豆腐のおからとじゃがいも、野菜などを練って焼いたコロッケのような食べ物です。おからが入っているので、ねっとりともちもちした食感が特徴で、最後にソースにくぐられて仕上げられるためしっかりとお腹にたまり、食べごたえ満点です。ソースの後引くおいしさがたまりません。行田市民の家庭では、ごはんのおかずや、おやつ、軽食としてたびたび食卓に登場するとのことです。
ゼリーフライはフライなのに揚げてない
ゼリーフライはフライと名前についていますが、揚げていません。ゼリーフライは、おからやじゃがいもなどから作られたタネを、お好み焼きのようにフライパンの上に広げて焼いて作られます。なぜフライという名前が付いているかというと諸説ありますが、ひとつの由来はフライパンで焼くからフライ、と呼ばれたという由来や、布の生産が盛んであったことから「布来」と書いてフライと呼ぶようになったという由来もあります。
ゼリーフライは満足感たっぷり
ゼリーフライは衣がついておらず、油で揚げていないため、外側はしっとり、中はホクホクの柔らかさで食べやすい口当たりが特徴です。じゃがいもとおからがふっくらとしているので、一口ほおばると口の中いっぱいにまろやかさが広がります。行田市ではこどもからおとなまで愛されていて、離乳食の赤ちゃんにもゼリーフライの中のやわらかい部分をあげたりするそうです。ゼリーフライは行田市民の生活に欠かせないソウルフードです。
油であげないゼリーフライは、カロリーが控えめな点もポイントです。ゼリーフライ1個当たりのカロリーは約171kcal。一般的なポテトコロッケのカロリーは210kcalとなっているので、比べてみると差は歴然です。中身にもヘルシーなおからと野菜をたっぷりと使っているので、ヘルシーで食物繊維もたっぷり含まれ栄養満点です。じゃがいもとおからの効果で食べごたえもあるので、おやつや軽食としては理想的な食べ物と言えます。
行田のもうひとつの名物「ふらい」
埼玉県行田市の名物グルメとしてもうひとつ有名なのが「フライ」です。フライもフライと名前についているのに揚げ物ではありません。行田市のフライは、小麦粉を水で溶き、鉄板の上で薄く焼きながら、ねぎや肉、卵などの具を入れて薄く焼きあげたものです。好みでソースや醤油だれをつけて食べるスナックのような位置づけで、クレープのようなふわりとした舌触りでとてもおいしいと多くの人から愛されています。
行田市の位置する北埼玉地方は古くから小麦の生産地で、フライの由来は農家で手軽に作るおやつとして多く作られていました。安くて持ち運びが便利なうえ、腹持ちが良いこともあって、たちまち行田市民の間で広がり、販売するお店が増えたとのことです。お店によっては中にそばが入っていたり、具沢山だったりと特色を出しながら、現在でも埼玉県行田市のご当地グルメとして多くのお店で販売されています。
ゼリーフライの名前の由来
ゼリーフライのゼリーとは何なのでしょうか?ゼリーフライのゼリーは、わたしたちが思い浮かべるあのぷるんぷるんのおやつ、ゼリーではありません。ゼリーフライの由来は、行田市の茶屋の主人が日露戦争の時代に、中国の野菜まんじゅうを持ち帰りアレンジしたものが由来と言われています。形や大きさが小判に似ているということで、当時は「銭福来(ぜにふらい)」と呼ばれていました。
そのぜにふらいがゼニーフライに変化し、現在のゼリーフライという名前に定着したことが由来です。ゼリーフライのゼリーの由来は、銭のことだったのです。ゼリーなのにプルンプルンのゼリーではなく、フライなのに揚げていない、いい意味で期待を裏切られる食べ物です。これからはゼリーフライって何、と聞かれたらどんなものか説明できますね。友人や家族に自信を持ってゼリーフライの由来について説明してあげましょう。
ゼリーフライで有名が行田が話題に
ゼリーフライで有名な行田が陸王の舞台に
ゼリーフライは埼玉県行田市のご当地グルメとして、市民のみぞ知るマイナーな存在でしたが、埼玉県生田市を舞台にしたドラマ「陸王」が放送されたことで一気に全国区になりました。陸王は池井戸潤の原作による埼玉県行田市にある老舗足袋業者「こはぜ屋」を舞台にしたストーリーです。日々、資金繰りに頭を抱える4代目社長の宮沢紘一は、会社存続のためにこれまで培った足袋製造の技術を活かしてある新規事業を思い立ちます。
それが、裸足感覚を追求したランニングシューズの開発です。世界的スポーツブランドとの熾烈な競争や資金難、素材探し、開発力不足という困難を乗り越えながら、地方の零細企業が伝統と情熱、仲間との強い結びつきで世界的メーカーにのし上がるまでのサクセスストーリーは胸がすかっとしたという人も多かったのではないでしょうか?この陸王のヒットで、埼玉県行田市が多くの人から注目を集めました。
もともと、ゼリーフライは昭和の初め、足袋製造工場で働く女工さんのおやつとして提供されていました。安く手に入ったおからを使うことと、油を敷いたフライパンで焼くことでカロリーアップするということで、足袋製造工場の女工さんのエネルギー源として好まれていたのだとか。陸王を見て埼玉県行田市を訪れ、ゼリーフライを求める人が急増したとのことです。ドラマに思いを馳せながらゼリーフライをいただくのも素敵です。
ゼリーフライのゆるキャラもある
地方といえば最近はゆるキャラ押しでイベントもたくさん行われています。埼玉県行田市にもゆるキャラは、ゼリーフライをモチーフにした「こぜにちゃん」と、フライをモチーフにした「フラべぇ」です。茶色いボディに大きな目、まさに気持ちがゆるゆるになってしまう力の抜けたキャラクラーです。ゼリーフライとフライを全国に広めるべく絶賛活動中とのことですので、あなたの街でも出会えることがあるかもしれません。
ゼリーフライが食べたい!
ゼリーフライの名前の由来や、内容についてわかったところで、実際にゼリーフライを食べてみたいと思った方もいるのではないでしょうか?ゼリーフライを中国から持ち帰ってきて最初に販売した元祖ゼリーフライのお店「一福茶屋」は、残念ながら現在閉店してしまいましたが、埼玉県行田市にはゼリーフライとフライを提供しているお店が市内に50店舗以上あります。
埼玉県行田市の行政でも、ご当地グルメとしてゼリーフライとフライ推しをしているので、行田名物フライ・ゼリーフライMAPも配られています。40店舗以上のゼリーフライとフライが食べられる有名店の情報が掲載されているので、MAPを片手に食べ比べをたのしんでみるのも楽しそうです。ここでは、ゼリーフライを提供している50店以上もの行田市のお店の中から特に人気の有名店を厳選して紹介します。
ゼリーフライの有名店:駒形屋
まず1店目は、昭和48年創業「駒形屋」です。メディアからの取材も多く、たびたびメディアにも登場する有名店です。これまで水城公園の売店であった店舗が、移転してリニューアルオープンしたので、店内はきれいで清潔感があります。こちらのお店はゼリーフライの元祖「一福茶屋」のゼリーフライの味に一番近いということで、お店にはゼリーフライを買い求めに来る人でいつも賑わっています。
リニューアルオープンに伴って、焼きそばや焼きうどんなどのメニューが追加されましたが、不動の人気NO.1メニューはなんといってもゼリーフライです。ほどよく狐色に上がった駒形屋のゼリーフライは、パリっとした薄皮に甘辛ソースがたっぷりと染み込み、しっかり味が特徴です。なかのおからとじゃがいもは、ねっとり、もちもちとしていて食感も抜群。店内でいただけるほか、テイクアウトして食べ歩きも可能です。
場所は埼玉県秩父鉄道行田市駅南口から歩いて15分です。バスでのアクセスは朝日バス成田停留所から徒歩1分。駐車場もお店をはさんで反対側にあるので、車で行っても大丈夫です。営業時間は10:00~17:00で、定休日は水曜日となっています。店内にはカウンターとテーブル席が用意されているので、ゼリーフライの食べ比べを楽しむもよし、焼きそばや焼きうどんと一緒に食事として楽しむもよし、好みでお楽しみください。
ゼリーフライの有名店:かねつき堂
行田でゼリーフライの有名店として知られているのが「かねつき堂」です。こちらでは、ゼリーフライと、フライの両方を提供しているので、観光で訪れた際も一度に両方食べられて便利です。メニューにはゼリーフライの由来などが詳しく書かれているので、待ち時間の間におさらいしておきましょう。かねつき堂のゼリーフライは、おから、じゃがいも、にんじん、細かく刻んだ長ネギをよく混ぜたタネとなっています。
かねつき堂のゼリーフライのソースの色は薄目で、あっさりとした味わいが特徴です。パン粉がついていないため、つるりとした外側に、しっとりもちもちの中の具のギャップがなんとも楽しいです。2個セットで200円で販売されているので、1個100円でこんなにボリューム満点のゼリーフライが食べられるとはコスパ抜群です。フライはそばとお肉入りでかなりの食べごたえがあり、こちらも大人気のメニューとなっています。
場所は秩父鉄道持田駅から徒歩15分、または行田市駅から徒歩15分となっています。バスで行く場合は熊谷駅から朝日バス忍城停留所で下車し徒歩3分です。忍城のすぐそばなので、観光がてら訪れるのもオススメです。駐車場も23台完備されています。営業時間は11:00~18:00、定休日は月曜日です。昭和の雰囲気漂うレトロな店内でゆっくりゼリーフライをいただけば、当時の賑わいを肌で感じることができるでしょう。
ゼリーフライの有名店:ときわ肉店
ゼリーフライの有名店3店舗目は、ときわ肉店です。肉店と名前についていますが、精肉店ではなく、食堂スタイルのお店になります。ゼリーフライの有名店だけあり、メニューはゼリーフライが中心です。ほかに、行田のご当地グルメであるフライは大中小と3サイズあり、焼きそばや、鶏皮味付き、メンチカツ、ハムカツなどが揃っているので、いろいろ組み合わせてみんなでシェアして食べるのも楽しそうです。
ときわ肉店のゼリーフライは、じゃがいもが際立ったゼリーフライです。マッシュポテトのようなほくほく感が強く、食べごたえがあるので、ひとつ食べるとお腹いっぱいになります。かぼちゃのゼリーフライや、チョコバナナのゼリーフライといったオリジナルメニューも展開しているので、気になる方はぜひお試しください。どちらもほっこりと甘い味わいで、デザートのような感覚でいただくことができます。
ときわ肉店はJR高崎線吹上駅から朝日バス前谷経由行田市駅もしくは行田車庫行きに乗って、忍城停留所を下車してすぐの場所にあります。駐車場も完備しているので、ドライブがてら訪れるのもよいでしょう。営業時間は11:00~18:30となっていますが、売り切れたりすると、早めに閉店する場合もあるようなので、早めの来店がおすすめです。月曜日が定休日となっているので、訪れる際は注意してください。
ゼリーフライの有名店:かどや豆腐店
ゼリーフライの有名店、かどや豆腐店は、豆腐店なだけあり、ゼリーフライの材料であるおからのおいしさが際立っています。豆腐屋さんならではのできたてのおからを使った本格派のゼリーフライがおいしいと評判です。ゼリーフライは揚げたてのものをパックにいれて販売してくれるので、晩ごはんのおかずに買っていく行田市民も多いのだそうです。古くから行田市民に愛されてきた地元密着型のお店です。
かどや豆腐店のゼリーフライは、少し薄めの小判型で、おからの配合量が多く感じられるため、あっさりと食べられます。できたてのおからを使っているため、舌触りもとてもなめらかで、1個と言わず2個、3個と食べる手が止まりません。具材にはおからのほかじゃがいもと、にんじん、細かく刻んだ長ネギが入っています。ノーマル味のほか、少しスパイシーなカレー味のゼリーフライもあるので、好みの合わせて選んでください。
場所は埼玉県行田市駅から、行田東方面に歩いて3分の場所にあります。一見普通の豆腐屋さんなので、通り過ぎないように注意が必要です。テイクアウト専門なので、店内にはテーブル等の用意がありません。営業時間は6:00~19:00です。さすが豆腐屋さんなだけあり朝が早いです。朝帰りのお父さんがお土産に買って帰るのもアリです。定休日は日曜日となっているので、訪れる際は平日、または土曜日に伺いましょう。
ゼリーフライの有名店:コーヒー苑
ゼリーフライは、埼玉県行田市をあげてのご当地グルメなので、コーヒーショップにもゼリーフライが用意されています。コーヒー苑は、昭和レトロな雰囲気が味わえる老舗の喫茶店で、地元の有名店として知られています。ゼリーフライと、フライの両方を提供していて、観光客には一度にふたつの味が楽しめるふらいセットが人気です。コーヒーをつけることができるので、淹れたてのおいしいコーヒーとのコラボを楽しみましょう。
コーヒー苑のゼリーフライは、丸いたまご型をしたノーマルなものと、たび型をしたものの2種類となっています。たび型は埼玉県行田市で盛んだった足袋をモチーフに作られたかわいらしい形が特徴です。1パック2個入りでお持ち帰りもできるので、おみやげに買っていくと喜ばれそうです。中身はじゃがいも、おから、にんじん、長ネギで、ソースがしっかりとついた濃い目の味付けがコーヒーとも抜群に合うと評判です。
場所は秩父鉄道行田市駅南口から徒歩8分のところにあります。お店の斜め前には6台分の駐車場があるので、車で訪れても安心です。営業時間は10:00~16:00、水曜日と木曜日が定休日となっています。店内にはソファー席の他、16席分の座席が用意されているので、グループでの来店もOKです。焼きそばやお好み焼き、たこ焼きなどのメニューもあるので、みんなでわいわいと取り分けながら食べるのも良さそうです。
ゼリーフライの有名店:じゃぱん亭
ゼリーフライの有名店、最後は埼玉県内に多店舗展開するお弁当チェーン「じゃぱん亭」です。じゃぱん亭の中でも行田門井店が特別メニューとしてゼリーフライの販売を行っているそうです。お弁当を注文しなくても、単品でゼリーフライの注文が可能です。店内にはイートインスペースがあるので、揚げたてのゼリーフライをいただくことができます。ジャぱん亭のゼリーフライは、じゃがいもがクリーミーなことが特徴です。
揚げたてあつあつのゼリーフライはまさに絶品です。ぜひ場でいただくことをおすすめします。場所はJR行田市からすぐ。9:30~20:00までいつでも揚げたてのゼリーフライを提供しています。作りたてのお弁当も美味しいと評判なので、お土産に一緒にいかがでしょうか?火曜日が定休日となっているので、訪問の際はご注意ください。
家庭でも作れるゼリーフライのレシピ
ゼリーフライは家庭でも簡単に作ることができます。作り方は20個分でじゃがいも300gをふかして潰しておきます。たまねぎ70g、にんじん60gはみじん切りにしておきます。おから340gはよくこね、空気を抜きます。おからにじゃがいも、にんじん、玉ねぎを加え、さらに小麦粉40g、卵1/2個、塩コショウ少々を加え、よく混ぜ合わせます。材料を小判型に整え、よく熱したフライパンに多めの油をしいて両面こんがりと焼きます。
ウスターソースと中濃ソースを6:4の割合でボールに入れ、その中に焼きたてのゼリーフライをさっとくぐらせたら完成です。お好みで玉ねぎを長ネギに変えるなどアレンジも可能です。今回は焼いたレシピを紹介しましたが、油で揚げることもできます。その場合は、小判型に整えた材料を160度の油でこんがりと揚げ、ソースにくぐらせて作ってください。
行田名物ゼリーフライを食べよう!
埼玉県行田市のご当地グルメ、ゼリーフライについて紹介してきましたが、いかがでしたか?最初ゼリーフライと聞いたとき、内容も由来も全くわからない食べ物でしたが、その昔は旅工場で働く女工さんのおやつとして始まり、今では赤ちゃんからお年寄りまで多くの人に愛される行田のソウルフードであることがわかりました。由来を知るうちになんだかとても身近に感じられます。
行田には古墳や忍城などの観光地も多数ありますし、都内からも車で約2時間とドライブがてら訪れやすい場所になっています。ゼリーフライを堪能しに、行田を訪れてはいかがでしょうか?作りたてアツアツのゼリーフライは絶品です。きっとゼリーフライのトリコになるに違いありません!