しょっつるとは秋田名物の『ハタハタ』を発酵させて作る魚醤です。魚醤というと東南アジアのナンプラーが一般的ですがナンプラーよりもコクがあり食べやすく色々な料理に使いやすい魚醤です。

しょっつるの使い方や詳しい説明はこちらに詳しく説明してありますので合わせてご覧ください。

しょっつる鍋とは秋田名物のハタハタで作った魚醤しょっつるで味付けしてハタハタをメインの食材としていろいろな白身魚と野菜をふんだんに使って作る鍋です。しょっつるとは『塩汁』や『は魚塩汁』と書かれることもあります。季節によって旬の魚や野菜を変えて楽しめるので秋田県民には昔から親しまれています。

しょっつる鍋の歴史ですが、昔『貝焼き』という料理が秋田県にはありました。ホタテなどの貝殻を鍋とし、そこにハタハタや野菜を入れでそのまま火にかけて楽しんでいました。味付けとしてしょっつるを加えたものが『しょっつる貝焼き』と呼ばれるようになりそこから『しょっつる鍋』が生まれたと言われています。
 

さっそくしょっつる鍋の基本的な作り方を紹介！

ハタハタ（旬の魚で白身魚のが良い）、貝類、季節の野菜や豆腐など、しょっつる、だし用昆布（5〜6センチ四方のものを1まい）を用意しましょう。

鍋に水200〜300mlと酒大さじ1を入れてだし用昆布と一緒に火にかけて沸騰させます。沸騰したら魚介類・根菜類など火の通りが悪いものから鍋にいれていきます。

食材にほどよく火が入ったらしょっつるを少しずつ加えていきます。こつはマメに味見をしてお好みの濃さを見つけていくことです。

しょっつる鍋で魚貝や野菜を楽しんだ後はぜひシメも堪能してください。しょっつる鍋にはいろいろなうまみが凝縮されているので鍋だけで終わりにしてしまうのはもったいないです！ですが、ついついお腹いっぱいになってしまうのが鍋料理です。そんなときはダシをとっておいて翌朝の朝食に使いましょう。ここからはまさに2度おいしいしょっつる鍋のシメを紹介します。

メインとしてもおいしいしょっつる鍋ですが酒のつまみとしてもおいしいしょっつる鍋。ついついお酒が進みすぎて翌日二日酔いなんてこともあります。そんなときこそ朝からしっかり食べてリフレッシュしましょう。そんなときにおすすめなのが雑炊です。

作り方はいたってシンプル。前日のしょっつる鍋のダシを温めている間にご飯（炊飯してあるもので冷凍でも可能）を水で洗ってぬめりを取っておきます。温まったダシにお米を入れて再び沸騰するまで温めたら溶き卵をいれて火を消し20〜30秒ほど放置します。そうすることでふんわり半熟卵の雑炊ができあがります。

ハタハタを鍋にいれてハタハタで作った魚醤で味付けをする秋田県の郷土料理『しょっつる鍋』そうなるとシメも秋田県の食材を使って秋田県のフルコースにしたいです。まだお腹に余裕があるようならば是非食べてもらいたいのがあきたむ秋田県名物の『稲庭うどん』です。

稲庭うどんは普通のうどんより細いのでゆで時間も少し短く食べやすいです。おすすめの作り方は稲庭うどんをしょっつる鍋とは別の鍋で普通に茹でて冷水で洗い表面のぬめりを取ります。そうしてから鍋に入れるのではなく鍋のダシを軽く煮詰めて、稲庭うどんをしょっつる鍋の熱々のダシに付けて食べるのがおすすめです。

しょっつるは特徴的な風味等から苦手な人もいます。そこでおすすめなのが鍋にしょっつるを味付けとして入れるのではなく、塩味ベースの鍋を作りそれをしょっつるにつけて食べる方法です。鍋のダシでお好みの濃さにしょっつるを調整してつけて食べれば一つの鍋で家族全員楽しめますししょっつるを食べたことがない人がいても気軽に楽しむことができるのでおすすめです。

基本的なしょっつる鍋を楽しんだらハタハタ意外の食材を使ったしょっつる鍋もおすすめです。

 

しょっつるはハタハタで作られているので基本的には白身魚との相性が抜群にいいです。季節によってタラやサンマのつみれなど食材で季節を感じるのも楽しみの一つです。

白身魚以外におすすめしたいのが貝類をふんだんに使ったしょっつる鍋です。もともと貝焼きから派生したといわれるしょっつる鍋なので貝類との相性は抜群です。カキやホタテなどお好みの貝類をふんだんに使って作れば貝好きにはたまらない一品になります。しょっつる自体にものすごいコクがあるので貝類から出るダシと合わされば日本酒などお酒との相性もばっちりです。

鍋となると大勢で囲むのが楽しみですが、一人暮らしの人にお勧めしたいのが『貝焼き』です。たまにスーパーなどで貝付きの大きめのホタテが売っているので、それを見つけたときにはぜひ貝焼きを楽しみましょう！貝殻は直火に強いので買ってきたホタテにお好みの野菜・魚類を乗せてベースとなるダシを加えて火にかけて最後にしょっつるをかければしょっつる貝焼きの出来上がりです。

貝殻は洗っておけば割れるまで使えますので保管しておけばいつでもしょっつる貝焼きを楽しむことができます。コンロの火からおろす際はかなり高温になっていますのでやけどには十分注意してください。

しょっつる鍋に欠かせないのはしょっつると呼ばれる魚醤ですが正直秋田県以外ではなかなか見つけることは難しいでしょう。そこでおすすめなのがここ最近デパートなどのでまめに行われている物産展で購入する方法です。しょっつるはもちろんしょっつる鍋に必要なハタハタなども購入できるので秋田県に行かなくても秋田県の味が楽しめます。

物産展はとても混み合いますのでそういうのが苦手な人におすすめなのがインターネット通販です。しょっつるを購入しても使いきれるか不安という人にはしょっつる鍋セットを購入してみてください。しょっつる鍋に必要な具材と作り方も書いてありもちろんしょっつるもついてきますのでしょっつるを十分に堪能できます。しょっつるの味がわかったら自分好みのしょっつるを探してみるのも楽しみの一つです。

あくまでもハタハタと野菜をしょっつるで味付けする作り方がしょっつる鍋ですが、しょっつるを手に入れたらやっていただきたいのが地元でよく獲れる地魚でしょっつる鍋を作ってみてください。市場などでその日獲れた新鮮な魚を使うことによってお住いの地域ならではのしょっつる鍋を楽しむことができます。

秋田県に行った際にはぜひ本場のしょっつる鍋を味わいたいです。そこでここからは秋田県でおすすめのしょっつる鍋が食べられるお店を紹介します。

観光の際にぜひ行きたいのがこちらの秋田川反漁屋酒場。しょっつる鍋のほかにもきりたんぽ、ハタハタなど秋田県の郷土料理をいちどに楽しめます。なお、毎週金曜日には秋田民謡も聞けるのでとても楽しめます。

続いて紹介するのが秋田駅から徒歩4分の和食神楽です。20種類以上の地酒、郷土料理があり季節の和食がお手軽に楽しめます。場所もホテルの1階ととても分かりやすいです。カウンターもあるので一人でも楽しむことができるので出張等で行った際にかるく引っ掛けるのもおすすめです。

秋田県以外からも多くの人が通うとっぴんぱらりのぷ利き酒師がいるこちらのお店は焚き火を使った郷土料理がおすすめで店内中央にある囲炉裏で丁寧に仕上げてくれます。目でも楽しめるのでグループでわいわい楽しむのもいいです。またいろいろな郷土料理と一緒に利き酒師にお願いして一番合う日本酒を選んでもらえるのもこのお店ならではの楽しみのひとつです。

しょっつる鍋を中心に紹介してきましたが、『しょっつる鍋』『しょっつる』『きりたんぽ』などなどまだまだ魅力がいっぱいの秋田県ですが、今回紹介したしょっつる鍋はぜひそれぞれの家庭で楽しんでもらいたい秋田料理のひとつです。しょっつる鍋に欠かせないしょっつるは使い慣れるとしょっつる鍋のほかにもいろいろな料理に使えてやみつきになります。

まずは近くのデパートなどで開催される物産展に遊び行きながら秋田県の魅力を堪能して是非一度秋田県に旅行に行って本場のしょっつる鍋を味わってみてください。そしてあなたならではのしょっつる鍋を見つけてください。