コストコが滋賀県栗東市への出店を断念？中止は決定？交通量が原因に？

滋賀県栗東市にコストコの出店が決まったという話題が出てから今年で早4年。出店予定地も決まり、後はオープンに向けて工事を進めて行くだけだと思われていたのですが、それから一向に話が進まなく成りました。そして遂に、滋賀県栗東市のコストコ出店計画そのものが中止と成ってしまったという一報が入ってきたのです。

出店計画が表沙汰と成って4年、オープン迄に時間が掛かるコストコとは言え、流石にこれだけの時間が有ればとっくにオープンしていなければおかしな話です。何故これだけの時間が掛かっているにも関わらずオープンしていないのかと言えば、実は何と出店計画自体がある理由から一向に進んでいなかったのです。
 

滋賀県にコストコを誘致しようという計画が持ち上がったのは2015年の事でした。JRA栗東トレーニングセンターを抱え、急速な発展を遂げている栗東市がこの計画の主導権を握る形で話が進められて行きました。そして実際に栗東市からコストコ側に出店誘致の打診を行い、リサーチの結果コストコ側もこの出店計画に賛同する意向を示したのです。

これによって滋賀県初のコストコの出店計画が決定したのです。後は出店予定地の地権者と交渉を行い、地域住民への賛同を得て、実際の工事へと取り掛かって行く筈だったのですが、ここに大きな落とし穴が待ち受けており、この時の栗東市はそれを知る由も無かったのです。

コストコが出店する筈だった予定地は滋賀県栗東市北中小路地先という地名のエリアで、守山市の古高工業団地に隣接した農地でした。つまり田んぼを更地にしてコストコを作るという大胆な計画だったのです。この計画は2018年に栗東市の市議会に置いて賛成多数で可決され、これにより滋賀県栗東市への誘致が正式に決定されたのです。

これを受けて栗東市は1300万円を掛けて、地域の交通や経済への影響調査を開始。後は段階を踏んで徐々に計画を実行に移して行くだけの筈でした。しかしこの調査によってある重大な懸念要因が見つかったのです。この出店予定地にコストコ出店を決定した以上、どうにかしてその対策を講じなければ成りませんでした。

栗東市はそれからも粘り強く可能性を追い求め続けましたが、どうしてもその懸案事項を解消することが出来ず、遂に誘致を断念。これで滋賀県初のコストコ出店の可能性は消えてしまったのです。一時はまだ復活の可能性も残されていると言われていましたが、やはりどうする事も出来なかった様で、泣く泣くこの話は流れる事に成ってしまったとか。

この話を積極的に進めていたのは栗東市ですが、滋賀県自体も非常に前向きであったと言われています。コストコが出来る事によって得られる経済効果は高く、栗東エリアに更なる発展が見込めるとの計算があった様です。しかしこれを成し遂げるためには大きなハードルを超えねば成らず、結果的には諦める形と成ってしまいました。

大きな期待を集めながらも出店中止と成ってしまった滋賀県栗東市へのコストコ誘致計画。滋賀県や栗東市が出店を断念せざるを得なかったその理由とは一体なんだったのでしょう？実はオープン予定地周辺には或る致命的な事情が存在していたのです。

コストコ滋賀栗東店の出店予定地が滋賀県栗東市北中小路地先に決まり、市は周辺の交通量調査等を行いました。そしてこの場所にコストコをオープンした場合の交通量予測を算出した結果、何と最大で1.7倍も交通量が増加する可能性がある事が分かったのです。

これは地域住民にとって大きな負担を強いる事に成ります。最大で360mの渋滞が発生する可能性があり、万が一その様な渋滞がピーク時に発生した場合、通勤通学にも大きな影響を与える事に成ります。加えて周辺には小学校も存在する為、児童が交通事故に遭う可能性も高まる事に成ります。

この状態でコストコの誘致を周辺住民が賛同出来る筈がありません。コストコをこの地にオープンさせるのであれば、これらの問題を解消することが大前提と成ります。この問題は栗東市や滋賀県は解決する事ができなかったのが誘致断念の最大の理由です。

栗東市と言えばJRAの栗東トレーニングセンターがある事で有名な街です。このトレセンは栗東市にとって最も大切な財源である事は言わずと知れた事です。このトレセンがあったからこそ今日の栗東市の発展が有ると言っても決して過言ではありません。そのトレセンがコストコの誘致を快く思っていなかったという説があるのです。

これは何故かと言うと、競走馬を運ぶ際には馬運車を使い、トレセンから高速道路を使って各競馬場へと移動します。この移動の際に渋滞が発生するのはトレセンにとって好ましい事では無いという事なのです。

ですが競走馬を輸送する場合、阪神や京都なら当日の朝3時には出発しますし、遠方への輸送の場合は前日には出発するので、正直JRA側がコストコの渋滞の影響を受ける事は極めて0に等しい筈です。それにどうやらこの話自体、何の正式なコメントも出ていない様ですから、流石にトレセンが反対したというのはデマの可能性が高そうです。

コストコの出店中止が決定した事自体は、この経緯からしてもやむを得ないモノだったと考えられます。コストコの誘致に成功した市町村は皆自治体側が積極的に誘致の協力を行ってきたと、コストコの社長がコメントを残しています。これだけ大きな商業施設をオープンさせるにはそれだけの苦労と根回しが必要なのでしょう。

今回栗東市は元より滋賀県も誘致に積極的に協力したのは間違いありません。然しながら地域住民の安全性や利便性を損なってまでコストコ誘致できないと判断したのは、ある意味良い選択だったのでは無いでしょうか？その土地で暮らす人が有ってこその街ですから、その人達を蔑ろにする訳には行きません。

実は以前にも一度滋賀県にコストコを誘致する計画が有りました。この時も滋賀県の中から栗東市が候補に上がりましたが、もう1つ竜王町が候補に上がっていたのです。結局この計画は中止となりましたが、この時決まっていればまた違った結果になった可能性があります。

ここには三井アウトレットパーク竜王がある為、うってつけの場所と言えるのですが、結果的にこの話は立ち消えとなり、その数年後に再度栗東市への誘致で挑む事と成りました。埼玉県入間市のコストコ入間店と三井アウトレットパーク入間の様に、隣同士にコストコとアウトレットパークが並ぶ形には出来なかったのかも知れません。

滋賀県の地元住民は、この度のコストコ誘致中止決定について非常に残念がっているという印象です。ただ、その中でもやはり理由が理由だけに致し方無いと納得している方が多数いらっしゃいました。

では最後に栗東市から行ける近場のコストコ2店舗の情報を紹介しておきましょう。今後場所を変えて新たに滋賀県に誘致の話が持ち上がる可能性もあるので、それまでの間はこの2店舗のコストコに足を伸ばして待つことに致しましょう。

京都唯一のコストコである京都八幡店。2023年頃に城陽市内にアウトレットがオープンし、その近辺にコストコが移転するという噂も有るようですが、今のところは何事もなく営業中です。

コストコ京都八幡店は第二京阪道路の八幡東IC出口からやや暫くの所に御座います。場所的には京都というよりもほぼ大阪府枚方市に近いと言った立地です。国道1号からは八幡洞ヶ峠交差点を左折し、約1.6km程走った左側に御座います。

2015年11月20日にオープンした、岐阜県唯一のコストコである岐阜羽島店。こちらも駐車可能台数900台を数える大型店舗です。週末はいつも多くの買い物客によって溢れかえっています。

名神高速岐阜羽島ICで降りて直ぐの信号を直進すると、やがて直ぐの所に見えてきます。車でのアクセスは非常に便が良い場所にあると言えるでしょう。

今回はコストコの滋賀県栗東市への誘致が中止になった件についてまとめてみました。残念なことに今回の誘致は中止と成ってしまいましたが、きっといつかは滋賀県にもコストコがオープンする日が来るはずです。期待が大きかっただけに今回は落胆された方も多いとは思いますが、取り敢えず今はその日が来る事を信じて待ち続けましょう。