ブダイとはどんな魚?味の特徴や食べ方について徹底調査!

ブダイとはどんな魚?なのでしょうか。名前からすると、鯛の仲間かとも思えます。このあまりなじみのないブダイを、この記事では徹底調査してみます。ブダイの氏素性から始めて、生態やさばき方、刺身などの食べ方や味、あるいは値段のほどなど、詳しく調べていきます。また、ブダイの仲間であるアオブダイやナンヨウブダイなどについては、食中毒の心配もあって注意を払わねばならないようです。

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目次

  1. 1ブダイの特徴や食べ方が知りたい!
  2. 2ブダイとはどんな魚?
  3. 3ブダイの種類と旬の時期
  4. 4ブダイのさばき方
  5. 5ブダイの食べ方
  6. 6ブダイの注意点と保存方法
  7. 7ブダイは食べ方次第で美味しく食べられる!

ブダイの特徴や食べ方が知りたい!

あまりポピュラーとは言えない、「ブダイ」の特徴や食べ方などを探ってみます。鯛というのだから、鯛の仲間かと言えばそうでもないようです。ブダイはスズキ目ベラ亜目ブダイ科で、マダイはスズキ目スズキ亜目マダイ科なので、学問的な分類は異なります。

そんなブダイの特徴である、生態や旬の時期、さばき方や刺身などの食べ方、値段や味、アオブダイやナンヨウブダイなど沢山の種類や、ブダイで死者が出たとの報道もあった食中毒の注意点などを、この記事では詳しく紹介していきます。

ブダイとはどんな魚?

ブダイの体長は45cm前後になります。体型はやや側扁していて、目が小さくウロコが大きいのが特徴です。ブダイの歯は完全に癒合せず、見た目は乱杭歯になっています。ブダイは見た目には美形とは言い難い魚ですが、ブダイは、この歯で死サンゴを摂食することによって、サンゴの死滅と再生のサイクルに深く関与しているのも特徴です。
 

生態

ブダイの生態のうち生息域は、日本列島の中部以南の海域に生息します。生態としては、ブダイは浅い岩礁やサンゴ礁を好み、世界中のいたる所に分布しています。夏には石灰藻や甲殻類、底生動物を食べ、冬には海藻を主に食べています。

この生態の特徴が、夏場のブダイが磯臭いとして嫌われ、冬場のブダイには臭みがなく脂ものっていると、歓迎される理由ともなっています。ブダイの生態としては、夏が産卵期となります。

また、ブダイは性転換をする魚という生態をもっています。子供の頃には雄で、そのまま雄として成熟する「一次雄」という生態と、子供の頃には雌で、大きくなって雄に性転換する「二次雄」という生態があります。

名前の由来と味の特徴

ブダイという名前の由来はというと、いろいろ考えられます。まず、ブダイに漢字を当ててみると、鎧を身につけた武骨な武士のように見えるところから「武鯛」、ひらひらと舞うように泳ぐところから「舞鯛」、マダイなどと比べて容姿が劣るところから「醜鯛」とか「不鯛」などと言われています。また、地方による異名はたくさん付いています。

ブダイの味の特徴としては、生態のせいで夏場のものは磯臭さがあり、これに対して冬場のものは脂がのっていてハリがあります。白身はわずかに赤身がかっていて、水分が多いほうである。煮込むと良質の出汁がよく出ることと、ゼラチン質が多くて冷めると煮凝りとなります。

食中毒の心配のために、怖いイメージが先行していますが、アオブダイやナンヨウブダイでなければ、それほど恐れることはありません。ブダイの刺身は、歯ごたえがあって、弾力のある刺身を楽しみたい方にはうってつけです。

値段

日本近海においても南の温暖な海域に多く分布しているために、九州や沖縄の人々にはなじみのあるブダイですが、全国的には市場に出回ることもなく、ポピュラーであるとは言えません。ブダイの値段は、活魚である程度大きめのものは高い値段が付くこともありますが、通常は他の魚を釣る際の外道扱いされて、安い値段が一般的です。

ただ、旬の季節になる冬場には、ブダイの値段も比較的に高めとなります。いずれにしても、ブダイを中部以北の一般の人が目にしたり、食べたりする機会はそれほど多くはありません。

ブダイの種類と旬の時期

ブダイは温暖な海域には、世界中に分布していて、日本近海で36種類、世界中では100種類ものブダイが生息しています。そんなブダイの種類のうち、アオブダイとナンヨウブダイなどや、ブダイの旬の時期を紹介します。

アオブダイ

「アオブダイ」は体調が1mにも及ぶような、ブダイの中では大きめの種類になります。アオブダイは鮮やかな青色をしていて、見た目からアオブダイは食用に向かない気がします。けれども、沖縄などではアオブダイがふつうに市場にあって、ふつうに食卓に上がっています。値段も高価なものではありません。

アオブダイの食べ方は、刺身で食べたり、「マース」という塩煮、あるいは揚げ物、汁物などで広く食べられています。淡白な甘みのアオブダイですが、刺身などで食べる場合には、人によって強いクセを感じるようです。皮を外したりするなどの下処理に気をつけるのが良いでしょう。

アオブダイは沖縄の一般家庭だけでなく、料理店で値段的にもふつうにメニューに載っている魚です。沖縄ではアオブダイは実にポピュラーな値段の魚です。しかし、アオブダイには注意しなければならない、食中毒を引き起こす強い毒があります。

食物連鎖によって、アオブダイに蓄積されたパリトキシンは、ふぐ毒の70倍ともいわれる強力な毒性をもっています。パリトキシンは加熱しても毒性は分解されません。しかし、パリトキシンはアオブダイに元々そなわっている毒ではないので、アオブダイの内臓を食べなければ、食中毒の危険性はきわめて少ないものとなります。

ナンヨウブダイ

「ナンヨウブダイ」の分布や生態は、ブダイの仲間で沖縄以南の熱帯に多い種類です。ナンヨウブダイは、老化してくると頭部がこぶ状に隆起してきます。ナンヨウブダイの特徴は、口や鰓から粘液状の分泌物を出して、ゼリー状の寝袋で身を包んで眠ります。ナンヨウブダイの体長は、70cm前後になります。

ナンヨウブダイは、沖縄では値段的に高級魚の部類に入っています。ナンヨウブダイの値段は、2,000円/1kgくらいしています。食べ方は、一般のブダイと同様で、刺身や加熱して鍋物、煮物、焼物などで食べられています。沖縄ではナンヨウブダイの刺身は、皮を付けたまま松皮造りにして食べる、食べ方が沖縄流のようです。

ナンヨウブダイの身やアラからは、絶品の出汁が取れますから、加熱して食べる場合には、出汁も活かす方法をおすすめします。また、ナンヨウブダイにもアオブダイ同様に食中毒の注意が必要です。内蔵類は外して食べる食べ方が無難になります。

旬の時期

アオブダイやナンヨウブダイなどブダイの種類は、いろいろありますがブダイの旬はやはり冬場です。摂取するエサの関係で、海藻を主なエサとするようになる、冬場のブダイは気になるクセもやわらいで、身もしまり加減で美味しい味となります。特に、刺身で味わうのなら、値段的の少し高くなりますが冬場がおすすめになります。

Thumbアオブダイは毒がある?部位や毒の種類/一般的な食べ方とは? | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

ブダイのさばき方

ブダイのさばき方を紹介します。鱗取りや内臓の取り除きまでの下処理や、三枚おろしや骨抜きまでを詳しく解説します。注意すべきさばき方の、ポイントなども併せて紹介します。

鱗取りから内臓を取り除くまで

ブダイのさばき方です。初めにするさばき方の作業は、ブダイの大きな鱗を取り除きます。鱗取りで尾から頭に掛けてしっかり取り除きます。一通り取り除いたら、後は包丁の刃先をすべらせて丁寧に鱗を引きます。次のさばき方は、ブダイの頭と内臓を外します。ブダイの胸びれと腹びれが頭の側に付くように包丁を斜めに入れます。

ブダイを裏返して同じように切れ目を入れて、中骨を断って頭を切り落とします。肛門の部分から包丁で切り開いて、頭と内臓を一緒に引っ張り出します。残ったブダイの身の中骨のところにある血合い部分を、包丁の先でこそげ取ります。

ブダイの汚れや鱗、血合いなどを、冷水で洗い流してから、キッチンペーパーで水気をよくふき取っておきます。ブダイの頭を使用するさばき方の場合は、頭と内臓を切り分けて、内臓だけを処理します。これで、鱗取りから内臓の取り除きまでの、さばき方が完成です。

三枚おろしにして骨を除去

きれいに下処理のさばき方を終えたブダイは、三枚におろして骨を取り除きます。ブダイの尾を左にして、腹側から中骨に沿って包丁を入れるさばき方です。つづいて、ブダイを半回転させて背からも中骨に沿って包丁を入れます。もう一度戻して、腹から包丁を中骨に沿って関節を切り進めて切り離します。ブダイの下身ができました。

ブダイを裏返して、同じさばき方の作業を繰り返したら、上身もできて三枚おろしのさばき方の完成です。後は、包丁を寝かせるようにして腹骨をすき取ったら、中骨に沿って小骨を抜き取ります。ここで注意したいのは、刺身として食べるさばき方の場合に、皮をすき取るか、あるいは沖縄風に皮を残して松皮造りにするかです。

ブダイにかぎらず、魚の旨味は皮と身の間の部分にあることを忘れないで、さばき方を選択してください。

ポイント

ブダイのさばき方のポイントとしては、アオブダイやナンヨウブダイでなくても、内臓は基本的に取り除いて、食用にしないほうがよいかと思います。食中毒の恐れは内臓にあるわけですから、これから食べることになるブダイに、食物連鎖によるパリトキシンが蓄積されているかどうかを、可視化できない以上は、取り除いて食べないことが一番です。

また、さばき方の中で頭を取り除きました。その頭の部分を食べるために「ナシ割り」と言って、真っ二つに割ることをしますが、家庭の包丁でこれをしないように注意してください。ブダイの歯は特に硬いですから、包丁が欠けるだけでなく、ケガをする恐れも十分にあります。

ブダイの食べ方

ブダイの味を活かす食べ方を紹介します。刺身や昆布〆などの生食から、唐揚げや吸い物、しゃぶしゃぶといった加熱料理までを紹介していきます。

刺身や昆布〆

ブダイの食べ方で注意したいのは、ブダイの皮を引いてシンプルに味わう「刺身」や、「昆布〆」てブダイのクセを和らげる食べ方、あるいは沖縄流の皮を引かないで、「松皮造り」にするのもおすすめです。冬場のブダイの淡白な甘味を、いろいろな食べ方で味わうのも楽しみになります。

唐揚げ

ブダイの食べ方で、おすすめなのが「唐揚げ」です。ブダイの頭やカマ、腹骨の部分を食べやすい大きさに切って、少し濃いめの味付けをするのがポイントになります。片栗粉の衣をつけて二度揚げすることで、骨の部分も食べることができます。この際に、頭を割る時は前章で述べた注意をよく守るようにしてください。

吸い物やしゃぶしゃぶ

ブダイの良質な出汁が採れる長所を活かして、おすすめなのが「ブダイの潮汁」です。ブダイのアラを湯通しして流水でよく汚れやぬめりを落として、よく水気をふき取ってから、昆布と一緒に酒と塩だけで味を付けます。薬味には青いものと粒胡椒が適します。

潮汁ばかりでなく、ブダイから出る旨い出汁は、鍋や煮付け、味噌汁、まーす煮などの料理を一ランクも二ランクも引き上げてくれます。

ブダイの注意点と保存方法

ブダイを扱うときの注意点と保存方法を紹介します。恐い食中毒の対策のためにも、内臓には特に注意が必要です。ブダイの保存方法も併せて紹介しておきます。

食中毒は大丈夫?

ブダイでなくても魚を扱う際には、食中毒に対する注意がことのほか大切になります。まして、アオブダイやナンヨウブダイのもつ、パリトキシンの強い毒性については何度も述べてきましたが、ふつうのブダイであっても、食中毒を引き起こす要因は、取り除いておくことが必要です。

内臓に要注意

アオブダイやナンヨウブダイが、人を死に至らしめるような猛毒をもつ恐い魚であると分かりましたが、食物連鎖によってその猛毒が蓄積されたというメカニズムを考慮すると、同じ食性をもつふつうのブダイにはその恐れがないと言い切れない気もします。そこまでの恐れがないとしても、それ以外の食中毒の恐れは常に付きまとっています。

したがって、ブダイにかぎらず魚の内臓はきれいに取り除いた上で、食べないことが最善と言えます。魚で一番に腐敗しやすいのも内蔵であるし、ウイルスや細菌が潜んでいるのも可能性は内臓が一番です。内蔵には要注意が必要です。

保存方法

ブダイの保存方法は、特に他の魚と異なる点はありません。ブダイの内臓と鰓、鱗を外します。前章で述べたように、ウイルスや細菌あるいは腐敗が始まるのは、それらからです。したがって、冷蔵であれ冷凍であれ保存にかける前に、それらを除去するのは大前提になります。

内蔵等を除いた後、ブダイを真水で洗ってよく水気をふき取ってから、密閉袋に入れて保存にかけます。なお、魚に付着している菌は真水に弱いことと、魚に水分が残っていることも腐敗進行を早める原因となるからです。また、これとはまったく別の方法としては、ブダイを干物にしてしまう保存方法もあります。

ブダイは食べ方次第で美味しく食べられる!

恐い食中毒問題もあって、少々腰が引けていましたが、ブダイをよく探ってみたら、ブダイの特徴も分かってきました。ブダイの美味しい食べ方なども紹介しました。この記事を参考にしていただけたら、ブダイは食べ方次第で美味しいく食べられる!

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