2018年06月15日公開
2024年07月18日更新
乳飲料とはどういう飲料水?牛乳・加工乳の違いも詳しく解説!
乳飲料とはどんなものか知っていますか?乳成分が入った飲み物とは想像がつくと思いますが、詳しくは理解していない人も多くいます。牛乳と加工乳、そして乳飲料はスーパーなどのショーケースの同じ棚に並んでいることもあります。色々な種類もあり、成分の違いや味や風味が違う乳製品になります。今回は、そんな牛乳や加工乳、乳飲料の違いを調査しました。違いを知れば、買い物に行った時に悩まなくて済むようになります。今回の記事を参考にしてください。
目次
乳飲料ってどんなもの?
スーパーマーケットの冷蔵ケースには、紙パックに入った牛乳や牛乳を使った飲み物が並んでいます。各メーカーで種類も多く販売されていますが、パッケージをパッと見ただけではどれが牛乳でどれが乳飲料なのかの違いが分かりづらく何を買えばいいのか、どう違うのか迷ってしまうこともあるでしょう。今回はそんな、牛乳と乳飲料の違いを調査します。どんな種類の乳飲料があるか参考にしてください。
「牛乳」「加工乳」「乳飲料」の種類がある
乳成分が入った飲み物では、大きく分けて「牛乳」「加工乳」「乳飲料」にと3種類に分けられます。パッケージの表示を見ると種類別名称のところに記載されています。生乳をどれだけ使っているか、乳脂肪分の割合によって分類されています。牛乳は生乳から成分を減らしたものに対し、加工乳、乳飲料は生乳や牛乳が原料の乳製品に、もともと含まれていない成分を加えたものです。
牛乳とは?
牛乳の分類の中でも、「牛乳(種類別牛乳)」「特別牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」「成分調整牛乳」と5種類に分けられます。牛乳と名称につけていいのは、原材料が生乳100%のものに限ります。その中でも「牛乳」は搾った生乳を加熱殺菌だけしたものです。無脂乳固形分8.0%以上、乳脂肪分3.0%以上という規定はありますが、基本的に何も足したり除去しない、無調整のものです。
無調整の牛乳でも、「特別牛乳」とは優れた飼育環境や特別な牛乳処理施設があり、特別牛乳さく取処理業の許可を受けた施設でのみ製造できます。現在日本全国で4ヶ所と限られた施設でのみ製造できる、特別な牛乳です。無脂乳固形分8.5%以上、乳脂肪分3.3%以上が規定なので、通常の牛乳より脂肪分も多く濃厚な牛乳です。生産地が限られているため、販売量も少なくその名の通り特別な牛乳と言えます。
調整牛乳は、生乳から脂肪分などを減らし成分を調整したものです。乳脂肪の量の違いで3種類に分けられます。「成分調整牛乳」生乳から乳脂肪分や水分、ミネラル分を除いたもの、「低脂肪牛乳」は乳脂肪分が0.5~1.5%になるように除去して殺菌したもの、「無脂肪牛乳」は0.5%未満とほとんどの乳脂肪分を除去してから殺菌したものです。どれも無脂乳固形分8.0%以上あることという規定は同じです。
牛乳はカルシウムが豊富で、成長期の子供や骨粗しょう症を気にする人などにおすすめの食品です。カルシウム以外にも三大栄養素と言われるたんぱく質、脂質、炭水化物や、ビタミン類、ミネラルもバランスよく含まれているので、栄養食品としての価値も高いものです。スーパーやコンビニなど、どこでもすぐに購入でき、更に手ごろな価格で手に入る身近な食品です。そのまま飲むことも、料理などに使うこともよくあります。
加工乳とは?
加工乳は生乳や牛乳から作られたものです。全粉乳、脱脂粉乳など乳等省令で定められた11の乳製品も使うことができます。乳脂肪分の量の規定はないので嗜好に合わせて様々なタイプのものが市販されれています。加工乳は、乳製品の成分のみを追加するので、牛乳との違いが分かりづらいものもあります。価格も牛乳より安価なものが多いので、普段飲んでいたものが、ラベルを見てみると実は加工乳だったということもあります。
加工乳は原材料名のところに「生乳〇〇%以上」と表記していることがよくあります。生乳の割合は決まっていないので、加工乳は原料が生乳100%でなくてもいいので、生乳100%の牛乳と比べると割合が少なく感じるかもしれませんが、味的に薄いわけではありません。むしろ特濃などの濃厚なものもは脱脂粉乳やクリームなどの決められた乳製品でコクなどを足しているので、乳成分が濃いものもあります。
ビール、発泡酒に続きビール風味の新ジャンルアルコール飲料を第三のビールという表現をするのに似せて、加工乳は牛乳、成分調整牛乳に続く「第三の牛乳」と言われることもあります。成分的には違っていても、味わいや香りは牛乳にほぼ近く、パッケージ的にも牛乳と加工乳で見分けがつきにくいものもあります。
乳飲料とは?
乳飲料も、加工乳と同じように生乳や牛乳に他のものを追加したものです。乳製品の成分のみ追加したものが加工乳で、それ以外のものを追加したものは乳飲料と言われます。果汁やコーヒーなどを加えた嗜好性の高いドリンクタイプのものはこれにあたります。加える成分が様々なので味や風味も様々なものがあります。牛乳のテイストを残して栄養を足したものは白物乳飲料、味や風味を足したものは色物乳飲料と呼ばれます。
牛乳・加工乳・乳飲料の見分け方
牛乳や加工乳、乳飲料の多くは500mlや1Lサイズの紙パックに入って販売されています。パッケージデザインだけではすぐに見分けがつかないようなものもあります。よく見ると、製品名の近くに四角で囲った種類別と書いたマークと共に牛乳、低脂肪牛乳・無脂肪牛乳・成分調整牛乳・加工乳・乳飲料と記載が必ずあります。
製品の表面に書いてある種類の表記や商品名は、各メーカーで文字の大きさや位置がバラバラなのでパッケージの表面から見て分かりづらい場合もあります。そんな時には紙パックの側面を確認しましょう。製品の内容について書かれていて、そこには必ず「種類別名称」の欄があり、牛乳、低脂肪牛乳・無脂肪牛乳・成分調整牛乳・加工乳・乳飲料の種類を記載しています。
生乳100%を使って加熱殺菌した牛乳は、500ml以上の紙パックに限りますが上部に、半円形にへこんだ状態の「切欠き」と言う印があります。紙パックの開け口の反対側に切欠きマークがあるということで、目の不自由な人でもちゃんと牛乳を見分け、しかも開け口を間違わないようになっています。目が不自由な人以外でも、このマークを知っていると、ぱっと見ただけで牛乳を見分けることが出来るので便利です。
牛乳代わりに乳飲料を使ってもいい?
生乳にカルシウムやビタミン類、鉄分などを追加した牛乳のような乳飲料も多く販売されています。乳飲料の方が価格的に安価なものも多く、更に期待する栄養成分が多く入っているものなら牛乳代わりになる気もします。栄養をプラスしている乳飲料は基本的には牛乳を主体にしている物が多いので、単純にそのまま飲む飲み物として牛乳の代わりにするのはいいと思われます。
出典: https://latte.la
ホットケーキなどの正確に分量を合わせて作る必要もないお菓子などなら特に問題はないでしょう。様々な成分を追加されていることもあり、料理やお菓子などを作る時に利用すると添加された成分と反応したりしてうまくでき上がらない場合もあります。固める系のお菓子に使う場合は「必ず牛乳を使用してください」と記載のあることもあります。
牛乳のたんぱく質や乳脂肪分の配合次第で出来上がりを左右するレシピのものなら、ちゃんと牛乳と表示されている、成分を調整していない牛乳を使った方が、仕上がりが安定します。自家製で牛乳からヨーグルトを作っている場合は、成分を調整していない牛乳を使った方がいいでしょう。発酵の元になる乳糖が少ない乳飲料だと出来上がりがトロッと薄い感じになることもあります。
乳飲料の栄養
乳飲料は、牛乳や乳製品が含まれていますが比率は特に規定がないので、製品ごとに栄養素もかなり変わってきます。カルシウムや鉄分を多くした製品も多いので、必要とする成分が入っている商品を選ぶとよいでしょう。生乳100%の牛乳に比べると、乳飲料はどうしてもたんぱく質が少ないものが多くなります。カロリーは乳脂肪分の比率でかなり変わるのでカロリーを気にする人は低脂肪タイプを選びましょう。
乳飲料はバリエーション豊富
乳製品を原料にして、成分を追加したものを乳飲料と呼ぶので、味付けや風味も様々なものにすることができ、バリエーションが豊富になります。乳飲料は乳固形分(牛乳中の水分を除いた成分)が3.0%以上であればいいので、生乳や乳製品に様々な栄養素をプラスしたものも、甘さや果汁をプラスして飲みやすくしたもの、牛乳を飲むとゴロゴロしてしまう原因となる乳糖をカットしたものもあります。
栄養を添加した乳飲料
乳飲料と言えば、乳製品の入った飲み物というイメージなので甘いものがそうと思われがちですが、栄養分を追加した牛乳のようなものも乳飲料です。牛乳のようなパッケージでもカルシウムや鉄分が多いと記載されているものは、色や香りはほぼ牛乳と同じで、味わいも牛乳からあまり違いが出ないように調整してるものが多く、見た目が白い牛乳のようなので「白物乳飲料」とも言われています。
嗜好性の高いドリンクタイプの乳飲料
果汁やコーヒーなどの味や風味が付いたものは、見た目から牛乳とは全く違うので牛乳と間違えて購入するということはほとんどないと言っていいでしょう。商品のパッケージも嗜好品のドリンクとしてデザインしているものがほとんどです。見た目を良くするために、着色されているものも多いので「色物乳飲料」と言われています。
栄養成分を追加した白物乳飲料と違い、嗜好性が高い飲み物として作られ甘みがかなり強く入っているものが多いので、飲みすぎには注意が必要です。乳飲料と言われていますが、牛乳や牛乳を原料とした乳製品が入っていて乳固形分3.0%以上あればいいので、乳製品の比率が少ない場合も多くあります。栄養を摂るために牛乳を飲む感覚で、色物乳飲料を飲むのは控えた方がいいでしょう。
乳糖分解タイプの乳飲料
牛乳を飲むとアレルギーではないのに、お腹がゴロゴロするという人も多くいます。日本人を含むアジア人には、乳製品に含まれる乳糖を分解する能力が少ない乳糖不耐症という症状で、お腹がゴロゴロしてしまう人が多くいます。その原因となる乳糖を分解して、成分を減らした乳飲料も各社から販売されています。おなかの調子が悪くなるので牛乳を飲むのをためらう人にはおすすめの乳飲料になります。
乳飲料のものは「牛乳」と名付けられない
昔は「コーヒー牛乳」や「いちご牛乳」と表示されたものが規定に則り、表示され販売されていました。ですが、2003年改定された飲用乳の表示に関する公正競争規約によって、現在では生乳100%のものにしか牛乳という表示をすることができなくなったので、「〇〇牛乳」という名称すらも付けることができなくなっています。パッケージに牛乳と表記されているものは生乳に何も足していないものだけになります。
コーヒー風味の乳飲料
フランス語でカフェはコーヒー、レは牛乳という意味なので、コーヒー牛乳と指す言葉として「カフェ・オ・レ」言われることもあります。牛乳という表記はだめでもカフェオレという表記は使えるので、コーヒーの味や風味を付けた乳飲料は、カフェオレやカフェラテと言ったカタカナ表記になっているものが増えました。パッケージもコーヒーと牛乳がデザインされていたりと、コーヒー牛乳を想像できるようになっています。
コーヒー牛乳風味の飲み物は名称のところを見ると、実は「コーヒー」や「コーヒー飲料」「清涼飲料水」と表記されているものあり、乳飲料という表記以外のものもあります。その違いは何で変わるのでしょうか?乳固形分が3.0%以上でないと乳飲料と表記することができません。乳類は食品衛生法でも基準が厳しく、乳飲料を製造販売するとなると、乳製品の製造許可や販売の営業許可も必要となります。
乳成分が入っていても乳製品が3.0%以下のものになれば基準が変わるため乳飲料とならず販売されることになります。コーヒー牛乳とひと口に言っても、コーヒーの量の違いでも名称の表記が変わるため様々になります。コーヒー成分が5g以上入っていればコーヒー、2.5g~5gならコーヒー飲料、1g~2.5gならコーヒー入り清涼飲料、1g以下なら清涼飲料水となります。
フルーツ風味の乳飲料
子供にも人気の牛乳に果汁を混ぜた、フルーツ牛乳も〇〇牛乳と表記できません。カフェオレと同じように、「いちごオレ」や「バナナオレ」などとカタカナ表記のものが多くなっています。牛乳ではなく「いちごミルク」などとミルクでの表記もあります。どの製品にしてもパッケージで分かりやすく、フルーツ果汁と牛乳が混ざっていることが分かりやすいデザインになっています。
乳飲料の特性を知って飲むようにしよう
見た目であまり違いが分からない、牛乳と加工乳と乳飲料、きちんと違いを知っていればお店で迷うことなく自分の必要なものを購入することができます。生乳100%でなく色々なものを添加しているから、乳飲料はよくないということではなく、自分に必要な栄養や味のものを飲むことができるものです。きちんと違いを知って乳飲料を選ぶ基準にしてください。