ワラサのさばき方を丁寧解説!刺身など食べ方とサワラ・ブリとの違いも!
ワラサという魚は他の魚ともなかなか混同しがちなものですが、刺身として食べるとかなり美味だと言われています。そのためにぜひワラサのさばき方を知り、新鮮な刺身として楽しみたいですが、よく混同しがちなサワラやブリなどとの違いも気になるものです。今回は、そんなワラサのさばき方を丁寧に解説するとともに、他の魚との違い、刺身の食べ方や刺身以外のおすすめの食べ方についても詳しくみていきます。
目次
ワラサは程よい脂のりで刺身が美味しい魚
ワラサという魚はなんとなくその名前を聞いたことがあるという人もいるかもしれませんが、実は刺身にするとかなり美味しいと言われています。ワラサはちょうどよい脂のりがあってしつこくない味わいとなっており、絶品の刺身に病みつきになる人も少なくありません。そして、刺身以外でもさまざまなアレンジレシピで楽しめるようです。
そんなワラサはさばき方をしっかりとマスターしてぜひシンプルな刺身やその他の凝った料理で堪能したいものです。ワラサをさばいたことがない人はなかなかさばくのが難しいという場合もあると思いますが、ぜひ今回紹介するさばき方を参考に美味しい刺身を作るだけでなく、気になるサワラやブリとの違いについても理解を深めてみてください。
ワラサとは?
刺身にしても美味しいと言われることのあるワラサですが、そもそもワラサとはどのような魚なのでしょうか?実はワラサとはスズキ目アジ科ブリ属に分類される魚のひとつの呼び名であり、主に太平洋などに生息する回遊魚の一種となっています。食性は肉食であり、大型のものはかなり丸く肥えるようですが、成長すると呼び名が変わるようです。
そしてワラサが成長した状態こそが馴染み深いブリと呼ばれるものであり、ワラサはブリのように大きく成長する前の状態を指すということがわかります。このように成長につれて呼び名が変わる魚は出世魚とも呼ばれていますが、ワラサもブリもそれぞれのよさがあり刺身でもかなり美味しいようです。
ワラサはブリ同様に刺身でも美味しいということで、ぜひそのさばき方を覚えて新鮮な刺身で堪能したいものです。また、ブリとワラサではその味わいに若干の違いもあるため、その違いを把握しておくとより楽しみ方が広がることでしょう。
そんなワラサのさばき方は3枚おろしまでの流れをおさえておけばかなり簡単ですが、慣れるまではやや大変かもしれません。しかし、基本的にはブリと同じさばき方になるため、ワラサで慣れておけばブリも同じようなさばき方で楽しめることでしょう。
そんなワラサは刺身以外でも楽しむことができますが、サワラなど他の魚と混同されることもあるので注意が必要です。ワラサのさばき方や他の魚との違い、さらにはワラサの旬などもしっかり理解しておけば、ワラサを特に美味しい状態で楽しむことができるので、ぜひワラサの気になる疑問点を掘り下げていきましょう。
ワラサのさばき方を丁寧に解説!
ワラサは名前が似ていることでサワラと混同されがちな魚ですが、実はブリの出世魚でありブリに成長する前の状態のようです。そのためブリほどこってりした脂のりというわけではなくほどよい刺身を楽しむことができますが、そんな刺身を最高の状態で堪能するためにはぜひそのさばき方の手順や具体的なポイントをチェックしておきましょう。
ワラサのさばき方をマスターして刺身にしよう
ワラサはブリの出世魚の一種ですが、決してブリにその食味で劣るというわけではありません。むしろブリに比べて食べやすいという人も多く、さっぱりとした仕上がりで楽しめる魚のようですが、実にさまざまな食べ方で堪能できるという特徴があります。ワラサはマリネにしても美味しいですし、照り焼きなどにしてもかなり美味のようです。
しかし、ワラサを初めて食べるというのであれば、やはり一度は絶品の刺身で楽しみたいものです。特に旬の時期のワラサは、脂のりもちょうどよい上にブリとはまた違った風味を楽しめるのでかなり評判がよいようです。そんなワラサの刺身は、さばき方によっても味わいに差が出てしまうので、やはり適切なさばき方で楽しみたいものです。
ワラサの刺身は適切な方法でさばくことで、ひとつひとつを綺麗な状態に保ち見た目も味も抜群な状態で堪能することができるでしょう。また、ワラサはブリの出世魚ということでそのさばき方を覚えておけば、ブリなどにも応用できそうです。もちろんブリよりも基本的にサイズは小柄なため、初心者にとってはブリよりもさばきやすいかもしれません。
ワラサのさばき方1:頭部と内臓を除去
ワラサは刺身にするためにはまず3枚おろしにする必要があります。そしてそのためにはまずしっかりと下処理をすることが重要となりますから、さばき方のはじめの手順としてはまずその頭部と内臓を除去しましょう。胸ビレの後ろに包丁を入れる場合には、中骨までで包丁を止め、反対側からも包丁を入れて頭部を切り離すのがポイントです。
一方の側から包丁を深く入れて中骨まで断ってしまうと、内臓を中途半端に切ってしまうことになるので、注意しましょう。それから頭部を切り落として内臓全体を一気に引っ張り出して取り除きましょう。それから内臓があった部位周辺の血合いを綺麗に取り除くことが肝要です。こうすることでワラサの質をしっかりと保つことができます。
一方で、えら蓋に沿うようにして包丁を入れて胸ビレについたカマの可食部を残すという頭の切り落とし方もあります。これは素頭落としと呼ばれるさばき方ですが、カマなどを煮付けにして楽しむ場合にはこのさばき方がおすすめかもしれません。いずれにしても、刺身にするのは3枚おろしにする身の部分ですから、ここからがより重要となります。
ワラサのさばき方2:3枚おろし
ワラサはブリとはまた違った風味の刺身を楽しむことができますが、ワラサの刺身をさばく際には頭と内臓を取り除いた後でいよいよ腹を割り、3枚おろしにしていきます。3枚おろしの状態にしておけば、そこから刺身にできるのはもちろん他のさまざまな料理に活用しやすいですし、この状態で冷凍保存しておくことも可能なので便利なようです。
内臓と頭を除去したワラサの身に対して、切れ目を入れていきます。まずは背びれ側を頭の部分から尾びれに向かって包丁を入れていきます。中骨に包丁が当たる感覚をしっかりと認識しながら、丁寧に包丁をすべらせていきましょう。決して焦る必要はありませんから、初めてワラサをさばくという人ほどこの過程を丁寧に行いましょう。
それから身を反転させて尾びれから腹側を割いていきます。こちらも背中側同様に焦らずに中骨をしっかりと感じ取りながら丁寧に包丁の刃を動かしていくのがポイントとなります。それからいよいよ身を切り離す作業となりますが、中骨についている身を丁寧に引き剥がすようにして切り取ります。ここでも、慎重に徐々に刃を進めていきます。
一面の身が切り取れたら逆側の身も同じようにして切り離します。こうすることで片身が2枚、中骨1枚の3枚おろしの状態が完成します。ここまでがまず基本的なワラサのさばき方となりますから、まずはここまでをマスターすることが重要です。それから、身を傷つけないように身と皮の間に包丁を入れて、皮を丁寧に引いてしまいましょう。
ワラサのさばき方3:平造りにする
皮を引いたワラサは、身の中央を走る血合い骨を取り除きます。片身を背側、血合い、腹側の3つに分かれるように血合いの骨を切り取りましょう。こうしてワラサを刺身に切り分けやすいサクの状態にします。ワラサもブリにかなり近く大きな状態にまで成長していることがありますが、その場合は血合い骨をとった状態からさらにカットします。
サクの状態にしたワラサは、断面の高さがある方を向こう側に置き、皮目を上にします。それから、まずは右端を斜めに切り取りましょう。それからまっすぐになった身をできるだけ直角に刃を下ろすように均等な大きさにカットしていきます。包丁の刃を根元から入れて刃先まで包丁全体を使うようにして刺身にカットするのがポイントとなります。
包丁を入れるときには根元から入れ、そして身をサクから切り離すときには刃先を使用するというのがワラサの刺身の切り方のポイントとなります。そして包丁がまな板に当たってから身を右側に倒すようにして送っていきます。こうすることで後で皿に盛り付けるときに綺麗に盛り付けやすい状態にしておくことができるので、おすすめです。
このさばき方がワラサの平造りであり、とにかくできるだけ均一な大きさに身を切り分けていくのがポイントだと言えます。それから皿に盛り付けるときには大根のつまを敷き、そこに5貫ほどずつ並べて大葉を背もたれのようにして敷いていくのがポイントです。こうすることで、初心者でも見栄えのよいワラサの刺身を作ることができるでしょう。
ワラサを刺身にするときは寄生虫に注意?
お伝えしたようなさばき方で初心者でも美味しいワラサの刺身を楽しむことができますが、ワラサを刺身にする上ではいくつかの注意点もあるので覚えておきたいものです。ワラサに限らずブリなどの他の魚にも言えることですが、刺身で食べる場合には寄生虫の可能性が高くなるので注意が必要だと言え、適切に処理する必要があるでしょう。
ブリやワラサなどにはブリ糸状虫と呼ばれる寄生虫や、アニサキスなどの寄生虫が寄生する可能性が高いようです。ブリ糸状虫は文字通りブリなどの類の魚に寄生することの多い糸状の虫であり、その細長いミミズのような体形が特徴となっています。そして魚の血を吸って成長し、大きいものであれば50cmほどにまでなることもあります。
そんなブリ糸状虫は人には寄生しないと言われているので、間違った食べてしまったとしても健康被害はあまりないとも言われていますが、特に血合い付近に寄生することが多いので見つけた場合には包丁などでピックアップして捨てるのがポイントです。また、ブリ糸状虫は養殖物にはあまりつかず、天然物の方につく傾向にあるようです。
一方で他の魚につくことが多いアニサキスは魚の死後に内臓から筋肉の方へと移動し、ブリ糸状虫よりも小柄だとされています。そして食中毒を引き起こす原因になりますが、加熱調理や冷凍などによって被害を防ぐことができます。また、アニサキスはワラサやブリよりもむしろサバやアジなどに寄生しやすいので、合わせて注意しておきましょう。
ワラサのおすすめの食べ方を紹介
ここまでワラサを刺身で楽しむ際の具体的なさばき方をチェックしてきました。ワラサはサワラやブリと混同されることもある魚ですが、ブリとはその風味に違いがありワラサの刺身の方が好きだという人も少なくありません。さらに、刺身をそのまま食べるだけでなく混ぜ寿司にして食べたり照り焼きにしたりするのも美味しいと評判になっています。
ワラサの程よい脂のりは刺身で味わおう
ワラサの食べ方には実にさまざまなものがあるため、それぞれ状況や好みに合わせて色々な食べ方で試してみるのがおすすめだと言えます。そんなワラサを刺身で楽しむ場合には、特に新鮮で脂ののりがよいものを選ぶのがおすすめとなります。ワラサの脂のりはブリほどしつこくなく適度なため、女性でも好きだという人は多いようです。
ワラサはブリとはその大きさや旬に違いがありますが、もちろん風味には似ている点もあります。しかし基本的にブリよりも脂のりが少なく適度であり、さっぱりとした風味を楽しむことができます。特にワラサの刺身は醤油だけでもかなり美味しく食べることのでき、旬でフレッシュな状態のワラサは特に刺身として優秀な魚だと言えるでしょう。
もちろん、好みに合わせてわさびや生姜などの薬味を加えて楽しむのもおすすめとなります。薬味が加わることでやや引き締まった味を楽しむことができるのでよりおすすめですが、ポン酢などで酸味を加えて楽しむのもアリです。あるいは、すだちなどを数滴絞って食べると、より爽やかでクールな印象のワラサの刺身を楽しむことができそうです。
そんなワラサの刺身は、できるだけ均等にカットして食べるというのがポイントになります。ブリに比べるとややサイズが小柄なためにワラサはブリに比べると初心者でもさばきやすいと言われていますが、できるだけ均等な大きさに切り綺麗に盛り付けると、味が美味しいのはもちろんのこと見栄えもよいので専門店風に楽しめそうです。
ワラサの刺身を使った混ぜ寿司
ワラサはサワラやブリなどとの違いも気になる魚ですが、刺身でも十分に美味しく楽しむことができるので、ぜひそのさばき方をしっかりとマスターしておきたいものです。そんなワラサの刺身はもちろんそのまま食べても美味しいのは間違いないのですが、刺身を活用してご飯とともに混ぜ寿司として食べるのもかなり美味しいと評判のようです。
混ぜ寿司であれば、通常の寿司のように綺麗に握る必要がないのでかなりおすすめだと言えます。まずはご飯をやや硬めに炊き上げましょう。それから、生姜のガリと大葉をかなり細かめにみじん切りにします。それから、ガリの漬け汁・酢・砂糖で作った寿司酢をご飯にかけ、酢飯を作ります。そこに白ごまとガリ、大葉を加えましょう。
そしてしゃもじで切るようにして熱をとります。そしてワラサの刺身を小さくカットします。サイコロ状にカットしてもよいですし、自分が食べやすいくらいの大きさに薄くスライスしてもよいでしょう。そしてワラサも酢飯に混ぜ、よくかき混ぜましょう。それから自分の食べる分を茶碗に盛り付け、それから醤油で味付けを行います。
最後にわさびと刻み海苔をトッピングしたら、完成となります。ワラサの混ぜ寿司はワラサを新鮮な刺身の状態で楽しむことができる上に手間もそこまでかからないので、かなりおすすめの料理のひとつだと言えます。刺身をそのままの状態で堪能するのもアリですが、ご飯と一緒に食べるという場合にはぜひ酢飯と合わせてみてはいかがでしょうか?
和風の定番メニューワラサの照り焼き
続いて紹介するワラサを使った定番メニューは、照り焼きです。ワラサは刺身でもかなり美味しいのは間違いありませんが、ブリと同じく照り焼きにしても間違いなく美味しく楽しむことができます。ワラサを照り焼きにする際には皮引きを行う必要がなく、皮をついたままみりんと醤油ベースの甘めの味付けで初心者でも美味しく作ることができます。
ワラサは3枚おろしにした状態でまずしっかりと水気を拭き取っておきましょう。それから、ワラサに片栗粉を薄くまぶしていきます。あくまで薄めにまぶすだけでよく、表面がみえなくなるほど浸す必要はありません。それから、フライパンにサラダ油を入れてまずは片面を、ほどよい焼き色がつくまで中火程度で焼いていきましょう。
それからワラサを裏返し、酒を入れてから蓋をして蒸し焼きにします。裏返した面もしっかりと焼かれ身が柔らかくなったら、ここで照り焼きのたれを投入します。照り焼きのたれは醤油・みりんを1:1で混ぜ合わせたものに、酒を適量入れ、砂糖は好みの甘さに仕上げるために自分の分量で加え、それをフライパンに流し入れてワラサに絡めます。
その状態でややタレを煮詰めるような形で加熱をしたら、ワラサの照り焼きの完成となります。ワラサの照り焼きはブリの照り焼き同様にご飯に合うこと間違いなしの定番のおかずとして楽しむことができますから、ワラサの刺身以外の定番の料理として、ぜひ一度は味わいたいものです。みりんと醤油を使えば間違いのない定番の味付けとなります。
洋風にアレンジしたワラサのマリネグリル
ワラサはサワラと混同しないように注意する必要がある魚だと言えますが、そんなワラサを使用したおすすめのレシピとしては、マリネグリルも挙げられます。マリネグリルはオリーブオイルにワラサを漬け込んだ上で焼き上げるので、特徴的な風味になり美味しいと評判です。まずはワラサににんにくをよくすり込み、オリーブオイルを浸しましょう。
一緒にパプリカなどの野菜も漬け込んでおいて、あとで野菜を蒸し焼きにするのもアリですし、ワラサと一緒にホイル焼きにしてしまうのもよさそうです。ワラサをオリーブオイルに漬け込んでおく時間はできれば2〜3時間と長めにとるのがおすすめとなります。それから、魚焼きグリルでワラサを焼くか、オーブンでホイル焼きにしてしまいましょう。
オリーブオイルにローズマリーなども合わせて漬け込んでおけば、ハーブ特有の香りがつくのでさらにおすすめですが、この辺は自分の好みに合わせてアレンジするのがよいでしょう。最後に上から刻んだ玉ねぎなどをまぶしてポン酢などで食べてもよいですし、塩胡椒でシンプルに食べるのもおすすめです。洋風のワラサも、かなり美味なことでしょう。
カリカリで美味しいワラサの竜田揚げ
ワラサは洋風のマリネグリルにしてもかなり美味しいものですが、揚げ物にするとまた食感が異なるので美味しいものです。ワラサは刺身や焼き魚にしてもその風味をダイレクトに楽しめますが、あまり質がよくないものでも竜田揚げにすれば安心して食べることができます。ワラサの竜田揚げは、ビールのお供として最高の組み合わせでしょう。
ワラサは切り身の状態にしてから、3等分ほどに切り分けるのが望ましいでしょう。その状態でにんにく・生姜・醤油・酒の調味料に漬け込んでおきましょう。大体1〜2時間ほど漬け込んでおくとしっかりと味が染み込むことでしょう。それから片栗粉を全体にまぶした状態で、揚げていきます。色がキツネ色に変わるまで、しっかりと揚げましょう。
適度にひっくり返しながら全体が均一に加熱されるようにするのがポイントとなります。揚げ終わったものはバットに移して余分な油を切り、千切りキャベツやレタスなどの野菜とともに皿に盛り付けて完成となります。塩味が足りないというときには塩をかけても美味しいですが、レモンを絞って爽やかに楽しむのもかなり美味しいことでしょう。
ワラサとサワラやブリの違いを知ろう
お伝えしたようにワラサは刺身以外にも実にさまざまな食べ方で楽しむことができるのでおすすめですが、そんなワラサに関してはサワラやブリなどとの違いも把握しておきたいものです。ワラサは名前が似ているサワラに混同されがちですが、同じ種類の魚だとされるブリとの違いを知らない人も多いですから、ぜひ理解を深めてみてください。
ワラサと名前が似ているサワラについて
ワラサとよく混同されがちな魚のひとつとしてはまず、サワラが挙げられます。ただし、ワラサとサワラはただ名前が似ているというだけで、実は全く異なる魚のようです。サワラは鰆とも書き春が旬のように思えて実は冬が旬だというトリッキーな魚ですが、スズキ目アジ科に分類される魚であり、ワラサとはまた違った風味を楽しめるようです。
出典: http://umai.fish
その見た目は身がふっくらと丸みを帯びるブリやワラサに比べるとかなり細長い見た目をしており、博多や長崎などで主に水揚げされています。そしてトローリングや定置網などで漁獲されることが多く、旬の時期であれば刺身でも美味しく食べることができますが、サワラを使った定番料理といえばやはり西京味噌を使った西京焼きでしょう。
そんなサワラは最大で115cmほどの個体が確認されているようですが、サワラは出世魚の一種であり60cm以上のものサワラと呼ぶようです。サワラに成長する前の状態ではサゴシやナギなどと呼ばれています。ワラサも出世魚の一種であるために、サワラとワラサを混同してしまうというケースもありますが、実際にはかなりの違いがあります。
しかし、あまりその違いを知らない人にとっては刺身などで出された状態ではあまり違いがわからないかもしれません。ただ、ワラサとサワラはその見た目は一目瞭然で違いがあるため、それぞれの外見的な特徴をチェックしておけばすぐにワラサとサワラを見分けられることでしょう。それほどサワラとワラサには外見的な違いが見受けられます。
ワラサとサワラの違いは一目瞭然
ワラサとサワラの違いは一目瞭然だと言われていますが、お伝えしたようにサワラはかなり細長い体形をしている魚です。一方のワラサはブリの見た目ほど丸みを帯びたり大きかったりするわけではありませんが、比較的ふっくらとした見た目をしています。このように、ワラサとサワラはその体の作りに明らかな違いがあるので見分けやすいです。
ただし、出世魚としてどちらも60cm以上のものが呼称を与えられるため、大きさだけでは大体同じくらいの大きさだと思ってしまうケースも少なくないかもしれません。しかしたとえ同じくらいの大きさだとしても、細長いのがサワラでありふっくらと丸みを帯びているのがワラサだと覚えておくと、名前が似ていても混同することはなさそうです。
そんなワラサとサワラはそもそも種類も違う魚であり、ちょっとした見分け方のコツを覚えてしまえば簡単に見分けることができるかもしれません。ただし、ワラサとブリのように名前にはかなり違いがあっても、同じ種類の魚こそなかなか見分けるのが難しいかもしれません。しかし、ワラサとブリにも決定的な違いがあるので、チェックしましょう。
ワラサとブリは大きさで名前が違う同じ魚
お伝えしたようにワラサは出世魚ですが、ワラサがより成長したものがブリと呼ばれるようになります。つまりワラサとブリは全く同じ種類に分類される魚であり、成長して大きさが変わることで呼び名が変わるというタイプの魚のようです。ブリに成長する前の呼び名は地域によってかなり差がありますが、ワラサと呼ばない地域もあります。
ただし、多くの地域で共通して80cm以上の大きな個体はブリと呼ばれるものであり、その前の段階である60〜80cmの状態がワラサと呼ばれているようです。しかしこのワラサという呼び名は基本的に関東地方での呼び名であり、北陸地方ではワラサにあたる魚をガンド、関西地方ではメジロと呼ぶなど、地域によって呼び名には違いがあります。
ちなみに関東地方でのワラサになる前に小さな状態の魚は、稚魚をモジャコ、35cm以下をワカシ、60cm以下をイナダと呼ぶようです。このようにワラサ・ブリというのは出世魚であり、基本的には同じ種類の魚です。そしてその大きさによる呼び名は地域によって変わりますが、どの地域でもブリの方が大きいものを指すことは変わらないのです。
成長するにつれて呼び名に変化があるワラサとブリですが、ブリの方が大きいことでその旬の時期や実際に刺身で食べるときの味などにも違いがあります。ワラサの方が小柄ではありますが、ブリよりも身に余分な脂身がなく食べやすいと言われることもあり、その味わいに関しては好みが分かれるものですが、食べ比べるのも面白そうです。
ワラサとブリは旬の時期が違う?
ワラサとブリはまずそのサイズが違うという特徴がありますが、ワラサが成長して大きくなった状態がブリと呼ばれるということで、その旬の時期にも違いがあります。ブリといえば寒ブリと呼ばれて冬のものが特に脂身がのって美味しい状態だと言われていますが、ワラサの旬はブリよりも早く初夏から秋にかけてが特に美味しい旬のようです。
旬の時期のワラサはブリほどではありませんが、脂身がしっかりとのって美味しく、刺身にしてもかなり美味だと言われることが多いです。一方でブリは寒ブリなどと呼ばれる冬の旬のものであれば特に脂身が豊富であり、ワラサに比べるとより濃厚な味わいになっていることでしょう。そのため、ワラサよりも食べ応えがあるかもしれません。
一方でワラサは旬の状態でもブリに比べるとさっぱりとしているため、マグロのトロなどが苦手だという人やあまり脂っこいものは食べたくないという女性の方により人気だとも言われています。このように、ワラサとブリには味に違いがありますから、ぜひどちらも旬の時期に一度堪能して、その味を比較してみるのも面白いかもしれません。
また、冬の寒ブリは刺身にしてももちろん美味しいですが、やはり寒い冬ということで鍋などに入れたくなってしまうものです。一方のワラサは夏に最も美味しい状態で楽しむことができるので、刺身などにしてビールと合わせて食べるのが最高かもしれません。このように、楽しみ方によってはワラサは決してブリに劣っているわけではないのです。
ワラサとブリは刺身にしても味が違う
お伝えしたように初夏以降が旬となるワラサに対して、ブリは冬のものが特に美味しく、寒ブリと呼ばれる特に脂がのった状態のものにはさまざまなブランドが誕生しているようです。そんなワラサとブリはどちらも旬の時期の新鮮なものであれば刺身にして楽しむことができますが、ワラサとブリの刺身ではかなり味わいに違いがありそうです。
ブリの刺身は口に入れた瞬間にとろけるような脂身の質感を楽しむことができ、マグロの中とろなどにも似たような質感になっていると言えます。一方のワラサは、ブリに比べてやや脂身が少なく引き締まっているために、ブリに比べるとより歯ごたえがありますが余分な脂身がないために後味はかなりスッキリしている味わいだと言えるでしょう。
このようにワラサとブリの刺身にはかなり味わいに違いがあるため、それぞれ魅力があると言えます。そして人それぞれ好みは分かれるものですが、同じ魚でも成長することで味わいに変化が出てその変化をも楽しむことができるのは、出世魚ならではの楽しみ方だと言えるでしょう。ぜひ、ワラサとブリの刺身を食べ比べてみたいものです。
ワラサはブリの出世魚!味の違いを堪能してみよう
今回は、ワラサという魚について掘り下げてきましたが、いかがでしたでしょうか?紹介したワラサのさばき方をマスターしておけば美味しい刺身でワラサを楽しむことができるのでおすすめですが、ワラサは刺身以外にも照り焼きや竜田揚げなどさまざまな方法で堪能することができるため、ぜひ自分好みの楽しみ方を見つけてみてください。
出典: http://tj-web.jp
また、ワラサはサワラやブリなど他の魚と混同してしまうことも多いものですが、サワラとはまるで異なる魚であり、ブリは同じ種類の出世魚ですがブリの方がより大きく成長した状態を指すようです。このような違いも含めて刺身などを食べ比べればより奥深い世界を味わうことができますから、いろいろな方法でワラサを堪能していきましょう。