わらびのあく抜き方法を小麦粉・重曹別に紹介!栄養や美味しい食べ方も!

代表的山菜の一つであるわらびは、春になると旬を迎え美味しく食べられる時期を迎えます。一見難しそうなわらびのあく抜きですが、きちんと知れば簡単にあく抜きをすることができます。またおいしいわらびの選び方や食べ方を知れば、さらにおいしくわらびを堪能できます。今回はわらびの小麦粉や重曹を使った簡単なあく抜き方法から、わらびの栄養成分と効能、長持ちする保存方法、おいしく食べられる選び方や食べ方などを詳しく紹介していきます。

わらびのあく抜き方法を小麦粉・重曹別に紹介!栄養や美味しい食べ方も!のイメージ

目次

  1. 1わらびは毒性を持っているためあく抜きが必要!
  2. 2わらびの小麦粉を使用したあく抜き方法
  3. 3わらびの重曹を使用したあく抜き方法
  4. 4わらびの栄養成分を見てみよう
  5. 5わらびの保存方法や美味しい食べ方レシピ
  6. 6わらびはしっかりあく抜きをして春の味覚を楽しもう!

わらびは毒性を持っているためあく抜きが必要!

わらびとは?

わらびはコバノイシカグマ科のシダ植物で、草原、谷地、原野などの日当たりのよいところに群生している山菜です。茎は地下を横に這っており、葉は冬には枯れて春に新芽を出します。成長すると50cmから1mくらいの背丈になり、葉は羽状複葉で、小葉にはつやがなく全体に黄緑色をしていてやや硬めです。春から初夏には若芽を採取して、スプラウトとして食用にし、根茎から取れるデンプンでワラビ粉を作ることができます。

わらびは全国に自生しており、若芽を山菜として食用にします。栽培物の生産量では山形が一番多く、次いで新潟、青森となっています。他にも東北が多く上位に入り、わらびは東北でよく栽培されている山菜です。わらびは山菜の中でも一番知名度が高いですが、近年ではわらびの採取も難しくなってきており、あく抜きが面倒なことから敬遠されがちですが、煮付けや煮物、炊き込みご飯などおいしい食べ方がたくさんあります。

わらびの旬の時期はいつ?

わらびはフキと並んで採取期間が比較的長い山菜で、全国で採れるため地方により時期に差があります。わらびの旬の時期は、3月中旬には九州、4月中旬から5月の連休辺りには本州で旬となり、6月初旬頃になると東北など北の地方で旬を迎えます。

わらびは森の中ではなく、比較的日当たりの良い雑木林の縁や草原に生えています。手入れされていない茶畑などは、わらびの生える場所になっていることが多いです。また前の年に生えていたワラビの枯れた葉がたくさん残っているような場所の下には、わらびがたくさん生えていることが多いです。採取するのは、先が丸くて開いていないものにします。根元から手で折りますが、ポキッと折れるところから採取するのがおすすめです。

美味しいわらびの選び方

美味しいわらびの選び方でもっとも重要な選び方は、新鮮なものであるほど産毛がたくさんついているので産毛をチェックします。また茎が太く短いもの首がまだ上を向く前くらいのものがやわらかくておいしい選び方です。栽培物の選び方は30cmくらいのものがよく、茎の部分が緑色のものを選びます。

他の部分での選び方では、葉先が開いていなくて巻きがしっかりしているものが良質です。きちんとした選び方で選んでも、鮮度が落ちてくると茶色っぽく変色するので注意が必要です。地域によって旬の時期が違うので、その地域の旬の時期のわらびを選ぶのもおすすめの選び方です。

わらびはあく抜きをしないと食べられない

わらびには強いあくが含まれているので、生でそのまま食べると中毒を起こしてしまいます。十分にあくを抜いてから調理する必要があります。あく抜きは、一般的に重曹や小麦粉、木炭を使用します。茹ですぎると歯触りがなくなってズルズルした感じになってしまうので注意が必要です。またわらびは時間が経つと硬くなってしまうため、出来れば採ったその日のうちにあく抜きをしましょう。

あく抜きとは、食材を水に浸して渋みや苦みなど食べるのには邪魔な成分を抜くことをいいます。植物の場合は、水溶性の栄養分や風味が抜け出てしまわないように、短時間であく抜きする必要があります。あくを抜きやすくするため、水に浸す前に熱湯でゆでて組織を軟化させたり、重曹や小麦粉を溶かしてアルカリ性にした水を使ったりします。

わらびの小麦粉を使用したあく抜き方法

わらびは時間が経つ硬くなるので、できれば採ったその日のうちにあく抜きをするのが美味しい食べ方です。わらびは重曹であく抜きをする方法が一般的ですが、重曹がないときは小麦粉を使用してあく抜きすることができます。小麦粉であくを抜く方法のほうが短時間にあく抜きできます。わらびの小麦粉を使用したあく抜き方法の材料と手順は以下の通りです。

  • わらび100~200g
  • 水1リットル
  • 小麦粉大さじ4
  • 塩小さじ2

  1. 鍋に水を入れ、塩と小麦粉を加えてよく混ぜてから沸騰させます。
  2. 沸騰した湯の中にわらびを入れて、再び沸きあがったら弱火で3分間煮ます。
  3. 煮たわらびを取り出して、流水で10分間ほどさらしたら出来上がりです。

試しに少し食べてみて、苦みや渋みを感じず舌がビリビリしなければ大丈夫です。流水10分で足りなければ1時間水にさらしておいてもいいです。出来上がりは青々としてシャキッとおいしそうなわらびになります。

わらびのあく抜きで小麦粉を使うメリット

小麦粉を使用すると、水の中でコロイド粒子に変わった小麦粉が、わらびから出たあくをどんどん吸収してくれるので、短時間であく抜きすることができます。

わらびの重曹を使用したあく抜き方法

わらびのあく抜き方法は、昔から重曹を使用したあく抜き方法が一般的です。一晩漬け置くので時間はかかりますが、重曹の量を調整して好みの苦みと食感を調整しやすいあく抜き方法です。重曹を使用したあく抜き方法の材料と手順は以下の通りです。

  • わらび500gほど
  • 水1リットル
  • 重曹小さじ1~2杯(水の1%以下の量にします)

  1. お好みでわらびの根元の硬い部分と、開きすぎた頭の部分を取り除きます。
  2. わらびを水洗いし、大きめの鍋に水を入れて火にかけます。
  3. 沸騰したら重曹を入れます。
  4. 火を止めて、粗熱を取ります。
  5. わらびが全部湯につかるように入れます。
  6. そのまま一晩(半日程度)入れておきますが、できれば1時間おきにわらびのやわらかさを確認すると失敗しにくいです。
  7. わらびが好みのやわらかさになったら、鍋から取り出して流水で水洗いをしたら出来上がりです。

重曹を使用したあく抜き方法で注意すること

重曹を使用したあく抜き方法で失敗しやすいのは、ぐつぐつ煮立った熱いところにわらびを入れて長時間煮てしまったり、重曹を入れすぎてしまったりすることです。お湯が熱すぎるとわらびが溶けてしまって食感を損なうことがあります。あくがきちんと抜けたかどうかは、ぬめりとネバリで判断します。うまくあくが抜けていれば切り口がトロっとしており、またシャキッとした独特の食感を味わえます。

あく抜きを失敗した場合の対処法

まだ苦みやエグみが残っている場合は、やわらかい場合は何回か水を交換しながら1日つけておくとあくが抜けます。やわらかい場合にまた重曹を使うと、わらびが溶けてしまうので注意が必要です。まだやわらかくない場合は、90度くらいの熱湯にさっとつけて、1日水にさらしておくとある程度あくが抜けます。

もう一度あく抜きをする時間がないときやちょっと面倒なときは、あくが気になりにくい調理方法で食べる食べ方もあります。わらびを天ぷらにすると、サクッとした食感と油の香ばしさであくが気にならなくなります。また肉と一緒に甘辛く煮付けるのも、あくが気にならないおいしい食べ方です。

わらびの栄養成分を見てみよう

ダイエット効果の期待できるビタミンB2

わらびにはビタミンB2の栄養素が多く含まれており、体内で炭水化物や脂質、たんぱく質の三大栄養素の代謝を促進する効果があります。特に脂質の分解に特化していて、ダイエット効果を期待する人にはおすすめの栄養です。また発育のビタミンとも呼ばれて、子供の成長にも欠かせない栄養です。他にも貧血対策に貢献する葉酸や二日酔い予防のナイアシンといったビタミンB群も含まれています。

便秘解消の効果のある食物繊維

わらびには食物繊維の栄養素も多く含まれ、特に不溶性食物繊維の割合が多く、食物繊維は体内で糖の吸収を抑える効果があります。血糖値の急激な上昇を防ぐので、糖尿病の予防にもつながります。また水分を含むことで腸の蠕動運動を促し、便秘解消効果もあります。わらびと一緒に水溶性食物繊維である海藻などを一緒に摂取すると、より効果が上がります。

老化防止や血行促進に繋がるビタミンE

わらびにはビタミンEの栄養素が豊富に含まれており、活性酸素を抑えて体内の不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きがあります。動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防にも役に立ち、抗酸化作用により老化防止の効果が期待できる栄養素です。末梢血管を開いて全身の血行促進の効果があるので、肩こりや腰痛の緩和の効能があります。血行を良くするので肌の血色を良くする作用もあります。

視力回復を改善するβ-カロテン

わらびを食べることで、β-カロテンという栄養素も摂取することができます。この栄養素は体内の活性酸素を強力に抑える働きがあり、アンチエイジング効果が期待できる栄養です。また免疫力を高めてくれる効果もあります。一部が体内でビタミンAに変換されるので、視力のアップやドライアイ、夜盲症などを改善する効能も期待できます。皮膚や粘膜を正常に保つ効果もあり、ビタミンB群などと一緒に働くことでより効果的です。

わらびの保存方法や美味しい食べ方レシピ

わらびの正しい保存方法

わらびはアクが強く、鮮度も落ちやすいので生のまま保存するのは難しいものです。わらびの保存方法は、なるべく早くあく抜きをして、水に浸したまま冷蔵庫に入れておき、水は毎日変えておきます。この保存方法では2~3日の保存が目安です。また水気を切って保存袋などに入れて冷凍しておく保存方法もあります。長期の保存方法は、塩漬けや干物にしたり、味噌や粕で漬け込む保存方法もあります。

天日干しによる保存方法では、あく抜きをしたわらびをザルに広げ、日当たりと風通しがよいところに干します。雨の日は家の中に入れます。時々上下を入れ替えるように返しながら数日干すと、水分がなくなり乾いて黒っぽく縮んだわらびになります。太さが残っているとまだ水分が残っているので、さらに乾燥させます。両手で手のひらをこすり合わせるようにわらびをヨリ、柔らかく仕上げます。

完全に干しあがると黒いひものような状態になり、頭の葉が丸くなった部分は取れてしまい茎だけになります。乾燥させたわらびは、使う前に水に浸して戻してから使います。

定番のわらび料理「煮浸し」

わらびにはいろんな食べ方がありますが、定番のわらび料理といえばわらびを煮て味を付けて食べる方法の「煮浸し」です。濃いめの味付けにすれば保存も効き常備菜にもなります。短い期間で食べ切る場合は、めんつゆで味をつけてもOKです。材料と調理方法は以下の通りです。

  • あく抜きわらび350g
  • 濃口しょうゆ50cc
  • 薄口しょうゆ50cc
  • 酒50cc
  • みりん50cc

  1. あくを取ったわらびを小さく切ります。
  2. 調味料はあらかじめ計量して鍋に入れておきます。
  3. わらびを鍋に入れて火をかけます。沸騰するまでは強火にします。
  4. ひと煮立ちしたら火を弱めて、1~2分コトコト煮ます。火はすぐ通るので煮すぎないようにします。
  5. 保存容器に移して冷まします。この時点でわらびがしなったような感じになっていても後で水気が戻ります。
  6. 粗熱が取れたら、冷蔵庫で保存します。1週間ほどは保存可能です。

旨みがクセになる「わらびの炊き込みごはん」

わらびの香りや風味を生かしてシンプルな味付けで炊き込む食べ方「わらびの炊き込みご飯」のレシピです。わらびだけでは油分がないので、油揚げや鶏肉などで油分や旨みを補う食べ方がおすすめで、わらびとの相性も良く旨みがクセになる炊き込みご飯です。材料と調理方法は以下の通りです。

  • 米3合
  • わらび120g
  • 人参1/2本
  • 油揚げ1/2枚
  • しょうゆ大さじ2
  • 酒大さじ2
  • 和風だしの素小さじ1

  1. 米はといでざるにあげておきます。
  2. わらびは4cmの長さに、人参と油揚げは細切りにします。
  3. 炊飯器に米としょうゆ、酒、だしの素を入れて、3合の目盛りよりちょっと少なめの水を入れて軽く混ぜます。
  4. その上にわらび、人参、油揚げをのせたら炊飯ボタンを押します。
  5. 炊き上がったら混ぜて完成です。

酒の肴や白いご飯にぴったり「わらびの佃煮」

わらびを濃い目のしょっぱい佃煮にした「わらびの佃煮」は、白いご飯のお供や酒の肴にもぴったりのおかずになります。この食べ方ではわらびのぬめりや繊維質な食感がおいしく味わえて、昆布を入れればさらに旨みが増します。味が濃い目なのでお弁当や常備菜にもおすすめです。少し辛めにできているので、しょうゆや砂糖の量を調整してください。材料と調理方法は以下の通りです。

  • 茹でてあく抜きしたわらび40~50本
  • 昆布10cm
  • 酒50cc
  • みりん50cc
  • 砂糖大さじ2~3
  • しょうゆ100cc

  1. ゆでてあく抜きしたわらびは、水を2~3回取り換えてさらにあく抜きをします。
  2. あく抜きしたわらびは4~5cmくらいに切り、昆布は5mmくらいの細さに切ります。
  3. 鍋にわらびと昆布を入れて、酒、みりん、しょうゆ、砂糖を入れて火にかけます。
  4. ときどき箸でかきまぜながら、中火から弱火で15分くらい煮ます。
  5. 水気がなくなるまで煮たら出来上がりです。

わらびはしっかりあく抜きをして春の味覚を楽しもう!

いかがでしたか?代表的な山菜であるわらびについて、わらびの旬の時期や栄養成分、小麦粉や重曹を使った上手なあく抜き方法、美味しいわらびの選び方、わらびの旨みを生かした食べ方のレシピなどを紹介してきました。

一見手間がかかりそうなわらびでも、しっかりあく抜きをすれば旬のわらびをおいしく食べることができて、ダイエットや便秘解消、血行促進などさまざまな効果・効能を発揮してくれる優れた山菜です。ぜひ春になったら、こちらのわらびの選び方やあく抜き方法、おいしい食べ方を参考にして、旬のわらびを堪能しましょう。

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