「ヴィーガン料理」とは？ベジタリアンとは違う？カロリーや効果は？

最近よく耳にするヴィーガン料理ですが、どんな料理なのでしょうか？基本的にヴィーガン料理には、肉や魚は一切使われません。卵や乳製品、はちみつもNGです。このように動物由来の成分を一切使わないのがヴィーガン料理になります。

ヴィーガンとは絶対菜食主義と呼ばれ、動物性由来の成分を一切摂取しない生活を送る人達を指します。またヴィーガン＝ダイエットと思われがちですが、実際は違います。ヴィーガンは、動物や生き物を愛し、無意味な殺生をしないという気持ちのもと、生物に対する非暴力を掲げています。

一般的にヴィーガンを実践する人にはこのような理由があります。一つ目は倫理上の理由からです。この人達は、全ての生物は平等に生きる権利があるので、肉や魚、乳製品などを摂取しない考え方を持っています。また近代的な飼育方法によって、動物たちに精神的なストレスを与えているとし、動物虐待を訴えています。

健康上の理由によりヴィーガンを始める人もいます。動物性の食事を減らしたことにより、アルツハイマーのリスクが減るという研究結果や、植物性の食事は心臓病や糖尿病、ガンのリスクを減らせる可能性があるので実践しているようです。更にヴィーガンを始めることにより食事のカロリーを抑えることができるようになり、体重やBMIが減少した！今までと体調が全然違い元気になった！といった声を聞くことができます。

ヴィーガンとベジタリアンの違いはなんでしょうか？ヴィーガンは卵や乳製品を含む動物性食品を一切口にしない完全菜食主義者のことです。ベジタリアンは様々なタイプの菜食主義者を指し、卵や乳製品を食べる人もいますし動物肉は食べないけど、魚は食べることができるノンミートイーターと呼ばれるベジタリアンもいます。このことから分かるようにヴィーガンは最も厳格なベジタリアンということになります。

実はベジタリアンというのは、かなりゆるい定義の言葉になります。例えば、ホワイト・ベジタリアンと呼ばれるレッドミート（牛、豚、羊）を避けホワイトミート（鶏肉、魚介類）だけを摂取する人もいますし、オボ・ベジタリアンと呼べれる無精卵のみ食べる人もいます。

厳格なベジタリアンであるヴィーガンにはさまざまなジャンルに分かれ、違いがありますので詳しく説明していきます。まず最初にあげられるのが、「ダイエタリー・ヴィーガン」になります。ダイエタリー・ヴィーガンの人は、植物性食品は食べないが、着るものやインテリアに動物由来の物を使用することに対して抵抗のない人達になります。シルクの服やウールの絨毯の上には座りますが、肉や卵、乳製品は食べないタイプになります。



 

次に「ピュア・ベジタリアン」を紹介します。ピュア・ベジタリアンを実行している人は、動物を傷つけたくないのでお肉は一切口にしません。ここがダイエタリービーガントとの大きな違いになります。それ以外にも魚肉、魚介類、乳製品やはちみつ、かつおだし、コンソメも口にしません。動物から作られる革製品やシルク、ウール製品も一切着用しませんので、最もヴィーガンらしいヴィーガンとも言われています。

更に徹底した「フルータリアン」も紹介します。このフルータリアンはヴィーガンと同じく卵、乳製品、はちみつ、肉、魚類は一切口にしません。違いはフルータリアンの場合は、収穫しても絶えない植物のみを食べることです。例えばキャベツは1度収穫すると終わり、翌年にはまた苗や種を植える必要があります。でもリンゴやオレンジや木の実は収穫した後も時期が来ればまた実ります。フルータリアンの主食は、フルーツやナッツ類になります。

ヴィーガンの中でもヴィーガンミート、ヴィーガン冷凍食品やクッキー乳不使用のアイスやデザートなど加工食品に依存している人達のことを、「ジャンクフードヴィーガン」と呼びます。それ以外だと生の果物と野菜、ナッツ、48度以下で調理された食べ物のみを摂取するローフードヴィーガンもあります。このように同じヴィーガンでもかなり違いがあるのです。

環境保全を理由に実践する「エンバイロメンタルヴィーガン」があります。畜産業や漁業、養殖のように自然環境を損なう産業で作られた食品は一切口にしません。もちろん地球への負担が大きいことから、動物性食品や動物製品を摂取しません。また植物性油脂として知られるパーム油も摂取しません。なぜなら原料のヤシの木を伐採して油を抽出するため、オラウータンや沢山の動物の生態系を乱してしまう理由からです。

ヴィーガンの人達は、肉、魚、卵、乳製品、はちみつなどを一切口にしないことがわかりました。では、どんな食材を使って、どのような料理を作っているのでしょうか？ここでは詳しく探っていきます。

ヴィーガン料理は次のような物が使用できません。肉、魚、甲殻類、卵、乳製品、ハチミツ、更に動物由来の原料を含む食品も摂取できません。例えばゼラチン、ミルクに大量に含まれるたんぱく質であるカゼイン、乳酸菌、ビタミンB3も使用ができません。

食べてはいけない物ばかりのような気がしますが、実は次のような食材に置き換えることができます。例えばお肉の代わりに豆類、豆腐、セイタン、ナッツ類、種などを使用します。乳製品は豆乳などの植物性ミルクで代用ができますし、生卵はチアシードやフラックスシード、ハチミツはメイプルシロップなどで代用ができます。

おすすめのヴィーガン料理のレシピをいくつか紹介します。先ずは大豆ミートを使ったドライカレーになります。材料は高野豆腐50g、トマト缶1缶、カレー粉大さじ4、塩コショウ適量、ウスターソース大さじ1、ケチャップ大さじ2、ニンニク2かけ、生姜適量、玉ねぎのミジン切り1/2個、人参のミジン切り1本、しいたけ3枚、ほうれん草1/2束、野菜のコンソメ大さじ1、サラダ油適量になります。お肉不使用なため、カロリーダウンになります。

おすすめヴィーガン料理大豆のドライカレーの作り方は、野菜は全部ミジン切りに、油を引かないフライパンで炒めます。調味料とトマト缶、こうや豆腐を入れて更に炒めます。水分は野菜とトマト缶から出るので、水は加える必要がありません。辛いのが好みの方は、カレー粉の量を調節して完成です。カロリーが気になる方はご飯にかけずに、キャベツやブロッコリーにかけてください。

次に紹介するのは、見た目は地味ですが味は絶品で低カロリーのヴィーガンパスタを紹介します。材料はパスタ100g、玉ねぎ中1/4個、キノコ20g、豆乳50g、酒粕15g、オリーブオイル大さじ1、お湯（酒粕用）天然塩5つまみ、コショウ2つまみを用意します。

ヴィーガンパスタの作り方は、パスタにオリーブオイルと塩を加えて茹でます。玉ねぎとキノコを切り、酒粕をほぐしお湯を入れて置いておきます。パスタが茹で上がる前に、フライパンでキノコと玉ねぎを炒め、そこにパスタの茹で汁大さじ3とパスタを入れて馴染ませます。弱火にして酒粕と豆乳を加え、塩を5つまみ加え、器に盛って完成です。酒粕を卵とチーズの代用では全く違う気がしますが、コクが出てかなり美味しくなります。

ヴィーガン料理の定義は、牛肉や豚肉、鶏肉、鹿肉、鴨肉など動物の肉や魚、魚介類、乳製品や卵などの食材を一切使わない料理になります。また、ドレッシングやマヨネーズなどには卵や動物性の物が含まれている可能性があるので、食事に使用することはできません。

材料に含まれている物も摂取できないので、牛乳やバター、卵が使われているパンも食べることができません。ヴィーガン専門店以外のお店で買った惣菜やレトルト食品などはほぼ口にすることができないのが現状です。また虫も動物なので、ハチミツの摂取もヴィーガン料理としては使うことができません。

きちんと栄養学を学んだ人が作るベジタリアン料理やヴィーガン料理は、心筋梗塞、高血圧、糖尿病、直腸がん、前立腺がんなどの病気の予防や改善に役立つと言われています。

ただ「ヴィーガン食＝健康食」と鵜呑みにしていけません。栄養学をきちんと学んでいない人がヴィーガン料理だけを摂取していると体を壊してしまう可能性があります。いくら野菜を沢山摂取したとしてもそれが残留農薬の多い農作物ばかりを食べていたり、食品添加物が多く使用されている食品や糖質ばかり食べていたりすると栄養が偏ってしまいます。この違いをきちんと把握してヴィーガン料理を食べないと危険なのです。

工夫次第でスイーツは食べることができます。例えば牛乳の代わりに豆乳を使ったアイスクリームやヨーグルトもあります。卵やバターを使わないホットケーキも作ることもできます。これらは言われないと違いがわからないくらい本物そっくりの味になります。

ただ注意したいのは、砂糖です。砂糖は植物性ですが白砂糖だけは違います。白砂糖を精製する際に動物の骨を炭にした物を使用しますので、これを避けなくてはいけません。これはスイーツだけでなく、ヴィーガン料理を作る際にも注意が必要になります。

ヴィーガン料理のカロリーですが、野菜が中心なのでカロリーは低めです。スイーツも高カロリーのバターや生クリームなどは一切使用しませんので低カロリーです。ただ気をつけなくてはいけないのは、野菜中心の食事の場合、満足感がなかなか得られなくて大量に食べてしまったり、炭水化物を多く摂取してしまうパターンです。こうなるとカロリーは低いかもしれませんが、糖質の摂取量が多くなり結果太ってしまう可能性があります。

仏教の世界でお坊さん達が食べる料理のことを精進料理と言いますが、この精進料理は動物性の食材を一切使いませんので、ヴィーガンの人達から非常に注目を集めています。精進料理で最も多く使われる食材は、大豆になります。これはヴィーガン料理と同じであり、精進料理は日本のヴィーガン料理とも言えるのです。

また精進料理の大きな特徴は、「もどき料理」になります。これは修行中のお坊さん達が、何とかお肉やお魚に近い見た目や味を再現しようと工夫しながら考えられた料理になります。身近なところですと、豆腐と野菜から作られる「がんもどき」はこのもどき料理になります。

がんとは鳥の雁になります。この雁に似せて作った物が「がんもどき」になります。鶏肉を豆腐に代用して作っていたところは、まさにヴィーガン料理に通ずるものがあります。

このように日本食にはヴィーガン料理のお手本になるような料理が沢山あります。特に昔から日本人は豆や海藻、米を好んで食べてきましたので、田舎の料理のレシピがそのままヴィーガン料理のレシピになりそうです。

肉や魚を一切食べなくなると、人間の体に必要なタンパク質を摂取することが難しくなります。そこでヴィーガンの人達は、豆製品からタンパク質を摂取しようとします。もちろん大豆に含まれるたんぱく質は体に良いと言われていますが、摂りすぎはあまり良くありません。

ヴィーガン初心者は大豆を過剰摂取する傾向がありますので注意が必要です。なぜなら過剰摂取したことにより、体内でホルモンバランスが崩れてしまい、女性ホルモンの働きが悪くなってしまうことがあります。症状としては、突然肌荒れがひどくなったり、乳がんなどの病気のリスクが高まってしまうこともあります。何事もバランスよく摂取するのが大切なのです。

ただし、一定量を守って正しく食べれば豆製品は美容にも身体にも良い万能食材です。そこでヴィーガン料理でおすすめの豆料理のレシピを紹介します。それは「おからでカリカリ野菜ピザ」になります。材料は、おから200g、ぬるま湯1カップ、強力粉1カップ、塩小さじ1/4、重曹小さじ1/2になります。

おからピザの作り方は、強力粉、塩、重曹は箸でぐるぐると混ぜておきます。そこにぬるま湯とおからを加えて手で混ぜます。6等分にして綿棒で、フライパンで焼きます。軽くケチャップを塗り、ピーマン、ゆで大豆、海苔などをトッピングしてトースターで7分焼きあげれば完成です。

ヴィーガン料理は、人間の体だけでなく自然や動植物に対して思いやる気持ちで溢れていることが分かりました。特に日本には昔から精進料理が存在し、自然や動植物を大切に考えた料理が作られてきた文化があります。できれば週に1、2回はヴィーガン料理を食べて、心と体をキレイにしましょう！