2018年07月11日公開
2024年07月24日更新
ロシアパンとはヤマザキで販売しているパン!由来や食べ方は?
安くてボリュームがあっておいしいロシアパン。昔食べたことがあるという方も、名前は聞いたことがあるという方もいると思いますが、実は日本のパンの中でもとても歴史のあるロングセラーパンなんです。でもなぜロシアパンというのでしょうか?ロシアのパンとは関係があるのかも気になります。そこで今回はロシアパンの由来や食べ方、味、価格などについてリサーチしました。パン好きさん必見です!
目次
ロシアパンって知ってる?
ロシアパンという名前のパンがあるのを知っていますか?コンビニやスーパーのパン売り場でよく見かけ、昔食べたことがあるという人も多いであろうロングセラーパンです。ロシアパンはロシアと名前についているだけに、ロシアと関係あるのでしょうか?どんな由来でロシアパンという名前がつけれられ、日本で親しまれるようになったか気になります。そこで今回はロシアパンの由来や食べ方について徹底調査しました!
ロシアパンにまつわる日本のパン歴史
パンの歴史はとても古く、はじまりは今から8000年前に古代メソポタミア時代に小麦粉を水でこねて焼き食べられていたものがパンの原型と言われています。パンが日本に伝来したのは1543年、ポルトガル人が日本に漂着し、宣教師たちによって鉄砲伝来とともに西洋文化が日本に伝えられるようになりました。パンもその時にポルトガル人達の手によって、持ち込まれたと言われています。パンの語源はポルトガルのpaoから来ています。
その後、日本が行った鎖国政策により表向きは日本からパンの姿は消えましたが、長崎のオランダ屋敷では細々と作り続けられていました。天保13年4月12日幕府の命令により外国からの侵攻に備える兵糧として、持ち運びがしやすく保存がきくパンに目が向けられ、パンが用いられることになりました。江戸川太郎左衛門が初めてパンを焼いた日にちなんで、今でも毎月12日はパンの日として定められています。
そののち、鎖国が解かれ、横浜や神戸などの港街を中心にパンが作られるようになりました。1869年には木村屋総本山が開業して、日本独自のあんパンが販売され、徐々にパンの人気が広まっていきました。ロシアパンは1909年に中村屋が発売したパンです。ギリシア系ロシア人キルピデスを採用し、ロシアパンの製造販売を開始したところ、大ヒット。時代は明治から大正に変わる頃で、洋食が定着してきたこともヒットの要因でした。
1917年にはロシア革命が起こり、それをきっかけにギリシア系ロシア人キルピデスを筆頭に多くのロシア職人が日本から離れましたが、ロシアパンはしっかりと受け継がれています。中村屋でロシアパンがヒットしたことを受けて、製造販売に乗り出したのがヤマザキパンです。ヤマザキパンでロシアパンが初めて販売されたのは1948年のことです。食べてちょうどいい甘さとボリューム感がうけ、たちまち人気パンの地位を確立しました。
戦後まもない1946年には、小学校でコッペパンと牛乳の学校給食が始まりました。それにより給食でパン食の習慣を身につけた子どもが大きくなり、家庭でもパンを好んで食べるようになったことから、次第に日本の食卓にパンが広まっていきました。1955年頃には、全国に大きなパン工場が建設され、パンの生産が一気に伸びていきます。この頃のパンの生産量は戦前の最大年間生産量の6倍以上にもなっていたそうです。
1990年代に入ると、ライフスタイルの多様化が進む中でコンビニが登場し、種類豊富なパンが多数販売され、手軽に手に入るようになりました。その後、パンは日本人の生活には欠かせない存在にまで発展しました。2011年に総務省が行った調査では、パンの購入額がお米を上回るほどになったそうです。江川太郎左衛門がはじめてパンを焼いてから180年、パンはすっかりわたしたちの主食として愛され続けています。
ロシアのパンはロシアパンとは別物
ちなみにロシアで食べられているパンは、ヤマザキのロシアパンとは全くの別物です。パンが主食のロシアですが、ロシアのパンはグルテンを含まないライ麦粉を原料とした固いパンが主流です。ロシア北部では黒パンがよく食べられていて、黒っぽいチョコレートのような色味に、酸味のある味わいが特徴のパンです。有名な黒パンボロジンスキーは、朝食によく食べられ、紅茶と一緒にいただくのがロシア流の食べ方です。
ロシアには黒パンだけでなく、白パンもあります。精製した小麦から作られる白パンは、生地がしっかりと詰まっていて固めの食感となっています。昔はお金持ちしか食べることができず、一般庶民が白パンを食べるのは大きな行事の時だけでした。今では一般的に食べられるようになった白パンは、バトンと呼ばれているパンが有名です。バトンの食べ方も黒パンと同様紅茶といただくことが多いようです。
ロシアではイーストなしのパンもよく食べられています。もともと修道院で食べられていたパンで、酸味が少なくハーブが入っているのが特徴です。麦芽と粉を混ぜて作られるので、やわらかい食感となっています。イーストなしパンの食べ方は、そのまま食べるのではなく、スープにつけた食べ方でいただきます。ロシアの伝統料理ボルシチなどにイーストパンをつけていただくのが、一般的な食べ方となっています。
ロシアのパンで一番有名なパンといえば、ピロシキです。生地にいろんな具材を包んで揚げたり、オーブンで焼いて作るパンで、ロシアの家庭でもよく作られています。具材は肉、魚、ジャムなどおかず系から甘い系までバリエーションも多彩で、20種類以上ものピロシキがあります。食べ方はやはりあつあつの揚げたてをほおばっていただくのが一番です。日本でもピロシキが売られているお店があれば、揚げたてをいただきましょう。
ロシアパンの製造元ヤマザキパン
ロシアパンの製造販売を行っているのは、ヤマザキパンです。ヤマザキパン創業当初の昭和23年からロシアパンを製造販売しているので、ヤマザキパンとロシアパンの関係は切っても切れない深い関係です。ヤマザキパンは最初ロシアパンの委託加工製造からスタートしました。その後、欧米の先進設備と技術、バラエティー溢れる商品を導入し、パンの製造販売を行ってきました。日本にパンを広めた立役者といっても過言ではありません。
ヤマザキパンでは、パン本来のおいしさを知ってもらうため、品質にこだわり、技術を磨き、常に新しい技術で創業当初から現在に至るまでおいしいパンを提供し続けています。ロイヤルブレッドや超芳醇、ダブルソフト、ふんわり食パン、新食感宣言などの食パンを始め、あんぱん、クリームパン、ペストリー、ドーナツ、ハードロールなど、新旧人気のパンを毎日製造し、日本中で販売しています。
ロシアパンの由来
ロシアパンで食べられているパンは、ロシアパンとは別物ということはお伝えしました。ではどうしてロシアパンと呼ばれるようになったのか、由来が気になります。ロシアパンと呼ばれるようになった由来は、戦前に日本に入ってきた楕円形の大きなパンをロシアパンと呼んでいたことに由来します。ロシアで作られているパンはグルテンを含まないライ麦パンで、丸型やナマコ型をしており、日本に入ってきたのもこの形でした。
ロシアパンは、日本に入ってきたロシアパンを模して作られたことが由来となっています。つまり食パンのような形状ではなく、楕円形のコッペパンの形状がロシアパンの特徴ということで、その名前を由来に使ったとのことです。ロシアパンの由来は、その形にあったわけです。今までなぜロシアパンというのか、由来が気になっていた方はすっきりしたのではないでしょうか?由来を知るとロシアパンがますます好きになります。
ヤマザキパンがつくるロシアパンは小麦で作っているので、模しているのは形と大きさのみとなり、生地はふんわりソフトでロシアで食べられているロシアパンとは食感が異なります。ロシアパンの由来は名前と形だけです。ちなみにロシアではヤマザキパンのようなロシアパンを食べることはできません。日本独自のロシアパンは、ロシア人には通じなさそうです。
ロシアパンの味と食感は?
ヤマザキパンで販売されているロシアパンは、ふんわりとした大きなパン生地に、真ん中にマーガリンと砂糖アイシングがトッピングされた甘い味わいが特徴のパンです。ふわふわしっとりとした食感とほどよい甘さで、老若男女問わず愛されるロングセラーパンとなっています。パンにアイシングがかかっているだけというとてもシンプルなパンですが、ほんのり甘い小麦の味も感じられ、シンプルだけに食べ飽きることがありません。
砂糖のアイシングはわりとぶ厚めにかけられています。砂糖のシャリシャリとした食感がアクセントになっていて、生地のしっとりふわもち感と絶妙にマッチしています。パンがシンプルだけに、この砂糖アイシングがほどよいアクセントとして効いています。まさに「ふんわりソフトでシュガーたっぷり」という謳い文句にぴったりのおいしいパンなので、長きにわたって愛され続けてきた理由がわかります。
ロシアパンの大きさ
ロシアパンは、とても大きくボリュームがあることも人気の理由です。朝食やおやつ、軽食、夜食などお腹が減った時に満たしてくれる食べ応えもロシアパンを支える人気の理由です。その大きさは約20cm越えです。一般的な菓子パンの1.5倍はあろうかというサイズとなっています。この大きさが話題を呼んでいて、SNS上ではお札やスマホなどと比較する画像が盛んに投稿されています。ひとつ食べるとお腹いっぱいになります。
ロシアパンといえば、パッケージの文字の大きさもインパクト大です今のパッケージになる前は半分程度の文字の大きさでしたが、ロシアパンの特徴であるボリューム感を品名からも伝えられるよう、デザインが改修されたようです。パン売り場でもかなりの存在感を放つ大きさなので、すぐに見つけられると思います。大きいロシアパン、見つけたらぜひ手に取ってみてください。
ロシアパンの値段
ロシアパンはふんわり甘くておいしい味わいと、ボリュームたっぷりの特大サイズですが、気になるお値段はどのくらいなのでしょうか?販売店によって異なる場合がありますが、スーパーなどの一般的な価格は1個116円で販売されています。20cmを超える特大サイズのパンが100円ちょっとで購入できるとは驚きです。この高すぎるコストパフォーマンスの良さも、ロシアパンがみんなに愛される理由のひとつでもあります。
ロシアパンのカロリー
ロシアパンはロシアのパンとは別物ということは紹介しましたが、カロリーに限って言うとロシア譲りのハイカロリーパンとなっています。そのカロリーは1個540kcalというから驚きです。ロシアはもともと年間を通して寒く、最低気温がマイナス20度の日もザラにあり、カロリー消費が日本と比べて高いため、高カロリーの食事が好まれるのですが、同じ食べ方を日本の気候で日本人がすると大変なことになります。
540kcalに近しい食べ物を見てみると、天丼が560kcal、焼きそばが540kcal、ミックスサンドイッチが550kcalです。ごはん1杯は250kcal、餃子1皿350kcal、天ぷらの盛り合わせ410kcal、とんかつ350kcal、唐揚げ330kcal、ビーフステーキ400kcalなので、ロシアパンひとつを食べるよりビーフステーキを食べるほうがカロリーが低いとは驚きです。ちなみにいちごショートケーキは340kcal、シュークリームは300kcalです。
日本人の一日のエネルギー食事摂取基準が、30歳~49歳の男性で2650kcal、30~49歳の女性で2000kcalとなっているので、ロシアパンを1個食べるとかなりのカロリー摂取量に相当します。ロシアパンはおいしくて食べやすいので、ぱくぱく食べてしまいそうになりますが、カロリーの面だけで行くと食べ方には注意したほうがいいかもしれません。カロリーが気になる方は、一度に全て食べるのではなく、小分けの食べ方がおすすめです。
ロシアパンには大ロシアパンもあった
ロシアパンのヒットを受け、ヤマザキパンでは1966年にロシアパンよりもさらに大きい大ロシアという商品が販売され、大ヒットとなりました。ヤマザキの創業者である飯島藤十郎氏自ら指示をして作られたという大ロシアは、幅25cm、長さ40cm、重さ450gという超特大サイズのパンです。その大きさはボックスティッシュよりも一回り大きいというから、いかに大きいか想像できると思います。とにかく驚きの大きさなのです。
あまりの大きさに、製造販売を行っているヤマザキパンでも、こんなに馬鹿でかいパンが売れるわけがないと思ったそうなのですが、あれよあれよと評判を呼び、爆発的にヒットしました。全盛期は2トントラックに大ロシアを満載して運び込んでも足りない販売店もあったそうです。ウワサがウワサを呼び、大ロシアは手に入れるのが難しいほどの幻のパンとして話題を集めました。
この大ロシア、カロリーが1個あたり1200kcalというからカロリーも桁外れです。一日の摂取カロリーの半分近くを占めてしまいます。大ロシアはそのケタ外れのボリュームで大ヒットとなりましたが、残念ながら今はなくなってしまいました。少し前に大ロシアの復刻版が期間限定で登場し、ファンを喜ばせていましたが、限定のため今はまた姿を消しています。根強いファンからは通常は販売を望む声が多く上がっています。
ロシアパンの種類
コーヒーロシアパン
コーヒーロシアパンは、ロシアパンの生地にコーヒーフレーバーを染みこませたロシアパンです。真ん中の溝にも、コーヒー風味のアイシングシュガーがトッピングされています。ロシアパン本来のふわふわとした食感に、コーヒーの香りがふんわりとして、風味が良いのが特徴です。コーヒーフレーバーはそこまで強くないので、小さな子供にも食べやすいため、家族全員でもおいしくいただけます。
沖縄黒糖ロシアパン
沖縄黒糖ロシアパンも以前販売されていましたが、沖縄黒糖の確保が難しいことから廃盤になったものが期間限定で復刻版として販売されました。ビタミンやミネラルを豊富に含む黒糖を生地の中に練りこんだ沖縄黒糖ロシアパンは、ふんわりと香る黒糖の香りがなんともいえません。口に含むとじんわりと黒糖の甘さが広がり、食べる手がとまならいと大人気です。期間限定となっているので、見つけたらすぐに手に入れましょう。
レーズンロシアパン
レーズンロシアパンは、レーズンを練りこんだ生地にシュガーマーガリンをトッピングしたロシアパンです。レーズンはほんのり甘くジューシーで、ふわふわのロシアパンとの相性も抜群です。トッピングされているシュガーマーガリンは、粒ザラメが際立っていてじゃりじゃりとした食感が楽しいです。甘味がやさしいので、見た目よりもあっさり食べることができます。レーズン好きな方には、ぴったりのロシアパンです。
スプリッツロシアパン
スプリッツロシアパンは、英語でさっと振りかけるという意味のスプリッツを冠したロシアパンです。通常のロシアパンと同じ材料で、サイズが全長22cm、幅11cm、厚さ5.6cmとなています。ふわふわのパンの上には、ジャリジャリ感が楽しいシュガーマーガリンがトッピングされています。カロリーは490kcalで、普通のロシアパンより低カロリーです。販売店によっては70円程で売られていて、ボリュームと低価格が人気です。
ロシアパンが買える場所
ロシアパンを販売している場所は、全国の大手スーパー、量販店、コンビニなどです。お近くの店にロシアパンが販売してるかどうか不明な場合は、ヤマザキパンのお客様相談室に電話をかけ、近くの販売店を確認することも可能です。住んでいる地域を伝えると、近くの販売店を調べて教えてくれるそうです。ロシアパンが買いたいのに、販売しているお店が見つからない、という方はぜひ問い合わせしてみることをおすすめします。
また、100均でロシアパンを販売しているのを見かけた、ヤマザキパンの工場直売所で販売しているのを見つけたという情報もネット上で上がっていました。こちらに関しては常時販売しているわけではなさそうなので、見つけたらラッキーです。ロシアパンの販売に遭遇したら、すかさずカゴに入れてレジへ持っていきましょう。
ロシアパンの食べ方
ロシアパンは大きくてふわふわしているので、食べごたえのあるパンです。シンプルだけでにいろんな食べ方でもたのしむことができます。おすすめの食べ方はなんといってもそのままシンプルにちぎりながらいただく食べ方です。ロシアパンのおいしさ一番味わえる食べ方です。また、適当な大きさにカットしてトースターで焼いた食べ方もおいしいと評判です。適度に砂糖の部分が溶けて、甘さが引き立つ食べ方になります。
ロシアパンを買ってから少し時間が経ってしまったら、フレンチトーストでの食べ方はいかがでしょうか?フランスパン感覚で、ロシアパンを3~4cm幅にカットし、牛乳と卵、砂糖で作ったものに漬け込み、フライパンで焼いて食べる食べ方です。じんわりと甘さが感じられ、朝食にはもちろん、おやつにもぴったりの食べ方です。ロシアパンはシンプルなので、お好み次第でいろんな食べ方にアレンジできます。
ロシアパンを食べたみんなの感想
ロシアパンはツイッターなどのSNSでも多数の投稿がアップされ、その人気が白熱しています。実際にロシアパンを食べた人の感想を紹介しましょう。「ロシアパン発見、買わずにはいられない、もはや義務」「今日はけっこうごつめのロシアパンを食べた。あまくてあったかいお茶に合う!」「懐かしいパンが復刻版として売ってたから買った。これ好きだったなー」とロシアパンが昔から愛されていることが伺えます。
「念願のロシアパンGET。近くのデイリーヤマザキにはなくて、スーパーの特売パン売り場で発見」「ファミマで発見、ロシアパン。」「近所のスーパーで発見、ヤマザキパンのロシアパン」となかなか販売されているお店が少ないロシアパンを販売しているお店に関する投稿もたくさん見つかりました。通常のパンコーナーではなく、特売パン売り場で販売されていることもあるようなので、くまなくチェックしてみてください。
ロシアパンを食べよう!
ある人にとっては懐かしく、ある人にとっては初めて見る大きさにびっくりするロシアパン。その実態は、しっとりふわふわの大きなパンに、シュガーマーガリンがトッピングされた菓子パンでした。どうしてロシアパンというのか由来についても大きな話題に上がっていましたが、ロシアパンの名前の由来はロシアパンの形が由来ということもわかりました。
コスパも抜群でおいしいと評判のロシアパン、スーパーやコンビニなどで見かけたら、ぜひ手に入れましょう。そしてまだ食べたことのない方はすぐにかぷりとかぶりついてください。ふんわりとした食感と甘いおいしいさにきっと病みつきになるに違いありません!