辛さの単位「スコビル値」をリサーチ！唐辛子の種類によって違う？

スコビル値という値を知っていますか？唐辛子や辛い料理の辛さの基準となる値であり、普段料理で使われる唐辛子やタバスコ、激辛ラーメンなど、色々な食材の辛さ表すことができます。

この記事では、スコビル値の解説や唐辛子、ラーメンなど激辛な食品の数値などを紹介します。スコビル値を知ることで、激辛料理の辛さを比較したり、料理に活かせるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

スコビル値は、唐辛子に含まれるカプサイシンの割合を数値化したものです。SHUという単位を使って表されます。つまり、カプサイシンの割合が大きいほどスコビル値は高く、その食材は辛いといえます。それまで辛さは人の感覚のみでの判断でしたが、スコビル値という基準が作られたことで、比較することができるようになりました。

カプサイシンは、舌にある辛味受容体の神経を刺激する成分です。唐辛子のほか、激辛の調味料として知られるタバスコ、ラー油やカレー粉、豆板醤などにも含まれています。

唐辛子に含まれるスコビル値は、どのようにして測定されるのでしょうか？古くは人の味覚を基準にしていました。唐辛子のエキスを抽出して砂糖水で薄め、5人の被験者に飲ませます。被験者全員が辛味を感じなくなるまで薄めた倍率が、スコビル値となります。

現在は、電気を使ってカプサイシンの量を測るジレット法が主流です。人の感覚に頼らず正確に割合を算出できますが、スコビル値が長い間辛さの基準であったため、あまり定着しませんでした。そのため、ジレット法で出したカプサイシンの量を、スコビル値に変換して表記する方法が一般的です。

鷹の爪は、ペペロンチーノなどのピリ辛料理に使われている、一般的な唐辛子です。鷹の爪に含まれるスコビル値は、4～5万SHUといわれています。

少量を料理やソースに混ぜて食べるなら、辛みはそれほど強くありません。しかしそのまま食べると、痛みを感じるほどの辛さがあります。鷹の爪のスコビル値を覚えておくと、辛さを比較する時にイメージしやすいでしょう。

唐辛子の一種であるハバネロは、スコビル値が約30万SHUもあり、鷹の爪の6倍もある辛さです。1990年代には世界一辛い唐辛子として、ギネスブックに載ったこともあります。

ハバネロといえば、激辛のハバネロソースや暴君ハバネロというお菓子で、名前を知っている人も多いのではないでしょうか？激辛で美味しいというイメージがありますが、ソースやお菓子では辛さを感じながら美味しく食べられるよう、かなり辛さが抑えられています。

ブート・ジョロキアは、インドで生産される唐辛子の一種です。インドの悪魔とも呼ばれ、スコビル値は100万と、ハバネロの3倍もあります。2007年にはハバネロを抜いて、最も辛い唐辛子としてギネスにも認定されました。

素手で触ると火傷したような痛みがあることから、触れる時はゴム手袋を着用することが奨励されています。また、エキスや実、種が目や口に触れると危険ですので、そのまま食べることはできません。本場インドでは、ソースの原料や豚肉料理などに使われます。

キャロライナ・リーパーは、アメリカのロースカロライナ州で品種改良され生まれた、新たな唐辛子です。スコビル値は、157万もあるといわれています。2013年にはブート・ジョロキアを超え、最も辛い唐辛子としてギネス認定されました。

スコビル値が高すぎるため、素手で触ったりそのまま食べることは危険です。アメリカで開かれた激辛大食い大会では、キャロライナ・リーパーを食べた参加者が、脳血管攣縮をで倒れたという事故もありました。

ドラゴンズ・ブレスは、2017年に世界で最も辛いとしてギネス認定された唐辛子です。スコビル値は248万SHUあり、キャロライナ・リーパーより100万以上も高い数値となっています。食べるとカプサイシンによって気管が火傷する危険があります。その結果、窒息やアナフィラキシーショックで命を落とすこともあるといわれています。

元々ドラゴンズ・ブレスは、イギリスの唐辛子農家と大学研究者との共同開発で、元々は医療用に品種開発されました。皮膚神経を麻痺させる作用があることから、麻酔薬の代替として利用できないかという研究も進められています。

紹介したものの他にも、世界には様々な唐辛子があります。美味しく食べられるものや、危険でそのまま食べられないものなど、辛さも様々です。全ての唐辛子の辛さは、スコビル値を基準に数値化して比較することができます。その他の唐辛子がどのような辛さなのかも見てみましょう。
 

最も馴染みのある激辛調味料であるタバスコは、辛さの基準であるスコビル値を用いて表すと、どれくらいになるのでしょうか？よく見かけるタバスコのスコビル値は、2500SHUほどです。鷹の爪の10分の1ほどであり、少量ならピリッとしたアクセントとして使えるくらいの辛さです。

タバスコにも複数種類があり、全てが同じスコビル値というわけではありません。辛さを抑えたグリーンタバスコは、1000SHUとさらにマイルドな辛さです。逆にカプサイシンが多いタバスコハバネロソースは、8000SHUとかなり数値が高く、辛さも強くなっています。

とんがらし麺は、激辛好きな人の間で人気のカップラーメンです。とんがらし麺のスコビル値は、ラーメンの麺だけなら450SHU、辛さ調節パウダーを加えると約1.7倍の950SHUになります。

唐辛子そのものの辛さと比べるとスコビル値は低めですが、麺の中に唐辛子が練り込まれているので、ピリッとした辛さを舌に直接感じます。激辛の味に慣れている人なら、食べられないほど辛く感じることはないでしょう。激辛の入門に良いラーメンかもしれません。

サドンデスソースは、ロシアンルーレットの罰ゲームでもよく使われ、激辛調味料の代表として知られるソースです。スコビル値は約10万SHUであり、鷹の爪の約3倍ほどの辛さとなります。口に入れると痛みを感じ、唐辛子そのものを食べているような辛さです。

罰ゲームのイメージが強いですが、激辛料理が好きな人の中には、ラーメンやカレーなどに加えて食べる人もいます。

ウルトラデスソースは、日本では販売されていない激辛調味料です。アメリカで販売されており、激辛愛好家の中には、スパイスの専門店などで輸入して購入する人もいます。ウルトラデスソースのスコビル値は117万SHUあるといわれており、サドンデスソースの11.7倍です。

カプサイシンがかなり多いため、口の中や喉を火傷するような痛みを感じることがあります。もし食べる機会があった時は、直接口に含まないよう注意してください。

ザ・ソースは、世界で一番辛いソースともいわれている激辛ソースです。唐辛子の抽出物であるカプサイシンのみを配合しています。スコビル値は710万SHUであり、ギネス認定されている唐辛子の2倍以上も辛いソースとなっています。人気YouTuberのヒカキンも挑戦していますが、極少量で水で薄めている状態でも傷みを感じるほどの辛さです。

日本国内の小売店やスーパーでは販売されておらず、Amazonでのみ購入することができます。購入する際は取り扱いに注意してください。

激辛メニューは何度かテレビでも特集されていますが、辛さの基準であるスコビル値で比較されたことはありませんでした。しかし、2018年の10月に放送されたソノサキという番組内で、激辛メニューのスコビル値が調査されて話題になりました。番組内で紹介されたメニューを比較してみましょう。

激辛メニューの1位である閻魔オムライスは、ハバネロとキャロライナ・リーパーが使われたソースがかかっています。見た目は普通でも、かなりの辛さと痛みを感じるようです。激辛愛好家に人気のあるメニューですので、辛いものが平気な人や激辛料理を食べてみたい人は、挑戦してみるのも良いでしょう。
 

唐辛子や様々な激辛ソース、テレビで紹介されたメニューのスコビル値を紹介しました。スコビル値は、激辛料理の目安となり、覚えておくと辛さのイメージがしやすいです。激辛料理を食べる時や、家庭で料理を激辛にアレンジする時は、ぜひこのスコビル値を参考にしてみてください。