2022年12月19日公開
2024年06月20日更新
スーパーで買ったあさりを砂抜きする方法|時短方法もあわせて紹介
あさりを美味しく食べるためには選び方と砂抜きが非常に重要です。しかし、その方法がよくわからない方も多いでしょう。本記事ではスーパーでのあさりの選び方や砂抜き方法、さらには料理方法を説明しています。本記事を読み安心してあさり料理を美味しく召し上がってください。
目次
あさりを美味しく食べるには、砂抜きが必要だとよく言われています。しかし、砂抜きをしてみてもあまりうまくいかないこともあるでしょう。
また、スーパーであさりをどのように選んだら良いのか、買ったあさりはどう処理したらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では砂抜きの必要性を説明し、砂抜きの手順や旨みの引き出し方およびそれらの注意点を紹介しています。さらに、時短であさりの砂抜きをする方法やあさり料理のレシピも解説しています。
読んでいただければ、あさり料理に対する疑問点や不安感を解消できるでしょう。
安心して良いあさりを選び、しっかりと砂抜きをして、美味しいあさり料理を作りましょう。
スーパーであさりを選ぶときのポイント
日本人にとって親しみのある貝としてはあさりがあげられるのではないでしょうか。美味しくて栄養価が高く古くから食用として使われ、味噌汁、炊き込みご飯、パスタなどに使われる万能食材です。
スーパーで「砂抜き済み」と書かれたあさりを買ってきたのに、食べたとき、「 ジャリッ」と砂の感触がした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、スーパーであさりを買う際に気をつける点と、購入後の適切な処理方法を紹介しています。
チェックポイントをしっかり理解して、美味しいあさりを手に入れましょう。
パックの水が濁っていないものを選ぶ
あさりがスーパーで売られている形態は主に3通りあります。海水入りでパックされたもの、海水無しでネット上に入ったもの、海水無しで発泡トレーでラッピングされているものです。
海水の入った密閉パック品は、海水の透明度が非常に重要です。白濁しているものは、産卵していたり鮮度が非常に悪かったりする可能性があります。
ネットで締め付けているものは、締め付けによって殻が開かないようにしています。そのことにより、活動を抑えて鮮度を保つことができています。しっかり締まっていることが重要ですので締め付け具合を確認しましょう。
発泡トレーでラッピングされているものは、冷蔵ケース内に陳列されていることが多いため、口が開いていたり、汁が出ていたりしても問題ないでしょう。この形のものは家での砂抜きは難しいので当日中に料理しましょう。この形態のものが特に美味しいと言われています。
いずれにせよ異臭の有無の確認はしっかりと行いましょう。
口が開いていないあさりを選ぶ
あさりを見たとき、少し口を開いている方が新鮮に見えます。しかし、口が少し開いているのは筋力が弱ってきたために、口を閉じていることが困難な状況です。
朝と夕方にあさりの状況を見比べてみると違いがわかります。午前中は、ほとんどのあさりが口を閉じています。しかし、夕方には口を開いているものが多くなるでしょう。
美味しいあさりは固く閉じていることが多いです。また、開いていても少し触ると口を固く閉じるものが新鮮と言えるでしょう。
殻が分厚いものを選ぶ
殻が薄いと割れやすく傷みやすいので、殻に厚みがある大きなものが良いとされています。
岸に近い浅瀬は砂の粒子が大きく小石もあるため、あさりは成長が阻害され、縦(厚さ)方向に成長しやすくなります。 逆に沖合は砂の粒子が細く、あさりは横方向へも成長しやすくなると言えます。
そのため、浅瀬でとれるあさりはふっくらとし 貝殻の厚みも大きくなります。 その結果、貝殻の成長に養分を取られるため、身の方は小さくなってしまいます。
逆に沖合のあさりは平べったくなりますが、身は大きく栄養価も高いものとなります。美味しく、栄養価の高いあさりを食べたいなら平べったいあさりがお勧めということになるでしょう。
沖合品と浅瀬品が一緒に売られることはなく、沖合で漁のできる大潮時と浅瀬で漁をする小潮時にわかれます。
スーパーで買ったあさりも砂抜きをした方が良い理由
スーパーで売っている「砂抜き済み」と 記載されているあさりは、家では砂抜きをしなくてもいいのかと悩む方もいるでしょう。基本的にはそのまま調理を行ってもいいのですが、念のために砂抜きをした方が良いと言えます。
生きているあさりは、水中にある糞や他のあさりが出した汚れを食べている可能性が高いです。また、砂が完全に抜け切れているとは限りません。
そのため、家でもう一度きれいな水を使い砂抜きをした方が良いでしょう。
スーパーで買ったあさりを砂抜きするために必要なもの
スーパーで買ったあさりの砂抜きをするときは次の手順となります。
まず20度ぐらいの水を準備します。それに塩を加えて塩水にします。そして、あさりを塩水の中に入れて、暗い環境に放置して砂を吐き出させます。
あさりがリラックスしてよく砂を吐いてくれるよう、以下のものを準備しましょう。
ざるとボウルまたは金網とバット、アルミホイルか新聞紙、それと500mlのペットボトルです。
スーパーで買ったあさりを砂抜きする方法
スーパーで買ったあさりの砂抜きを行うには、まず水温20度程度の水を用意します。そして、塩分が3%程度になるように塩を加え塩水を作りましょう。
次に、パットやボウルにあさりを入れ、入れたあさりが浸る程度に塩水を加えます。そして、アルミ箔や新聞紙で覆い、暗くして放置しますとあさりは砂抜きを始めます。
しっかりスーパーで買ったあさりの砂抜きをし、美味しく食べるために以下のポイントに気をつけましょう。
真水では砂抜きはできませんので必ず塩水で行います。
気温が高いと傷みやすいので、冷蔵庫で20度程度に冷やした水を使ってください。
吐き出した砂をまた吸い込むのを防ぐため、ボウルの中にざるを入れたり、パットに金網を敷いたりして、その上にあさりを置きます。
砂の中の環境を作るために、アルミホイルや新聞紙で覆い暗くするのですが、密封してしまうと窒息してしまいますので、必ず爪楊枝などで空気穴を開けましょう。
数時間ほどで砂抜きは終わりますが 、砂とともに塩水を勢いよく吐き出しますので、汚れても良い場所で砂抜きを行ってください。
3%の塩水を作る
あさりの砂抜きをするためには、あさりが生息している海に近い環境にすると、あさりは砂を吐きやすくなります。そのため、塩分濃度3%の塩水が必要となります。
水500mlに対して15gの塩を入れると3%になります。500mlペットボトルのキャップ2杯分がおよそ15gであるため、このことを覚えておくと計量器を使わないで済み便利でしょう。
バットの網の上にあさりを並べ浸る程度に塩水を注ぐ
スーパーで購入した あさりを砂抜きするために、3%食塩水を作った後、ボウルやバットにあさりを平らに並べます。このとき、ざるや金網を二重底になるようにし、ザルや金網の上にあさりを重ならないように並べます。
これは、上になったあさりが吐き出したものを、下のあさりが吸い込むことを防ぐためです。
食塩水の量はあさりが水面から少し出る程度にします。 食塩水を入れすぎるとあさりは、呼吸ができずに死んでしまうこともあります。
バットの上に新聞紙をかぶせ常温で2~3時間置く
新聞紙やアルミホイルをかぶせて暗くし、砂の中の状態に近づけることによりあさりはリラックスして砂を吐き出しやすくなります。
活動的なあさりは水管から水を勢いよく吐き出すことがあるため、新聞紙をかぶせてあると周りが汚れることを防いでくれます。
真夏の暑い時期は、時々冷蔵庫に入れ、水温を20度程度に調整してください。また、スーパーで購入したあさりは1時間ほどで砂抜きは済みますが、潮干狩りのあさりは2~3時間寝かせてください。
流水をかけあさり同士をこすり汚れを取る
スーパーで買ったあさりの砂抜きが終わったら、すぐにも調理にかかりたいところです。しかし、 砂抜きの終わった塩水にはあさりから出てきた多くの汚れを含んでいます。
そのため、砂抜き後のあさりの表面には汚れのためぬめりがあります。このぬめりを取るために、塩水ではなく水道水を流しながら、あさり同士を擦り合わせるようにして洗いましょう。
その後1時間ほど食塩水に漬けると再び汚れを排出します。もう一度水洗いをし、ボウルに上げ数時間放置します。
すると、あさりは砂抜きで吸った食塩水を吐き出し、塩分調整をします。そのとき、あさりの旨み成分コハク酸が大幅に増え、旨みを増すことになります。
時間をかけるほど旨みは増します。余裕があれば、旨みをさらに増やすため長めに置いてみましょう。
スーパーで買ったあさりを砂抜きするときに大切なこと
スーパーで購入したあさりを美味しく食べるためには砂抜きが必要であることがわかりました。また、「砂抜き」と表示があっても安心のため砂抜きはした方が良いです。
しかし、砂抜きをする前に気を付けなければいけないことがあります。
まず一つ目は冷蔵庫に入れて冷やさないことです。そしてもう一つは、死んでしまったあさりは取り除くことです。
冷蔵庫に入れないようにする
あさりを砂抜きするために気をつけなければいけない重要なポイントがあります。それは購入してきたあさりをすぐに冷蔵庫に入れて冷やすようなことはせずに、まず砂抜きを行うようにすることです。
あさりは冷やすと動きが鈍くなり、砂抜きに時間がかかるようになってしまいます。まず砂抜きをして、あさりを美味しく食べましょう。
しかし、真夏の暑いときは、水温が20度以上になってしまうとあさりが傷みやすいため、一度冷蔵庫に入れて20度以下に 冷やしてから砂抜きを行った方が良いでしょう。
死んでるあさりは取り除いておく
あさりは本来無臭です。死ぬと菌が繁殖して異臭を出すようになります。スーパーで買ったあさりにも、死んだあさりが混ざっている可能性があります。
死んだあさりをそのままにして調理すると、異臭が他の食材に移る可能性もあります。調理前に死んだあさりを見つけ出し、廃棄するようにしましょう。
死んだあさりを見つけるためには、あさりに鼻を近づけ匂いをかいでみましょう。砂抜きをした水が白く濁っているようでしたら、死んだあさりが混ざっている場合が高いと言えます。また、常温に戻しても半開きのままでしたら死んでいる可能性が高いでしょう。
洗うときに簡単に口を開くものや、加熱調理をしても殻が閉じたままのものも死んでいるあさりのため取り除きます。
時短であさりの砂抜きをする方法
スーパーで買ってきたあさりを食べたくても砂抜きをしている時間がないときもあるでしょう。他の料理の準備中にできてしまう、そんな簡単な砂抜き方法があったら便利です。
これから、時短であさりを塩抜きする方法をご紹介します。失敗しないための注意点やコツも紹介しますので、安心して試すことができます。
お湯を使う場合
お湯を使うことで、約15分という短時間でスーパーで購入したあさりの砂抜きを行うことができます。
お湯を使いあさりの砂抜きを行うとき、あさりの殻は汚れが多いので、まず、殻をこすり合わせてよく水洗いをしましょう。そして50度のお湯に10分間静かに置いておきます。お湯が汚れますので、もう一度、殻を水でこすり洗いします。
そして、再度50度のお湯の中に5分間静かに置いてください。水管が出ていることが確認できたら、再び殻をこすり洗いしてきれいな水の中に取り出したら砂抜きは完了です。
作業中口が開いたものや殻がかけたものがあったら取り除いた方が良いでしょう。
砂を吐き出しやすくするため、 殻はこすり洗いをしましょう。
温度管理には注意
あさりは生き物ですので温度には敏感です。砂抜きをうまく行うためには十分な温度管理が必要でしょう。
砂抜きを効率よく行うためには、スーパーであさりを手に入れたら、すぐに砂抜きを行うことが大事です。冷蔵庫で15度以下に冷やしてしまうとあさりは仮死状態となり、砂抜きに時間がかかってしまいます。
砂抜きのときのお湯の温度は、50度以上にするとあさりは死んでしまいます。しかし、50度以下ですと、砂を吐き出しにくくなります。そのため、温度は厳守しましょう。
この作業ではお湯を使うことになるため、火傷には十分注意してください。
あさりの旨みを引き出す方法
スーパーで買ったあさりを砂抜きした後、すぐに調理したり、冷蔵庫に入れたりすることは、もったいないことです。ひと手間を加えることにより、あさり独特の旨み成分を引き出すことができます。
ひと手間とは非常に簡単で、砂抜きをした後あさりを並べ、その上から乾燥を防ぐために、濡れたふきんかペーパータオルをかけます。そして、3時間ほど20度前後の室温で置いておくだけです。
すると、あさりは濡れたふきんのためエラ呼吸ができなくなり、ストレスにより旨み成分であるコハク酸を作り出します。
冷蔵庫に入れて冷やしてしまうと、コハク酸は増えにくくなると言われています。
砂抜きも含めますと 6時間以上かかってしまいますが、ひと手間を加えるだけであさり独特の旨みを増やすことができると言えます。
スーパーで買ったあさりを使ったおすすめレシピ
スーパーで買ったあさりは万能食材と言えるでしょう。味噌汁はもちろん炊き込みご飯にしても人気です。ラーメンやパスタやピザの具としてもよく使われます。
煮ても蒸してもよく、アレンジの工夫で和風にも洋風にも合います。
たくさんあるあさりのレシピからいくつかを紹介いたします。スーパーのあさりのおいしさを十分に味わってください。
あさりの酒蒸し
あさりの酒蒸しは鍋ひとつで作れ、あさりをシンプルに美味しく味わえる、おつまみにもおかずにも人気の酒蒸し料理です。
あさり自体の美味しさはもちろん、あさりの旨みや野菜のエキスが染み込んだスープをパンやパスタにあわせて食べてもとても美味しく召し上がれます。
お酒で蒸すのには理由があり、お酒は貝特有の生臭さを取り除いてくれるでしょう。そして、お酒の持つ糖類やアミノ酸が加熱により、香りや風味を加えてくれることになります。
あさりの美味しさを楽しむなら、あさりの酒蒸しがおすすめです。
あさりご飯
◎おにぎりにして、海苔で包んでもおいしいんです♡
あさりを使った炊き込みご飯として、深川めしが有名ですが、深川めしにはぶっかけと炊き込みがあります。
一つは江戸時代ころからあると言われる、漁師の食事を起源とするぶっかけの深川めしです。そして、もう一つは明治時代から始まったと言われる、深川地区の家庭料理の炊き込みご飯です。
ぶっかけの深川めしは味噌や醤油を使っただし汁にあさりを入れ煮立たせ、そこに長ネギなどの野菜も加え、ご飯にかけて食べるものとなります。
あさりの炊き込みご飯はあさりの旨みを白米がたっぷり吸い込んだもので、あさり料理の定番です。
スーパーで買ったあさりを砂抜きして食べよう
スーパーで購入したあさりも、砂抜きをした方が安全であることがわかりました。また、手間をかけずに砂抜きできる方法や旨みを増す方法についてもご紹介しました。
今回の記事を参考にスーパーで新鮮なあさりを入手し、旨みと栄養価の高いあさり料理を楽しみましょう。