ソースカツ丼発祥の地はどこ?有名店とその他の変わりカツ丼も紹介

手軽にガッツリ食べられることで人気のカツ丼ですが、卵でとじないソースカツ丼があるのをご存じですか。本記事ではソースカツ丼の歴史や発祥の地、それぞれの地域でのアレンジや変わり種カツ丼を紹介しています。ソースカツ丼について詳しく知りたい方は参考にしてください。

ソースカツ丼発祥の地はどこ?有名店とその他の変わりカツ丼も紹介のイメージ

目次

  1. 1ソースカツ丼とカツ丼はどう違う?
  2. 2ソースカツ丼発祥の地は諸説あり
  3. 3ソースカツ丼以外にもある変わりカツ丼
  4. 4全国のソースカツ丼を試してみよう

「卵でとじないカツ丼があるって聞いたけど、どんな調理法なの?」
「ソースかつ丼の発祥の地はどこ?」
「他にどんな変わりカツ丼があるのか知りたいなあ」
カツ丼と言えばとんかつを卵でとじたものが一般的ですが、卵を使わないソースカツ丼というものがあるのをご存じでしょうか。


この記事ではソースカツ丼の歴史や他のカツ丼との違い、ソースカツ丼の発祥地にはさまざまな説があることやそれぞれの由来を解説します。あわせてソースカツ丼以外の変わりカツ丼も紹介しています。この記事を読むことでソースカツ丼の発祥や特徴がわかり、さまざまなカツ丼を食べてみたくなるでしょう。


カツ丼が好きな方、ソースカツ丼に興味がある方、各地のカツ丼を食べてみたい方、自宅でおいしいカツ丼を作ってみたい方はぜひ参考にしてください。

ソースカツ丼とカツ丼はどう違う?

カツ丼とソースカツ丼の違いを見ていきましょう。


とんかつと玉ねぎをしょうゆベースの出汁で煮込み、卵でとじてご飯にかけたものが一般的にカツ丼と呼ばれるものです。三つ葉があしらわれることもあります。


ソースカツ丼は卵でとじないのが特徴で、ご飯の上に千切りキャベツを敷き、とんかつをのせてウスターソースをかけたものが一般的です。


カツ丼では卵と出汁のしっとりした食感が味わえますが、ソースカツ丼はキャベツのシャキシャキ感とサクサクしたとんかつの食感が味わえます。


ソースカツ丼の味のベースはウスターソースですが店によって違いがあり、オリジナルのスパイスや調味料で作った特製ソースを使うところもあります。

ソースカツ丼は歴史あるメニュー!

ソースカツ丼の歴史は古く、1920年頃にはすでに誕生していたことがわかっています。


ルーツは明治30年代より食されるようになった洋食であるという説が有力です。東京で流行ったポークカツレツを店でも提供したいと考えた老舗蕎麦屋の店主が、提供する皿数を減らして出前にも対応できるように丼スタイルにして提供したのがソースカツ丼ではないかと言われています。


カツ丼の原型は卵とじではなくソースカツ丼であったという説も根強いです。明治時代の洋食ブームの発祥が東京であることからソースカツ丼を提供する店は東日本に多く、西日本では卵とじのカツ丼が主流だとされています。

ソースカツ丼発祥の地は諸説あり

100年以上の歴史を持つソースカツ丼ですが、国内での発祥の地はどこなのでしょうか。


実はソースカツ丼発祥を名乗る地域は多く存在し、それぞれが名物として地元で愛されています。また、老舗と呼ばれる店ではオリジナルのソースを開発するなど独自の進化を経て看板商品として遠くから食べに来るお客もいるのです。


ここからは、発祥の地とされている中でも有力だと言われている福井県・群馬県桐生・長野県伊那駒ヶ根・福島県会津、そして2つの発祥説がある東京の早稲田についてソースカツ丼誕生の歴史を見ていきましょう。

福井県|ヨーロッパ軒説

ソースカツ丼発祥の店として有力だと言われているのが、福井県にある「ヨーロッパ軒」です。


ドイツで料理の修業をした高畠増太郎さんが、帰国後の1913年に東京早稲田でヨーロッパ軒を開業しました。しかし1924年の関東大震災で被災し、1924年に故郷の福井県敦賀市でヨーロッパ軒を再オープンして現在に至ります。


早稲田のヨーロッパ軒はすでに閉店していますが、日本で初めて提供されたソースカツ丼はヨーロッパ軒のものだと言われているのです。


この店のソースカツ丼にはキャベツがなく、丼の蓋からカツがはみ出ているのが特徴です。開けた蓋を皿代わりにしてカツをのせ、ご飯と一緒に食べるのが通だと言われています。

群馬県桐生|志多美屋本店説

多くのブランド豚の生産で知られる群馬県も、ソースカツ丼の発祥の地として名乗りをあげています。


桐生市にある1926年創業の「志多美屋本店」は鰻の卸商がルーツです。鰻のタレを生かしたものを作ろうと思い立った店主が、ウスターソースと鰻のタレを混ぜてカツにかけ、ソースカツ丼として提供したのが発祥だと言われています。


桐生のソースカツ丼はヒレカツを使用し、キャベツはご飯の上ではなく別添えになっているのが特徴です。地元の飲食店組合による「桐生ソースカツ丼会」が発足し、スタンプラリーやイベントを開催するなどソースカツ丼で地元を盛り上げ、街おこしにも一役買っています。

長野県伊那駒ヶ根|喜楽(現:きらく)説

長野県駒ヶ根でもソースカツ丼がご当地発祥のグルメとして定着しています。


1928年創業のとんかつ店「喜楽(現:きらく)」で、カツライスにヒントを得た店主がとんかつをソースにくぐらせ、ご飯の上に千切りキャベツと一緒にのせて提供したのが発祥です。


今ではすっかり定着し、駒ヶ根で卵とじのカツ丼を注文する際には「煮カツ丼」「卵とじカツ丼」と言う必要があると言われています。


1993年には市内の飲食店有志により「駒ヶ根ソースかつ丼会」が結成されました。どの店でも一定の基準を保った駒ヶ根ソースかつ丼が提供できるように規定を設け、食を通じて地元を盛り上げる活動を行っています。

福島県会津|若松食堂説

福島県会津地方でも、カツ丼と言えばソースカツ丼が主流です。卵とじのカツ丼にソースをかけた「変わりソースカツ丼」も存在します。


会津若松市にはソースカツ丼を提供する店が複数ありますが、その中でも1930年創業の「若松食堂」が発祥の店だとされています。


若松食堂のソースカツ丼は薄めのとんかつがびっしりとご飯の上に載っているのが特徴で、秘伝の甘辛いソースはキャベツにもよく合う懐かしい味わいです。


会津のソースカツ丼が全国に知られるようになったのは、2004年に発足した「伝統会津ソースカツ丼の会」の活動だと言われています。サイトに公開しているソースカツ丼マップは地元の人々だけでなく観光客にも好評です。

2つの早稲田説

福井にある「ヨーロッパ軒」は、元々は東京の早稲田大学向かいに店を構えていたため「ソースカツ丼は早稲田発祥」と言われるゆえんになりました。


実は早稲田発祥説はもう一つあります。それは「早稲田高等学院の学生がソースカツ丼を考案した」というものです。


1921年に早稲田高等学院の1年生だった中西敬二郎さんは、下宿近くの軽食店「カフェーハウス」で日々食事をしていました。同じようなメニューに飽きた中西さんはある日店主に許しを得て調理場に入ります。


切ったカツを丼ご飯の上にのせ、小麦粉でとろみをつけたウスターソースをかけて食べてみると大変おいしく、店主にかけ合って「カツ丼」という名前で新メニューにしたのが発祥だと言われているのです。

ソースカツ丼以外にもある変わりカツ丼

ソースカツ丼の発祥の地と言われる地域の紹介と、その歴史を解説してきました。全国に数多く存在し、地方によってさまざまなアレンジが加えられているソースカツ丼ですが、実はウスターソース以外のもので味付けした変わりカツ丼が存在します。


すでに全国的に有名になっているものから、B級グルメとして全国展開に挑戦中のもの、地元に根付いた定番グルメになっているものなどさまざまです。


ここからは地元で古くから愛され、観光客などにも好評な変わりカツ丼を3種類紹介します。

名古屋|味噌カツ丼

名古屋では、ソースの代わりに味噌を使った味噌カツ丼が有名です。


愛知県で親しまれている「八丁味噌」と呼ばれる豆味噌を使い、かつお出汁やザラメなどを加えて味を調えた味噌ダレを、丼に盛ったカツにかけていただきます。味噌カツ丼にはキャベツを使わないのが特徴です。


味噌カツ丼は1949年頃に天丼をヒントに名古屋市にある飲食店「叶」により考案されたと言われています。割烹料理店だったお店のランチとして提供されていた味噌カツ丼が評判を呼び、口コミでそのおいしさが広まっていきました。


今では名古屋を代表する地元発祥のグルメとして、味噌カツ丼は広く知られています。

岡山|デミカツ丼

岡山にはデミグラスソースを活にかけたデミカツ丼があり、地元発祥のグルメとして人気です。


丼ご飯の上にキャベツとカツをのせ、デミグラスソースがたっぷりとかかっています。デミカツ丼ではキャベツを使うのが一般的です。「ドミカツ丼」と呼ばれることもあります。


デミカツ丼は岡山市にある1931年創業のとんかつ店「味司 野村」によって考案されました。帝国ホテルのデミグラスソースに感動した初代店主がその味を地元の人たちにも食べてほしいと考えて提供したのが始まりです。


デミカツ丼は地元を盛り上げるグルメとして進化し、今ではラーメンスープをベースにしたものや、生卵トッピングなどさまざまなデミカツ丼が誕生しています。

新潟|タレカツ丼

新潟では、甘辛いタレにカツをくぐらせてご飯にのせたタレカツ丼が地元の人々に愛されています。


タレはしょうゆベースに砂糖などで味付けし、食べやすいように一口サイズの薄めのカツが使われていることが多いです。米どころとして知られる新潟は、そのおいしさを引き立てるためにキャベツなどは使わず、ご飯とカツのみのシンプルなものが多くみられます。


タレカツ丼の発祥は昭和初期だとされており、港町の飲食店で西洋文化を取り入れたモダンな料理として人気になりました。


老舗で修行した料理人が県内各地で店を出したことで広まり、今ではタレカツ丼を提供する店が新潟市内に多く並んでいます。

全国のソースカツ丼を試してみよう

ソースカツ丼とはどのような料理なのか、歴史や発祥地と言われるソースカツ丼の紹介、変わりカツ丼について紹介しました。


ご飯にのせたカツにウスターソースをかけるというシンプルな調理法のため、自宅でも比較的作りやすい料理です。ご飯にのせるキャベツを茹でたり、グリーンピースや卵をのせたりといったアレンジもよいでしょう。


ウスターソース以外にも味噌やデミグラスソース、しょうゆダレなど味付けはさまざまです。ロース、ヒレ、薄切り肉などカツの部位を変えたり、ソースをかけたりくぐらせたりといった違いでも異なる食感が楽しめます。


卵とじのカツ丼とは違った魅力を持つソースカツ丼を、お店や自宅で味わってみてください。

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