海藻と海草の違いを徹底リサーチ!同じ読み方だがまったく別物?

海藻と海草の違いを紹介します。カイソウと同じ読み方ですが、全く異なる構造や繁殖方法、生息域の違い、私たちの生活に密着した使い道など解説!海草と海藻の共通点や、自然界での重要な役割についても説明します。

海藻と海草の違いを徹底リサーチ!同じ読み方だがまったく別物?のイメージ

目次

  1. 1海藻と海草の違いが知りたい!
  2. 2海藻と海草の違いは?
  3. 3海藻の特徴
  4. 4海草の特徴
  5. 5海藻と海草の違いまとめ

海藻と海草の違いが知りたい!

ワカメや昆布、ウミブドウ、これらを総称して「カイソウ」といいます。今、頭に思い浮かんだ文字は海藻と海草どちらでしたか?海藻サラダと海草サラダ、どちらの料理名もレストランのメニュー表で見たことがあるのではないでしょうか?

同じ読み方、同じ意味の言葉のように思えますが、実は違う種類の植物を指す単語です。この記事では、海藻と海草の違いについて紹介します。

海藻と海草の違いは?

海藻と海草はまったく別の植物

海藻とは、海に生息する藻類のことを表します。マリモをイメージするとわかりやすいですでしょう。私たちが普段口にするワカメや昆布なども藻類に分類されます。海草は、海に生息する種子植物を表す言葉です。音だけでは誤解を招くため、場合によっては「ウミクサ」とも呼ばれます。日本国内でよく見られるのはアマモです。

浅瀬に生息しており、群生地の藻場が観測できます。似たイメージを持ちがちですが、全くの別物です。生息エリアも被ることがなく、構造や繁殖方法も異なります。

海藻と海草の共通点

全く違う生物ですが、共通点がいくつかあります。どちらも太陽エネルギーで光合成をする生物です。海中で光を受け、全身を使い栄養を得ます。もし育てるとしたら、照明が必須です。祖先が単細胞の藻類から始まることも同じです。陸上に生える種子植物の多くは、海藻から進化したといわれています。

藻類から紅藻類、緑藻類、褐藻類に枝分かれし、その中で緑藻類が陸上へ進出しました。地上で進化した緑藻類は、花を咲かせ種を撒き繁殖する種子植物となりましたが、種子植物は再び生息地を探し海中に戻ってきたのだと考えられています。

この海中に戻ってきた種子植物が海草です。この他にも、海中の生物の隠れ場所や産卵場所として利用されている点も同じです。

海藻の特徴

海藻の構造

植物の構造は、基本的に葉・茎・根から成り立っています。しかし、藻類である海藻は葉・茎・根の区別がはっきりつかないものがほとんどです。主に葉のような葉状体と仮根で造られています。単細胞のクロレアのような藻類は海中に浮遊しており、見た目からも構造の区別がつきづらいことが分かります。

多細胞の昆布やワカメなどは陸上の植物と同じく葉・根・茎があるように見えます。しかしながら、実際は葉状体と仮根で構成されています。葉状体には葉緑体があり、水中に差し込む光で光合成をします。仮根は葉状体を岩や砂場にくっつけるためのものです。海中で生活するため、体全体の葉状体から養分を吸い込みます。

海藻の繁殖方法

海藻は植物ですが、花を咲かせません。よって、繁殖するには胞子を利用します。ワカメを例に説明すると、まず春に仮根の位置に胞子のうと呼ばれる胞子の袋ができます。やがて胞子は海中を泳ぐためのべん毛が生えた遊走子となり、岩などに付着します。

夏を越えると雌雄の区別が生まれ、雄の胞子は発芽すると精子を、雌の胞子は発芽すると卵子を作ります。これらの細胞が受精し、受精卵が大きくなると私たちのよく見慣れたワカメへと成長します。遊走子は数億個生まれますが、水温や日光の影響でほとんど亡くなり、最終的に残るのは100個体ほどです。

海藻は色と生息場所で3つに分類できる

海藻は深さ数十mまでの波が強い岩場に生息しています。また、繁殖場所の水深の違いによって、3つに分類することができます。浅瀬に生息するものは緑藻類です。ウミブドウやアオサ類、アオノリ、ミルなどが分類されます。緑藻類は浅瀬に生息するため、波長が長い赤色と短い青色の光を利用し、光合成します。

中くらいの長さの波長である緑色は利用しないため、光の反射によって緑に見えます。水深が深い場所で生きるのが紅藻類です。浅瀬で赤の波長が届きづらくなり、緑の波長が利用されるため、使われない赤色に見えます。

ユカリやテングサ、アマノリ、オゴノリなどが有名です。この二つの分類の中間に生息するのが褐藻類です。ワカメ、昆布、ヒジキ、ウミグサ、カジメなどはここに分類されます。

海藻は食用・美容に活用される

私たちが普段食用として食べている、ワカメや昆布、ヒジキ、ユカリなどは海藻と表記されるのが正しいです。栄養価も高く、ヒジキにはカルシウムが100gあたり1400mg、ワカメにはカリウムが100gあたり730mg含まれています。

水溶性食物繊維も豊富に含まれているため、糖尿病の予防や改善、骨粗しょう症の予防にも効果的です。この栄養価は肥料としても利用されていました。海岸近くの耕作では、昔から海藻を肥料として重要視しています。

添加物としても海藻は活用されています。海藻に含まれるアルギン酸ナトリウムには食品の増粘、ゲル化、安定などの効果があり、アイスクリームやチーズ、ヨーグルト、ガム、プリン、ゼリーなど多様に使用されています。

この効果は医療用でも活用されており、薬の錠剤を固めたり、カプセルの材料、歯形を取る素材にも使われます。美容としても、シャンプー・コンディショナーのテクスチャー作りに紅藻類由来のカラギーナンが使われています。

海草の特徴

海草の構造

海草は海藻と違い、種を生み花を咲かせる種子植物です。そのため、海草は葉・茎・根の区別がはっきりとできます。陸上の植物と同じく体中に水や養分を運ぶ維管束があり、光合成をします。アマモなど、一部の海草は海中の中の栄養塩を取込むことも発見されています。

根は養分を吸う役割があるため、砂泥の中にしっかりと張り巡らされます。ごく稀に根を岩の窪みや隙間に入り込ませ、地下茎(地中で育つ茎を)を伸ばし成長する場合もあります。

海草の繁殖方法

種子植物である海草は、花を咲かせて種子を生み繁殖します。このような繁殖方法を行う植物のことを、「顕花植物」ともいいます。しかし、陸の植物のような美しい花は咲きません。見た目は花びらのない陸上の花のようなものです。

雌しべと雄しべがあり、雄しべから出てきた粘性の花粉が水に流され、雌しべに引っかかり受粉します。たいていの海草が種子、もとい花粉を使った繁殖をしますが、ベニアマモやリュウキュウアマモなど熱帯に生息する海草は、栄養繁殖します。栄養繁殖とは、葉・根・茎などの栄養器官から次の世代の生物が繁殖する方法です。

海草の生息場所

海草は光合成が必須な生物です。そのため、太陽からの光量が海水面の10%以下になると成長出来なくなってしまいます。生息場所は光が届きやすい海面から数m以内の沿岸の内湾、干潟、海水と淡水が混ざり合う汽水域です。乾燥に弱いため、干潮時でも海水に浸かれる場所を好んで生息します。

太陽の光量さえ落ちなければ生きていくことができますので、透明度が高く光が届きやすい場所では、40mよりも深い場所で観測することができます。海草が密集している場所は海草藻場と呼ばれています。光合成により生まれる酸素は、他の生物が生きていくのに必要な要素です。藻場は様々な動物の隠れ場所、産卵場所などに利用されています。

海草を人が食べることはほぼない

海草は海藻と違い、人が食べる事はほぼありません。世界でも60種類ほどしかないという報告もあります。では、どのような役割を自然の中で担っているのでしょうか?先ほど紹介した海草藻場は、水の汚れの原因物質を吸収し、水質汚染を改善する効果があるとされています。

海底の砂地を安定させる働きもあり、海の生態系を守る重要な役割を担っているのです。海の妖精と呼ばれる絶滅危惧種ジュゴンの主食としても注目を集めました。しかし、現在埋め立ての影響により豊かな藻場は減ってきています。

沖縄の辺野古周辺は豊かな藻場があり、基地の影響で失われてしまうのではないかといわれています。食用とならなくても、生態系を維持するのに必須な海草は守るべき生物です。

海藻と海草の違いまとめ

海藻は藻類に分類されます。我々が普段口にするワカメや昆布、ヒジキ、ユカリなどはこちらに分類されます。藻類ですのではっきりとした構造の区別がなく、葉状体と仮根で造られているのも特徴です。食用として利用されるだけでなく、添加物としてアイスクリームなどの既製品に含まれていたり、薬として医療に貢献する使い道もあります。

海草は種子植物に分類されます。そのため、繁殖のために花を咲かせ、種子を海中に流すのが特徴です。藻類と違い、陸上の植物と同じく葉・茎・根の区別がしっかりつけられます。食用として人が口にすることはほぼありませんが、水質改善や、砂場の安定、ジュゴンの主食になるなど自然界にとっては欠かせない生物です。

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