抹茶のカフェイン含有量はどのくらい？妊娠中や寝る前に飲んでも大丈夫？

抹茶アイス、抹茶プリン、抹茶ラテなど、スイーツには欠かせない抹茶。抹茶好きも多く、スーパーでは気軽に抹茶が楽しめる抹茶粉末が売られていて、誰でも抹茶を味わうことができます。そんな抹茶ですが、煎茶などと同様お茶の葉から作られているためカフェインを多く含んだ飲み物です。美肌効果やリラックス効果もあり、ファンの多い抹茶ですが一体どのくらいのカフェインを含んでいるのか、コーヒーなどと比較して紹介します。

抹茶は紅茶や煎茶などと同じお茶の葉からできているので、カフェインを含有しています。文部科学省の「日本食品標準成分表」には抹茶のカフェイン含有量について、抹茶粉末100gの中に3.2gのカフェインが含まれていると記載しています。グラムで現すとわかりにくいですが、お店やお寺などで点ててもらった抹茶には1杯64mgのカフェインが含まれていることになります。これは、500mlのペットボトルの緑茶よりも少し多い量です。

カフェインが多く含まれている飲み物として頭に浮かぶのはコーヒーではないでしょうか。実は、コーヒー1杯を10gの豆で淹れたとすると、カフェインは60mgなので抹茶1杯分とほぼ同じ程度のカフェインを含有していることになります。また、ふんわりと抹茶が香る人気のドリンク抹茶ラテの場合、1杯（200ml程度）なら抹茶のカフェイン量、コーヒーのカフェイン量とほぼ同量のカフェインが含まれています。

抹茶1杯とコーヒー1杯のカフェイン含有量がほぼ同量だとわかりましたが、他の飲み物と比べるとどうでしょうか。コーヒーの他にカフェインが多く含まれている飲み物と言えば、お茶の中では緑茶が挙げられます。

緑茶も薄めの味から濃い味まで好みに応じて何種類もの商品が販売されていますが、例えば伊右衛門のペットボトル緑茶500mlの場合は50mgのカフェインが含まれています。これは抹茶やコーヒー1杯分より少し少なめです。

豊かな風味が人気のほうじ茶には、100mlあたり3.1mgのカフェインが含まれています。抹茶やコーヒーと比べるとわずかな量にはなりますが、やはりお茶の葉から作られている以上はカフェインを含んでいるので、妊娠中や授乳期でカフェインの摂取を気にしている人はカフェインゼロの麦茶を飲むことをおすすめします。また、カフェインレス商品も多く販売されているので、そちらもおすすめです。

煎茶やコーヒーであればカフェインレスやデカフェと言ったカフェインが含まれていない商品が販売されていますが、残念ながら抹茶にはそういった商品はありません。あるとしても低カフェイン商品でカフェインが完全に含まれていないわけではなく、ノンカフェイン抹茶、カフェインゼロ抹茶風味などという商品はありますが原料に抹茶は使用されておらず、桑の葉やホウレン草、青汁などが使われているようです。

ここまでで、抹茶にはコーヒーと同様多くのカフェインが含まれていることがわかりました。ではカフェインを摂ることをあまり良くないとされている妊娠中や寝る前は、抹茶を飲むことは良くないことなのでしょうか。ここからは、抹茶を飲むことで得られる効果や抹茶に含まれる栄養などを紹介します。

妊娠中に抹茶を飲む場合は、飲む量に気を付けてください。妊娠中にカフェインを摂取したからと言ってすぐに異常が出るわけではありませんが、妊娠期間中に長期的に大量のカフェインを摂取し続けると、胎児の成長に影響が出たり、流産率が増加するなどのリスクが高まると言われています。妊娠中にカフェインを摂取する場合は1日100㎎以下にすることが望ましいので、1日に抹茶1～2杯であれば飲んでも問題はないとされています。

抹茶には「テアニン」というアミノ酸が含まれています。このテアニンには気持ちをリラックスさせる効果があるとされています。ある研究によるとテアニンは睡眠の質を向上させて起床時のリフレッシュ感を改善させる効果があるとわかっており、寝る前に飲めばリラックスした状態で眠りにつくことができます。睡眠のために飲むのであれば濃茶の抹茶を4g溶いて飲むのがおすすめです。

上述しましたが、抹茶に含まれるテアニンというアミノ酸にはリラックス効果があります。テアニンにはアルファー波を出して興奮を鎮め、緊張を和らげる作用があるので寝る前に飲んでリラックス効果を期待するだけでなく、普段の生活でイライラしたときや忙しいときに飲むとほっと心を癒してくれる効果があります。仕事で忙しく頭がいっぱいの時に抹茶を飲むと、落ち着いて作業ができることで仕事がはかどるかもしれません。

また、抹茶にはみかんの4～7倍のビタミンCが含まれていると言われており、美肌効果の他にもストレスに対する対抗力を作る力があると言われています。抹茶に含まれるカフェインにより疲れが取れて活力が湧いてきたり、抹茶の匂いにはアロマテラピー効果がありストレスを和らげてくれる働きもあります。テアニンのリラックス効果に関連して集中力アップや記憶力の向上、認知症の予防にも良いとされています。

抹茶に含まれるビタミンやカテキン、フラボノイドという成分には口臭予防効果があります。通常の口臭は歯に付いた食べものの残りカスが原因で発生するもので、最後にお茶を飲むことで口の中の食べカスを洗い流してくれて、口内の細菌の繁殖を殺菌作用で防いでくれます。口臭だけでなく消臭効果があるので、消臭スプレーやアルコールスプレーには緑茶成分が入っているものも多く見かけます。

抹茶には美容に最適な成分や栄養素が多く含まれています。例えば抹茶に含まれているビタミン・サポニンにはシミやくすみを出来にくくする効果があり、カテキンには紫外線などで影響を受けたお肌を修復させる効果があります。またビタミンCにはお肌の水分を保ち、弾力を保つ働きがあります。寝る前に抹茶を飲んでリラックスした状態で眠りに付けば、良い睡眠が得られてさらに美肌効果も得られます。

また、抹茶はダイエットにも役立つ成分が含まれています。カテキンには代謝を上げて皮下脂肪や内臓脂肪を燃やしてくれる働きがあり、タンニンには脂肪の吸収を抑制し、脂肪を分解する働きがあるので、痩せやすい身体作りに効果的です。さらに食物繊維は腸の働きを良くしてくれて便秘予防にもなりますし、テアニンは血行を良くして冷え性を改善する効果も期待できます。抹茶には、女性に嬉しい成分がたくさん含まれています。

抹茶に含まれるカフェインは、飲み会などでアルコールを摂取して鈍ってしまった脳の働きを復活させてくれる効果があります。さらに、タンニンはアルコールの吸収を抑えてくれる効果があります。これは抹茶と同じ成分が含まれる緑茶でも同様で、飲み会の最後に緑茶を飲むと頭がすっきりして酔いを冷ませるのはカフェインやタンニンの働きのおかげです。

抹茶はインフルエンザ予防にも役立ちます。これはカテキンの抗菌作用によるもので、インフルエンザだけでなく風邪など様々な感染症を予防するのに期待できます。インフルエンザは毎年複数の型が流行しますが、どの型のインフルエンザであっても効果を発揮します。ビタミンCが抹茶に多く含まれているのもポイントで、冬になるとお茶うがいが推奨されるのはこの抗菌作用を促すためです。

抹茶のカフェイン含有量や妊娠中や寝る前に抹茶を飲む場合の注意事項、抹茶が持つ栄養素や私たちの健康に役立つ成分についてなど、抹茶の効果についてまとめましたが、参考になりましたでしょうか。抹茶はコーヒーと同じくらいのカフェインを含んでおり、過剰摂取は妊娠中や授乳期を問わず避けるべきですが、1日数杯飲むのであれば非常に多くの効果が期待できることがわかりました。

風邪の予防や二日酔い防止にも役立ちますが、美肌効果やダイエット効果、口臭予防、便秘予防、冷え性対策など特に女性に嬉しい成分や栄養素をたくさん含んでいる抹茶。リラックス効果もあるのでほっと一息つきたい時に抹茶を飲むと様々な効果が期待できます。抹茶とほぼ同様の成分が含まれている緑茶でも同じ効果が期待できるので、抹茶が苦手な方は緑茶で代用してみてください。量に気を付けて、抹茶のある生活を楽しみましょう。