ケンタッキーのレシピは再現できる？KFCの秘密のオリジナルスパイスの味は？

子どもから大人まで世界中で愛されているケンタッキーのフライドチキン。ジューシーでスパイスの効いた、ケンタッキーでしか味わえないあの味は、いったいどのようにして作られているのでしょうか？

他社にはまねの出来ない、ケンタッキーオリジナルのおいしさを生む秘密は、創業者のカーネル・サンダースが9年もの歳月をかけて完成させた秘伝の11種類のハーブとスパイスです。この秘伝のスパイスこそがKFCの真髄といっても過言ではありません。

このケンタッキー独自のスパイスの配合レシピは、極秘情報とされていて分かっていることは、2つしかありません。ひとつは11種類のハーブとスパイスを使用していること、もうひとつはそれらはすべて「誰の家の戸棚にもあるもの」であるということだけです。この謎に包まれたところが長年、人々を惹きつけているのかもしれません。

2016年、アメリカのシカゴ・トリビューン紙がKFCフライドチキンのレシピを入手したと報じました。サンダース氏のおい、ジョー・レディントン氏と出会い、家族アルバムを見せてもらった際、その中に手書きのレシピがあったのです。そこには11種類のハーブとスパイスと各分量が書かれていました。
 

ジョー・レディントン氏は「これが極秘とされている、ケンタッキーオリジナルの11種類のハーブとスパイスですよ」と話しましたが、KFC本社はこれを真っ向から否定しています。ただ、掲載されたレシピ通りに作った結果、オリジナルと全く変わらない結果になったとの報告もあり、KFCの味に近いことは確実なようです。

実際に流出した手書きのレシピには下記のように書かれています。・オレガノ:小さじ1杯、チリパウダー：小さじ1杯、グランドセージ：小さじ1杯、乾燥バジル：小さじ1杯、乾燥マジョラム：小さじ1杯、白コショウ ：小さじ1杯、塩：小さじ1杯、パプリカパウダー：大さじ2杯、オニオンソルト：小さじ1杯、ガーリックパウダー：小さじ１杯、グルタミン酸ナトリウム：大さじ2杯となっています。

創業者のカーネル・サンダースが過去に「誰の家の戸棚にもあるもので出来る」と語っていることから自分たちで作ることは不可能ではないはずです。これまで世界中でたくさんの人がケンタッキーのあの味を再現するべく挑戦していますが、今回はその中から、4つのレシピを紹介します。

まずは、流出したレシピをもとに少しアレンジを加えた作り方を、紹介します。こちらのレシピは限りなくケンタッキーのオリジナルチキンに近いとされています。使用するハーブやスパイスは、最近であれば大きなスーパーや輸入食品店で取り扱っていることが多いので比較的簡単に手に入れることができます。

用意する材料は、鶏肉(手羽元がおすすめ)：お好きな分量、牛乳：200ml、卵：1個、オレガノ：小さじ1杯、チリパウダー：小さじ1杯、グランドセージ：小さじ1杯、乾燥バジル：小さじ1杯、乾燥マジョラム ：小さじ1杯、白コショウ ：小さじ1杯、塩 ：小さじ1杯、パプリカ：小さじ1杯、オニオンソルト：小さじ1杯、ガーリックパウダー：小さじ1杯、グルタミン酸ナトリウム：小さじ2杯です。

KFCのフライドチキンを再現するうえで、重要なポイントとなるのがMED液（牛乳200mlに卵1個をよくかき混ぜたもの）に浸すことです。一晩漬け込むことで、鶏肉の臭味が取り除かれ、肉が柔らかくなります。普段、家庭で唐揚げを作るときには無い工程ですが、この下準備こそがケンタッキーオリジナルチキンに近づく大切なポイントです。

KFCのオリジナルチキンのあの柔らかさの秘密は、専用の圧力釜を使った独自の高温高圧調理にあります。最高185℃にもなる専用の釜で約15分間、圧力をかけながらゆっくりと時間をかけて揚げることで、骨まで柔らかく、ふっくらジューシーなオリジナルチキンができあがります。

ただし、自宅で圧力鍋を使用しての揚げものはとても危険です。日本では法律でも禁止されています。その代わりに、揚げる前に圧力鍋で煮込むことでKFCフライドチキンのあの柔らかさを再現しましょう。一晩漬け込んだMED液と、鶏肉を弱火で20分～25分程、煮れば十分です。手間がかかりますが、このひと手間で仕上がりの食感が全然違ってきます！

煮込んだ鶏肉は、水気を拭き、新しい牛乳と混ぜ合わせスパイスをまぶして揚げれば完成です。一度、煮込んで火を通しているので衣がこんがりきつね色になっていればOKです。

一晩漬け込んだり、揚げる前に茹でたり、実際にはとても手間と時間がかかります。次は、もっと簡単にケンタッキーの味を再現できるレシピを紹介します。

手羽元：6本、薄力粉：適量、コショウ：小さじ3分の2、塩：小さじ3分の2、オレガノ：小さじ2、ガーリックソルト：小さじ1,ガーリックパウダー：小さじ1,マジョラン：小さじ1,乾燥パセリ：小さじ1,パプリカパウダー：小さじ1,チリパウダー：小さじ1

ハーブとスパイスをボウルにすべて混ぜ合わせたら、手羽元によく揉みこみましょう。使い捨ての密封袋などを使うと洗い物が減って後片付けが楽になります。その後、冷蔵庫で30分程度寝かせましょう。味が良く馴染みます。

このレシピでは衣は薄力粉のみです。そのため、揚げる際に触りすぎてしまうと非常に剥がれやすいです。火の通り具合が気になってついつい触ってしまいがちですが、なるべく触らないようにしましょう。また揚げる際には皮面から入れましょう。きれいに仕上がるポイントです。

少量しか使わないハーブやスパイスを11種類も揃えるのは、お金もかかるしためらってしまいます。そんなときは既に複数のスパイスが入っているものを使いましょう。その中でもオールスパイスがおすすめです。オールスパイスは、シナモン、クローブ、ナツメッグをミックスしたような、深みのある香りをもっているのが特徴です。市販のものであれば、ミックススパイスやクレイジーソルトもおすすめです。

材料は、鶏むね肉：人数分、手羽元：人数分、牛乳：2カップ、卵：1個、小麦粉：2カップ、黒コショウ：小さじ2杯、オールスパイス：小さじ1.5杯、塩：大さじ1.5～2杯です。

作り方は1：牛乳と卵を混ぜる(A)。オールスパイス・小麦粉・黒コショウ・塩を混ぜる(B)。2：肉をAに浸したあと、Bをまぶす。3：200℃に熱した油で揚げる。(12～15分)の、3ステップです。とてもシンプルで料理初心者の人にも挑戦しやすいです。
 

このレシピでは事前に火を通していないので揚げる時間がポイントになります。肉汁が揚げ油に流れ出し、音を立て始めたら揚げ上がりのサインです。あとは余熱でゆっくり火を通しましょう。衣はきつね色ではなく暗めの茶色になるまで待ちましょう！

最近の100円ショップでは一人暮らしの人向けに、少量の調味料が豊富に販売されています。100円ショップで手に入るものを使った、ケンタッキー風フライドチキンの作り方をご紹介します。

材料は、鶏肉（骨つき三本)：1000g、豆乳：500cc程、小麦粉：2/3カップ、ガーリックパウダー：小さじ1杯、ジンジャーパウダー：小さじ1/2杯、パプリカパウダー：小さじ1/2杯、ブラックペッパー：小さじ1/2杯、コショウ：小さじ1/2杯、味の素：小さじ1杯、塩：小さじ1杯です。

作り方は、まず鶏肉を豆乳に漬け込み、冷蔵庫で最低1時間～一晩寝かせます。その後、鍋にうつして中火で約15分ほど煮込みます。小麦粉とスパイスを混ぜ合わせ、煮込んだ鶏肉にまぶします。”新しい豆乳”にくぐらせたのち、再度スパイスをまぶし、180℃に熱した油で揚げて完成です！

下準備の段階で鶏肉に塩コショウをすりこむと更にしっかりした味付けになります。また、衣を二度づけすることで、ケンタッキーのフライドチキンのような美味しい衣に近づきます。豆乳は漬け込み・煮込むものと衣として使うものの2種類に分けておきましょう。

ケンタッキーの味を家で再現するうえで、大切なポイントは2つです。使用するスパイスには白コショウとガーリックパウダーを入れること、揚げる前に一度茹でること。この２つを抑えていれば、他は多少アレンジしていてもケンタッキーの柔らかくてジューシーなフライドチキンに近づきます。

ケンタッキーのフライドチキンを好きなだけたくさん食べたい！子供に無添加で安全なおいしいフライドチキンを食べさせてあげたい！そんな方はぜひ、今回ご紹介したレシピを試してみてください。手作りならではの出来たてはとても美味しいです。素敵なフライドチキンライフを送りましょう！