温泉卵のカロリーを生卵やゆで卵の状態と比較！ダイエット中はOK？

温泉卵のカロリーや含まれる糖質の量は、他の卵である生卵やゆで卵と比較して、どのような差があるのでしょうか？まずは温泉卵の基本的なことである、含まれる糖質の量とカロリーを、他の卵と比較しながらみていきましょう。

温泉卵1個のカロリーは約60gの卵で見た場合、およそ90kcal前後になると言われています。糖質の量も低く、0.18g～2g前後です。これだけ見ても温泉卵は比較的低糖質・低カロリーな、ダイエットに向いている食品であることがわかります。

生卵1個のカロリーは温泉卵と同じく約60gの卵で見た場合、およそ80kcalになると言われています。生卵が温泉卵よりも低カロリーである理由は、「過熱していないため消化が悪い」からです。温泉卵は加熱したことにより細胞膜が壊れ、含まれている糖質だけでなく脂質の吸収率も上がっています。そのため生卵と温泉卵では、カロリー計算上で差が出るのです。なお糖質の量は温泉卵と変わらず、0.18g～0.2gほどになります。

ゆで卵のカロリーは温泉卵と同じく約60gの卵で見た場合、およそ90kcal前後と同じカロリー量になります。これは温泉卵同様に、細胞内の糖質や脂質も吸収されやすくなっているためです。含まれている糖質の量は温泉卵と同じで、0.18g～0.2gほどになります。

温泉卵と生卵・ゆで卵に含まれる栄養素には、基本的には違いはありません。ただし過熱する効果によって、それぞれの栄養素の吸収率が異なるだけです。生卵は細胞壁がそのまま残っているために、加熱することでその細胞壁が壊れた温泉卵やゆで卵と比べて栄養素の吸収率が低く、ダイエット時の栄養補給という観点で見ると、加熱済みの卵と比べると劣るということになります。

温泉卵のカロリーや糖質量を見た限り、温泉卵がダイエットにおすすめの食材であることは間違いありません。ですが温泉卵には、本当にダイエット効果そのものがあるのでしょうか？温泉卵に含まれる栄養素のダイエット効果をまとめてみました。

温泉卵は、食べた後の血糖値の上昇のしやすさを数値化したGI値が低い食品である、と言われています。このGI値は高ければ高いほど、その食品を食べた後の血糖値の上昇が大きいことを意味します。このGI値が高い食品の場合、インシュリンの分泌が促され血糖値は下がりますが、インシュリンの効果で脂肪も蓄えられてしまいます。温泉卵はGI値が低いためインシュリンの分泌が抑えられ、身体に脂肪がつきにくいのです。

温泉卵には、豊富なたんぱく質が含まれています。たんぱく質は体内で分解されてアミノ酸になります。温泉卵は特に必須アミノ酸と呼ばれる人の体内で作り出すことのできないアミノ酸も含めた、含有アミノ酸のバランスを数値化したアミノ酸スコアが最高値の100という、理想的なたんぱく質食材でもあるのです。このことから温泉卵を含めた卵は、一方で完全栄養食という呼ばれ方もするのです。

温泉卵に含まれるこれらのアミノ酸の中には、新陳代謝を助けたり高めたりする働きをするものもあるのです。さらに基礎代謝を上げるためには、筋肉量を増やすのも効果的です。アミノ酸は筋肉の材料としても欠かすことができません。そのためアミノ酸スコアの高いたんぱく質食材である温泉卵は、アミノ酸の働きで効率的に脂肪の代謝を促してくれる、ダイエットにも有効な食品となりうるのです。

温泉卵の中に含まれるアミノ酸の中には、先にも触れたように新陳代謝を高める効果もあります。単に筋肉の材料となって基礎代謝を上げるだけでなく、脂肪分解酵素のひとつであるリパーゼを活性化させて脂肪そのものの代謝を促します。肝臓の機能を助け、体内のコレステロールの量を調節する働きもあります。温泉卵のアミノ酸スコアの高さは、そのままダイエット効果の高さでもあるのです。

温泉卵は豊富なビタミンやレシチンも含む、健康にも非常に役立つ食べ物です。元々ヒナとなる部分が可食部である卵は、健康な身体を作るために必要な栄養が揃っているのです。健康の維持にはビタミンは欠かせない栄養素のひとつです。温泉卵にはそんな多種類のビタミン類が、豊富に含まれているのです。アミノ酸以外でもダイエット効果を持つビタミンB2も、温泉卵に豊富に含まれているビタミンのひとつです。

温泉卵にはこのビタミンB2以外にも、健康に欠かせないビタミン類が豊富に含まれています。これらのビタミン類は、皮膚はもちろん喉や鼻の粘膜の健康を維持して、風邪等の感染症を予防し健康な身体の維持に役立ってくれます。さらに温泉卵には細胞膜の主成分であるレシチンも多く含まれ、動脈硬化の予防や肝機能の向上効果が期待できるだけでなく、脂質の代謝にも効果的でコレステロールの蓄積を防ぐ効果も期待できるのです。

温泉卵の茹で加減は、半熟状態です。この半熟状態であることも、温泉卵の大きなメリットとなります。半熟卵は消化が良いため胃腸の負担が軽いばかりか、栄養の吸収割合も高くなります。半熟卵の栄養の吸収率は、卵料理の中でも最高の96％と言われているのです。生卵の場合には熱に弱い栄養素の吸収には向きますが、一部の栄養素の吸収を阻害する物質や、サルモネラ菌による食中毒もあるため、半熟卵のほうがおすすめなのです。

温泉卵は低カロリーで健康にも良い食材であるため、ダイエット中にはぜひとも取り入れたい食材です。ですが温泉卵を健康維持やダイエットに取り入れる際に、注意したい点があることも事実なのです。次は温泉卵を生活に取り入れる際の注意点をまとめてみました。

温泉卵は他の卵がそうであるように、コレステロール値が高い食品です。そのためいくらカロリーが低いからと言って食べ過ぎると、血中コレステロール値が上がって血液もドロドロになってしまいます。血液がドロドロになれば心筋梗塞や脳梗塞といった、命に係りかねない深刻な病気の原因となってしまいます。またダイエットどころか逆に太りやすい体質になってしまうため、食べすぎは要注意なのです。

温泉卵を食べるときに、そのまま卵だけで食べる人はほとんどいないことでしょう。何らかのタレをかけて食べるのが一般的です。そして当然のことながら、そのタレにもカロリーは含まれているのです。かけるタレの種類にもよりますが、塩分の量もさることながらカロリーの摂り過ぎにもつながるので要注意です。

温泉卵は半熟卵のため、消化吸収が良く腹持ちの悪い食材です。そのためついつい食べ過ぎになりやすく、かえって健康やダイエットにとっては悪い結果につながりかねません。なので温泉卵は成人で1日に2個を目安にして食べるようにしましょう。温泉卵を目安の範囲内で食べる分には、カロリーも1日の間食の目安である200kcal以内で抑えられるため、ダイエット中にも安心して食べることができます。

温泉卵をダイエット中に食べるときには、GI値が低くて腹持ちを良くするものと合わせて温泉卵を食べるのがおすすめです。カロリーは他のもので調整し、多少カロリーが高くなっても油やチーズと合わせると良いでしょう。温泉卵を腹持ち良く楽しむ、ダイエット中におすすめの食べ方を紹介します。

温泉卵にオリーブオイルをかけ、味付けは塩胡椒のみというシンプルな味付けの温泉卵です。オリーブオイルはGI値が低いと同時に、抗炎症効果や便秘の解消にも効果的な健康成分を多く含む油です。胡椒もさまざまな健康効果を持つだけでなく、脂肪燃焼効果などダイエットにもおすすめの食材です。温泉卵を腹持ちの良い料理に変えてくれるだけでなく、ダイエットにも相乗効果が期待できます。タレを使う場合はカロリーに要注意です。

温泉卵にごまとごま油、刻んだネギをかけて食べるのも、香ばしくてお腹持ちも良くおすすめです。ごま油には肝機能を高めるだけでなく二日酔いにも効くので、疲れたときや飲みすぎた時にもおすすめの一品です。温泉卵との相乗効果で、老化防止やダイエットだけでなく、疲れもとれてスッキリすることができます。

温泉卵を野菜のおひたしの上に乗せて、一緒に食べるのもおすすめです。野菜は食物繊維が豊富なため、腹持ちが良くなります。野菜のおひたしは野菜を楽にたくさん食べられる料理法でもあり、ビタミンや食物繊維もたくさん摂ることができます。肌荒れを解消してくれるだけでなく、ダイエットの天敵である便秘の解消にも大いに役立つ、温泉卵のおすすめの食べ方です。

温泉卵は1個だけなら低カロリーで栄養豊富なダイエット食です。ですが消化吸収が良いため腹持ちが悪く、ついつい食べ過ぎになりやすい困った特徴も持っています。温泉卵の特徴を理解して、上手にダイエットに取り入れるようにしてください。