ドルチェとはどんな意味？デザート・スイーツとの違いもチェック

イタリアンレストランなどでよく見かけるドルチェという言葉。ティラミスやパンナコッタ、ジェラートなどといった食後のデザートを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか？実は、デザートやお菓子、スイーツとはまた異なり、料理以外でも使われる言葉なのです。

この記事では、イタリア語のドルチェについて、本来の意味や使い方、デザートやスイーツとはどう違うのかについてまとめました。

ドルチェはイタリア語で、甘い、やわらかい、優しいという意味です。甘いという形容詞であると同時に、甘い食べ物を指す言葉でもあります。日本で甘いお菓子やデザートを総称して甘味と呼ぶのと同じような使い方です。元々の由来はラテン語で甘美な、甘いという言葉のdulcisから来ています。

しかし、甘いデザートやお菓子を指す言葉としてだけでなく、他の料理に使われることもあります。例えば、口当たりの柔らかい豚肉をドルチェポルコと呼んだり、薄力粉の中でもたんぱく質を多く含むものや、まろやかさのあるゴルゴンゾーラチーズにも使われています。柔らかい、口当たりの良いというニュアンスでも使われているのです。

甘いという形容詞でもあるドルチェは、食べ物として使われるだけでなく、音楽用語にもなっています。クラシック音楽の発送記号として使われ、柔和に、やわらかく演奏するという言葉として使われます。イタリアのピアニストの中では、強すぎず静かすぎない、甘味の強いお菓子のような表現として捉える人も多いようです。

男性から女性へのアプローチが積極的なイタリアでは、ドルチェという言葉を女性を口説く時の褒め言葉として使われることも多いようです。甘い、甘美なというニュアンスが美しい女性を連想させるのでしょう。そのほかにも、自由に生きるという意味もあります。

イタリアで有名なLa dolce vitaという映画は、日本語では甘い生活と訳されていますが、気の向くままに自由に生きることが表現されています。このように、食べ物とは全く異なるシーンでも、イタリアではよく使われているのです。

ドルチェがイタリア語であるのに対し、デザートはフランス語です。料理を片付けるという意味があるデセールという言葉から来ており、料理の最後に出されるお菓子や果物を指します。フランスのコース料理はもちろん、一般家庭でも最後に甘いデザートを出すことから、食後に食べる甘いお菓子や果物を指す言葉として認知されるようになりました。

最後に甘いものを食べることで、満腹感と同時に食事に対する充足感があります。また、食事の中では摂れないビタミンなどの栄養を補うこともできます。

スイーツは英語であり、イギリスで使われていた言葉です。元々は、子供が食べるようなグミやキャンディなど、砂糖がふんだんに使われる甘いお菓子を指す言葉でした。日本では、高級な洋菓子を指す言葉として普及しました。大衆的なお菓子と高級洋菓子店のパティシエが作ったお菓子を区別し、より特別感を出すために使われるようになったのです。

メディアなどでも紹介されることで、高級洋菓子が段々とブームになり、スイーツは一般的な言葉として広がりました。現在では、洋菓子に限らず抹茶などが使われた和菓子も、和スイーツと呼ばれることもあります。食事の中で出されず、その場で食べないお菓子についても呼ばれるのが、デザートとの違いです。

デザートやスイーツと似たニュアンスで使われますが、実はもっと広くさまざまな使い方があるドルチェという言葉。本来の意味や使い方を知っておけば、レストランのメニューやそれ以外のシーンで目にした時に、一段と理解が深まることでしょう。レストランでドルチェを食べるときなどに、ぜひ思い出してみてください。