ブリオッシュの意味と作り方・食べ方!デニッシュ/クロワッサンとの違いも

ブリオッシュというフランス生まれの可愛いパンを知っていますか?日本ではあまり馴染みがありませんがパンの本場フランスでは、あのマリーアントワネットも食べていたという歴史あるパンです。今回はそんなブリオッシュの魅力やレシピ、おすすめの食べ方、カロリーまでたっぷりと調査しました。ブリオッシュ・デ・ロワというパンもあるとのことなので、その全貌も紹介します!パン好きさん必見です!

ブリオッシュの意味と作り方・食べ方!デニッシュ/クロワッサンとの違いものイメージ

目次

  1. 1ブリオッシュとは?
  2. 2ブリオッシュの作り方レシピ
  3. 3ブリオッシュの作り方のコツ
  4. 4ブリオッシュのおすすめの食べ方
  5. 5ブリオッシュと他のパンとの違い
  6. 6ブリオッシュでフランス気分を味わおう!

ブリオッシュとは?

ころんとしただるまのような形の可愛らしいパン、ブリオッシュを知っていますか?300年以上の歴史を持つフランス発祥のパンなのですが地域ごとにいろんな特徴や形があったり、味や食感が異なるなど意外と奥が深いパンなのです。

今回はそんなブリオッシュに焦点を当て、おすすめレシピやおいしい食べ方などを大公開します。気になるカロリーやユニークなブリオッシュ・デ・ロワなどについても紹介します。美味しく楽しく勉強していきましょう。

名前の意味

ブリオッシュの名前の由来については諸説ありますが、ノルマン語で砕く・つぶすという意味の「ブリ」とゆすぶるという意味の「オシェ」を合わせたものが語源と言われています。他にも古フランス語の捏ねるという意味を持つ「ブライアー」や「ボワイエ」から派生したという説もあります。

発祥

発祥の地は16世紀ごろのフランス北西に位置するノルマンディー地方と言われています。ノルマンディー地方は昔から酪農が盛んで、美味しい牛乳やバターの生産地でした。

その頃のフランスのパンといえば小麦粉と水、塩、酵母だけで作られたシンプルなものが主流でしたが、牛乳やバターを加えて生地を作ったところおいしいということで徐々に広まっていきました。

ちなみにフランス王妃マリーアントワネットの失言として有名な「パンがなければお菓子を食べればいい」というお菓子は、ブリオッシュであったと言われています。マリーアントワネットも愛食していたことがよくわかるエピソードです。

フランスの人気のパン

パンの本場フランスでは、ブリオッシュはクロワッサンと並んで人気のパンです。フランス発祥の伝統出来なパンであり、ヴィエノワズリーと呼ばれる菓子パンの一種類として扱われています。

フランスパンとは異なり水の代わりに牛乳を使用しバターをふんだんに使用することから、バターの香りが高い甘い口当たりと芳醇な香りでフランスの人々から愛されています。

地域ごとの特徴がある

ブリオッシュと聞くと平たいパンにころんと丸いパンが乗っただるまのようなパンを思い浮かべる方が多いと思いますが、実は形はひとつではありません。地域ごとに形に特徴があり、食パンの形をしたものやパウンド型、円柱形など多種多様です。

ブリオッシュの発祥地のと言われているノルマンディーのブリオッシュは、ラ・ファリュと呼ばれ発酵が終わってから丸めた生地の周りにはさみでカットして角を立てたもので、テーブルに座る人の数だけ角を作るのがお決まりです。プロバンス地方ではリング状のブリオッシュ・デ・ロワもあります。

フランス西部のアルザス地方のブリオッシュはパンを三つ編みにした形が特徴的です。アルザスは生クリームやバターの名産地でおいしいバターをふんだんに使って作られ、ブリオッシュ・ヴェンデエンヌと呼ばれています。

特徴のある形

誰もが思い浮かべるスタンダードなブリオッシュはフランス語でブリオッシュ・ア・テートと呼ばれています。これは頭の付いただるまのようなパン、という意味でころんとした形を表しています。またテートとはフランス語で僧侶の頭、という意味もあり上についたパンが僧侶の頭のように見えることから呼ばれたという説もあります。

バターや卵を贅沢に使用

ブリオッシュを一度食べた方は知っていると思いますが、なんといっても甘くやわらかい口当たりが特徴的です。これはバターや卵をふんだんに使っていることによるもので、とてもリッチな味わいです。お店によっては小麦粉と同量のバターを使用するところもあり、他のパンと比べてもバターや卵の割合がとても高く香り豊かなパンです。

味や食感

どんな味かというと、まずふんわりと甘いということが言えます。バターや卵を贅沢に使っているため、リッチな味わいで中身が黄色く食感もふわふわとしています。パンというよりもお菓子寄りで、実際フランスではお菓子のジャンルとして認識している方もいます。

ブリオッシュ・デ・ロワとは?

フランスのプロバンス地方では、キリストが世の中に認められた新年のお祝い「公現祭」でガレットデロワというお菓子を食べることが習わしです。

中にはフェーブと呼ばれる小さな陶器の人形が入っていて、当たった人がその年の王様(女王様)になれるので、王冠をかぶってその日一日みんなから祝福されます。この習わしをパンで表現したのが南仏で愛されているブリオッシュ・デ・ロワです。ブリオッシュ・デ・ロワの中にはリング状のブリオッシュの中にフェーブが入っています。

ブリオッシュ・デ・ロワの表面には大粒の砂糖とプロバンス地方の特産品である、フルーツの砂糖漬けが飾られています。

フランスではガレットデロワと同様ブリオッシュ・デ・ロワも人気で、二つ同時に並ぶ家庭もあるそうです。ブリオッシュ・デ・ロワの中にもフェーブが入っているので当たった人はラッキーです。

日本でも新年ブリオッシュ・デ・ロワを提供するパン屋やケーキ屋もあるようですが、近所にブリオッシュ・デ・ロワを売っているお店が見つからないこともあります。そんな時は家庭でも作ることができるので、気になる方はブリオッシュ・デ・ロワの手作りにチャレンジしてみて下さい。

ブリオッシュ・デ・ロワの作り方は、これから紹介するレシピを参考にリング状に形を変え、フェーブを忍ばせたらOKです。ブリオッシュ・デ・ロワを用意し家族や友達をブリオッシュ・デ・ロワで新年の運試しを楽しんでみてはいかがでしょうか?

カロリーは高い?

バターや卵をたっぷりと使っている分カロリーは高いです。ブリオッシュのカロリーは100g460kcal、高カロリーで有名なクロワッサンのカロリーが448kcalなのでほぼ同等のカロリーです。食パンのカロリーと比較してみると100gのカロリーが260kcalなので倍ほどのカロリーです。

おいしいものはカロリーが高いと言いますが、ブリオッシュのカロリーも例外ではありません。毎日食べるとカロリー過多で太るので、量を控えてカロリーを減らしたり、低カロリーなサラダと合わせるなどカロリーを撮り過ぎないよう気をつけましょう。

ブリオッシュの作り方レシピ

ここまでの記事を読んでブリオッシュを食べてみたいと思った方へ、作りやすいレシピを紹介します。こちらのレシピでは14個分作ることができます。レシピの工程が多いので一見難しそうですが、レシピをしっかり読んで慣れればおうちでも簡単に手作りできます。焼きたての美味しさはたまりません!ぜひレシピ通りに作ってみて下さい。

材料

  • フランスパン用準強力粉(リスドォル)150g
  • 強力粉(スーパーカメリヤ)100g
  • きび砂糖 30g
  • ゲランドの塩 4g
  • 卵黄 50g
  • 牛乳 130g
  • 牛乳 130g
  • インスタントドライイースト3g
  • 有塩発酵バター 100g

生地作り

  1. 牛乳と卵黄を合わせ、冷蔵庫で冷やしておきます。
  2. バターは薄く切って冷蔵庫で冷やします。
  3. ボウルにバター以外の材料を入れてよく混ぜ、台の上に取り出してなめらかになるまで約10分こねます。
  4. バターをラップに包んでめん棒でたたいて柔らかくし、細かくちぎって2、3回に分けながら練りこむようして混ぜ、しっかりバターを混ぜこんで次のバターを入れていきます。
  5. バターがなじんで生地がなめらかになったら、台の上に取り出して15分くらいしっかりこね、生地がなめらかになって、ひっぱると薄い膜が見えるくらいになったらこねあがりです。

成形・発酵・焼成

  1. 生地の表面をはらせるようにして丸くまとめます。
  2. ボウルに入れてラップをかけ、室温で生地が2倍弱くらいになるまで80~90分発酵させます。
  3. 生地を取り出してガスを抜き、打ち粉をふったバットに移して軽く平らにします。
  4. ラップを二重にかけて生地が乾かないようにし、冷蔵庫でひと晩発酵させます。
  5. 打ち粉をふった台の上に生地を取り出して14個に分割します。
  6. それぞれを軽く丸めてかたく絞ったぬれ布巾をかけ、15分休ませてください。
  7. 生地を丸め直して横向きに置き、1/4くらいのところを小指側で手刀を切るように転がしくびれを作り、小さい方をひねりながら大きい方に乗せます。
  8. 薄く油脂を塗った型に入れ、指でくびれを押し込むようにして頭の部分を落ち着かせます。
  9. 天板に並べ、28℃くらいのあたたかいところで約60~80分発酵させます。
  10. 表面に刷毛で卵を薄く塗り、200℃に予熱したオーブンで12~13分焼き上げます。
  11. 焼き上がったら、天板ごとトン!と台の上に落とし、すぐに型から取り出したら完成です。

ブリオッシュの作り方のコツ

おすすめのレシピをお届けしましたが、用意する材料やレシピの作り方でいくつかコツがあるので紹介します。コツさえ押さえれば上手に作ることができるので、しっかり目を通してから作ってください。

バターの選び方

材料の中で欠かせないものといえばバターです。バターにはいろんな種類がありますが、本場さながらの味わいを再現したい方はフランスでよく使われる発酵バターを使うのがおすすめです。

発酵バターはクリームを乳酸菌で発酵させたバターで風味や旨み、深い味わいを楽しむことができます。値段は少々高いですがその分香りの高さは段違いなので、手に入ったらぜひ使ってみて下さい。

発酵バターが手に入らない場合は無塩バターを使用しましょう。有塩バターしかない時は材料の塩の分量を調整してください。ホイップバターという安価なバターも販売されていますが、パン作りにはあまり向いていません。

下準備

料理やお菓子作りは下準備が肝心ですが、ブリオッシュ作りにおいても例外ではありません。下準備をしっかりしておくことでレシピ通りにスムーズに作ることができますし、仕上がりに大きな差が出ます。事前に終わらせておきましょう。

強力粉は必ずふるう

強力粉は使う前にふるってきましょう。強力粉をふるうことで粉の粒の間に空気が入り、水分の吸収率が格段にアップします。ブリオッシュの持ち味であるふんわりとした食感には欠かせないものなので、粉ふるい器などを使ってしっかりと下準備しておいてください。

バターを常温にしておく

バターは冷蔵庫で保管されていることがほとんどですが、事前に室温に置き柔らかくしておきましょう。レシピでは生地にバターを混ぜ込んでいきますが、この時バターが柔らかいほうがまんべんなくバターが行きわたり、均一に混ぜることができます。冷蔵庫から出したてのバターだと練るときもスムーズに行かずストレスになるのでご注意ください。

型に油をぬる

ブリオッシュの型の内側に事前に油を塗っておきましょう。焼き上がりの際取り出しやすく、型崩れしにくくなるため仕上がりが美しくなります。使う油はサラダ油などクセのないものがおすすめです。ちょっとしたひと手間で仕上がりが全然変わってくるので、怠らないようにしてください。

生地作りのコツ

今回ブリオッシュのレシピで紹介したのは手ごね製法です。生地作りではバター以外の材料を混ぜた後しっかり混ぜ切ったところで、表面が滑らかになるまでしっかりこねてください。

その後バターを小分けにして練りこんでいきますが、最初は手がべたべたになりますがこねているうちにだんだんまとまってきます。両足を踏ん張ってしっかり力を込めて生地をこねるようにするとよいでしょう。

手ごねのレシピは自信がない、時間がないという方は生地作りまでのレシピをホームベーカリーで代行することができます。もっと手軽に作りたい方はホームベーカリーを活用するのもおすすめです。

ブリオッシュのおすすめの食べ方

ブリオッシュのとっておきのレシピを紹介しましたが、さらにおいしくいただけるおすすめの食べ方にも触れておきます。そのまま食べてももちろん美味しいですが、いろんなアレンジを加えて楽しみましょう。

トースターで軽く焼く

ブリオッシュはバターをたっぷり使用しているため、トースターで軽く焼くと香ばしさが一層増します。トースターで20秒ほど両目機焼きすれば、バターの香りが部屋いっぱいに広がり食欲をそそります。

ただ通常の食パンより牛乳が多いため焦げやすいのが難点です。トースターで焼くときは目を離さないようにして焦げないように注意してください。

蜂蜜やジャムをのせる

卵やバターを使用したほんのりと甘いパンなので、はちみつやジャムとの相性も抜群です。トースターで軽く焼いたパンにお好みのジャムやはちみつをかけていただくと絶妙な味わいを楽しめます。

ジャムはいちご以外にもブルーベリーやオレンジなどでもおいしいです。日によって違うテイストのジャムでアレンジを楽しんでみるのもよさそうです。

アイスクリームを合わせる

スイーツ感覚でブリオッシュを楽しみたい、という方はアイスクリームを乗せて食べるのもおすすめです。そのままのものでも構いませんし、軽くトースターで焼いたブリオッシュの上にひんやりと冷たいアイスクリームを乗せたら冷アツのおいしいスイーツに大変身します。

アイスクリームはバニラやチョコレート、ストロベリーなど好みのフレーバーでOKです。アイスクリームを乗せるだけととっても簡単なので、おもてなしにもぴったりです。

タルティーヌにする

スライスしたパンに好きな具材を乗せて楽しむフランス式のオープンサンド、タルティーヌにアレンジして食べるのも人気です。具材をいろいろと用意すれば見た目もお洒落ですし、片手で簡単に食べられるので忙しい日のランチタイムやお弁当にもなります。

ブリオッシュを厚さ3cmほどに薄くスライスし、お好みでハムやチーズ、フルーツやチョコレートを乗せてみましょう。あらかじめ何種類かの具材を用意しておき、各人で好みの具材をトッピングしてもらうのも盛り上がりそうです。

シャンパンと一緒に食べる

ブリオッシュはパンなのでコーヒーや紅茶といただくものと思っている方も多いと思いますが、意外なことにシャンパンといただいてもおいしいです。ふんわりとやわらかな食感で口当たりが軽いので、シュワシュワのシャンパンとも好相性です。おつまみ代わりに一口大にカットしたブリオッシュを用意してみると意外性で喜ばれること請け合いです。

マスカルポーネをのせる

ざっくりと割ったブリオッシュの上に、マスカルポーネチーズをのせていただく食べ方もおすすめです。マスカルポーネチーズはクセがなく、どんな食材もおいしく引き立ててくれるので合わないわけがありません。上からはちみつを少々かければさらにスイーツ感覚で楽しめます。お好みでアレンジしてみて下さい。

甘く炊いた小豆をのせる

ブリオッシュはさまざまな食材と相性がよいのですが、甘く炊いた小豆を乗せてもおいしくいただけます。あんことバターを組み合わせたあんバターパンが人気ですが、そんな感覚でブリオッシュ小豆もおいしいです。和洋のおいしいコラボを楽しんでみてはいかがでしょうか?

ブリオッシュと他のパンとの違い

ここまでブリオッシュについて詳しく掘り下げてきましたが、最後に視点を変えてほかのパンとの違いについて調査してみました。パンとひとくくりに言ってもさまざまな材料、製法で全く違った味や食感になります。それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。

デニッシュとの違い

ブリオッシュはフランス生まれのパンでしたが、デニッシュはデンマーク、またはその周辺のスカンジナビア半島が発祥と言われています。デニッシュとはそのままデンマークの、という意味からきているそうです。世界の国々で愛されているパンのひとつで、デニッシュペストリーと呼ばれることもあります。

デニッシュの作り方は薄く伸ばしたパン生地にバターを練りこみ、何層にも重ねて焼き上げます。そのため仕上がりはサクサクとた食感が楽しめます。デニッシュはそのままで食べたり、上にフルーツやジャム、チョコレートなどをトッピングして食べられます。甘いお菓子のような感覚でいただくスイーツパンです。

クロワッサンとの違い

フランス発祥のクロワッサンは、日本でも人気の高いパンです。パン生地にバターを折り込み焼き上げることで、何層にも重ねられた層がサクサクの食感を生みだします。ブリオッシュとは使われる材料は似ていますが、作り方が全く異なります。

しっかりとミキシングし発酵にもたっぷりと時間をかけて作られるのに対し、クロワッサンは生地を冷やしながら低速でミキシングしていきます。低速でミキシングすることで独特のサクサク感が生まれるのです。

またクロワッサンは生地を何層にも重ねるため、パイのような食感に仕上がります。ブリオッシュの持ち味であるふんわり感とはまた違ったおいしさや食感が楽しめます。

食パンとの違い

食パンも材料自体はよく似ていますが、配合が違います。バターや卵をたっぷりと使用するのに対し、食パンはそれらの比率が低くなります。また、食パンは水を使ってこねていくのに対し、ブリオッシュは牛乳や卵を使って捏ねられるので見た目が少し黄色いのが特徴です。

最近ではブリオッシュ風の食パンを出すお店も登場してきました。卵や牛乳、バターをたっぷりと贅沢に使用し、見た目も味わいもリッチな食パンは女性を中心に大人気です。食パン状なら保存もしやすく食べやすいので、気になる方は一度食べてみて下さい。

ブリオッシュでフランス気分を味わおう!

バターや卵をたっぷりと使用したリッチな味わいとふんわりとした食感がたまらないおいしさのブリオッシュについて紹介してきました。基本の作り方やおすすめの食べ方をピックアップしましたので、パンの枠だけにとどまらずスイーツとしても楽しんでみて下さい。

おうちで手作りされるとき、カロリーが気になる方はバターや砂糖の量も調整できるため、ヘルシーなものを作ることができます。新年を祝うブリオッシュ・デ・ロワを取り入れてみるのもおすすめです。朝ごはんにもランチにも、おやつの時間にも、ぜひ自分流にアレンジして楽しんではいかがでしょうか?
 

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