次郎柿の特徴・味と旬の時期は？富有柿との違いも紹介！

「次郎柿とは」まず1つ目の疑問、なぜ次郎柿と呼ばれているのか？これは、1844年、静岡県周智郡を流れている太田川の堤防が決壊したことがありました。その際、松本治郎吉氏が流れてきた柿の木の幼木を拾い、自宅に持ち帰り植えたのが始まりといわれています。その幼木は、やがて成長し大きな原木となり、美味しい柿の実をつけました。

しかし、原木は1869年に火事により燃えてしまったのですが、春になり根元から苗が発芽し、数年後に再び美味しい柿の実をつけました。柿は松本治郎吉次の名前を採って「治郎柿」と名付けられ、いつしか「次郎柿」と表記されるようになりました。

「次郎柿とは」2つ目の疑問、次郎柿とは甘柿なのか？美味しい柿の一つであり、もちろん、甘柿の品種の1つです。柿には樹の上で甘くなり収穫後そのまま食べることができる甘柿と、渋抜きをしないと食べることができない渋柿があります。完全甘柿、不完全甘柿、不完全渋柿、完全渋柿と4つに分類される中の完全甘柿で、種が入らなくても自然に渋みが抜ける完全甘柿です。

「次郎柿とは」3つ目の疑問、次郎柿の旬な時期は？次郎柿の収穫時期は、ハウスで栽培されたものだと9月中旬から10月中旬に出荷が始まり、露地ものはその年の天候にもよりますが、10月の中旬から下旬頃に始まり、11月下旬から12月初旬頃までです。最盛期は10月下旬頃から11月中旬頃で、食べ頃といえる旬な時期です。

「次郎柿とは」4つ目の疑問、次郎柿の主な産地は？次郎柿の主な生産地は愛知県豊橋市が有名で、愛知県全体でおよそ25％を占めています。次いで埼玉県、三重県、静岡県で、この4県で次郎柿全体の半分を生産しています。さらに、東京都、高知県、千葉県、神奈川県と続き、中部地方と関東地方が主な産地といえます。

「次郎柿とは」5つ目のの疑問、次郎柿の保存方法です。柿のもっともポピュラーな保存方法として干し柿があります。次郎柿の特徴の一つに、丸というより四角い形をしており、側面に側線状の浅い起伏やくぼみがあります。そのため、柿の皮を剥くのに少し苦労しますし、きれいに剥くことが難しいです。

次郎柿を干し柿で保存するなら、お好みの厚さにスライスする方法をおすすめします。次郎柿を上部から、1cmほどの厚さで縦にスライスし、皮をきれいに剥きます。重ならないように並べ、室内の日当たりの良いところに置いて干します。金属製の網かドライシートの上に置くのがおすすめです。天日を利用して干す場合は、市販されているネットなど利用すれば、カラスにつつかれず、虫もつかないので衛生的です。

次郎柿を冷凍保存する方法を紹介します。一つ目は、次郎柿が熟し過ぎて柔らかくなってしまった場合です。この場合は、そのまま冷凍庫に保存します。次郎柿のヘタも取らず、革も剥かず冷凍庫に入れ、食べるときに取り出し、半解凍をしヘタの付いている上部を横に切って、スプーンなどですくって食べます。

次郎柿を冷凍保存する方法の二つ目は、次郎柿で干し柿を作る方法と同じように、スライスしてから冷凍保存します。干し柿と同じように、1cmほどの厚さに切り、冷凍庫に重ならないように並べ、凍ったらパックなどに移して冷凍保存します。この方法ですと食べたい量を取り出して食べることができるのでおすすめです。ただし、干し柿のときと同じで皮むきが必要です。

次郎柿をピューレ状にして冷凍保存する方法を紹介します。まず、次郎柿のヘタを取り皮を剥きます。皮を剥く場合は剥きやすいように、起伏やくぼみに沿って切り分けます。そして、皮を剥き種を取り除いてミキサーにかけます。ピューレ状になった柿を、ジップロックなどの密封袋やアルミケースのような容器に小分けして冷凍保存します。

ピューレ状になった柿を、ジップロックなどの密封袋やアルミケースのような容器に小分けして冷凍保存します。ピューレ状に保存した次郎柿は、ジャムにおすすめです。柿を調理する際に加熱すると、舌に渋みを感じる渋戻りを起こします。完全甘柿の品種の次郎柿なら、渋戻りが少なく美味しいジャムができます。

「次郎柿とは」6つ目の疑問、次郎柿と富有柿の違いは？次郎柿の大きさは250gから300gほどで、四角い形をしており、果肉はしっかりとして歯ごたえがあります。同じ完全甘柿の品種、富有柿よりも大き目で、種がほとんど入っていないため、非常に食べやすいです。好みよりますが、「次郎柿が一番美味しい柿だ」という方もいます。

富有柿は完全甘柿の品種であり、生産量のうちおよそ8割を占めている代表的な品種です。富有柿の特徴は、皮がすべすべしていて光沢があり、果実は丸に近い正方状です。味は甘みがあり、果肉はとろけるような柔らかさがあり、果汁が多いのが特徴です。産地により微妙に色や形に違いがあり、収穫時期は10月中旬から12月下旬です。冷蔵貯蔵物へのリレー出荷ができ、4月頃までスーパーや直売所などで買うことができます。

生産量のおよそ8割を占めている品種の富有柿の産地は、主に西日本で多く生産されています。一番多く生産しているのが奈良県で全国の2割を占めています。次いで、福岡県、岐阜県と続き、この3県で全国の5割を生産しています。さらに、和歌山県、愛媛県、香川県の順です。旬の時期は、他の完全甘柿の品種より少し長く、10下旬から12月下旬が旬の時期です。

次郎柿や富有柿のお店での選び方のポイントの1つ目、次郎柿を選ぶ時にはヘタを見る。次郎柿はもちろん、柿を選ぶ場合、ヘタを見ることが最重要ポイントです。ヘタは柿の成長過程において、とても大切な役割があり、通常ヘタは4枚付いており、成長過程において1枚でもなくなると柿の実が育たず、大きくなりません。

したがって、柿のヘタを見たとき、最重要なのはヘタが4枚揃っていることが一番大事です。さらに、そのヘタが緑で生き生きとしていれば、収穫してからあまり日にちが経っていないことがわかります。また、柿に十分な栄養が行き届いている場合は、柿の実とヘタがピッタリとくっついています。隙間のあるヘタはヘタ隙きといわれ、実とヘタに隙間がある状態だと、そこから虫が入りやすくなるためです。

次郎柿や富有柿のお店での選び方のポイントの2つ目、次郎柿の表面の色艶を見る。次に大切なのが柿の実の表面の色と艶です。次郎柿の特徴として表面の起伏があり、同じ形のものはありません。形よりも大事なのが色で、柿の実は鮮やかなオレンジ色をしているものが美味しいといわれています。

また、鮮やかなオレンジ色が実全体にムラがなく、ヘタの周りまでしっかりと色付いてるものがおすすめです。柿が熟して糖度が増すと、ブルームと呼ばれ表面が白っぽく見えるものがあります。糖分が乾燥して表皮が白っぽくなる柿特有のもので、美味しい柿の目印です。オレンジ色が実全体に均一に色付いて艶があるものがおすすめです。

次郎柿や富有柿のお店での選び方のポイントの3つ目、次郎柿の重みと柔らかさをチェックする。見た目で柿を選んだら、今度は手に取って重さをチェックしましょう。しっかりと実の詰まったものは、手に乗せるとよくわかります。スーパーで柿が1つずつ別々に売られている場合がおすすめで、同じぐらいの大きさのものを手に乗せて比べてみればすぐにわかります。

次に柔らかさのチェックですが、売り物ですので、強い力で試すのはマナー違反ですので注意が必要です。柿は熟すのが早いので、固い柿を買っても問題ありません。食べごろは少し柔らかくなってきますので、カチカチのものより少しだけ柔らかいものを選びましょう。柔らかすぎるものはやめましょう。

いかがでしたか。次郎柿について紹介しました。次郎柿は常温で保存することができ、熟すのが早い秋が旬の美味しい果物です。美味しい次郎柿ですが、富有柿に比べ、数が少なく旬の時期も短いので、スーパーなどで見つけたときには、ぜひ買って食べてみてください。シャキシャキとした食感と、甘い果肉が絶品です。干し柿や冷凍保存もでき、クセになる味でおすすめです。