舞茸の冷凍保存と解凍方法を解説！賞味期限と臭いを防ぐには？

舞茸はトンビマイタケ科マイタケ属に属しているキノコで、世界中に分布しています。生で食べると食中毒を起こすことがあるため、必ず加熱調理することが重要です。スーパーで売られている安価なものは人工栽培されたものですが、天然物は松茸よりも希少価値があり高価なものになります。

古今和歌集にある舞茸は、幻覚性キノコのワライタケのことでここで紹介する舞茸とは別物です。「見つけた人がうれしさのあまり舞踊った」とか「見つけたら舞踊りたくなるほど珍しいキノコ」など舞茸という名前の由来には諸説あります。

舞茸がいつ頃から食べられるようになったかという詳しい歴史や原産国は不明ですが、日本では「雪国まいたけ」の創業者が人工的にキノコを栽培する方法を開発し、1983年に本格的な人工栽培を開始したことで現在ではスーパーなどで容易に手に入るキノコとなりました。

カラオケは海外でもkaraokeと呼ばれるように、キノコの名前は海外でもそのまま使用されています。しめじはshimeji(シメジ)、しいたけはshiitake(シイタケ)、そして舞茸は(マイタケ)と書いたあとに英語のキノコを意味するmushroom(マッシュルーム)をつけます。Hen-of-the-Woods/Ram's Hed/Sheep's Headなど英名もありますがどちらでも通用するようです。

舞茸を自宅で育てることができたら楽しいと思いませんか？家庭でキノコ類を育てるのは少し大変ですが、栽培セットをネットで手に入れることができます。舞茸は土から生えるように育ちます。キノコは朽木などから生えているイメージがあるので、土から生える（土の中に原木はあります）舞茸を見つけたら舞い踊りそうになるかもしれません。興味のある方はぜひ挑戦してみてください。

舞茸には人工栽培により生まれた真っ白いシロマイタケや舞茸より少し傘が大きいトンビマイタケ、主に生薬として使用されているサルノコシカケ科のチョレイマイタケなどがあります。また全体的に黒っぽい黒舞茸もありますが、天然の黒舞茸は最高級品とされています。

舞茸は日持ちしないので出来るだけ新鮮なものを購入したいものです。選び方は、カサが肉厚で固くツヤがあり、表面に水分が出てべっとりした感じになっていまいものを、また1つのかたまりのままパックされているものを選ぶのがポイントです。舞茸は一度でもカットされてしまうと鮮度が一気に落ちてしまいます。カットされてパックされているものでも水滴などがついていないものなら購入後早めに調理するか冷凍してください。

人工栽培されている舞茸には旬はありませんが、天然物の舞茸は秋(9月～11月)ごろで、主な生産地は新潟県で国内に流通している舞茸の62%を占めています。有名な「雪国まいたけ」も新潟県産です。次いで静岡県が11%、福岡県が8%と続きます。きのこの唄で有名なHOKTOがある長野県ですがぶなしめじでは全国生産量1位です。

舞茸にはMD-フラクションという免疫機能を高める成分がほかのキノコより多く含まれています。この成分はガンの進行を抑える働きが認められていて、世界中から注目されています。MDのMはmaitake mushroom(マイタケマッシュルーム)のMです。

MX-フラクションのMも舞茸のMで、この成分は舞茸にしか存在しません。この成分は血糖値の急な上昇を抑えるなどダイエットに有効な働きがあります。また徹底的にコレステロールを下げたり排出を促す働きがあるため、毎日摂取するとダイエット効果を発揮します。

キノコ類には紫外線に当てるとビタミンDに変わるエルゴステロールという成分があります。ビタミンDは肝臓や腎臓で活性化され、カルシウムやリンの吸収を高めるため骨粗鬆症の予防や、歯や骨の生成に効果的です。エルゴステロールはキノコ類の傘の裏のヒダの部分に多く含まれるため、調理する前に裏返した状態で日光に当てると効果的に摂取することができます。

キノコ類は低カロリーで食物繊維が豊富です。舞茸もまた食物繊維を多く含みます。キノコに含まれる食物繊維は不溶性食物繊維で、水に溶けずに腸で膨らみ刺激することで便秘を解消してくれます。さらに腸内の脂肪など不要な成分を体外に排出してくれる働きがあります。

舞茸にはマイタケプロテアーゼと呼ばれるタンパク質分解酵素が含まれています。舞茸を茶碗蒸しにいれると茶碗蒸しが固まらなくなることで有名なこの成分ですが、反対にこの働きをうまく利用して調味料と舞茸を一緒にミキサーにかけたものにお肉を浸しておくと、お肉が柔らかくなることでも知られています。

舞茸のダイエット効果が注目されてからドラッグストアや通信販売で舞茸の栄養素を抽出したサプリメントが多数販売されるようになりました。毎日50gの舞茸を摂取するのは手に入らなかったり、保存していた舞茸が切れてしまっていたり、外食や旅行などでどうしても食べられない時もでてきます。そんな時に便利なのがこのサプリメントです。基本的には舞茸から摂取するようにすることを忘れないようにしましょう。

舞茸には独特の臭いがあります。人によってこの臭いを良い香りと感じるか臭いと感じるかちがうようですが、料理にたくさんの舞茸を入れてしまうとほかの食材の香りが消されてしまうほど強いので、使う量は控えめにすることポイントです。しかし舞茸を多く使うときは少量の酒またはワインで先に軽く炒めると舞茸の臭いを簡単に消すことができます。

独特の臭いが苦手という人も多い舞茸ですが、奈良県にはアロママイタケという一般的に流通している舞茸とはちがい自然のクヌギやナラの木を混ぜた菌床栽培で栽培された舞茸が、松茸に匹敵する香りで話題になっていてリピーターが続出しています。ネット販売で購入できます。

臭いが強い舞茸ですが、酸っぱいような臭いがするときは注意が必要です。舞茸は非常に傷みやすいので、購入してから何日もすると腐って酸味を帯びた臭いに変わります。どのキノコにもいえますが腐ったキノコを食べるとお腹を壊すことが多いためあきらめて廃棄することをおすすめします。

舞茸の細胞内にはヌクレアーゼという酵素があり、この酵素は舞茸が生きていると活動しません。冷凍した舞茸に旨みを強く感じる理由は、舞茸の水分が冷凍されたことによって膨張し細胞壁を破壊したため流出して、溶けたときに核酸を分解することで生み出されるからです。

舞茸の成分であるMX-フラクションもまた舞茸の細胞内にあります。冷凍した舞茸の旨味成分が増えるのと同じように、MX-フラクションも冷凍することで細胞内から外へ出てきます。MX-フラクションは水溶性のため冷凍舞茸を加熱調理すると煮汁やスープに溶け出します。舞茸ダイエットをするなら、冷凍した舞茸でスープを作るなどして汁も残さず飲み干します。毎日約50gの舞茸を摂取するだけで効果を実感できます。

舞茸の冷凍保存は簡単です。生のまま調理するよりも栄養素をたくさん摂れるので、その日のうちに調理するとしても、一旦冷凍して使用することで舞茸の栄養素を堪能できます。

よくキノコを調理するときに「石づきを切り落として」などと書かれていることがあります。しいたけなどは見た目にわかる足の部分、えのきならポットに入っていたラインなど切り落とす範囲がわかりやすいのですが、舞茸はちがいます。舞茸の場合、石づきはほぼありません。舞茸はそのほとんどが可食部で食べることができます。気になるほど固い部分がある場合はその部分だけを取り除くだけで十分です。

舞茸は買ってきたままの状態で冷凍せず、冷凍する前に処理します。天然物以外は水で洗うなどせず食べやすい大きさに分けたら、冷凍保存用の袋に入れてしっかりと空気を抜き保存します。保存期限は約1ヶ月ほどです。1回に使う分量ごとに小分けすると使いやすくて便利です。目立つ汚れがある場合はキッチンペーパーなどで拭き取るように除去します。

天然物の舞茸は虫やゴミがついていることがあります。この場合栽培された舞茸とは別に「虫だし」という処理を行います。舞茸は小房にわけ、食べにくそうな石づきがある場合はカットしておきます。ボウルに水1Lと塩小さじ1入れて溶かしてから舞茸を入れ放置します。しばらくすると虫が居る場合は中から出てきますので流水で洗い流せば完了です。キッチンペーパーなどでしっかり水気を取り除き冷凍保存します。

またしめじ・しいたけ・えのき・エリンギなどほかのキノコと合わせて小分けにし、キノコミックスにして冷凍しておけば、色々なキノコを少量ずつ料理に使えて大変便利です。

冷凍舞茸は基本的には解凍せずにそのまま調理します。解凍すると水分がでてしまい旨みも減少します。どうしても解凍したい場合は冷凍した袋のまま一旦冷蔵庫へ移して、完全に解凍する前に調理するようにします。一旦解凍してしまった舞茸の保存期限はほぼないのですぐに使い切りましょう。

舞茸は水分を嫌います。袋詰めされた舞茸に水滴がついていると傷みやすく、保存期限も短くなります。そのため買ってきたらまず袋から出し、水滴をキッチンペーパーなどで拭き取り室内で軽く乾燥させたあと、ラップをして密閉し冷蔵庫で保存します。この場合の保存期限は3日です。

舞茸に限らずキノコ類は紫外線に当てて乾燥させることでビタミンDを増やすことができます。冷凍保存の保存期限が1ヶ月、冷蔵庫での保存期限が3日で、何日もかけてしっかり乾かした乾燥舞茸の保存期限は3週間ほどになります。市販されている乾燥剤などと一緒に空気をしっかり抜いて保存用の袋で保存します。

冷凍舞茸と冷凍しめじを使った簡単レシピです。きのこの風味と香りたっぷりで何杯でもおかわりできそうです。色味に人参を加えたり歯ごたえにごぼうやレンコンを使っても舞茸と一緒においしくいただけます。

舞茸のほかにしめじやえのきも使うことでキノコの旨味をたっぷり感じられるおすすめレシピです。えのきもダイエット効果がある「キノコキトサン」を最も多く含むことで有名なキノコです。えのきのこの成分もまた冷凍しなければ細胞壁の中から出てくることができないため効果が得られません。ダイエット効果のあるキノコがたっぷり摂れるうれしいご飯です。

やはりここでもポイントは冷凍した舞茸を使うという方法です。ほかにも氷を一緒に入れて炊くなどシェフならではのコツでおいしい冷凍舞茸の炊き込みご飯が完成です。

冷凍保存した舞茸と同じく冷凍保存した小松菜を入れるだけで、しかも電子レンジで簡単に調理できます。これなら毎日でも朝の忙しい時間でもささっと作っておいしい舞茸の栄養を摂ることができます。鶏がらスープとごま油、醤油などで調味すれば中華風にもアレンジできます。

冷凍舞茸、冷凍しめじ、冷凍エリンギ、冷凍えのきと豪華4種の冷凍キノコがたっぷりのみそ汁。キノコの栄養と旨みがぎゅっと凝縮された味噌汁は体にうれしい一杯です。

酒を振って炒めているのでお弁当のおかずや、酒のつまみにもおいしい一品です。オリーブオイルが苦手な人はごま油を使って中華風にしてもおいしくいただけます。このほかにもいつもの野菜炒めなど舞茸に合う食材を炒める時に冷凍舞茸を使えば舞茸の香りとうまみで一段とおいしく仕上がります。そんなちょっと使い用にも舞茸は小分けにして冷凍することをおすすめします。

冷凍した舞茸を揚げるとベタっとしそうなイメージがありますが、凍ったままの舞茸に衣をさっとつけて素早く揚げます。サクっとした衣の中から舞茸の豊かな風味と香りが最高です。

キノコ類は人工栽培が始まったことによりスーパーなどでいつでも手に入る身近な食材となりました。中でも舞茸はダイエット効果が話題となり人気のキノコとなっています。キノコ類には独自の栄養素があり、舞茸には舞茸にしかない栄養素があります。その舞茸の保存期限を知ってきちんと保存すれば傷みやすい舞茸の保存を少しでも長くおいしく保つことができます。

特に舞茸は冷凍することでしか得られない栄養素もあるため、きちんとした冷凍保存方法を知っておけば大量に手に入ったときの保存に便利です。舞茸を保依存する際はぜひ冷凍舞茸に挑戦してみてください。