大根の下茹でに必要な時間は?基本の茹で方からレンジを使った時短方法も!
大根の下茹では、煮物料理を作るときにやってみたことがある人も多いのではないでしょうか?下茹でをせずに大根料理を作ると、苦みやえぐみが出てしまうため、欠かせない下ごしらえの一つです。しかし、忙しいときには、時間がかかるうえに米のとぎ汁を準備する手間がかかる、基本の大根の下茹では大変な時もあるかもしれません。そこで今回は、米のとぎ汁を使った基本の大根の下茹で方法に加えて、レンジを使った時間短縮技や、大根の下茹でにかかる時間などを紹介します。料理初心者の方も、料理をよくされる方も抑えておくと便利です。
目次
あらゆる料理にマッチする大根とはどんな野菜?
大根はふろふき大根などの煮物や漬物、サラダなど、幅広いジャンルで大活躍の野菜です。味のしみたみずみずしい大根の煮物は、老若男女問わず人気の料理で、食卓に登場する機会も多いのではないでしょうか?しかし、それと同時に、大根はアクや苦みが強いこともあり、面取りや下茹でなどの下ごしらえが必要な野菜でもあります。まずは、大根がどのような野菜なのか紹介します。
大根ってどんな野菜?
大根はアブラナ科大根属の1年草で、日本人に古くから親しまれてきた野菜です。大根は1年中流通していますが、旬の時期は10月~3月だと言われています。「大根おろしに医者いらず」ということわざがあるように、大根は栄養価も高い野菜で、ビタミンやミネラルのほか、消化を助ける栄養素も含まれています。また、大根の葉はみそ汁や炒め物などに使えるため、捨てるところがない野菜としても有名です。
下茹ででグンと美味しくなる大根の起源とは?
今や食卓に欠かせない大根ですが、いつごろから食べられるようになったのでしょうか?大根の起源は、なんと紀元前3,000年前までさかのぼります。日本料理で使われるイメージの強い大根は、エジプトのピラミッド建設の労働者も食べていた野菜だそうです。日本に伝わったのは、室町時代になってからです。それから江戸時代に人々から親しまれるようになり、今日では大根は食卓の定番の野菜となりました。
大根の下茹ででワンランク上の料理に
大根の下茹ではレシピ本やレシピサイトを見ると、よく登場する工程です。実際に、レシピを見て下茹でをしたことがある人も多いのではないでしょうか?下茹では、美味しい大根料理を作るのに必要なステップですが、本当に行う必要があるのかなと感じる人もいるかもしれません。ここからは、大根の下茹でがなぜ必要とされているのか説明します。
時間がかかる大根の下茹では本当に必要なの?
大根の下茹でをすることで、アクや苦みを取り除くことができるということは、先ほど述べたとおりです。それ以外にも、大根の下茹でには、大根を柔らかくし味を染み込みやすくする効果や、透明感のある美しい見た目にするといった効果もあります。そのため、大根の下茹では、味を染み込ませる必要がある煮物料理には不可欠な工程と言えます。美味しく良い見た目の大根に仕上げたいのなら、大根の下茹でを行うようにしましょう。
それでは、その大根の下茹でには何が必要になるのでしょうか?アクを取り除くための大根の下茹では、米のとぎ汁を使うことが基本とされています。ですが、米のとぎ汁は準備するのが大変な場合も多いと思います。実は、米なしでも下茹では可能です。そこで、今回は忙しい人にもおすすめの、小麦粉や片栗粉を代用した米なしで行う下茹で方法や、下茹で時間を短縮できるレンジを使った方法などについても紹介したいと思います。
下茹でが必要な大根料理とは?
大根の下茹でにはアクや苦みを抜く効果や味を染み込みやすくする効果があり、煮物料理を作るときに欠かせない工程です。では、煮物料理以外にも大根の下茹では必要となるのでしょうか?下茹で方法を紹介する前に、煮物以外のサラダや漬物などの大根料理にも、下茹でが必要なのか見ていきましょう。
サラダに下茹では必要?
ずばり、サラダに下茹では不要です。大根サラダはシャキシャキした食感が重要なので、下茹でをしすぎるとせっかくの食感が失われてしまいます。そのため、大根サラダを作るときは大根を千切りにしてから、サッと湯通しをし氷水に漬けるといいです。そうすることで、シャキシャキ感はそのままに大根特有のアクや苦みを抜くことができます。湯通しが面倒な時は、水にさらす方法でも大丈夫です。
漬物に下茹では必要?
つぎに、箸休めにぴったりな大根の漬物も、下茹でが必要なのでしょうか?実は、漬物もサラダ同様に下茹では必要ありません。それは、漬物に使われる塩分が、大根に含まれるアクの排出を助けてくれるからです。塩によく漬けるようにして作ると、アクが抜けて美味しい大根の漬物ができます。ちなみに、レンジを使った即席漬けは簡単にできるので試してみるといいと思います。
煮物料理には大根の下茹でが必要!
このように大根料理の中でも、煮物料理以外のサラダや漬物などは下茹でが不要です。ですが、大根の旨味を最大限に生かした美味しい大根の煮物料理を作るには、やはり下茹では不可欠なステップです。ここからは、実際の大根の下茹で方法を紹介します。
大根の下茹で前のひと工夫で時間が短縮できる?
大根の下茹で前に必要となるのが、面取りや隠し包丁といった下ごしらえです。これらの下準備には、下茹で時間の短縮や、より味を染み込みやすくするといった意味があります。特に面取りには型崩れを防ぐといった効果もあり、煮物料理には欠かせないステップとなっています。ここからは、面取りや隠し包丁など、下茹で前に行う下ごしらえの方法について紹介します。
大根の皮をむくときのポイントとは?
まずは、大根の皮のむき方です。大根の皮は繊維が多いため、薄くむくと筋が残り歯触りが悪くなってしまいます。そのため、3~4㎜ほどを目安として厚めにむくのが大根の皮むきのポイントです。厚めにむくのはもったいないと思う人もいるかもしれませんが、むいた皮はきんぴらなどの料理に活用できるので心配ありません。
煮崩れを防ぐ面取りの方法とは?
皮をむいたら、次は面取りです。大根の切り口の角を包丁でくるっと薄くむいていきます。煮崩れを防ぐ効果のある面取りですが、あまり角を切り取りすぎると食べるところが減ってしまうので、薄く切り取るのがポイントです。包丁での面取りが難しいという人は、ピーラーを使うと簡単に行えます。面取りは短時間で簡単にできるので、やったことがないという人も煮物料理のときには、一度試してみるといいと思います。
煮込み時間が短縮できる隠し包丁のやり方とは?
最後に隠し包丁です。隠し包丁は味が染み込みやすくすることと、早く火が通るようにするために必要な工程ですが、こちらも面取り同様、簡単に行うことができます。やり方は、大根の片面に十字に切れ目を入れるだけ。包丁を入れる深さは、厚さの3分の1ほどを目安にするのがポイントです。このような簡単な下ごしらえだけで大根の火の通りがよくなり、調理時間を短縮することができるので、煮物料理のときには重宝します。
基本の米とぎ汁を使った大根の下茹で方法と時間とは?
大根の下茹での基本は、米のとぎ汁を使用する方法です。生米を代用する方法もあるなど、下茹でに米を使うのは一般的な方法とされていますが、なぜ大根の下茹でには米が用いられるのでしょうか?その理由と方法について紹介します。
米のとぎ汁で下茹でをする理由とは?
なぜ米のとぎ汁が大根の下茹でに用いられるのかというと、大根に含まれるジアスターゼという酵素に、とぎ汁に含まれるデンプンを糖分に分解する働きがあるためです。この働きのおかげで、大根に含まれる苦みが取り除かれ甘みが加わるため、美味しいふろふき大根などの煮物料理が出来上がります。ちなみに、ジアスターゼは消化を助ける働きを持つ消化酵素であり、大根が胃腸にいいとされるゆえんでもあります。
大根の下茹では昔は米ぬかを使って行われていました。それがいつしか、現在のように米のとぎ汁を使用するようになったそうです。米ぬかは用意するのも大変なため、昔は大根の下茹でにもかなり手間がかかっていました。今の時代は米なしでの下茹でやレンジを使った下茹でなど、簡単な方法も多くて便利です。しかし、やはり米のとぎ汁を使った下茹では基本なので、これから紹介します。
基本の大根の下茹でのやり方とかかる時間とは?
基本の大根の下茹で方法は、まず鍋に下準備した大根と大根が浸るくらいの米のとぎ汁を入れて中火にかけます。沸騰したら弱火にし、そのまま15~20分ほどゆでます。大根が透明になり、竹串が通るようになったら火からおろします。そして、2~3回水を入れ替えながら大根をよく洗って、冷やしたら下茹では終了です。米のとぎ汁は1回目はゴミや汚れが付着していることもあるので、2回目以降のものから使うようにしましょう。
小麦粉で大根の下茹でができる?かかる時間は?
米のとぎ汁を使う方法は基本ですが、とぎ汁をいつも常備していないご家庭もあるでしょう。また、米なしで下茹でができたら便利だなと感じる人も多いと思います。そんな時に手軽に使えるのが小麦粉です。小麦粉には米のとぎ汁と同様に、デンプンが含まれているため、米なしで苦みを取り除き甘みを増幅させる働きがあります。小麦粉は常備しているお家も多いと思うので、米なしで手軽に試せるおすすめの下茹で方法です。
小麦粉を使った下茹でにかかる時間とは?
小麦粉を使用する場合も、基本の下茹で方法とほとんど同じです。鍋に下準備した大根と浸るくらいの水、小麦粉小さじ1を加えて中火にかけます。沸騰したら弱火にし、やはり15~20分煮ましょう。竹串が通って透明になったら、大根を洗い冷まして終了です。米なしで手軽に試せる方法なので、とぎ汁が準備できないときは小麦粉を使用するのもいいと思います。
片栗粉を使った大根の下茹で方法と時間とは?
米なしで下茹でする方法として、小麦粉のほかにも片栗粉で代用する方法もあります。片栗粉はとろみをつけたりから揚げなどの衣としてよく使われる調理用粉です。こちらも小麦粉と同様に、大根のアクや苦みを取り除き甘みを増す働きをするデンプンが含まれているため、大根の下茹でに活用することができます。片栗粉を使うと、米なしで手間がかからないため、気軽に試せる下茹で方法です。
片栗粉を使った下茹でにかかる時間とは?
片栗粉を使った下茹でも、米のとぎ汁や小麦粉を使った下茹でと変わりありません。片栗粉を小さじ1加え、大根とそれが浸るくらいの水と中火で煮ます。沸騰したら火を弱めてやはり15~20分ほど火にかけます。大根が透き通り、竹串がすっと入るようになったら火からおろして洗い、冷まします。片栗粉も米なしでできる手軽な下茹で方法です。しかし、とぎ汁が準備できるようでしたらそちらで下茹ですることをおすすめします。
レンジで時間短縮!大根の下茹で方法
ここまで紹介した方法は、すべて鍋を使用した下茹で方法でした。そのため、どうしても時間がかかってしまったり、鍋からあまり離れられなかったりするので、仕事帰りや家事、育児で忙しい人には面倒だったかもしれません。これから紹介するのは、忙しい人の救世主である電子レンジを使った下茹で方法です。調理時間も鍋より短くなりますし、放っておいても調理できるので、忙しいときや疲れているときにもおすすめの方法です。
レンジを使った大根の下茹で方法とかかる時間は?
レンジを使った大根の下茹で方法は、とても簡単です。下準備をした大根を、重ならないように耐熱容器に並べていきます。大根の半分くらいの高さまで水を入れ、上から一つまみ程度の生米をパラパラとふりかけます。ラップをしたら500~600wで10分ほどレンジにかけます。鍋の下茹でのときと同様に、大根が透き通って竹串が通ったら完成です。取り出すときは非常に熱くなっているので、気をつけるようにしましょう。
ちなみに、生米がないときは米のとぎ汁でも代用できます。どちらもないときや忙しいときは、米なしで大根のみでチンするだけでも調理時間が短縮できます。加熱することで大根の細胞壁が壊れ、味が染み込みやすくなるので、米なしでも十分に下茹で効果があると言えます。電子レンジは料理の際のちょっとした下ごしらえにも活躍するので、うまく利用すると料理もぐっとラクになります。大根の下茹ででもぜひ活用してみてください。
ちなみに…大根の部位ごとの調理法とは?
ここまで、大根をさらに美味しくするための下茹で方法について紹介してきました。しかし、美味しい煮物料理を作るには、どの部位を使用するべきか知ることも重要です。大根は部位によって辛味やみずみずしさが大きく異なっています。そのため、部位ごとに向いている料理も違ってきます。そこで、ここからは、今回のテーマである大根の下茹でが必要な、煮物料理に向いている部位はどこか紹介します。
大根の上部はサラダなどにおすすめ
大根の上部は、一番甘みが強くてみずみずしいのが特徴です。大根特有の辛みが弱いため、サラダやなますなどの生食におすすめです。みずみずしくて甘みが強いのが特徴ですが、切った直後はまだ辛みを感じるという人も多いと思います。しばらく空気に触れさせたり水にさらすと辛みを和らげることができます。また、サラダにするときは、千切りにしたり細かく切るとシャキシャキした食感が楽しめます。
大根の中央部は煮物やおでんにおすすめ
大根の中央部は辛みと甘みのバランスがちょうどよく、水分がたっぷり含まれているのが特徴です。味が染み込みやすい部位のため、ぶり大根やふろふき大根などの煮物やおでんがおすすめです。美味しい大根の煮物料理を作るには、今回紹介した面取りや隠し包丁、下茹でをしっかり行うことも大事ですが、煮物に適した部位の大根を使うことも大事です。おでんや煮物には、味がよく染み込む真ん中の部分を使うようにしましょう。
大根の下部は漬物やみそ汁におすすめ
大根の先端部分は、一番辛みが強く、繊維質で固いのが特徴です。水分も少ないのでみそ汁に入れたり、漬物にして辛みを抑える使い方をするのがおすすめです。他にも炒め物など、しっかり味をつける料理にすると美味しく食べられます。また、辛味の強い大根おろしが好きな人も、この大根の下部を使うようにするといいです。
少しの手間と時間で美味しい大根料理を楽しもう!
今回は美味しい大根料理を作るための、大根の下茹で方法について紹介しました。大根はみずみずしくて美味しい野菜です。その大根をさらに美味しくするには下茹でが不可欠です。少しの手間で味は大きく変わってくるので、今回紹介したような基本の下茹でが難しようなら、小麦粉を使った下茹でやレンジを使った短時間でできる下茹でを試してみてください。大根の下茹でを行って、美味しいおでんやふろふき大根を味わいましょう。