お酢の賞味期限はどれくらい？適切な保存方法とは？賞味期限切れのお酢の使い道も

お酢は殺菌作用が強い食品です。そのため、間違った保存方法でなければ腐りにくい食品といわれています。しかし、しばらく置いておくと劣化や酸化が起こり風味が悪くなるものもあるようです。そこで、各メーカーはそれぞれお酢にも賞味期限を設けてボトルに記載しています。

一口でお酢といっても種類は多く、現在市販されているものは醸造酢や穀物酢など純粋なものだけではありません。りんご酢のように果実から作られたものやすし酢のように甘みなどが加えられたものなど、加工されているものも含めると多くの種類が存在します。種類によって日持ちは変わるので注意が必要です。

このコーナーでは、お酢の賞味期限や正しい保存方法、開封して時間がたった場合の活用法について詳しく解説いたします。

お酢は保存食にも良く登場する食品で、食品の中でも比較的賞味期限が長い調味料です。そのためお酢の使用頻度が高い人は、ストックしていても期限切れや劣化を気にする必要はないでしょう。使用頻度が少ない人や在庫数が多い人は、賞味期限が切れてしまう可能性があり注意が必要です。

お酢の劣化は、開封する前と後では大きく異なります。種類によっても違いがあるので詳しく紹介していきましょう。

麦などを原材料とする穀物酢の賞味期限は、お酢の中でも比較的長い方です。こちらは未開封でおよそ2年といわれています。黒酢やバルサミコ酢も2年、りんご酢など果実酢は穀物酢に比べ短くおよそ1年です。

使用頻度の低い人がお得日に大量買いをするのは、基本的におすすめできません。使用頻度が高い人は、ストックしていても期限が切れる前に使ってしまう可能性が高いので問題視する必要はないでしょう。

開封後は、種類や保存場所によって違うので注意が必要です。お酢の中でも比較的日持ちするとされる穀物酢は、開封後およそ冷蔵庫で1年保存が可能と言われています。また流しの台の下など冷暗所では、半年ほどといわれています。糖分や果汁が含まれている果実酢やもろみ酢は、開封後の劣化はずっと早くなります。

置いている場所が悪かったり開封後からかなり日にちが過ぎているものは、お酢と言えども腐る可能性があります。そういったモノの場合は開封後冷蔵庫の中に入れておいた方が無難です。

ビンに記載されている賞味期限は、開封前の場合です。開封後は冷蔵庫であればおよそ2分の1、冷暗所であればおよそ4分の1と、おいしく利用できる期間は短くなります。お酢の開封後の使用目安は、種類や置いている場所によっても変わるので種類ごとに表にして紹介します。

これらの目安は、保存状態が良い場合を想定しての計算です。常温や温かいところに置いておくと日持ちも悪くなるので、早めに使い切ることが健康上良いことは言うまでもありません。開封して日にちがかなりたっているようであれば、色やにおいなど状態を自分の目や鼻で確認して利用しましょう。

賞味期限内であるにもかかわらず、ビンの中に白い膜が現れることがあります。この白い膜は、バクテリアセルロースです。空気中に存在する酢酸菌がお酢の中に入って増殖すると、これはバクテリアセルロースになります。バクテリアセルロースや酢酸菌は、私たちの体の中に入っても無害ですが、お酢の風味は損なわれます。

また、一旦白い膜ができると取り除いてもまたできる可能性が高いので、不安になり処分する人も多いでしょう。この場合は処分する前に料理以外の使い道を考えると無駄になりません。

お酢は置いている場所や環境によって日持ちの長さが違ってきます。家で料理をすることが少ない人の炊事場では、開封されたお酢がつまでも片隅に残っていることがあります。日持ちを良くする方法とはどのようなものでしょうか？正しい保存方法を紹介しましょう。

お酢はなるべく日の当たらない冷暗所に置いておきましょう。夏場は部屋の温度が上がるので要注意です。水を使う機会の多い流し台の下は、夏場でも比較的温度が上がりにくいと考えられるため、置いておく場所として適しています。

使った後はふたがしっかり閉まっているかどうかを必ず確認し、縦にして置いてください。酸化や異物の混入を防ぎます。未開封のものは食品保存庫に置いておくとよいでしょう。

開封後のお酢は、冷蔵庫の中に入れておくと長く利用できます。特にりんご酢などの果実酢やもろみ酢は、常温では悪くなりやすいので冷蔵庫に保存がおすすめです。また、夏場の暑い時期や日頃お酢を使うことが少ない人は、冷蔵庫の中に入れておくと鮮度が保てます。

冷蔵庫の中であれはどこでもよく、おすすめの場所はありません。野菜室に立てている人もいます。

お酢には料理以外でもさまざまな使い道があります。期限が過ぎていて口にするのが不安な人は、掃除などに使うと無駄になりません。ただし、掃除などに使えるのは穀物酢など純粋なお酢だけです。すし酢のように糖分や酢以外の材料が含まれているのもは、料理以外の用途に適していません。

期限が切れたり白い膜ができたりしたお酢は、風味が落ちますが強い酸性の性質は変わりません。そのためアルカリ性の汚れ落としに効果的です。しかも元々食品なので危険な要素はなく、キッチンやお風呂、トイレなど使用する場所を選びません。

具体的には、水周りの水あかやヌメリ、お風呂場のカビ、石鹸かす、カルキ、畳、革製品、ステンレスの曇りなどの汚れ落としや掃除に適しています。他にもコーヒーや茶渋、鍋の焦げなどしつこい汚れを落とし、お弁当箱やまな板、冷蔵庫内、電子レンジ内の除菌にも効果を発揮します。

窓ガラスやガラスのコップの水あかなどを洗う際には、お酢を少しだけ水に混ぜて洗うとガラスがピカピカになります。汚れが思いのほかひどい場合は、お酢の量を増やして水と同量に混ぜ合わせたり、粗塩大さじ2に対しお酢を大さじ半分混ぜて磨いてください。水あかがきれいに取れてガラスの輝きを取り戻すことができます。

お酢に粗塩を混ぜて洗うと茶渋もきれいに落とせます。ただし、傷がつきやすいものには使用しないほうがよいでしょう。また、お酢と水を1対3の割合で混ぜ合わせてガラスを拭くと、曇り止めの効果も発揮します。窓ガラスの掃除には、スプレーボトルを利用すると便利です。

お酢を使って掃除をする場合の注意点を紹介します。まずはお酢と塩素系洗剤を混ぜてはいけないことです。塩素系洗剤とお酢を混ぜてしまうと人体に有害なガスが発生するので注意が必要です。状況によっては混ぜていなくても危険な場合があります。

例えばトイレの便器に塩素系の洗剤をかけているそばで、トイレの壁掃除にお酢のスプレーを利用している場合などです。重篤な場合は死につながる可能性もあります。次に注意したいことは、お掃除する場所や物の素材の見極めです。お酢は強い酸性なので材質によっては、変質する可能性があります。

金属や大理石、漆器、電気コード、白木などは、注意が必要な素材です。裏や端の目立たない部分で試して使用してください。お酢を使ってお掃除する場合は、きちんと拭き取りましょう。アミノ酸が含まれているので、アミノ酸が残っているとカビや細菌の栄養となり増殖する可能性があります。

お酢が腐敗することはないと信じている人も多いと思いますが、それは場合によりけりです。開封前の賞味期限はビンに記載されていますが、開封後はいつまで使ってよいのかが記載されていません。そのため開封後に日持ちを意識することなく置いたままにしている人も多いようです。

穀物酢は悪くならないといわれていますが、日持ちは置いている状態にもよるので、口にする場合は自己責任の下注意して利用しましょう。糖分や果物など他の素材が含まれているお酢は、悪くなる可能性があり日持ちも良くないので注意が必要です。

開封して日にちがたったお酢は、掃除や食器洗いなどに利用すれば無駄になりません。ただし、塩素系の洗剤と同じ場所で使用したり混ぜたりすることは、命を脅かす危険もあるので絶対にしてはいけません。