山形牛とはどんなブランド牛？米沢牛との違いや味の特徴・歴史を紹介

山形牛という牛肉の名を知っている人はどれくらい居るのでしょうか？山形牛はその名の通り山形で飼育されている牛の肉の事を指しています。山形の牛肉と聞くと有名なのが米沢牛でしょう。米沢牛の違いは後ほど紹介していきますが、まずは山形牛について解説していきます。

冒頭でも紹介したように山形牛は名前にある通り、山形県内で飼育をされている牛の肉です。山形牛は山形の中では最も長く飼育されている牛を指しています。有名な牛のブランドとして知られる黒毛和牛と呼ばれている種類の一つになります。

ブランド牛でもある黒毛和牛は地域によって名前が異なりますが、飼育環境等でお肉の味わいはかなり大きく変動するとされています。山形牛はその中でも飼育期間が長い事で知られており、他のブランド牛が生後から25ヵ月頃で出荷されるのに対し、山形牛は30ヵ月という約2年の飼育期間を設けています。

寒暖差の激しい地域で飼育することにより、通常のブランド牛よりも成長に遅れが見られます。この成長が遅れることによりゆっくりと育つのが山形牛の最大のポイントになるのです。牛をゆっくりと成長させる事により、キメ細かなサシが入るとされ味わいも豊かになります。

山形牛は飼育時の水にもこだわりを持ち、自然水を与えることにより上質なお肉を作り出しているとされています。このように豊かな環境等がお肉に表れ、現在も好んで食す方が多いとされるブランド肉の一つなのです。

ブランド牛にはそれぞれ定義というものが存在しているのを知っていますか？山形牛も同様に定義が5つ存在し、その基準を満たさないと出荷時に山形牛として扱われないのです。山形牛の定義を5つ見ていきましょう。

まず1つ目は山形県内で最も長く飼育がされた牛であること、2つ目は未径産及び去勢されている黒毛和牛であること、3つ目は飼育期間が最低12ヵ月以上であることです。

更に4つ目は格付けにおいて4等級以上もしくは3等級に準ずる品質であることが認められていること、5つ目が放射性物質検査を行った際に不検出の結果が出たもの、が山形牛の定義となります。

山形牛は舌に乗せると柔らかさを感じることができます。この柔らかい肉質は、山形牛の育つ環境にあるとされています。柔らかな肉質に加え、甘さを感じる味わいとの定評がありまろやかな旨みを感じることが出来ることでしょう。濃厚な赤身は、上質な味わいと上品な肉質を口の中でしっかり感じることが出来るとされています。

実はあまり知られていませんが、山形牛は長い歴史を持っているとされています。ここではそんな山形牛のルーツを探ってみましょう。山形牛の歴史として最も古いとされているのが、1681年に残されていた文書が物語っています。

その文書には、岩手県の南北地方で風土に恵まれた良い牛の肉が産出されたと在ります。このことから現在の山形県のルーツは約1700年代にまで遡るとされているのです。また昔のこの地域では滋養強壮の為の薬としても山形牛が扱われた事も文書の中では記されています。

この頃はまだ山形牛の価値はごく一部の地域住民のみが知っている事でしたが、1800年代にかけて牛としての価値を見出す様になったのです。英国人が山形牛を食べた際に母国の肉よりも、遥かに味わいが上回ると驚いた事がきっかけであったとされています。その後出荷数も増えた事により山形牛が全国に知れ渡りました。

山形牛は少々定義の広いブランド牛です。そのため値段の相場も大きく変動があったりなどするため、決まった価格の提示を行うことは難しいとされています。ここでは基本となる山形牛の値段の相場を紹介しましょう。

まずは牛の部位の中でも最高ランクに値するとされているサーロインです。サーロインは希少部位に値する為、他の部位に比べると少々値が張るのが特徴です。背中辺りのお肉を指しており、山形牛のサーロインの値段は100gあたり4,000円前後とされています。

次にサーロインの近くの部位でありながら、比較的安価で取引のされているロースの値段相場は100gあたり1,600円前後です。ヒレ肉はサーロインの近くに在りながら、サーロインも希少価値は高めとされている部位ですがサーロインよりは少々安価で入手することができます。値段の相場は100gあたり2,300円前後です。

ここまで山形牛について紹介をしてきましたが、山形県の代表的な高級肉として知られているのが米沢牛です。山形にはその他にもいくつかのブランド牛が存在していますが、実はそのどれもが山形牛に位置付けされています。

山形牛は山形で飼育をされたブランド牛をまとめた名称という諸説もありますが、山形のブランド牛それぞれに定義などが存在しているのです。味わいや肉質も飼育環境によって異なることもあり、山形牛に含まれると言ってもその中でも希少な肉が細かく別れています。

その中でも山形を代表するブランド牛として米沢牛が挙げられます。山形牛と米沢牛の違いを定義、味や肉質、値段で比較して見ていきましょう。

米沢牛の定義をこれから紹介をしていきますが、山形牛の定義と比べると結論的には細かな基準が指定されていることが見て取れます。この細かな基準があることにより、米沢牛は山形牛と比べると希少なブランド牛に値するのです。米沢牛には6つの定義が存在していますので、一つづつ見ていきましょう。

1つ目は山形県の置賜（おきたま）地方で最も長く飼育された牛であることです。これは3市5町のみが対象地域になり、その中でも米沢牛銘柄推進協議会に登録のされている牛で無ければなりません。2つ目は未径産及び去勢されている黒毛和牛であること、3つ目は指定のされている機関で飼育が行われた牛であることが挙げられます。

続いて4つ目は生後から32ヵ月以上が経過している牛であること、5つ目は格付けで3等級以上の品質を持ち合わせていること、6つ目は放射性物質検査を行った際に不検出の結果が出たもの、これらの定義が義務付けられています。

山形牛の定義と同様の内容もある中で、やはり1つ目と4つ目が希少であることを示す内容である事が分かるでしょう。米沢牛は年間の出荷数も2,000頭程とかなり少ない頭数しか出回りません。細かな定義の元で基準を満たすことのできた牛だけが、その称号を与えられるのです。

米沢牛と山形牛はそこまで味の違いに変化はありませんが、脂肪分が若干異なることから脂肪の旨味が少々違ってくるようです。好みに分かれるとされていますが、山形牛は香り高い脂分が口の中に広がります。米沢牛は赤身が美味しく生でも食べることができるとされています。肉質は、米沢牛は質キメ細かさを感じることができるでしょう。

米沢牛はサーロイン部分が値段相場で2,500円前後、ヒレ部分が値段相場で3,500円前後、ロース部分が値段相場で1,900円前後という結果が出ています。米沢牛は希少価値が高いブランド牛ですが、山形牛と比較をしてもそこまで値段の変動は無いに等しいでしょう。

山形牛を食べたいと思った時に、やはり山形県で食すのがおすすめでしょう。そんな山形県で展開のされている山形牛を使用した料理を贅沢に堪能することのできるお店をいくつか紹介していきましょう。また山形牛と合わせて米沢牛も提供しているお店も数多く存在しています。

宿泊と温泉を満足に利用することのできるほほえみの宿 滝の湯では、料理に山形牛と米沢牛の食べ比べを楽しむことのできるプランも提供しています。山形牛と米沢牛の違いを感じたいという方には、この食べ比べのステーキ料理がおすすめと言えるでしょう。

その他にも席膳では山形牛のすき焼きを愉しむプランや、山形牛ステーキをメインにしたフルコース料理もあります。旅行等で訪れた際にも利用し易いほほえみの宿 滝の湯で、山形牛を心行くまで堪能してみてはいかがでしょうか？

過去にお笑い芸人であり、現在グルメタレントでもある渡部建さんもブログで紹介をしていた山形の焼肉店が楓庵です。完全予約制になり、予約人数に合わせて肉の仕入れを行っていると言います。山形牛を中心にお肉が展開されており、希少部位の提供もしていることから予約をしてでも食べたいと思わせるお店の一つです。

山形牛は山形県を代表するブランド牛として、長きに渡り愛されてきました。そんな山形牛は味わい、肉質共に良好である事が分かったことでしょう。山形県には山形牛を提供しているお店も多く展開されています。ぜひ上質な味わいを求めて、山形県に訪れてみてはいかがでしょうか？