落花生の育て方・プランター栽培のコツは?種まきから収穫まで解説

落花生の育て方は知っていますか?落花生はピーナッツとも呼ばれ、非常に親しみのある食品です。皆さんも一度は口にしたことがあるのではないでしょうか?実はこの落花生、家庭にあるプランターで手軽に栽培できます。収穫したとき、たくさんのさやがついているのを見るのは感動ものです。今回は、そんな落花生の育て方を種まきから収穫まで解説します。落花生を栽培する際には、ぜひ参考にしてみてください。

落花生の育て方・プランター栽培のコツは?種まきから収穫まで解説のイメージ

目次

  1. 1落花生の魅力
  2. 2落花生の栄養価
  3. 3落花生の育て方:栽培カレンダー
  4. 4落花生の育て方:おすすめの品種
  5. 5落花生の育て方:種や土の用意
  6. 6落花生の育て方:種まき
  7. 7落花生の育て方:水やりの頻度
  8. 8落花生の育て方:追肥(おいごえ)
  9. 9落花生の育て方:土寄せ
  10. 10落花生の育て方:収穫のタイミング・方法
  11. 11落花生の育て方:収穫の後
  12. 12落花生の育て方:異変を感じたら
  13. 13落花生の育て方のコツまとめ

落花生の魅力

落花生は、ピーナッツの愛称で親しまれ、ビールのおつまみやお菓子など幅広く使われている食材です。皆さんも一度は口にしたことがあるのではないでしょうか?落花生は土の中にサヤを作ります。花がしぼんた部分から、子房柄(しぼうへい)と呼ばれる細いヒゲ状の枝が伸び始め、それが土に潜り込んで実を発達させるのです。花が落ちて実が生るので落花生と呼ばれています。

実はこの落花生、皆さんの自宅でも手軽に栽培することができるのを知っていますか?プランターを使って栽培することもできます。今回は、落花生の育て方やプランター栽培のコツについて紹介します。ぜひ参考にして落花生を美味しく育てていきましょう。

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落花生の栄養価

落花生はマメ科の野菜で、非常に栄養価が高いです。その内容成分は、脂質の割合が最も多く役50%を占めています。その他はタンパク質が25%を占めており、カロリーは100gあたり562キロカロリーとなっています。落花生は見た目は小さいですが非常に栄養価の高い野菜なのです。

落花生の脂質には、オレイン酸とリノール酸が含まれています。オレイン酸は動脈硬化の予防効果があり、リノール酸は血圧低下の効果があるといわれています。その他、老化防止やがん予防の効果が高いとされるビタミンB1が含まれており、落花生は私たちの身体に良い効果を与えてくれます。

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落花生の育て方:栽培カレンダー

落花生の育て方は地域の気候にもよりますが、一般的には暖かくなってきた5月中旬以降に種まきをします。ポットまきで育てた場合は、順調に発芽した落花生をプランターに植え付けます。種をまいてから1か月余りで、きれいな黄色い花を咲かせ始めます。そして7月に入り気温が上昇すると、ますます花の数は増加していきます。

開花数は8月中旬頃をピークに減少していきますが、落花生の開花期間は長く、2ヶ月以上きれいな花が咲くこともあります。7月下旬になると土の中に潜った子房柄がサヤを形成していきます。地上で茎や葉が成長し花を咲かせるのと同時に、土の中ではサヤが成長していくのです。種をまいてから約5ヶ月後、サヤが完全に成長した9月下旬から10月上旬が収穫の時期になります。

落花生の育て方:おすすめの品種

落花生には様々な品種がありますので悩んでしまう方も多いと思います。丈夫な野菜なのでどの品種でもよく育ちますが、その中でも育てやすいおすすめの品種を2つ紹介します。どの品種でも育て方は同じですので安心してください。落花生の種は、園芸店で売っている種子用のものを購入して育てるようにしましょう。

千葉半立(ちばはんだち)

千葉県八街市で生まれた品種です。草が上を向いて育つ品種と横に成長する品種を掛け合わせて誕生したため「半立(はんだち)」という名がつきました。枝の広がり具合が少ないため、家庭でも栽培しやすいのが特徴です。その味はコクと風味が非常に豊かで、落花生の王様と言われるほど評価の高い品種です。

郷の香(さとのか)

草が上に向いて育つため株本にサヤが集まり、収集性が高いのが特徴です。サヤは色が白く、その見た目も美しいです。皮が薄く渋みも少ないので茹でると非常に美味しい品種です。実はやわらかく、さっぱりとした甘みがあります。茹で落花生を食べたいという方には非常におすすめの品種です。

落花生の育て方:種や土の用意

落花生を育てるためには、プランターが必要となります。落花生は土の中にサヤがなるため、浅型のプランターでは育ちにくいことがありますので注意してください。大型で深型のタイプのプランターを用意しましょう。また、子房柄がプランターの外に伸びてしまったときのために、予備のプランターがあると便利です。

落花生を育てる際には、排水性が良い土を利用しましょう。市販の培養土なら初心者も安心して栽培することができます。自分で土を作る際には、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1を用意し、そこに石灰を用土10リットルあたり10グラムを追加します。さらに化学肥料を用土10リットルあたり10~30グラム追加すると良いでしょう。

ここで注意することは、前回マメ科のものを育てた土は使用しないということです。使用してしまうと、連作障害といって病気にかかりやすくなり、収穫量が減ってしまいます。美味しい落花生を育てるためにも、土は新しいものを使用しましょう。

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落花生の育て方:種まき

種まきには、ポットまきと直まきの2種類の方法があります。2つの方法の特徴を見て、自分の好みの育て方で行いましょう。落花生の種は、植え付ける前に水に浸すと発芽しやすくなるといわれています。しかし、品種によっても異なるため、購入した種の袋に記載されている通りに行うことをおすすめします。

落花生の育て方:ポットまき

9cmポットに指の第一関節ほどの穴をあけ、種を3粒埋め込みます。その後上から土を被せ、指で押さえて密着させます。ポットまきの場合は、発芽させた1ヶ月ほど後に、プランタ―に植え付ける作業をします。植え付けるときは、ポットより大きめの穴を作り根を傷つけないようにします。また、15~25cmほどの株間を確保するようにします。

ポットまきで育てた場合、植え付けの作業をしなければなりませんが、立派に育った丈夫な苗を選んで植え付けることができるメリットがあります。マメ類は発芽が不揃いのため、植えた種が全て丈夫に発芽してくれるとは限りません。そのため、ポットまきは非常におすすめできる育て方です。

落花生の育て方:直まき

直まきの場合、プランタ―内の土に深さ1~2cmほどの穴を指であけ、1ヵ所に3粒ほど種をまきます。種同士の間隔が15cm以上確保できないと、育ったときに株同士が蒸れて枯れてしまうので注意してください。

直まきで種を植えたばかりの頃は、カラスや鳩などの鳥に食べられてしまう危険性があるため、プランターの上にネットを張るなど工夫をすると安心です。発芽して2~3cmほど成長すれば、鳥に食べられてしまう心配はありませんので、ネットを外して大丈夫です。

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落花生の育て方:水やりの頻度

落花生の水やりの頻度は、成長段階によって異なります。芽が出るまでの間は、たっぷりと水を与えましょう。発芽した後から開花前までは、1回の水やりの量を少なめにします。開花した後は、さらに量に気を配り、水を与えすぎることのないようにします。土の表面が乾かない程度に水やりを行うことが大切です。

実は落花生の葉には、貯水細胞という水を貯める細胞があるため乾燥に強い野菜となっています。そのため逆に水を与えすぎると、加湿が原因となって枯れてしまうことがあります。ですので、やや乾燥気味に育てると丈夫に成長してくれます。プランターの底に石や発泡スチロールを敷き、排水しやすいように環境を整えると安心です。

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落花生の育て方:追肥(おいごえ)

栽培中の土の中に肥料を追加することを追肥(おいごえ)と言います。花が咲き始める頃になったら、追肥を行いましょう。落花生の追肥には、窒素成分が少ない肥料を選びます。というのも、落花生には根粒菌(こんりゅうきん)という菌が根に住んでおり、その根粒菌が土壌中で窒素肥料を作り出してくれるのです。そのため、こちらが窒素成分を含む肥料を与えてしまうと、窒素の取りすぎになってしまいます。

窒素成分を与えすぎると、つるボケといった現象が起きてしまいます。この現象が起きると、茎や葉がどんどん成長していくにも関わらず、実が大きく育たなくなってしまうのです。せっかく育てた落花生をいざ収穫してみたら、実が小さい…なんてことにならないように肥料の成分をよく確認して追肥を行うようにしましょう。

落花生の育て方:肥料の成分・与え方

落花生には、根の成長に必要なカリ成分が含まれたもの、実の成長に必要なリン酸が多く含まれた肥料がおすすめです。葉の色が全体的に黄色っぽくなってきたら、肥料切れの合図ですので、液体肥料を水やりの代わりとして与えるか、化成肥料をスプーン1杯ほど与えます。反対に、葉の色が深い緑色だったり、葉が異常に大きい、茎が異常に太いなどの状態は肥料の与えすぎです。葉や茎の様子を観察しながら育てていきましょう。

落花生の育て方:土寄せ

花が咲き始めたら、子房柄が土に潜りやすいように周囲の土を軽く耕してあげましょう。これが土寄せです。このとき、伸びてきている子房柄や根を傷つけないように慎重に行いましょう。土の表面をやわらかくしてあげることで、子房柄が土に入りやすくなります。

もし、伸びてきた子房柄がプランターからはみ出してしまったら、別のプランターを用意してそこの土に入るように対処すると良いでしょう。このとき浅型のプランターではサヤが育ちにくいため、深型のタイプを用意することをおすすめします。

品種にもよりますが、花が咲いてから80~90日ほどで収穫できる実の大きさになります。土の中が気になるかもしれませんが、収穫までは子房柄を引き抜いてはいけません。土に入った後に引き抜くと、実がつかなくなってしまいます。収穫のタイミングになるまでしばらくの辛抱です。

落花生の育て方:収穫のタイミング・方法

花が咲いてから80~90日ほど経てば、いよいよ収穫のタイミングです。落花生が成長して収穫の時期になると、葉が黄色くなり下葉が少し枯れ始めます。そろそろ収穫かな?と思ったら、試し掘りをしてサヤの様子を観察してみてください。サヤにきれいな網目が出ていたら収穫のサインです。収穫時期を逃すと土中にサヤが残ってしまうため、タイミング良く収穫することが大切です。

収穫するときはレジャーシートや新聞紙を用意し、プランターの近くに広げておきましょう。落花生を引き抜くときは無理に葉を引っ張るのでなく、根ごと土を持ち上げて収穫します。無理に引っ張ると子房柄が切れてしまい、多くのサヤが土の中に埋まってしまう可能性があるので注意してください。

落花生を引き抜いた後は、レジャーシートや新聞紙の上でサヤについている土をふるい落とします。最後にプランターの土の中にサヤが残っていないか、スコップ等ですくって確認しましょう。

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落花生の育て方:収穫の後

収穫した後の落花生は、40~50%もの水分を含んでいます。そのため、サヤの部分を上に向けて、風通しの良い場所で乾燥させる必要があります。1週間ほど乾燥させると、50%もあった水分は10%以下になっています。水分の減少が進んでいる間に甘さが増えていくため、収穫後の乾燥は非常に大切な作業です。

早く乾燥させようと、人工的に熱風を送るなどして乾燥させたものは、甘みが少なく食味が落ちてしまいます。また、マメの脂の変質も早く進んでしまうため良くありません。乾いた秋風に当ててゆっくりと乾燥させることで、美味しい落花生が出来上がります。

落花生の育て方:異変を感じたら

落花生に元気がない、葉や茎に何かついているなどの異変を感じたときは、病気になっていないか確認しましょう。育て方に問題があったのかも…なんて思うことはありません。落花生の病気は地域や気象条件によって発生しやすくなります。もし発生してしまったら、状態をよく見極め病気の種類を特定しましょう。そして必要に応じて薬剤を用いるなどの対処を行ってください。

地域の気候によって発生しやすい病気

落花生がかかりやすい病気は、地域の気候によっても様々です。東北の寒い地域では灰色かび病、九州地域の暖かい場所ではさび病が発生しやすくなります。灰色かび病は、灰色のカビが開花後のしおれた花に発生し、次第に枝に広がっていく病気です。さび病は葉の裏側に黄色~暗褐色の粉のようなものが生じる病気で、発生すると葉が枯れ上がり、子房柄が切れやすくなってしまいます。育てる地域によって注意が必要です。

気象条件によって発生しやすい病気

落花生を育てるときの気象条件によっても、かかりやすい病気は様々です。夏に雨が少なく気温が高い年には白絹病、比較的低温の年にはそうか病が発生しやすくなります。白絹病は株が白い菌糸で覆われ、茶褐色の小さな丸い菌が多くみられる病気です。発病した株は抜き取って周囲の土も除去していきましょう。

そうか病は葉や葉柄、子房柄などの各部位に褐色の斑点がみられる病気です。最初は小さな斑点ですが、だんだんと拡大すると表面がかさぶた上になってしまいます。そうか病が子房柄に発生すると、マメが上手く育たなくなってしまうため注意が必要です。

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落花生の育て方のコツまとめ

落花生の育て方をコツをおさえながら紹介してきました。コツをおさらいすると、種まき後には水を切らさないようにすることや、窒素成分の少ない肥料を多めに与えるようにすること。また、花が咲くころの土寄せは必ず行うようにしましょう。その他にも、落花生は初期の生育が遅いため雑草に負けやすいという特徴があります。そのため、雑草はできるだけ取り除いてあげましょう。

落花生は自宅で手軽に栽培できてしますお野菜です。収穫後はビールのおつまみにしたり、料理やお菓子に取り入れてみたりと、落花生の調理方法も数多くあります。皆さんもプランターで落花生を栽培してみてはいかがでしょうか?落花生の魅力が伝われば幸いです。

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