日本三大和牛とは？それぞれの肉の特徴やおすすめの食べ方も！

日本で生産される国産牛肉の中でも、品質が高く海外からも人気のある和牛。中でも有名な松阪牛や神戸牛、近江牛、米沢牛は、日本三大和牛または四大和牛と呼ばれ、最も高級な牛肉です。ただ焼くだけでも美味しいですが、それぞれの和牛にどのような特徴があるのかを知り、それぞれに合った食べ方で食べれば、更に美味しさを堪能できます。

この記事では、日本三大和牛の特徴や、もっと美味しく味わえるおすすめの食べ方、三大和牛が食べられる人気店について紹介します。

日本三大和牛は、ルーツを辿ると全て但馬牛という牛に辿り着きます。但馬牛は、兵庫県の但馬地方で育てられている食肉用の牛です。地域が近い神戸牛や近江牛はもちろん、産地が遠く離れた松阪牛、米沢牛も、但馬牛が先祖です。

現在、日本三大和牛だけでなく、日本全国で生産されている和牛のうち、90％が但馬牛の子孫であるといわれています。元となる牛は、兵庫県美方郡香美町小代区で育てられた田尻号です。田尻号はオスの種牛であり、資質や肉質が良く、繁殖力も強い名牛でした。種牛であった12年間の間に、自然交配で1500頭もの子牛を残しています。

和牛と国産牛はどちらも日本で生産される牛肉ですが、この二つの違いは何でしょうか？国産牛は日本で3ヵ月以上育てられた牛全般を指します。他の国から輸入された牛であっても、日本での飼育期間が最も長ければ国産牛となるのです。

対して、和牛には牛の品種などの基準が定められています。和牛となる品種は黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4品種と、この品種間で交雑した品種のみです。和牛は全て全国和牛登録協会に登録され、基準を満たした牛肉のみが和牛と表記できます。そのため、一般の国産牛よりも和牛の方が品質も価格も高いです。

さらに、三大和牛となる松阪牛、神戸牛、近江牛、米沢牛はその生産地独特の審査基準と品質基準で管理されており、高品質な和牛のみが名乗ることができます。日本に和牛のブランドは300種類近くありますが、三大和牛は最も厳しい基準をクリアした和牛なのです。

日本の代表的な和牛といえば、神戸牛を最初にイメージする人も多いのではないでしょうか？日本の人々にはもちろん、海外でも人気があり、神戸ビーフと呼ばれて親しまれました。その品質の高さは、世界でもトリュフやフォアグラ、キャビアとともに、世界で最も高価な食べ物9選に選ばれたこともあるほどです。

他のブランド牛はその産地で牛を育てていますが、神戸牛の素は但馬牛です。厳しく品質管理された但馬牛から、さらに厳しい基準をクリアした牛肉が神戸牛と呼ばれます。肉質は非常に柔らかく、口に入れると脂肪が溶けてふんわりと柔らかな舌触りと噛み応えになり、コクと旨味が口に広がります。

神戸牛のおすすめの食べ方は、すき焼きです。甘辛い味付けと神戸牛の柔らかさは相性抜群で、特に生卵を絡めると、口の中で牛肉の甘みとふわっとした口当たりを楽しめます。また、溶けた脂肪ですき焼き全体の旨味もアップします。また、ステーキでの食べ方も人気です。味付けを塩胡椒のみにし、牛肉本来の甘みを楽しむと良いでしょう。

松阪牛は、三重県松阪市で生産されるブランド和牛です。神戸牛と並んで、日本の和牛の中でも代表的な存在となっています。品種は全て黒毛和牛の未経産の雌牛に限られており、松阪市にある管理システムに登録された品種のみが松阪牛を名乗ることができます。

その松阪牛の中でも、特にランクの高い高級牛肉が特産松阪牛です。厳選した肉質の子牛を約900日以上かけて育てられた牛のみが名乗れるブランドであり、生産量の少ない希少な牛肉です。赤身の霜降り肉ですが、目に見えないほどきめ細かい脂肪のサシが入っています。肉質は柔らかく、上品な脂肪の甘みと肉の旨味を感じられます。

柔らかい肉質であることから、松阪牛はステーキで食べられるのが人気です。ソースはかけず、塩や胡椒、わさびで肉の旨味と脂肪の甘みを堪能しながら食べましょう。脂がくどくなく、あっさりと食べられます。また、弱火でじっくり煮込むと甘みのある香りが増すので、すき焼きやビーフシチューなどの煮込み料理との相性も良いです。

近江牛は、滋賀県で生産されているブランド和牛です。滋賀県内で最も長く育てられた黒毛和牛のみが、近江牛を名乗ることができます。日本三大和牛、ひいては日本各地にあるブランド和牛の中でも最も歴史の古い和牛であり、400年以上前の戦国時代から食用として生産されていた史実があります。

ほかの三大和牛は狭い地域で生産されますが、近江牛は滋賀県全体で生産されているため、出荷量も三大和牛の中で最も多いです。近江牛は霜降りの度合いがきめ細かな肉質であり、上品な舌触りを感じられます。また、香りや風味のもととなる脂肪の質が良く、芳醇な香りと脂肪の口どけの良さが特徴です。

近江牛は、肉本来の風味の良さと脂肪の甘みを楽しめるしゃぶしゃぶがおすすめです。脂肪の融点が低いので、さっと湯通しし口の中でとろけるような旨味を楽しみましょう。あっさりした後味ですので、さっぱりめのポン酢などが相性良いです。また、きめ細かい肉質はすき焼きの甘辛い味や生卵との相性がよく、人気があります。

米沢牛は、山形県で生産されているブランド牛です。置賜地方で育てられた黒毛和種の未経産雌牛で、一定の基準を満たした高品質の和牛のみが、米沢牛として認められます。米沢では牛肉を食べる習慣がありませんでしたが、明治時代に米沢に滞在していたイギリス人教師が、あまりの美味しさに米沢牛を仲間に振舞ったところ、全国的に広まりました。

米沢牛は、30ヵ月以上の期間をかけて育てられます。寒暖の差が激しい米沢でじっくりと育てられた米沢牛は、赤身の肉に脂が浸透したきめ細かな肉質になり、口の中でとろけるような感覚が味わえます。また、乾燥した餌を与えられているため、臭みが少ないのも特徴です。

米沢牛は、ステーキで食べるのがおすすめです。表面を高温で焼き上げ、中はレアの状態になるように焼きましょう。旨味と脂の甘みを肉に閉じ込め、口の中で広がる旨味と柔らかさを堪能できます。素材の旨味を楽しむため、味付けは塩や柚子胡椒、わさびなど、あっさりめにしましょう。野菜と一緒に焼く焼肉もおすすめです。

厳選した最高品質の神戸牛を、しゃぶしゃぶとすき焼きで食べられる隠れた人気しゃぶしゃぶ店です。ステーキのように分厚くて大きなシャトーブリアンやサーロイン、牛タンなどをこだわりの出汁とたれと共にたっぷりと堪能できます。12席のみの小さなお店ですが、気取らず入りやすい雰囲気です。肉好きなら一度は行きたい、おすすめのお店です。

絶品の松阪牛をリーズナブルに堪能できる、ステーキとハンバーグの専門店です。ミディアムレアで焼いた松阪牛は絶妙なミディアムレアで、肉の旨味と柔らかさを堪能できます。ハンバーグも柔らかくふっくらしていますが、肉感がしっかりと感じられ、あふれ出る肉汁がジューシーです。ランチならよりコスパよく高級和牛を味わえます。

滋賀の牧場から仕入れた日本三大和牛の近江牛を、熟練の焼き師の技で堪能できる人気の焼肉店です。コースでは焼肉はもちろん、焼きしゃぶや希少部位であるザブトンのすき焼き、ヒレカツなど、あらゆる料理でたっぷりと高級和牛の旨味を堪能できます。完全個室ですので、デートや大切な会食など、特別な日の食事にぴったりのお店です。

国産牛肉の中でも厳選された品種で、高品質な日本三大和牛。その肉質の柔らかさやきめ細やかな霜降りは、一度食べると忘れられないほど美味しいです。焼いたり煮込んだりしゃぶしゃぶにしたり、さまざまな食べ方で美味しく食べられるので、ぜひ好みの食べ方で味わってみてください。