いちじくの旬の時期はいつ？栄養・効能から味の特徴・見分け方まで！

いちじくの旬は1年に2回あります。初夏から夏にかけて旬を迎える種類と、秋に旬を迎える種類、そして初夏と秋の両方の時期に旬を種類があります。初夏から夏の時期にかけて旬を迎える種類のいちじくは夏果と呼ばれます。「ビオレ・ドーフィン」や「ザ・キング」という種類があり、どちらも実が大きく高品質です。「ザ・キング」には200gにもなるものがあります。

秋のいちじくは8月から10月に旬を迎えます。秋の時期に旬を迎えるいちじくは秋果と呼ばれ、高級いちじくとして有名な「蓬莱柿（ほうらいし）」があります。この品種はあまり日持ちがしないため、最近は「桝井ドーフィン」という品種のいちじくが多く出回っています。秋の時期に出回るいちじくは、夏果より実が小さいのが特徴です。

いちじくの原産はアラビア半島と言われています。世界のいちじくの産地は、トルコが第1位で、2位がエジプト、3位がアルジェリアです。カリフォルニア州や地中海沿岸諸国でも生産されています。日本は年間約約1万4000トンを生産していて、世界的にみると第13位です。

国内で流通しているいちじくの約8割は「桝井ドーフィン」という品種です。日本のいちじくの主な産地は、愛知、和歌山、福岡、兵庫で、この4県だけで全国の生産量の約50%を占めます。その他、茨城、富山、大阪、兵庫、広島、神奈川でも作られています。福岡県では、2006年に品種登録された「とよみつひめ」というブランドいちじくが作られています。

いちじくは漢字で「無花果」と書きます。それは、一見、花を付けていないように見えるからですが、実際には花が咲かないわけではありません。実の中に無数の白い花を付けるのですが、外から見えないため花が咲かないように見えるのです。いちじくの中にはつぶつぶがありますが、これが花で、私たちが食べている部分は厳密にいうと果実ではなく花の部分にあたります。

いちじくの特徴は、とても栄養価が高い果物ということです。1個(85g)あたりのカロリーは46Kalですが、ビタミン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などの栄養分や食物繊維を豊富に含んでいるのが特徴です。食物繊維はいちじく1個あたり約1.62g含まれています。

食物繊維には水に溶ける水溶性と水に溶けない不溶性の2種類があります。いちじくはペクチンという水溶性の食物繊維が含まれているのが特徴です。ペクチンの効能は整腸作用です。ペクチンは水に溶けるとゲル状になるのが特徴で、腸内の老廃物をきれいにして体から排出させる効能があります。そのため便秘解消や腸内環境を整える効能があります。

いちじくの特徴としてカリウムという栄耀成分も多く含まれています。いちじく1個(85g)あたり144.5mgのカリウムが含まれています。カリウムの効能は体内のナトリウムバラナスを整えることです。カリウムは体内のナトリウムの排出を促して血圧の上昇を抑える効能があります。したがって高血圧の予防やむくみの改善につながる効能があるのが特徴です。

続いていちじくに含まれている注目すべき栄養成分はフィシンです。フィシンという栄耀成分の効能は、タンパク質の分解を助けることで、食後に食べると消化作用を助ける効能があるのが特徴です。またフィシンという栄耀成分は二日酔いを予防する効果があるのが特徴で、アルコール類を飲む前に食べるといいでしょう。

続いていちじくの注目するべき栄養成分はエストロゲンです。いちじくには植物性エストロゲンが豊富に含まれています。植物性エストロゲンは女性ホルモンに似た効能があります。生理痛、生理不順、生理前の肌荒れ、更年期障害など女性が持つトラブルにもすぐれた効能を発揮します。

栄養価が高く健康やダイエットにおすすめのいちじくですが、生のいちじくはクセがなくあっさりとした甘さが特徴です。優しい味わいの果物で、秋の時期に旬を迎える秋果のほうが一般的に甘みが強く濃厚な味わいが楽しめます。

いちじくは品種によっても味が異なります。高級品種の蓬莱柿は、桝井ドーフィンなどと比べると色づきが浅く、「白いちじく」とも呼ばれています。ほのかな酸味と上品な甘さが特徴です。福岡のブランドいちじくであるとよみつひめは、平均糖度が17度以上の非常にあまいいちじくです。秋の時期に旬を迎える秋果で、皮ごと食べられるのが特徴です。

いちじくは乾燥させたドライいちじくも多く出回っています。ドライいちじくの特徴は、非常に甘いという点です。生のいちじくは糖質量が100gで12.4gですが、ドライいちじくになると糖質量は100gで65.6gになります。糖質量は生のいちじくの約5倍になります。ダイエット中の人は気を付けて食べるようにしましょう。

おいしいいちじくの選び方や見分け方が気になる人も多いことでしょう。おいしいいちじくの選び方や見分け方は、まず色と香りで判断します。香りが強く、艶やかな色をしているものが選び方のポイントとなります。

続いておいしいいちじくの選び方は、丸い形をしていてふっくらとして皮にハリがあるものを選びます。熟した食べ頃の時期のいちじくの見分け方は、全体が赤く色づき、下の部分が開いてくると完熟した印となります。大きく割れすぎているものは完熟してしまったものや、雨にあたって割れてしまったものです。

さらに選び方のポイントとしては、皮に傷がないもの、付け根の切り口付近まで色付いている物がおすすめです。いちじくは枝から切ると白い樹液を出します。新鮮ないちじくの見分け方は、枝から切られた部分がポイントになるので、選び方の参考にしてください。

未熟ないちじくはアクが強く、胃が荒れたりお腹を痛める原因になることがあります。未熟ないちじくは効能が低く、食欲をなくしたりするので注意しましょう。もし未熟ないちじくを買ってしまったら、赤ワイン煮や干しいちじくにするといいでしょう。反対に熟し過ぎてしまったものはジャムにするといいでしょう。

いちじくの一番おいしい食べ方は、生のまま食べることです。いちじくの食べ方は、ざっと水で洗って皮を剥いて食べます。先の方からではなく、じくの下の方から剥くときれいに皮を剥くことができます。縦にカットして、スプーンですくって食べる食べ方もおすすめです。

冷蔵庫で冷やし過ぎると甘味をあまり感じないので、食べ方のポイントとしては、食べる30分から1時間前に冷蔵庫から出しておくといいでしょう。

一度にたくさんいちじくを買ったときや、未熟ないちじくを買ってしまったときは、ジャムやコンポートする食べ方もおすすめです。また、クリームとの相性もいいのでタルトにしたり、寒天を加えてゼリーにする食べ方もいいでしょう。いちじくのワイン煮はよく知られたアレンジで、バニラのほかに八角を使ってもおいしい食べ方となります。甘露煮にもおすすめです。

ゼラチンを使ったスイーツにする際の注意点ですが、いちじくには酵素が含まれているので生のままではゼラチンを加えても固まりません。いちじくをゼリーやムースなどにする際には、一度火を加えて加熱処理をしましょう。

ドライフルーツのいちじくは、生のものより栄養も甘みも倍増します。ドライフルーツにしたら、細かく刻んでヨーグルトと一緒に食べるのもおすすめです。旬の時期のいちじくが手に入らないときは、ドライいちじくを使ってスイーツを作るのもおすすめです。

旬のいちじくが手に入ったら、いろいろな料理を作ってみましょう。バルサミコ酢といちじくはよく合うのでいちじくのサラダにしたり、チーズとの相性も抜群なのでカナッペなどの前菜にしたりするのもおすすめです。また旬のいちじくはグラタンや野菜と一緒にしてマリネにすることもできます。旬の味をたっぷりと楽しみましょう。

旬のいちじくは瑞々しく、上品な甘さがありとてもおいしく食べることができます。いちじくは保存が効かない果物なので、冷蔵庫に入れて保管しできるだけ早く食べるようにしましょう。食べきれない場合は、皮を剥いてから冷凍するといいでしょう。旬の時期になったら、いちじくをたっぷりと味わいましょう！