パプリカパウダーの使い方・活用レシピは？栄養・効能や味も調査

みなさんパプリカは知っているでしょう。赤、黄色、オレンジなど色鮮やかで形はピーマンそっくり、しかし味には甘味のある野菜です。しかし、パプリカパウダーはご存知でしょうか？あまり聞き慣れない名前のパウダーだと思っていませんか？それもそのはず、このパプリカパウダーは日本食にはあまり使われません。では、どんなものなのか？使い方はどうするのか？順を追って紹介していきます。

パプリカパウダーはその名の通りパプリカを乾燥させ果実を粉末にした香辛料です。そのため、見た目は鮮やかな赤色をしていますが、パプリカ自体がトウガラシ属トウガラシ科の野菜ではありますが、辛味の主成分であるカブサイシンを遺伝子として持っていない為、全く辛味がありません。そのパプリカを粉末にしたパプリカパウダーも同様に全く辛味はありません。

実際パプリカパウダーはあまり味のないパウダーです。強いていうならば、ほろ苦く、少し甘酸っぱい味です。しかし、料理に混ざってしまえば気になるほどの味ではありません。大量に舐めたりするようなことがあれば、もちろん味はしますが、あまりそのような使い方をする香辛料ではありません。

料理の上にかかっている赤いパウダーと侮ってはいけません。パプリカパウダーには非常に多くの栄養素が含まれています。ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB3)、ビオチン(ビタミンB7)、鉄分、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛などが栄養素として含まれています。ビタミンB群と鉄分が栄養素として非常に多く含まれています。

ビタミンBやビタミンAなどのビタミン類は栄養素として他の野菜の方が多く摂取出来る場合も多いですが、鉄分はなかなか摂りにくく吸収もしづらい栄養成分です。少し貧血気味という方には少し振りかけるだけという手軽さもあるので特におすすめです。実はパプリカパウダーはパプリカの粉末であるにも関わらずビタミンCは含まれていません。栄養、効能においてビタミンCに重きを置かれている方は念頭に入れておいて下さい。

含まれている栄養成分に関しては上記の通りとなります。次に、実際どのような効能が期待出来るのかについて紹介していきます。まず、含まれている栄養素から期待出来る働きは、ダイエット効果、血液の正常化、免疫力の向上です。またこれらの効果の相乗効果として美肌効果も期待出来ます。

ビタミンB群は様々な成分の補助をすることを得意とした成分です。また、「代謝のビタミン」と呼ばれるビタミンBはエネルギーを作るのに不可欠な栄養素です。ビタミンB群の補助効果とタンパク質代謝促進効果を持つ鉄分との組み合わせが良く、ダイエットの代謝促進への効果が期待出来ます。またカルシウム、マグネシウムや亜鉛にもダイエット効果があります。さらに、ダイエット中に置きやすい貧血予防にも効果が期待出来ます。

血液に対しても健康を気にされている方が多い現代。鉄分の血液に与える効果は周知の事実です。さらに、ここに代謝に効果をもたらすビタミンB群を一緒に摂取することで血中コレステロールの正常化が期待出来ます。また、カリウムも多く含まれているので塩分濃度を調整し血流を良くする効果もありますし、マグネシウムの効果もあり、血圧調整、体温調整、血糖値の調整までも助けることが出来ます。

血液をより健康にする効果が充分にあることや、体温調整にも効果がある点から既に免疫力に対しての効果も自ずと見えてきますが、それだけではありません。やはり大きな力を持つのはビタミンB群と鉄分です。エネルギーを生み出すビタミンB群と、疲労回復を早める効果のある鉄分を同時に摂ることによって免疫力を向上する効果があると言えます。

ここまでで紹介してきた効能は様々ですが、その効能によって美肌効果にも繋がります。血液の巡りを良くすることに栄養や酸素が行き届き、また、老廃物もきちんと体外へ排出されます。それにより健康な細胞を作る力もきちんと守られるので結果美肌へと繋がります。また、ビタミンB2は皮脂の分泌を整える効果があるので過剰な皮脂による肌トラブルの防止に効果があります。

様々の栄養成分を含んだパプリカパウダー。その栄養成分による効果、効能は目を見張るものがあります。大量に使うことは少ない香辛料ですが、使うと使わないでは栄養の部分だけでもこれほどまでに変わってくるものなのです。この万能パプリカパウダーを使わない手はないでしょう。

ここで気になるのがパプリカパウダーの使い方です。味のあまりしないパプリカパウダーといっても、使い慣れない香辛料を使うのは少し抵抗があるものです。では、パプリカパウダーはどのように使われることが多いのでしょう？それはやはり、味を気にせず使えるというところで彩りとして使われることが圧倒的に多いです。また、少し風味を加えるという点でも使われることの多い香辛料となります。

パプリカパウダーがハンガリーのものということもあり、ハンガリー料理のレシピには必須のアイテムとなっています。また、スペイン料理でもレシピの中にパプリカパウダーという文字を見かけます。ハンガリー料理やスペイン料理というと難しく感じてしまいがちですが、簡単に作れる料理もあります。また、サラダに彩りとしてかける使い方や、ドレッシングに混ぜ、風味を足すという使い方もあります。

パプリカを効かせたハンガリー料理グヤーシュのレシピの紹介です。材料は、牛肉500g(2cm角)、玉ねぎ中1/2個(粗みじん切り)、じゃがいも中2個(2cm角)、にんじん中3/4個(いちょう切り)、ピーマン中1個(1cm角)、パプリカ小1個(1cm角)、トマト中1個(2cm角)、にんにく1斤(すりおろす)、パプリカパウダー大さじ1、キャラウェイシード(クミンシードでも代用可)小さじ1、塩小さじ1、サラダ油大さじ２、水800mlです。

作り方の紹介です。1、厚手の鍋にサラダ油を入れ熱し、次に玉ねぎを入れ軽く色づくまで炒めます。一度火を止めてパプリカパウダーを入れよく混ぜた後、200mlの水を入れます。パプリカの香りがするまで弱火で2〜3分混ぜながら煮ます。3、牛肉、パプリカ、キャラウェイシード、塩、ピーマン、トマト、水600mlを加え弱火〜中火で約20分煮ます。4、3にじゃがいも、にんじんを加え約15分煮て野菜を柔らかくしたら完成です。

スペイン料理で最近話題の料理といえばアヒージョです。そのアヒージョのレシピの紹介です。材料は、にんにく4斤(みじん切り)、玉ねぎ1/4個(みじん切り)、オリーブオイル100ml、チリパウダー小さじ1/2、エビ12尾(皮を剥いておく)、マッシュルーム5個(半分に切る)、ミニトマト5個、アンチョビ４枚、洋風だし(鰹だしでも代用可)100ml、パプリカパウダー小さじ1/2、イタリアンパセリ2〜3本(葉の部分はちぎっておく)です。

作り方は、1、熱したフライパンにオリーブオイルを入れ弱火でにんにくと玉ねぎを軽く炒め、チリパウダー、パプリカパウダーを入れよく混ぜます。中火にし、エビとマッシュルーム、トマトを加え炒めます。2、1からエビとマッシュルーム、トマトを取り出し盛りつけます。3、取り出し終えた2にアンチョビ、洋風だし、イタリアンパセリを加え強火で1分程加熱します。4、器に盛りつけたエビとマッシュルームに3を入れたら完成です。

現在アヒージョは大変人気で調理も簡単なので家でもすぐ作れると評判です。入れる材料もアレンジの幅が広いことも特徴です。また、パプリカパウダーとクミンシードは相性がとても良いのでクミンシードを入れてみてもいいでしょう。

ほんの少しの手間をかけることにより、いつもの料理に栄養がプラスされ、彩りさえ良くしてしまう魔法の粉、パプリカパウダー。またこの機会に少し敬遠していたような異国の料理に挑戦することでご家族や恋人をあっと驚かせてしまいましょう。手の込んでいるようで実は簡単な料理もたくさんある異国の料理。何食わぬ顔で夕食として出せば料理名人として一目置かれることでしょう。