2019年03月31日公開
2024年09月10日更新
フロマージュの意味とは?チーズケーキとの違いとレシピ紹介
フロマージュと聞いて、まずチーズケーキを思い浮かべる人がいると思いますが、実は「フロマージュ=チーズケーキ」ではありません。日本ではケーキ屋に並ぶチーズケーキに「フロマージュ」と名前をつけている場合が少なくないため、勘違いする人が多いのです。フロマージュとはフランス語でチーズを意味する言葉なのです。今回は誤解しやすい、フロマージュの意味を詳しくみていきましょう。本場フランスのフロマージュ・ブランやスフレチーズケーキのレシピも併せて紹介します!
目次
フロマージュはチーズケーキではない?
「フロマージュ」と聞くとチーズケーキを思い浮かべる人は多いでしょう。ケーキ屋や洋菓子で「フロマージュ」と名前がつく物は多く存在し、勘違いする人が多いのは仕方がないことかもしれません。フロマージュという言葉自体の響きも上品で美味しいチーズケーキを連想させます。
しかし、実際はフロマージュはチーズケーキを意味する言葉ではありません。間違った使い方が定着し、勘違いして覚えてしまっている人が多くいますが実際は違う意味の言葉なのです。
そもそもフロマージュとはどんな食べ物を指す言葉なのでしょうか?知っているようであまり知らないフロマージュという食べ物。この記事では、最近よく耳にするけれど改めて聞かれるとよくわからない「フロマージュ」について詳しく調べていきます。
フロマージュとはどんな食べ物?
「フロマージュ」ってなに?そう聞かれてあなたは正確に答えられますか?日本人の多くが勘違いして覚えている「フロマージュ」の意味。「フロマージュってチーズケーキのことでしょ?」と思っている方は意外に多いのですが、それは実は間違いなのです。
今回はフロマージュの本来の意味を調べていきます。知らないとちょっと恥ずかしい、フロマージュの正しい意味を紹介します。
フランス語の意味はチーズ?
「フロマージュ」という名前のケーキや洋菓子を最近よく目にすると思いませんか?そのため、フロマージュという言葉自体がチーズケーキを意味すると勘違いしている人が多いのです。
実はフロマージュはフランス語で「チーズ」を意味する言葉です。フランスで「フロマージュ」と頼むと出てくるのはチーズで、チーズケーキは出てきません。おしゃれな呼び方で、ケーキに「フロマージュ」と名付けているお店がありますが、チーズ自体を指す言葉なので正確には間違いなのです。
名前の語源や由来
フランス語では「フロマージュ」イタリア語では「フォルマッジョ」、微妙に違いますが語源は一緒です。どちらも古代ラテン語の「フォルマ」という言葉が語源です。「フォルマ」は押し型や水切り型など、チーズ作りの道具を意味する言葉です。
また、フランス語前身の古代プロヴァンス語で「フォルメージュ」という言葉が変化して「フロマージュ」になった、との説もあります。
フランスのフロマージュは種類が豊富
チーズの本場フランスではフロマージュの種類は実に豊富です。フランスを表す言葉で「300種類のフロマージュがある国」と例えられるほどです。しかし、実際はもっと多く1000種類以上ものフロマージュがあるといわれているから驚きです。
フロマージュの名が付く食べ物
フランス語でフロマージュと名が付く食べ物にはどんなものがあるでしょうか?この機会に正しい意味を知っておきましょう。
フロマージュ・ブラン
たまに「フロマージュ・ブラン」というネーミングのケーキや洋菓子を見かけることがありますが、正確にはこの言い方も間違いです。
フランスで「フロマージュ・ブラン」といえば「白いチーズ」という意味の真っ白なフレッシュチーズのことを指します。熟成させず(熟成してもごくわずか)、真っ白で癖がなくヨーグルトのような見た目のチーズです。
フランスでは離乳食として赤ちゃんに食べさせたり、フルーツと食べたり、デザートにしたりと色々な食べ方で親しまれています。
「フロマージュ・ブラン」もまた、フレッシュチーズを意味する言葉なのですが、なぜか日本ではチーズケーキの名前につけられていることがあります。真っ白いチーズケーキに名付けたり、フロマージュ・ブランを使ったケーキに付けていることがありますが、正確には間違いなのです。
スフレ・フロマージュ
出典: http://iewine.jp
「スフレ」はフランスでは、メレンゲを泡立てたものに材料を混ぜて焼いた料理やデザートのことを言います。「スフレ」はフランス語で「ふっくら焼いた」という意味の言葉です。したがって「スフレ・フロマージュ」は直訳するとふっくら焼いたチーズ(チーズ入りのスフレ)を意味します。
「スフレ」はフランスでは定番の家庭料理です。ふわふわの卵白に好みの材料を加え焼き上げます。
フォンデュ・オ・フロマージュ
「フォンデュ・オ・フロマージュ」はチーズフォンデュを意味する言葉です。「フォンデュ・サヴ ォヤード」(サヴォヤード地方のフォンデュ)ということもあります。
たまにチーズソースが入ったパンに「フォンデュ・オ・フロマージュ」と名付けていることがありますが、これも正確には間違いになります。
日本でもすっかり人気が定着したチーズフォンデュ。フランス語でいうと「フォンデュ・オ・フロマージュ」と、ちょっとかっこいい響きになります。余談ですがフランス人は、チーズフォンデュも串から外してお皿の上でナイフとフォークで食べるそうです。
プラトー・ドゥ・フロマージュ
あまり聞き馴染みが無い言葉、「プラトー・ドゥ・フロマージュ」。「チーズの盛り合わせ」という意味です。
「プラトー」はフランス語で「お盆」を意味する言葉です。プレートにチーズを盛り付け、食べたいものを取っていくパーティーなどで出されるメニューです。
さまざまなタイプのチーズを、美味しく映えるよう切り分け盛り付けます。ナッツやフルーツをアクセントに盛りつければテーブルが華やかになる「プラトー・ドゥ・フロマージュ」の出来上がりです。ホームパーティーなどで真似したい一皿です。
フロマージュとチーズケーキとの違い
フロマージュがチーズケーキという意味では無いとわかりましたが、ではチーズケーキのことはなんというのでしょうか?また、色々な種類があるチーズケーキの違いについても詳しく紹介していきます。
フランス語でチーズケーキは?
フロマージュがチーズという意味であることがわかりましたが、チーズケーキはなんというのでしょうか?正確にはフランス語で、「タルト・オ・フロマージュ」または「ガトー・オ・フロマージュ」と言います。
実際はフランスのケーキ屋にはチーズケーキはあまり売っていないことも多く、チーズはチーズで食べるためケーキにしてまで食べない、といわれています。
ベイクドチーズケーキとは?
チーズケーキと一口に言っても、さまざまな種類があります。「ベイクドチーズケーキ」はクリームチーズやマスカルポーネなどに卵黄、小麦粉などを混ぜて型に流し入れてオーブンで焼いたものです。
重くずっしりと、食べ応えがあるのが特徴です。北米やヨーロッパでチーズケーキといえばこの「ベイクドチーズケーキ」のことを指す場合が多いようです。
レアチーズケーキとは?
「レアチーズケーキ」は他のチーズケーキとは違い、焼かずに冷やし固めるのが最大の特徴です。クッキーなどを砕いたものを土台に、生クリーム、クリームチーズ、ゼラチンを混ぜたものを流し入れ冷やし固めます。
食感はムースのようなゼリーのような独特の食感です。ゼラチンを寒天にしたり、クリームチーズと豆腐を混ぜたり、ベルーベリーやいちごなどのベリー系のフルーツを混ぜたりとアレンジがたくさんあります。
食感も柔らかくプルプルでよりムースっぽいものから、しっかりゼラチンで固めたものまで色々あります。自宅でも作りやすいチーズケーキです。
スフレチーズケーキとは?
「スフレ」は先ほども説明しましたが、「ふっくら焼いた」という意味のフランス語です。「スフレチーズケーキ」は、メレンゲを生地に加え湯煎焼きにすることでふっくらした独特の軽い口当たりのチーズケーキになります。ベイクドチーズケーキがどっしり重いのに対し、スフレチーズケーキは真逆の軽いチーズケーキです。
日本ではとても馴染みのあるチーズケーキで、チーズケーキといえばスフレタイプのものを思い浮かべる人も多いと思います。しかしこのスフレチーズケーキ、海外ではあまり馴染みがありません。意外ですがこのスフレタイプのチーズケーキは日本発祥のケーキなのです。
そのため海外では「ジャパニーズチーズケーキ」や「ジャパニーズスタイルチーズケーキ」と呼ばれています。
フロマージュ・ブランとチーズケーキのレシピ
フロマージュ・ブランは熟成させないフレッシュチーズです。そのため自宅でも簡単に作ることができます。フロマージュ・ブランと併せてチーズケーキのレシピを紹介します。
フロマージュ・ブラン
- 低脂肪牛乳1000cc
- ヨーグルト大さじ1(無くてもOK)
- クエン酸3g
- 牛乳にヨーグルトを加えて弱火で40度まで温めてかき混ぜます。
- 40度になったら火を止め、クエン酸を加えます。
- よくかき混ぜたら30分〜60分ほど放置します。
- 放置したら清潔な布巾で濾します。
- 布を絞ったら口を紐で縛り、割り箸などで固定します。
- そのままビールジョッキなどの大きい器に割り箸をかけて自然にホエーが出るようにします。
- 3時間ほどすると水分が抜けてフロマージュ ・ブランが出来上がります。
フロマージュ・ブランは酸味もクセもなく少し味気ないので、ジャムやはちみつをかけたり、デザートの材料にしてもいいでしょう。本来は専用の凝固剤を使用します。クエン酸の代わりに酢やレモンでも作れます。時間がかかって作るのが面倒な時はプレーンヨーグルトでも代用可能です。
プレーンヨーグルトをコーヒーフィルターなどに入れて、冷蔵庫で一晩放置しておきます。一晩経つとホエーが下に溜まり、フィルターには水分の抜けたヨーグルトが残ります。材料は同じ牛乳なので、味わいはほとんどフロマージュ・ブランと同じです。
ベイクドチーズケーキ
- クリームチーズ200g
- 生クリーム200ml
- 粉砂糖(グラニュー糖)80g
- 卵2個
- 薄力粉30g
- レモン汁大さじ2
- ビスケット80g
- 無塩バター35g
- オーブンを170度に温めておきます。
- ビスケットを袋に入れて、麺棒などで細かく砕きます。
- 溶かしたバターを加え、よく混ぜたらクッキングシートを敷いた型の底に敷きます。
- クリームチーズが固い場合、レンジで30秒〜60秒ほど温め柔らかくしておきます。
- ミキサーにクリームチーズ、生クリーム、粉砂糖、卵、ふるった薄力粉、レモン汁を入れて撹拌します。
- ビスケットを敷いた型に流し込み、170度のオーブンで40〜45分焼きます。
- 粗熱が取れたら型のまま一晩冷蔵庫で冷やして出来上がりです。
ミキサーで簡単に作れるレシピです。もしミキサーがない場合は、材料を順番にボウルでよくかき混ぜてください。一晩寝かせることでしっとり美味しくなるので、すぐ食べたいですが我慢です。
レアチーズケーキ
- ビスケット70g
- 無塩バター30g
- クリームチーズ200g
- グラニュー糖60g
- プレーンヨーグルト100g
- レモン汁大さじ1
- 生クリーム150ml
- 粉ゼラチン5g
- 水大さじ2
- 袋にビスケットを入れて麺棒で叩き細かくします。
- 溶かした無塩バターを加えよく混ぜたら型に敷き詰め冷やしておきます。
- ボウルにクリームチーズを入れ、なめらかになるまで泡立て器でかき混ぜます。
- グラニュー糖を加え、ザラザラがなくなるまでよくかき混ぜます。
- ヨーグルト、レモン汁を加えてさらにかき混ぜます。
- 別のボウルに生クリームを7分くらいまで泡立てます。
- ふやかしたゼラチンに5の生地を少量加えて、電子レンジ600wで30秒加熱して溶かします。
- ゼラチンを5の生地に混ぜ合わせたら、濾し器でこします。
- 生クリームを2回に分けて加えます。
- 冷やしておいた型に流し込み、冷蔵庫で3時間冷やします。
ひんやり美味しいレアチーズケーキです。面倒でも濾し器でこすことでなめらかな舌触りになります。お好みでいちごやブルーベリーをトッピングしたり、ソースやジャムを添えましょう。
スフレチーズケーキ
- クリームチーズ200g
- 卵黄2個
- 砂糖30g
- 小麦粉20g
- 牛乳60cc
- 卵白2個
- 砂糖30g
- 卵黄とクリームチーズをボウルで混ぜ合わせます。
- そこに砂糖を3回に分けて入れます。
- さらに小麦粉、牛乳を順番に入れて混ぜていきます。
- 卵白をハンドミキサーで5分立てくらいします。
- 砂糖を加えて、さらにあわ立てます。
- 最初に生地に卵白を1/3ほど入れ、泡立て器でよくかき混ぜます。
- その後、残りの卵白を加えてさっくり混ぜます。
- 天板にお湯を張り、170度のオーブンで15分焼きます。
- 150度に温度を下げて上にアルミホイルを被せてさらに35分焼きます。
卵白をあわ立てたメレンゲ生地で作る、ふんわり食感のスフレチーズケーキです。焼きあがったらオーブン内でしばらくおいて置くとしぼみにくくなります。
フロマージュはチーズケーキではなくチーズのこと!
ケーキ屋さんや洋菓子店でよく見かける「フロマージュ 」と書かれたチーズケーキ。実際はチーズケーキのことではなく、チーズ自体を表すフランス語でした。なぜか間違った使い方をされていることが多く、実際そのせいで間違って覚えている人が多いのです。
今回の記事で「フロマージュ」の正しい意味を知っていただけたと思います。チーズ大国であるフランスでは、フロマージュの種類が1000種類以上あり生活に密着しています。フロマージュ・ブランを離乳食にすることからも、チーズが生活に根付いていることがよくわかります。
しかし日本発祥のスフレチーズケーキがあるなど、日本でもチーズ人気は高く市民権を得ています。「フロマージュ」の正しい意味を知ってチーズに親しんでいきましょう!