かつおの旬の時期はいつ?高知のカツオの旬や新鮮なカツオの見分け方も
かつおの旬の時期はいつかご存知ですか?かつおの旬は年に2回あります。かつおがおいしい旬の時期について詳しく調査しました。かつおの産地として有名な高知はもちろん、鹿児島や静岡・宮崎・千葉など漁場別に載せています。旅行計画を立てるときに、ぜひ参考にしてください。また、家でもおいしいかつおのたたきを食べられるように、かつおのたたきの簡単レシピもいろいろ紹介します。
かつおってどんな魚?
かつおとは
かつおはスズキ目サバ科の魚です。大型の回遊魚で肉食の魚です。大きいものは全長1m体重18~20kgにもなりますが、市場に出回っているものは全長40㎝程のものが多いです。世界のかつおの漁獲量ランキング(2016年)では、1位インドネシア、2位フィリピン、3位エクアドルとなっており、日本は5位になっています。
かつおは泳ぎ続けないと呼吸ができなくなり死んでしまいますので、時速60kmもの速さで泳ぎ続けます。そのため、身が締まっていて高たんぱく低カロリーのヘルシーな魚です。血合いの部分に含まれるパントテン酸は熱に弱いので、刺身やたたきなどで食するのが適しています。また、疲労回復や貧血予防に効果のある栄養分もあり、とても健康によい魚です。
かつおは火を通すと身がパサつきがちですので、生食が好まれています。ですが、かつおは足の早い魚ですので刺身で食べるには鮮度が命です。昔は獲れたその日は刺身にし、2日目は少し傷みが気になるのでたたきにして薬味と一緒にいただきました。すぐに食べない分は保存食として茹でてなまり節やいぶしてかつお節に加工されました。現在は世界の漁獲量の約80%がツナ缶などの缶詰に加工されています。
初かつおと戻りかつおの違い
暖かい海を好むかつおは、日本では太平洋側に多く分布しており、黒潮に乗って回遊しています。日本近海では、春に黒潮に乗って北上してきます。その年初めてのかつおの水揚げは「初かつお」と呼ばれます。秋になると親潮の勢力が強くなり、かつおは南下します。南下するかつおは「戻りかつお」と呼ばれます。
春の初かつおは、脂が乗っていないためさっぱりとしています。秋の戻りかつおは、脂が乗って濃厚な味わいです。初かつおは赤身が多く、脂身が多い戻りかつおよりもカロリーは低めです。時期によって栄養価も違います。初かつおにはタンパク質やカルシウムが多く含まれています。ビタミンB12・タウリンなどの栄養素も多く、貧血予防や疲労回復に効果があると言われています。
戻りかつおは脂が乗っていると聞くとダイエット中の方には気になるところですが、青魚の脂は不飽和脂肪酸が多く体にいい脂です。脳の機能の活性化やコレステロール値のコントロールに効果があると言われています。かつおは成人病などの予防のためにもたくさん食べたい魚です。
かつおの旬は年に2回ある?
かつおの旬は2シーズン
今ではかつお漁は日本中で行われているので、それほど高価なものではありませんが、「女房を質に入れてでも初鰹」と言われるように昔はかつおは高価な魚でした。高価であっても食べたいと思われるほど、昔から多くの人から好まれています。それほど高価でなくなった現代でも、多くの旅行会社で組まれているかつおのたたきを食べられるツアーは毎年人気です。
旅行に行ったりかつおのたたきを食べに行ったりするなら、どうせなら旬の時期に行きたいものです。かつおの旬の時期がいつか知っていますか?かつおの旬は実は年に2回あります。春の初かつおと秋の戻りかつお、それぞれの旬の時期について詳しく紹介します。
初かつおは春の4月からが旬
漁場によって違いますが、初かつおは4月からが旬の時期です。これは高知の初かつおの旬が基準となっています。北上していく初かつおはのぼりかつおとも呼ばれてます。初かつおは俳句や川柳にも多く読まれています。昔から初物は縁起がよいとされ、「初物を食べると長生きする」とも言われていますので、初かつおも初物好きな日本人に昔から珍重されています。
北上する初かつおは南の鹿児島や宮崎では2月頃から獲れますが、出始めの時期はまだ形の揃っていないことが多く、北上していく段階で旨味が増していきます。
戻りかつおは秋の8月からが旬
戻りかつおは8月からが旬の時期になります。春よりも脂が乗って、こってりとした味わいの戻りかつおは、マグロのトロにも負けない美味しさです。戻りかつおは、刺身でもぜひ味わってみたいものです。
高知のカツオの旬の時期
初かつおは3月からが旬の高知
高知の初かつおの旬の時期は3月から4月になっています。かつおのたたきと言えばなんと言っても高知が有名です。実は意外ですが、かつおの漁獲量の都道府県ランキング(平成28年)では1位は静岡、2位東京、3位三重に次いで高知は4位となっています。なぜ高知のかつおが名物になっているのかというと、漁場が近く新鮮なかつおが食べられるからです。
高知では昔からの伝統的な「土佐の一本釣り」も有名です。沿岸でのかつおの一本釣りの漁獲量は高知が1位となっています。沿岸、つまり漁場が近いということは、冷凍する必要がないので生の新鮮なかつおをいただくことができるということです。1本ずつ釣るので、傷がなく鮮度のよいかつおを釣り上げることができます。また、一本釣りは群れを一網打尽にしないので、自然にもやさしい漁法です。
新鮮な生のかつおが食べられるという理由で、高知のかつおの消費量は全国1位となっています。名店も多く、おいしいかつおのたたき目当てに毎年多くの観光客が訪れています。かつおのたたきはポン酢でいただくことが多いですが、高知では塩たたきが有名ですので機会があったらぜひ食べてみてください。
戻りかつおは9月からが旬の高知
高知の戻りかつおの旬の時期は、9月から10月になっています。かつおのたたきの始まりは定かではありませんが、高知が発祥の地ではないかという説もあります。いろいろな説がありますが、冷蔵庫のない時代に釣った翌日の少し鮮度が落ちたかつおを刺身で食べるために、藁で表面をあぶって臭みを消したのがかつおのたたきの始まりではないかと言われています。
高知では、かつおの藁焼き体験ができる場所もあります。自分で焼いたかつおのたたきの味は格別でしょう。高知に行ったときは体験してみてはいかがでしょうか?
高知さいこうだ!!
— ヒカル (@hikaru0607) May 24, 2018
かつおの塩たたきが、うますぎるぞ!! pic.twitter.com/6qKhdUaJVF
かつおの旬を産地別で調査
かつおが有名なのは高知ですが、南は沖縄から北は北海道まで全国でかつおは水揚げされています。かつおは北上していきますので、漁場によって初かつおと戻りかつおの旬の時期は違います。初かつおと戻りかつおの旬の時期について、漁場別に詳しく紹介します。旬の時期はその年の天候・気温に左右されますので、目安にしてください。実際に行くときは、宿泊先や飲食店などに問い合わせした方が確実です。
鹿児島の初かつおと戻りかつおの旬
鹿児島の初かつおの旬の時期は2月から3月頃です。戻りかつおの旬の時期は、11月頃です。鹿児島は、全国有数のかつおの水揚げ量を誇る枕崎漁港が有名です。鹿児島はかつおの一本釣りの漁獲量全国2位となっています。鹿児島はかつお節の生産量が全国1位となっています。北上するかつおをいち早く食べられ、南下するかつおを最後に食べられる鹿児島は、有名な砂蒸し風呂などが一緒に楽しめるツアーも人気です。
漁港の町枕崎の郷土料理に「ビンタ料理」があります。ビンタとは頭のことで、かつおの頭を塩茹でや味噌煮にしていただく郷土料理です。かつおのたたきとセットになった定食などもありますので、枕崎に行ったときはぜひ食べたい料理の1つです。
静岡の初かつおと戻りかつおの旬
静岡の初かつおの旬の時期は6月頃、戻りかつおの旬の時期は10月頃です。焼津漁港が有名な静岡は、かつおの水揚げ量全国1位です。静岡はかつお節の生産量が全国2位となっています。かつおのたたきの名店も多く、藁焼きの実演ショーなども見ることができます。
焼津港は遠洋漁業が盛んですので、水揚げされるのは冷凍のかつおです。冷凍のかつおを解凍してたたきにすると鮮度が落ちるので、焼津のたたきは凍ったまま切って表面をあぶり冷凍するという方法で作られています。生のかつおのたたきにも引けを取らないおいしさだという評判です。
宮崎の初かつおと戻りかつおの旬
宮崎の初かつおの旬の時期は2月から5月、戻りかつおの旬の時期は11月頃です。近海でのかつおの1本釣りの漁獲量は、宮崎が1位となっています。宮崎では鹿児島同様初かつおをいち早く食べることができます。日南の郷土料理に「かつおめし」があります。いわゆるヅケ丼ですが、薬味と一緒にいただく新鮮なかつおがおいしいと人気です。
初かつおの時期には全国に先駆けて新玉ねぎが市場に出回ります。辛味成分が少なく生で食べるとおいしいと話題の「空飛ぶ新玉ねぎ」とのコラボで、かつおのたたきをいただくことも可能です。近海で獲れた新鮮なかつおのたたきを食べてみてはいかがでしょうか?
千葉の初かつおと戻りかつおの旬
千葉の初かつおの旬の時期は6月頃、戻りかつおの旬の時期は10月頃です。勝浦の漁港は関東一のかつおの水揚げ量を誇り、一本釣りの新鮮なかつおが集まります。旬の時期にはたくさんの漁船で賑わっています。千葉の郷土料理にもかつおを使ったものがいくつかありますが、その1つに「かつおめし」があります。船の上で漁師が食べていたもので、米とかつおを醤油で炊き込んだものです。
千葉の郷土料理にはかつおを使ったなめろうなどもあります。千葉にかつおのたたきを食べに行くときは、このような素朴な郷土料理も一緒に味わってみたいものです。
三重の初かつおと戻りかつおの旬
三重の初かつおの旬の時期は4月から5月頃、戻りかつおの旬は11月頃です。近海で行われる引き網漁法のケンケン漁で獲れる新鮮な「ケンケンカツオ」は有名です。三重はかつおの漁獲量全国3位です。三重県の郷土料理に「手こね寿司」があります。新鮮なかつおをヅケにしてのせたちらし寿司です。かつおのたたきが食べられるお店もたくさんありますので、ぜひ訪れてみてください。
宮城の初かつおと戻りかつおの旬
宮城の初かつおの旬の時期は7月頃、戻りかつおの旬の時期は9月から10月頃です。かつおと言えば三陸地方も外せません。気仙沼漁港は、生鮮かつおの水揚げ日本一の漁港です。石巻漁港も全国有数のかつおの水揚げ港です。新鮮なかつおが獲れる宮城では、たたきよりも刺身で食べることが多いですが、かつおのたたきの名店も多くあります。
旬のかつおをおいしく食べよう!
かつおのたたき簡単レシピと調理法
かつおのたたきの産地を紹介しましたが、なかなか食べに行けないという場合もあるでしょう。そんなときは、調理済の商品をお取り寄せしてみたり、自宅でおいしく食べられる調理法を研究してみたりするのも楽しいものです。かつおのたたきがおいしく食べられる簡単レシピを紹介します。
本場高知では、かつおのたたきは、節に切ったかつおに串を刺し、藁で表面をあぶっていただきます。ですが、家庭では藁であぶるのは大変ですので、ガスの直火であぶるレシピです。YOUTUBEではかつおの捌き方から見ることができますが、これも大変なので簡単に作りたい場合は捌いてあるものを買うとよいでしょう。
①節に切ったかつおを金串で刺し、できるだけ強火で皮目から皮に焼き目が付くまであぶり、表面もさっとあぶります。②かつおを平づくりに厚めに引きます。③スライスした玉ねぎと好みの薬味と一緒に皿に盛り付けます。④本場高知では塩たたきが有名ですが、塩でもポン酢で好みの味で食べてください。ごま油やラー油を入れて中華風にしてもおいしいです。
かつおのたたきは薬味が命です。薬味はかつおの臭みを消したり殺菌作用が期待できます。葱、にんにく、しょうが、みょうが、大葉、など好みの薬味を用意してください。ゆずやレモンなどもあるとよいでしょう。
調理する際はアニサキスには注意してください。害のない寄生虫もいますが、アニサキスは食中毒を引き起こしますので調理前に必ず目視で確認してください。-20℃で24時間以上冷凍すると感染はしないとのことですので、お取り寄せの冷凍品は大丈夫でしょう。ただしアニサキスでアナフィラキシーショックを起こしたことのある方は、冷凍品でも注意が必要です。
「かつおのたたきは食べたいけど、自分であぶるのは面倒」という場合は、スーパーやインターネットでのお取り寄せにもおいしいものがいろいろあります。買ってきたかつおのたたきでも、自分の好みの薬味を用意するとよりおいしいく食べられますので、ぜひ試してみてください。お取り寄せでいろいろな産地のものを食べ比べしてみるのもおすすめです。
かつおは2回の旬の味が楽しめる
かつおの旬の時期について紹介しましたが、いかがでしたか?味も栄養価も違う初かつおと戻りかつお、ぜひ食べ比べしてみたいものです。冷蔵庫のない昔はかつおのたたきが食べられる場所も限られていましたが、今ではお取り寄せなどで食べることも可能です。ですが、機会があればいろいろな産地を巡って、その土地ごとの食べ方を味わってみるのも楽しいことでしょう。