かつおのカロリーと糖質は低い?たたきや刺身はどれくらい?
かつおのカロリーと糖質はどうなのか?かつおの栄養素を他の魚のそれと比較しながら、かつおが低カロリーかどうかを探ります。獲れる時期の違いや、料理法の違いにもふれながら、かつおのカロリーや糖質などの栄養素が、どう変化するのかしないのかを紹介します。また、どのように食べれば、かつおが低カロリーになり、ヘルシーになるのかも併せて紹介します。かつおを食べるにあたって、ダイエットにつながる料理法や、食べ方についても述べていきます。
目次
かつおってどんな魚?
かつおにはどんな特徴があるか
かつおは、スズキ目サバ科に属する魚です。カツオと名がつく魚は、けっこう沢山あります。主なものを挙げますと、マナガツオやソーダガツオ、ハガツオです、これらのカツオと区別するために、かつおはホンガツオとかマガツオと呼ばれたりもします。ソーダガツオは、ご承知のように宗田節として出汁に流用されています。マナガツオやハガツオは、料理店でたまに供される魚で、かつおと勘違いして、注文する人もいるかもしれません。
かつおは、通常40cm程度のサイズが多いですが、大きなものになると体長1m、重さ20Kgに及ぶものも揚がります。見た目は、背側が濃い藍色で、腹側は銀白色をしています。興奮すると、腹側に横縞模様が浮き出てきます。横縞というのは魚体を横断する方向で、かつおは死ぬとその横縞が消えて、縦縞が現われてきます。縦縞というのは、頭から尾にかけて魚体を縦断する方向です。画像は、かつおが死んでいることを示しています。
かつおの旬の時期
かつおは、日本列島の太平洋岸に沿って黒潮に乗り、春から夏にかけて九州から東北三陸海岸沖まで北上し、秋に親潮の勢いが強くなると三陸沖から南下する魚です。その年の初めての水揚げするかつおを、「初かつお」と呼んで、その土地々々で珍重されています。鹿児島、土佐、紀州、遠州、房総、三陸と、それぞれ初かつおの時期はずれていきます。そのため、土地によって旬は異なりますが、さっぱりとしたかつおという点は同じです。
夏から秋にかけて南下するかつおを、「戻りかつお」と呼んでいます。当然のことですが、初かつおは型が小さめで、戻りかつおはやや大型になります。そして、海水温の影響を受けて脂がのり、初かつおとは別物の味になります。戻りかつおの旬も、三陸沖から順に南下しながら始まります。ただ、近年の海水温の上昇による影響で、初かつおにしろ戻りかつおにしろ、旬の時期は相当に乱れてきています。
旨いかつおの見つけ方
かつおは、魚のなかでも良し悪しを見分けるのがむつかしい部類に入ります。しかも、鮮度は同類の鯖なみに落ちやすい魚です。美味しいかつおを見分けるポイントを、ふたつ紹介します。映像のかつおの腹側の縞模様が分りますでしょうか?この縞模様がくっきりしているのが、美味しい印です。後は、かつおの魚体全体がぷっくらと引き締まっていることが大事です。したがって、画像のかつおは、美味だと言えます。
かつおのカロリーと糖質が気になる!
かつおの栄養成分を見てみよう
かつお100g当りの栄養素をみてみます。カロリーは、114Kcalです。炭水化物が、0.1gで、脂質が0.5g、蛋白質が25.8gです。したがって糖質は0.1gです。かつおの有名な旨味成分である、イノシン酸はもちろん、ビタミン類も疲労回復に効果のあるBや、骨粗しょう症を予防するDが多く含まれています。また、最近健康や美容に効果があると評判になっている、HDL、EPA、DHAなどの、毎日少しづつ摂取したい栄養も含まれています。
かつおは比較的低カロリーで低糖質
比較のために、ここで鮪とサーモンの栄養素もみてみます。まず鮪のカロリーは、125Kcalで、炭水化物が、0.1g、脂質が1.4g、蛋白質が26.4gです。糖質は0.1gです。サーモンは、カロリーが139Kcalです。炭水化物が、0.1g、脂質が4.5g、蛋白質が22.5gです。糖質は0.1gです。かつお、鮪、サーモンすべて、糖質は同じ数値です。カロリーと脂質は、かつおが他の数値を下回り、蛋白質はかつおの数値が高くなっています。
以上のデータから言えることは、かつおが低カロリー、低糖質、低脂質で高蛋白質な魚である、ということです。
初夏と秋に摂れるかつおで糖質が違う
初夏のかつお、つまり初かつおと秋のかつお戻りかつおを比べてみます。初かつおについては、前の章で示したとおりです。戻りかつおの栄養素をみてみると、カロリーは165Kcal、炭水化物0.2g、脂質6.2g、蛋白質25.0gとなります。一目瞭然、蛋白質だけは大差ありませんが、カロリーや脂質は大きく跳ね上がっています。糖質も少ないとはいえ、倍の数値になっています。ビタミンやミネラルの成分比はどちらも変わりません。
初夏と秋を比べると、同じかつおではなくなっています。糖質、脂肪、カロリーが高くなっていることに注目して、この後は、戻りかつおの扱い方を考えていきます。
食べすぎは太る原因
一般論として、食べすぎはそれ自体がおすすめできない状態です。かつおの名誉のために一言申し添えると、かつおに限らず過剰摂取が体に良いことは、ほぼありえません。たとえば、太るかどうかで考えれば、高蛋白で低カロリーなかつおは、太りにくい食品であることはたしかです。ただ、妊娠中の女性は、大型回遊魚特有の水銀摂取を考慮して、過剰に食べないほうがよいでしょう。また、尿酸プリン体を多く含むこともたしかです。
かつおのたたきのカロリーと糖質は?
かつおは、刺身でも美味しいが、たたきにすればまた美味しい魚です。たたきは、かつおの表面を強火で炙ってから、氷水でしめたものをいいます。かつおをたたきにしたら、どのように栄養素は変わるのかをみてみます。薬味などは考慮に入れない100g当りの換算です。カロリーは、84Kcalです。炭水化物が0.4g、脂質が0.4g、蛋白質が15.1gです。糖質は0.4g。刺身と比べると、カロリーと蛋白質は低く、糖質は逆に高くなっています。
かつおの刺身のカロリーと糖質は?
かつおの刺身のカロリーは、114Kcalと魚のなかでも低いほうです。たたきのところで述べたように、かつおをたたきにすると、84Kcalと一段と低カロリーになります。けれども、糖質はというと、0.1gが0.4gと上昇し、かつおは刺身で食べたほうがよいという気もしてきます。ただ、刺身にしてもたたきにしても、初かつおを使用するか戻りかつおを使用するかで、カロリーや糖質は大きく異なってくると思われます。
かつおのたたきや刺身のヘルシーな食べ方
低糖質ダイエットには赤身がおすすめ
初夏の初かつおで紹介しましたように、かつおの赤身の糖質は0.1gです。かつおは、良質な蛋白質の供給源です。食品に含まれる鉄分には、植物性食品に含まれる非ヘム鉄と、動物性食品に含まれるヘム鉄があります。非ヘム鉄はヘム鉄に比べると、体への吸収率が悪いのです。そうした意味で、鉄の供給や蛋白質の供給に、かつおは優れた食材です。また、かつおはビタミンB群を多く含んでいます。
かつおに含まれるビタミンB1は、ホルモンのバランスを整えて女性の体内環境を整え、脳細胞を活性化し疲労を回復させます。野菜には少ないB1をかつおは豊富に含んでいて、高蛋白質なのに低カロリーという、ダイエットに効果的な魚です。「低カロリー高蛋白のおすすめ魚ランキング」で、1位に輝いたほどです。刺身で食べてもたたきで食べても、かつおがヘルシーな魚であることを、お分かりいただけたでしょうか。
玉ねぎや生姜と食べるとダイエット効果UP
単純に言って、かつおとスライス玉ねぎは合います。玉ねぎは加熱するとその栄養素は減退します。その意味でも、かつおと生玉ねぎは一緒に食べることで、栄養効果を高めるのです。ニンニクや玉ネギなどユリ科に属する植物がもつ、硫化アリルはカツオに含まれるビタミンB1と結合して、アリチアミンという物質に変わります。このアリアチアミンがビタミンB1の働きを、効果的に持続させる役目を果たしているのです。
ただし、かつおと一緒によく食べられる玉ねぎやニンニクですが、ニンニクに関しては食べすぎはいろいろな副作用もありますので、気をつけなければいけません。そうしたなかで、生姜は副作用の心配もなく、かつおとともに食べるのに適しているかもしれません。生姜は、体を保温する働きがあり、身体代謝力を高める効果があります。結果的に消費カロリーを高くすることができて、ダイエット効果にも十分につながっています。
かつおの血合いほどのダイエット食材はない!
捨ててはいませんか?かつおの血合いです。血合いは、鮪やかつおなど回遊魚に多く含まれる部分です。かつおがヘルシーなのは、ここまで見てきたとおりです。しかし、栄養価の一点でみるなら、かつおの血合い部分がかつおの本体以上に、栄養素の宝庫だということを知っていますか?生臭さが嫌われる一番の理由でしょうが、新鮮な物なら生臭さは皆無なのです。鉄分ひとつをみても、他の赤身部分の2倍あります。
血合い肉に含まれる脂質は、熱効率の良いカロリー源ですし、脂質中のDHAやEPAは脳梗塞や動脈硬化の予防に効果があると、いま注目されています。アミノ酸の一種であるタウリンも、血合い肉には多く含まれています。それほどに、血合い肉には病気の改善や予防に効果のある栄養素が、たっぷりと含まれているのです。この血合い肉をダイエットに活かさない手はありません。
かつおの血合いでレバ刺し風
その血合い肉の、美味しくダイエットに効果的なレシピを、一つ紹介しておきます。新鮮なかつおから外した血合い肉は、間を置かずに細切りにしてボウルに入れ、胡麻油、醤油、塩、おろしニンニク、白煎り胡麻を加えて和えます。器に盛って、刻んだ万能ねぎを上から散らして完成です。一口食べたら、どなたもが思うはずです。今では食べられなくなった、あのレバ刺しだ、と。いや、レバ刺しよりも美味でヘルシーに違いありません。
かつおを使った料理レシピ
食欲増進かつおのガーリックバターステーキ
かつおは2cmほどの厚さに切り分けます。オリーブオイルをフライパンで熱して、塩、胡椒、小麦粉をまぶしたかつおを、表面だけ焼き上げたら取り出しておきます。フライパンにバターを入れて、みじん切りのニンニクを炒めます。かつおを戻し入れて、さっと火を入れたら醤油を回しかけて香りが付いたら器に盛って、野菜をあしらいましょう。かつおの身は、焼きすぎるとパサパサになるので、注意が必要です。
ごはんのお供にかつおの角煮
かつおは、適当な角切りにしたら、塩を振ってしばらく置きます。かつおを沸騰した湯にさっと通してザルに上げておきます。生姜は千切りにします。鍋に多めの酒と、砂糖、醤油、みりんを加えて煮立たせたら、かつおと繊切り生姜を加えて、アクを取り除きながら、中火で煮上げます。煮汁がなくなる寸前で火を止めて、そのまま鍋で冷まします。塩振りと熱湯に通すことで、かつおの臭みはすっかり消えます。
簡単味染みかつおときのこの生姜煮
かつおは、1cm巾に切り分けてから、熱湯にくぐらせてザルに上げて置く。エリンギや椎茸は薄切りにする。鍋に、水と砂糖、醤油、酒、みりん、オイスターソース、おろし生姜、胡椒を加えて、沸騰させます。沸騰したら茸を加え、再度沸騰したらかつおも加えて、ひと煮立ちしたら蓋をして弱火で10分煮ます。
かつお1本に1個しかないハラモの塩焼き
ハラモというのは、かつおの一番底部に当たる部分です。内臓の上を腹骨が覆っているわけですが、その腹骨の上の周りに当たる部分が、かつおのなかで脂がのっている所です。ハラモは、内臓の下側に当たります。脂も一番のっていて、どんな細工もいりません。塩焼きにするだけで、大根おろしとレモンを添えて完成です。懇意にしている魚屋さんがあったら、ハラモを分けてくれますか、と言ってみる価値はあります。
かつおのアラ煮
鮪もそうですが、かつおも煮魚にすると身がパサパサになる傾向があります。そういう意味でも、煮魚としてのかつおは、ここに紹介するアラ煮が一番美味しいと思います。アラを捨てるのがもったいないからではなく、ほんとうに本体よりも美味しいのです。
作り方は、アラを熱湯にくぐらせてたらザルに上げておきます。鍋にアラをならべ、酒、水、砂糖、醤油を加えて煮立たせます。沸騰したら、弱火にしてアクを取り、繊切り生姜を加えて、落し蓋をして煮汁が3分の1くらいになったら火をおとして、そのまま味を含ませます。角煮などと同じで、熱湯にくぐらせていることにより、かつおの臭みは消えているはずです。
かつおの和風カルパッチョ
かつおの料理は、いろいろ数多くあります。かつおの好きな方なら、刺身やたたきがやはり一番のような気がします。そのかつおのたたきを、少々ヘルシーにいただくために、和風のカルパッチョにしてみました。かつおのたたきは、一口大に切り分けておきます。ニンニクは小口切りにして、フライパンに少々の油をひいて、こんがりと焼き上げます。大葉は繊切り、玉ねぎはみじん切りにしておきます。
器に、かつおをならべて、ぽん酢を回しかけます。かつおの上に、ニンニク、大葉、玉ねぎを散らして完成です。ここでは、かつおのたたきを使いましたが、これは刺身でもかまいません。トッピングの薬味も、お好みの野菜を使用していただけば、よろしいと思います。
かつおの特徴を知ってヘルシーに食べよう
かつおの特徴、栄養素から、調理レシピまでを紹介してきました。これらを参考にしていただいて、かつおを好きな方も少々苦手な方も、たたきにしたり、薬味を工夫したり、火を通したりと、いろいろな方法を用いて、ぜひかつおを召し上がってください。これほど低カロリー、低糖質、高蛋白で、ヘルシーな魚を見逃す手はありません。