にんにくの収穫時期は?収穫前の準備から収穫後の保存方法まで詳しく解説
にんにくの収穫時期の目安は、どのくらいになるのでしょうか?またにんにくを栽培する場合、収穫前と収穫後にはどのような手順が必要となってくるのでしょう。今回はにんにくの収穫の時期について、また育てる場合の準備や方法などについて詳しく紹介していきます。またにんにくの収穫後はどのような方法で保存すると良いのか、上手な保存方法も見ていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
にんにくの収穫のコツが知りたい!
にんにくは様々なレシピに活用することができる食材です。しかしにんにくを栽培するとなると、ちょっとしたコツが必要となります。種上の時期はいつがいいのか、にんにくの収穫の目安、にんにくの収穫のコツなどについて見ていきます。にんにくの収穫前や収穫後にやるべきことも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
にんにくの歴史や情報
まずはにんにくとはどんな食べ物なのか見ていきましょう。にんにくは歴史が古いと言われていますが、どのような歴史があるものなのか、またどのような効果や効能を見込むことができる食材なのでしょうか?
歴史
にんにくの歴史はとても古いと言われています。日本ににんにくがやってきたのは4世紀頃で、このころ朝鮮半島と中国大陸を経て、日本に伝来してきたと考えられています。にんにくの栽培について、「古事記」や「日本書紀」といった書物に記載があります。こういったことからも、いかににんにくの歴史が深いかがわかるのではないでしょうか?
にんにくは紀元前4000年ごろのの古代エジプト時代には、すでに存在していたと言われています。エジプトにはピラミッドがありますが、このピラミッドの建設に従事していた労働者たちが、にんにくや玉ねぎなどを食べていたという記録が残されています。
にんにくには疲労回復効果もあるため、そういったことからも食べられて活用されていたと考えられます。
原産地と生産地
にんにくの原産地は諸説ありますが、中央アジアが原産地と言う説が有力視されており、この中でもキルギス地方が原産地ではないかと言われています。にんにくはピラミッド建設の労働者にも配給されていたとされ、古代エジプトの人たちには身近な食材となっていたようです。
にんにくは世界で作られている食材ですが、世界的にみると中国が一番を誇っています。全世界の中で約8割の栽培を行い、収穫がされています。世界第2はインド、次いでバングラデシュと続いています。世界の中で日本は36位となっています。
日本国内だけで見ると、青森県が国内生産の8割を占めており、次いで香川県、北海道の順番となっています。他の都道府県でもにんにくの栽培と収穫は行われていますが、全体のうちの数パーセントの収穫にしかなりません。
健康や美容効果
にんにくは、様々な効果を期待できる食材です。健康や美肌効果もあります。にんにくには、アリシンという成分が入っており、これが重要な役割を果たします。
このアリシンは、ビタミンB1の吸収を高める働きを行います。ビタミンB1は肌の代謝を促す役割があるため、アリシンと一緒に食べることによって吸収率がアップし、結果的に美肌効果を見込めるということになります。
またにんにくは、体力増強や疲労回復、冷えの改善や、がん予防、免疫力アップ、アンチエイジングといった効果を期待できる食材です。ぜひ日頃の食事ににんにくを取り入れてみてはいかがでしょうか?
にんにくの栽培
にんにく栽培のやり方や、コツについて紹介します。にんにくを上手に育てるためには、ちょっとしたコツが必要です。ぜひここでポイントをおさえて、にんにく栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?初心者の方でも簡単に取り組むことができるので、ぜひ参考にしてみてください。
土と肥料
にんにくを育てる際の一つ目のポイントは、土と肥料選びです。にんにくは過湿に弱い植物のため、水はけのよい土を選ぶと良いでしょう。またにんにくは酸性土壌を嫌います。そのためにんにくを育てる土は、弱アルカリ性に調整する必要があります。
そのためにんにくを育てる前に、石灰を使って土をアルカリ性にしておきましょう。そういった調節が難しい場合は、市販の野菜専用培養土を購入すると野菜を作りたい方向けの土となっているため、とくに初心者にはおすすめとなっています。
またにんにく栽培に使う肥料は、即効性が高いものよりも、ゆっくりと効果を発揮するようなものを選ぶことをおすすめします。これはにんにくの栽培が、ほかの植物よりも長期間を要するためです。
またにんにくは、どこの地域で育てるかも影響してきます。にんにくには温かい地域でよく育つ品種と、冷涼地でよく育つ品種があります。そのためにんにくを育てる地域によって、品種を選んで購入し栽培の準備をすると良いでしょう。
種まきから植え付け
にんにくの薄皮をむいて、植え付ける方法です。皮をむいて植え付けることによって水分の吸収が良くなり、発芽をしやすくなります。乾燥を防ぐために、植え付ける直前に薄皮は剥くようにすると良いでしょう。
皮をむいてから植えたにんにくは発芽が早く、育つスピードも上がります。そのため良い状態で越冬することができ、最終的に収穫するときには大きなにんにくを収穫ができやすくなるので、おすすめの植え付け方法です。
にんにくの種まきの時期は、9月から11月頃です。植え付ける場所は、プランターでも育てることができます。プランターに植え付ける場合、土は市販の野菜専用培養土を用意しましょう。プランターに土を半分入れて種をまき、また上から土をかぶせ水をあげましょう。
にんにくは10~22℃の気温を好みます。25℃を超えると休眠状態となってしまい発芽しません。そのためにんにくを栽培するときには、種まきの時期が重要となります。
種玉からの植え付けの場合
種球を使って植え付ける場合、とがった方を上に向けて植え付けるようにしましょう。とがった方から上に向けてにんにくが育っていくため、間違えないように気をつけましょう。また植えるときには15~20cmほどの間隔をあけるようにしましょう。また植え付ける深さは、5cm程度にします。
あまり深く植えすぎると、芽が土からなかなか出てこれない可能性があります。また植え付ける種球を選ぶときは、傷やゆがみがあるものは避け、形が整っているものを選ぶと良いでしょう。また大きなものにすると、収穫できるにんにくも大きなものになるのでサイズも良く選ぶようにしましょう。
水やりや追肥
土に含まれている栄養は、にんにくの成長とともに減少していきます。また始めに書いたようににんにくは乾燥を嫌う植物です。そのため、こまめに水やりはする必要があります。土が乾いていたら水やりをしてあげるようにしましょう。
またにんにくが美味しく成長するためには、追肥をしましょう。追肥のタイミング時期は、収穫前に2度ほど行いましょう。時期は寒冷地で育てているか、暖かい地域で育てているかによっても多少ずれてきます。寒冷地の場合は、4月上旬、5月上旬の時期が良いでしょう。
暖かい地域で育てている場合は時期が少し早くなります。越冬してすぐの時期、3月の上旬と、4月の上旬が追肥のタイミングです。越冬をすると最初に育った葉が枯れて新しい葉が出てきます。そのためこの時期に追肥をすると、にんにくの成長の手助けをしてくれます。
にんにくの収穫前の準備
にんにくの収穫前には、何か準備が必要なのでしょうか?ここでは収穫前にやっておくとよいポイントをいくつか紹介します。ぜひにんにくを育てる際には、収穫前に次項から紹介する点を意識して、収穫前の準備を進めてにんにく栽培に取り掛かりましょう。
花芽摘み
にんにくを栽培していると、ある時期になると花芽が出てきます。花芽が出てくると収穫の時期が近付いていることを教えてくれています。そのため花芽が出てきたら、にんにくの収穫前に早めに摘み取るようにしましょう。花芽のみを摘み取り、葉っぱは残しておくようにしましょう。
花芽を切ることで花に栄養分が渡ることがなくなります。そして葉っぱから、にんにくに栄養分が渡るようになります。
花芽摘みの理由
収穫前に花摘みをする理由は、トウ立ちを防ぐためです。このトウ立ちとは、花を咲かせる茎のことを指します。花芽が出てトウ立ちをしたにんにくは、葉が固くなります。また花芽に栄養分がとられてしまい、にんにく自体に栄養が届かなくなってしまいます。こういったことを防ぐために、花芽が出てきたら早めに摘むようにしましょう。
花芽の使い方
摘んだ花芽はそのまま捨てるのではなく、炒め物などにすると食べることができます。にんにく自体は炒めたり様々な料理に使えることはもちろんのこと、摘んだ花芽も料理に使うことができるので、無駄にすることがありません。にんにくの収穫前に摘み取った花芽は食べることができ、花芽を摘んで少しするとにんにくも食べることができます。
にんにくの収穫の時期と目安
にんにくが育ってきたら収穫をすると思いますが、収穫の時期や目安はどのくらいなのでしょうか?どのくらいまで成長したら収穫時期なのか、細かく見ていきましょう。収穫時期や目安をおさえて、美味しいにんにくを収穫できるようにしましょう。
時期
にんにく全体の収穫時期は、5月~7月が目安となっています。にんにくは栽培期間が約8カ月と長く、ほかの作物と比べると生育に時間がかかる野菜です。暖かい地域で育てる品種は、5月中旬から6月が収穫時期の目安、寒冷地域で育てる品種は、7月が収穫時期の目安です。
このように育てる品種によって、多少収穫時期には差がありますが、5月~7月が収穫であることを覚えておけば大丈夫でしょう。
花芽の目安
にんにくは生育時間が長い植物だからこそ、収穫時期のタイミングがわからないという方もいるかもしれません。そんな方は、花芽が出てくるタイミングを見逃さないようにしてください。花芽が出てくると、そこから約10日から2週間後が、収穫時期の目安となります。
そのため、花芽が出たらそろそろにんにくが収穫できると考えて良いでしょう。花芽は調理して食べることもできますので、花芽を収穫したら捨てずにとっておきましょう。
枯れ具合の目安
にんにくの収穫前には、花芽が出てくるタイミングの他にも、収穫時期の目安を知るタイミングがあります。それは葉の枯れ具合を見ることです。にんにくの収穫のタイミングが近づいてくると、葉っぱの色に変化が出始めます。葉先の色が、緑色から黄色、茶色に変化してくるとそろそろにんにくの収穫時期が近付いていると思ってよいでしょう。
試し堀の目安
収穫前の変化として「花芽が出てきた、葉先の色の変化」が出てきたら、試し堀をしてみましょう。試し堀とは、植えたにんにくがどの程度成長しているかを確認し、収穫時期を決めるために必要な工程です。試し堀をして芽が生えているお尻の部分をみて、にんにくのお尻の部分がへこまず、平らになっていれば収穫の時期の目安であると言えます。
にんにくの収穫方法とポイント
にんにくの収穫前の変化や、収穫時期や目安がわかったら、次は収穫方法について紹介します。どのような手順で収穫すると良いのでしょうか?
ゴム手袋を使う
にんにくを収穫する際には、ゴム手袋をつけるようにしましょう。にんにくは刺激物のため、長時間素手で触っているとにんにくや茎から出てくるエキスが手に染みてしまい、ヒリヒリしてしまう可能性があります。
晴天続きの日を選ぶ
にんにくを収穫するときは、まず天気を確認しましょう。収穫日を決めるときは、晴天が続く日を選びましょう。雨上がりや雨の日ににんにくの収穫を行うと、収穫後ににんにくを保存するときにカビが生えてしまう可能性があります。そのため晴天続きの日を選んで、収穫を進めるようにしましょう。
収穫後はにんにくを乾燥させますが、その時にも晴天は大切です。収穫後のにんにくを長期保存するためにも、天気を確認してから収穫日を決めると良いでしょう。
引き抜き方
にんにくの収穫は、根元から引き抜くことを意識しましょう。途中で切れたりしてしまうと、土の中ににんにくが残ってしまい、掘り起こさないとにんにくを取り出すことができないという状況になってしまいます。土が濡れていると引き抜きづらいので、土が乾いているとき=晴天の日を選びましょう。
もし土が固まって上手く引き抜けない場合などは、最初からスコップを使って収穫する方法もあります。にんにくから少し離れたところを掘るようにし、にんにくが傷つかないように気を付けながら進めましょう。
にんにくの収穫後は、すぐに根元を切るようにしましょう。収穫後に時間がたつと根が固くなってしまい、切れなくなってしまいます。収穫後に根を切れば栄養分が根にとられることがなく、乾燥させる場所も広くなく済みます。
病気に気を付ける
にんにくは病気に強い作物と言われていますが、病気にかかってしまうこともあります。にんにくに起こる病気の種類はいくつかあります。
それはさび病、乾腐病、春腐病、紅色根腐れ病の4種類です。これらの病気にかかってしまった場合は、それぞれに合った対策をする必要があります。にんにくは病気にかかってしまっても対策をすれば、回復させることができ美味しいにんにくを収穫することが可能です。
健康なにんにくを収穫するためには、環境づくりを徹底しましょう。その環境づくりをすることが、にんにくの栽培には重要なポイントと言えます。
ニンニクの収穫後の保存方法
にんにくは収穫後にどのような保存方法が適しているのでしょうか?たくさんの料理に大活躍するにんにくですが、保存方法によっては長期保存が可能です。ここではおすすめの保存方法をいくつか紹介します。収穫後のにんにくを長期保存するために、ぜひ紹介する保存方法を試してみてください。
天日干しの場合
出典: https://chunk.jp
にんにくを収穫後は、長期保存をするために天日干しをしてにんにくを乾燥させるようにしましょう。1~2日ほどそのまま天日干しをすれば、乾燥させられます。
吊るして乾燥させる場合
風通しが良く涼しい場所につるして、乾燥させる方法もあります。湿気が高いところでは、つるしておいてもカビが生えてしまう可能性があります。そのため必ず風通しが良い環境を作り出すようにしましょう。
冷蔵庫保存の場合
にんにくは、冷蔵庫に入れても保存することができます。にんにくは比較的長期保存ができる食材ですが、保存方法によ手も保存期間は変わります。にんにくの収穫後、冷蔵庫に入れる場合は、ちょっとした手間をかけてから保存するようにしましょう。
まずは薄皮を全部むき、1片ずつキッチンペーパーで包みます。これをジップロックなどの保存用の袋に入れて冷蔵庫のチルド室に入れておくのが良いでしょう。新鮮なうちに保存することが重要なポイントとなります。
醤油漬け
にんにくを収穫した後にそのまま保存するよりも、醤油漬けにしてから冷蔵庫に入れておくと、より日持ちがするようになります。
にんにくの醤油漬けのレシピを簡単に紹介します。まずはにんにくの薄皮をむき、グリルなどでにんにくをしっかりと焼いていきます。表面がこんがりしてきたら火を止め、冷まします。保存容器ににんにくを入れ、にんにくが隠れるくらい醤油を入れます。一晩漬けこんでおけば、簡単ににんにくの醤油漬けの完成です。
にんにくの醤油漬けは、そのままの状態で保存しておくよりも日持ちがするようになります。期間は前後しますが、おおよそ半年から一年程度は持つようになります。ぜひ収穫後ににんにくを美味しく保存したい場合は、醤油漬けをしてみてはいかがでしょうか?
オイル漬け
にんにくのオイル漬けもおすすめの保存方法です。こちらもレシピを簡単に紹介します。まずはにんにくの薄皮をむき、にんにくをみじん切りにします。みじん切りしたにんにくの半分を瓶に入れ、オリーブオイルを大さじ5杯程度いれよく混ぜます。また別の瓶に残りのにんにくを入れ、オリーブオイル大さじ5杯と唐辛子を入れてよく混ぜます。これだけで簡単に2種類の少し違ったオイル漬けを作ることができます。
日持ちはおよそ半年から1年程度です。しかしふたを開けるとオリーブオイルが空気に触れ、酸化が進んでいき風味などが落ちてきます。そのため1か月程度で食べきるようにすると、美味しい状態のまま食べられるでしょう。
酢漬け
にんにくの酢漬けも簡単に作ることができ、日持ちがするおすすめの保存方法の1つです。にんにくの酢漬けも、およそ1年程度の日持ちができます。にんにくは臭いが強い食べ物ですが、酢につけることによって匂いが半減します。にんにくの酢漬けはそのまま食べてもOK、ほかの料理に使ってもOKなので重宝できる保存方法と言えます。
にんにくの酢漬けにはたくさんの効果や効能が見込めます。「血圧を下げる、コレステロール値を下げる、便秘の改善、動脈硬化の予防、ダイエット効果が見込める」があります。この他にも疲労回復や冷え性改善効果など、お酢とにんにくの組み合わせは体にとって良いことが多いと言えます。ぜひお試しください。
にんにくの収穫と保存は水分がポイント!
にんにくはコツをおさえれば、プランターなどでも栽培することができるため、家庭でも栽培しやすい野菜です。種まきの時期や、収穫前や収穫の目安の時期、収穫後の保存方法に至るまで、ポイントを覚えればすぐに実践できそうだと感じた方も多いのではないでしょうか?
ぜひ今回紹介したポイントをおさえて、にんにくの栽培や収穫、長期保存をしてにんにくを上手に使ってみてください。