オーガニックとはどんな意味?有機/無農薬との違いやメリット/デメリットなど
オーガニックとは化学肥料や農薬、添加物など化学物質を使わずに生産された食品や製品をさす言葉です。似た意味合い持つ言葉として野菜などの栽培方法として有機栽培や無農薬栽培といったものもあります。この3つの言葉には同じ意味の言葉もあれば違った意味する言葉もあります。また、オーガニックフードは健康に気を使う女性などに人気があります。今回はオーガニックという言葉の意味の他に、有機栽培や無農薬栽培との違いやオーガニックフードのメリットとデメリットを紹介します。
目次
オーガニックとはどういう意味か知っている?
最近さまざまな場所でオーガニックという言葉を聞くようになりました。オーガニックの食品を扱う専門店も数多くあり、女性を中心に多くの人から注目されています。では、オーガニックとはどういった意味を持っているのでしょうか?まずは、オーガニックの意味について解説していきます
意味は有機
まず、オーガニックとは有機を意味する言葉で、化学肥料や農薬を使わずに生産された食品や製品をさす言葉として使われることが多いです。化学肥料や農薬、添加物など科学的なものを使っていないことから健康にいいものとして注目されており、女性やアレルギー体質の人に人気があります。
また、有機を意味するオーガニックは自然由来の肥料や農薬を使いながら野菜などを生産することから人間の体だけではなく環境にも優しい野菜の生産方法として注目されています。
本当に体に害がない食品?
有機を意味するオーガニックと呼ばれる野菜は化学物質を使った肥料や農薬、添加物を使わずに生産されているためオーガニックの食品は安全とされていますが、100%体に害がないわけではありません。化学肥料に限らず自然由来の肥料には野菜の成長に必要な窒素が含まれています。
しかし、肥料に含まれている窒素が野菜に吸収されると硝酸性窒素に合成され、これを人間が大量に摂取すると体に害を与えるとされています。そのため、オーガニックのフードは一般的な化学肥料や農薬を使った野菜などよりは安全ですが害が全くないわけではありません。
オーガニックと有機栽培は同じ?
化学肥料や農薬などを使わずに生産された食品をオーガニック食品と呼びますが、似た言葉として有機栽培という言葉があります。では、オーガニックと有機栽培にはどのような違いがあるのでしょうか?
続いては、オーガニックと有機栽培の意味の違いや、有機栽培とはどのような栽培方法なのかを詳しく紹介していきます。
有機JASの認定
有機栽培とオーガニックは同じ意味合いを持つ言葉です。同じ意味合いを持つオーガニックも有機栽培も自然由来の肥料や農薬の使用を規定の基準以下になるようにしなければいけません。
有機栽培として食品を販売する場合、有機JASの認定を受ける必要があります。有機JASとはJAS規格の一種で、農薬や化学肥料などの化学物質を含むものを使わずに生産された農産物や畜産物などに付けられます。
有機JASの認証を受けるためには農林水産省に登録されている登録認証機関の検査を受ける必要があり、その検査で各基準に満たしているか確認して認定するかどうかを決めていきます。認証を受けた後もこまめな検査があり、常に規格に適合している必要があります。
認定を受けることによって有機JASマークの表示とパッケージなどにおいて有機栽培の食品であることの表示ができるようになります。オーガニックや有機栽培の賞品を購入する場合は有機JASマークの表示がある商品を購入するのがおすすめです。
自然由来の害虫駆除はOK
商品用として野菜を販売していくにあたって害虫駆除は非常に重要になってくる作業の一つです。有機栽培の野菜、オーガニックの野菜というものはこの作業で化学物質を使った農薬の使用はできませんが、自然由来のものを使った害虫駆除の方法は認められています。
オーガニックとは元々有機を意味する言葉で、動物や植物などの有機由来の農薬や肥料を使って栽培する方法からきているためです。その中でもオーガニックの野菜栽培で使われる農薬や肥料の代表例が木酢液です。
木酢液は木炭を焼くときに発生する水蒸気を液体にしたもので、水で所定の割合に薄めて噴霧することによってアブラムシの付着を防いだり蜂を寄せ付けさせないようにしたりといった効果を持っています。
土作りにも基準がある
有機JASの認定には畑の土壌づくりに関しても基準があります。有機JASに認定されるためには化学物質を含む肥料や農薬を使っていない状況が2年以上続いた健康な土壌でなければ認定されません。
そのため、オーガニックや有機催場の野菜と名乗るためには2年以上化学肥料や農薬を使わずに健康な土づくりを行っておく必要があります。
オーガニックと有機は同じ
ここまでオーガニックの意味と有機栽培の意味の違いや特徴を解説してきました。生産していく中で化学肥料や農薬、添加物など化学物質を含むものを使わないオーガニックも有機栽培も同じ意味する言葉と言えます。
そのため、オーガニックの野菜かどうかを調べるときは有機JASマークの有無で判断するのがおすすめです。また有機JAS規格は国際規格と同じレベルの規格のため、
オーガニックと無農薬栽培の違いは?
有機栽培と似た言葉の一つとして無農薬栽培という言葉があります。有機栽培とオーガニックは同じ意味する言葉でしたが、オーガニックと無農薬栽培にはどのような違いがあるでしょうか?続いては、無農薬栽培の意味や特徴、オーガニックや有機栽培との違いに解説していきます。
オーガニックは無農薬ではない
まず無農薬栽培とは、土作りから収穫に至るまでの全期間において肥料や農薬を一切使わずに野菜の生産を行う方法です。対して、オーガニックは化学物質を含む肥料や農薬は使いませんが、天然由来の肥料などは使うためオーガニックと無農薬栽培は全くの別の意味合いを持つ言葉です。
無農薬栽培では自然由来の農薬や肥料なども使わない代わりに、アイガモや虫などの力を借りて除草や害虫の駆除を行うことがほとんどです。そのためオーガニックと呼ばれる有機栽培によって生産された野菜と比べても安全だと言えます。
全ての農薬が禁止ではない
無農薬栽培は基本的に農薬や肥料を使わずに栽培するのが基本ですが、農薬や肥料を一切使わずに栽培するのは無理があるため完全に農薬や肥料の使用が禁止されているわけではありません。ただし、使える量や使える農薬や肥料の種類は限られているため注意が必要です。
明確な規定はない
有機栽培の有機JASマークのように無農薬栽培に関しての規定は設けられていません。そのため、消費者に対して間違ったイメージや知識などを与える可能性が高いため無農薬栽培とパッケージなどに記載して販売することは禁止されています。
また、無農薬栽培はほかの栽培方法と比べて安全性は高いですが、手間が非常にかかるため無農薬栽培を行っている農家は非常に少ないのが現状です。
オーガニックフードのメリット
オーガニックフードは化学肥料や農薬、添加物など化学的なものは一切使わず、自然由来の物を使って作られた食品や製品を意味する言葉ですが、オーガニックフードにはどのようなメリットがあるでしょうか?人間の健康や環境に与える影響などを中心に4つ紹介します。
環境に優しい
オーガニックフードを生産するときには自然由来の肥料や農薬、添加物などしか使わず、化学物質から作られた添加物などは一切使わずに生産されています。そのため生産時に環境に与える影響は非常に少なく、普通の食品よりもオーガニックフードの方が環境に優しいと言えます。
健康にいい
オーガニックフードは化学物質を使った肥料や農薬、添加物などを使わずに生産されているため、健康に与える影響が少ないのもメリットの一つと言えます。農薬や肥料の中には長期間摂取して体内に蓄積すると発がんリスクを高めるものもあります。
国内で生産された野菜に限らず輸入される食材も含めて収穫後に残っていても危険性が少ない残留農薬の基準はありますが、やはり発がんリスクやそのほかの病気になる可能性を高める薬品などを使った食品を避ける人が増えているのも実情です。
オーガニックフードは自然由来の農薬や肥料しか使っていないため、普通の食品と比べても人間の健康に与える影響は非常に少ないです。
美味しくて栄養価が高い
オーガニックフードはおいしくて栄養価が高いのも特徴です。現在スーパーで販売されている野菜の多くは肥料や農薬をうまく組み合わせ、成長を促しながら本来の旬の時期以外にも流通するようにしているため栄養価など旬の時期と比べてそこまで高くありません。
しかし、オーガニックフードは自然由来の農薬や肥料のみであとは自然の力を借りて生産していくため、ゆっくりと成長する分しっかりと栄養をため込むため通常の生産方法と比べ栄養価が高いことが多いです。
旬の新鮮なものである
オーガニックフードは自然由来の肥料や農薬、添加物以外は使えません。そのため保存料や酸化防止剤など食品を長持ちさせるための薬品などは使えないため、保存がききません。そのことから市場に流通するオーガニックフードの多くは旬の新鮮なものがほんとんどです。
オーガニックフードのデメリット
自然由来の肥料や農薬、添加物などを使って栽培された食品や製品を意味する言葉オーガニックですが、健康や環境に優しいというメリットがある反面デメリットともいえる点もあります。
オーガニックのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?続いては、オーガニックフードのデメリットの部分を3つ紹介していきます。
コストがかかり高価
オーガニックフードは化学物質を使った添加物や肥料、農薬を使っていないため健康にやさしく安全ですが、その分コストがかかるため高価なことが多いです。通常の栽培方法では除草や防虫、殺虫を科学の力を借りて行うことによって生産効率を上げています。
しかし、オーガニックや同じ意味を持つ有機栽培の食品は科学の力を借りない分、手間がかかり生産効率が下がってしまうため通常の栽培方法で生産された食品と比べて高価になってしまいます。
流通量の少なさ
オーガニックフードのデメリット二つ目として流通量が少ないことが挙げられます。オーガニックや有機栽培の食品を有機栽培の食品として売る場合、認証機関の認証を受ける必要があります。
また、生産コストがかかることや手間が非常にかかることからまだまだオーガニックの野菜を生産販売する農家がまだまだ少ないのが現状です。そのため全体的にオーガニック食品の市場への流通量は少ない状況が続いています。
保存期間が短い
オーガニックフードは流通量が少ないだけではなく、保存期間が短いというデメリットもあります。通常の栽培方法で生産された野菜などは虫がつかないように農薬を残留農薬を基準以内になるように散布したり、保存がきくように保存料を添加したり散布したりしています。
しかし、オーガニックの製品は自然由来の農薬や肥料しか使えないため、保存を長くするための添加物や農薬をほとんど使えません。そのため、オーガニックの食品は日持ちしにくいという特徴があり、通常の生産方法で作られた食品と比べて保存期間が短くなてしまうのが難点です。
オーガニックは食品や野菜だけじゃない
オーガニックの多くは野菜を中心とした食品が多いですが、食品だけではなくオーガニックの製品も数多くあります。野菜以外のオーガニック製品を紹介していきます。
オーガニックコットン
野菜以外のオーガニック製品として有名な物の一つとしてオーガニックコットンが有名です。コットンとは綿花のことで、オーガニックコットンは認証機関に認証を得た農地で農薬や肥料を管理しながら栽培した綿花です。
通常綿花を栽培を栽培して収穫し製品に加工するまでの過程で大量の農薬や肥料、薬品を使われます。薬品や農薬を使うことによって効率的に製品を製造できますが、環境などへ大きな負担がかかります。
そのことからオーガニックコットンが注目されるようになり、いまではオーガニックコットンの生産を行う農家が増えてきています。
オーガニックワイン
出典: https://tenki.jp
オーガニックコットン以外にもオーガニックの物はまだまだあります。その一つがオーガニックワインです。オーガニックワインは自然由来の肥料や農薬を使って栽培する有機栽培のブドウを使って作るワインで、ワインの本場ヨーロッパなどではスーパーに多くのオーガニックワインが並びます。
また、ワインの製造過程においても添加物は自然由来の物しか使えず、わずかな量しか使っていないのも特徴です。オーガニックワインかどうかはユーロリーフやエコサートといった国際的な認証機関の認証マークの有無を確認すれば間違いありません。
しかし、小規模なワイン生産者の中にはこだわりを持ってオーガニックワインを生産しているところもありますが、認証を受けるのにもコストがかかるため認証を受けていないオーガニックワインというのも意外と多くあります。
そのようなオーガニックワインは一般人が調べるのは難しいため、ソムリエやワインを広く扱う専門店の人など、専門の人に聞くのがおすすめです。
オーガニックと有機は同じ意味だった!
今回はオーガニックとはどのような意味で、どのようなものをさすのかについて詳しく紹介してきました。化学物質を含む薬品や添加物を使わずに生産された食品や製品を意味するオーガニックですが、健康にも環境にも優しいのが特徴です。
しかし、通常よりも生産するためにコストがかかってしまうため高価な商品が多く、流通量が少なく保存期間が短いというデメリットの部分もあります。健康や環境に野菜しい反面、生産に通常の生産方法よりもコストがかかるため高価なのがオーガニックフードです。
メリットデメリット共にあるオーガニックの食品や製品ですが、しっかりと正しい知識やオーガニックの意味を理解した上で活用していきましょう。