2019年01月31日公開
2024年09月02日更新
ミニトマトとプチトマトの違いとは?種類や栄養成分を比較!
ミニトマトとプチトマトの違いを知っていますか?一見単に呼び名の違いだけでどちらも同じ種類に思う人もいるでしょう。実際ミニトマトとプチトマトの違いは、英語で呼ぶかフランス語で呼ぶかによるものです。とはいえ本当にミニトマトとプチトマトの違いは英語とフランス語による呼び方の差だけなのでしょうか?それぞれの種類や栄養成分を比較するだけでなく、ミニトマトとプチトマトの特徴の差やおすすめの食べ方も紹介します。
ミニトマトとプチトマトの違いとは?
ミニトマトとプチトマト。小さなトマトを何気なく馴染みのあるほうの名前で呼んでいる人は多いことでしょう。ではこのミニトマトとプチトマトの違いとは一体何なのでしょうか?実はミニトマトとプチトマトには明確な違いがあるのです。まずはミニトマトとプチトマトの違いから紹介していきます。
ミニトマトとは?
ミニトマトとは重さが5g~30g程度までの小さなトマトの総称になります。元々ミニトマトに当たる小さいトマトは、昭和の初期には「小型トマト」「小さいトマト」と見た目そのままに呼ばれていました。ですが当時のトマトといえば、今で言う普通の大型のトマトという固定観念が強く、小さいトマトはほとんど売られていませんでした。そんなミニトマトにひとつの転機が訪れるのです。
プチトマトはミニトマトの中の一つの種類
昭和38年~48年ごろにかけての高度経済成長期を経て、多くの人口が都心部に集中すると共にマンションや団地といった集合住宅に住む人たちが増えました。そんな人たちの中に、ベランダで家庭菜園を楽しむ人たちが現れたのをきっかけに、昭和50年頃にタキイ種苗という種を扱うメーカーが「プチトマト」の名称でミニトマトの種を発売したのです。
プチトマトはベランダ菜園での育てやすさから大ヒットとなり、プチトマトとしてミニトマトが広く浸透するきっかけにもなりました。その結果、各農家でもミニトマトの栽培が盛んとなり、市場に出回るミニトマトの量も種類も増えていきました。現在ミニトマト人気の火付け役となったプチトマトの販売は平成19年に終了していますが、販売名だったプチトマトの名でミニトマトを呼ぶ人が多いのもこういった背景があったのです。
このようにミニトマトとプチトマトの違いは、ミニトマトが小さなトマトの総称であるのに対し、プチトマトは種苗メーカーの販売名、つまりミニトマトの一品種名であるという点です。その後昭和50年代後半頃からミニトマトに呼び方が統一され始め、さまざまな種類のミニトマトが出回っています。ですがミニトマト人気の火付け役プチトマトの名前は、いまだミニトマトの代名詞ともなっているのです。
「ミニ」は英語で「プチ」はフランス語
ミニトマトとプチトマトの違いは、その呼び名に使われている言葉にもあります。ミニトマトの「ミニ」は英語、プチトマトの「プチ」はフランス語なのです。もっともミニトマトもプチトマトも和製英語に分類される言葉で、正確にはミニトマトは英語では「cherry tomato」となり、フランス語ではトマトが女性名詞に分類されるため形容詞のプチ(petit)も女性形となり、プティト・トマト(petite tomate)となるのです。
プチトマトは商品名だけにフランス語を使ったのでしょう。とはいえ、英語の「ミニ」もフランス語の「プチ」もどちらも「小さい」を意味する言葉で、その本来の意味は一緒ということになります。プチトマトの販売が終了した今でも、フランス語のプチトマトで呼んでも何の問題もなく伝わるように、これからもフランス語・英語の違いに関係なくプチトマトの名も残っていくことでしょう。
ミニトマトの種類と栄養成分
プチトマトがフランス語で名付けた商品名であり、ミニトマトの種類のひとつということは紹介しました。では、実際のところプチトマト以外のミニトマトはどのくらいの種類があり、どんな栄養成分を含んでいるのでしょうか?ミニトマトの種類と栄養成分について、そのミニトマトの特徴ごとにまとめてみました。
ミニトマトは何種類?
ミニトマトは何種類あるかというと、プチトマト以外でも50種類を超える品種があるのです。いまだに品種改良も盛んなため、色や形、糖度や食感もさまざまな種類の品種があります。もしミニトマトを品種名で売っていたら、甘さでおすすめなのは糖度が10度を超えるアメーラ・ルビンズ、12度~13度の糖度を誇るキャンディドロップという品種です。普通のトマトの糖度は6度ほどなので、ぜひ一度試してみてください。
ミニトマトは色で栄養成分が違う
ミニトマトにはさまざまな種類の色があります。一番多い赤のほかに、黄色やオレンジ、緑色など品種ごとに異なります。色はそのままそのミニトマトが含む栄養成分に直結するため、ミニトマトの色ごとに異なる栄養成分を含むことになります。ミニトマトの色ごとに含む栄養成分の特徴をみてみましょう。
赤いトマトの特徴
赤いミニトマトは、その赤い色素成分であるリコピンを大量に含んでいるのが特徴です。このリコピンはトマトを代表する栄養成分のひとつです。高い抗酸化作用を持ち、生活習慣病の予防や、活性酸素による体の酸化による老化の予防に効果があります。
黄色いトマトの特徴
黄色いミニトマトは、そばに多く含まれている健康成分として有名なルチンを多く含んでいるのが特徴です。ルチンはポリフェノールの一種であり、血管を強化することで特に毛細血管の保護効果があるとされ、動脈硬化や高血圧の予防が期待できます。そばアレルギーの人でも食べることができるルチン食品なのも嬉しいですね。
オレンジトマトの特徴
オレンジのミニトマトは、ニンジンなどに多く含まれるβカロテンを多く含むのが特徴です。βカロテンは免疫力を高めて風邪などの病気にかかるのを予防してくれるだけでなく、眼球内の網膜細胞を保護することで夜盲症の予防にも効果があります。
緑色のトマトの特徴
緑色のミニトマトは、植物の光合成を行う葉緑素の一種であるクロロフィルを多く含むのが特徴です。クロロフィルは着色料として食品添加物としても認められている成分ですが、デトックス効果を持つ成分として紹介されることも多い成分です。ただしクロロフィル自体は水に溶けにくく体内に吸収されにくい性質を持つため、期待されるデトックス効果は体内よりも腸内の環境改善がメインと思われます。
ミニトマトと普通のトマトの違いとは?
ミニトマトもトマトの一品種であることは間違いありませんが、普通のトマトとミニトマトに違いはあるのでしょうか?普通のトマトが持つ特徴とミニトマトとの特徴や、栄養成分の違いを比較してみました。
大玉トマトの特徴
普通のトマト、いわゆる大玉トマトは、その重量は200g以上とされています。色は赤系・ピンク系・緑系に大別されますが、こちらもミニトマトに劣らずさまざまな色があることがわかります。栄養成分の特徴もミニトマトと同様ですが、実際大玉トマトとミニトマトの栄養成分を比較した場合、どのような違いがあるのでしょうか?
普通のトマトとミニトマトの栄養成分の違い
普通のトマトとミニトマトの栄養成分を比較した場合、同じ重量あたりに含まれる栄養成分の量はミニトマトの圧勝になります。ミニトマトに含まれる栄養性分量は大玉トマトと比較して、先に紹介したリコピンが約3倍、同じくβカロテンが約1.7倍、美肌効果や抗酸化作用があるビタミンCが約2倍、整腸作用のある食物繊維が約1.4倍と大きな差があります。これはなぜでしょうか?
普通のトマトは皮が薄くて柔らかいため、まだ皮が固めの完熟しきる前に収穫します。未熟なうちに収穫すれば、当然栄養性分は低めになります。それに対してミニトマトは皮が厚くて硬いため、完熟してから収穫します。その分栄養も十分に溜め込んだ状態で店頭に並ぶことになります。そのためトマトとミニトマトでは、これだけの栄養成分の差ができてしまうのです。
ミニトマトの選び方と美味しい食べ方!
ミニトマトの良さがわかったなら、どうせならより美味しいミニトマトを選び、より美味しい食べ方で楽しみたいものです。今度は甘いミニトマトの選び方と、ミニトマトの豊富な栄養成分を効率よく摂れる食べ方をみてみましょう。
甘いトマトの見分け方は?
甘くて美味しいミニトマトの見分け方は、ヘタをみると良くわかります。ヘタが立っていると鮮度は良いのですが、収穫して時間が経つにつれてヘタがしおれていき、ミニトマトの中で糖分が作られるのです。そのためヘタがしおれているほうが甘味のある美味しいミニトマトということになります。夏場にヘタの立っているミニトマトを購入したときには、風通しの良いところで2日~3日置くと食べごろになりおすすめです。
リコピンが効率よく取れるのはスープ?生?
リコピンを始め、ミニトマトの栄養成分は細胞壁の中にあります。人間にはこの細胞壁を壊す酵素がないため、サラダなどの生での食べ方よりも加熱して細胞壁を壊す食べ方のほうが、リコピンを約3倍も吸収することができる食べ方になります。そのためミニトマトをスープの具にする食べ方は、最も効率よくリコピンを取れる食べ方になります。
ミニトマトのリコピンを摂るのにスープがおすすめの食べ方なのは、スープを飲むことでミニトマトの流れ出た栄養分まで全て摂ることができる食べ方である点です。細胞壁が壊れることにより、ミニトマトの甘味や旨味と共に栄養分もスープに流れ出ています。スープは流れ出た栄養分まで余すことなく体に摂り込める、理想の食べ方といっても良いでしょう。
新鮮さを保つための保存方法は?
せっかく美味しいミニトマトを買ってきても、傷んでダメになってしまっては意味がありません。ミニトマトの保存方法はどうしたら良いのでしょうか?ミニトマトを保存するときには、水を張った保存容器に入れるようにしましょう。ミニトマトから水分が飛んでしまうのを防いでくれるので、鮮度を保つことができておすすめです。
プチトマトはミニトマトの商品名だった!
プチトマトとミニトマトの違いは、ミニトマト人気に火をつけた種の商品名でした。今ではミニトマトのほうが総称として定着しつつありますが、販売が終了した後もプチトマトの呼び名が残り続けているのは、きっとそれだけ人気があったことの裏返しなのでしょう。