寿司の食べ方講座!食べる順番や箸・手を使うなど正しいマナーを紹介

日本が誇る食文化の一つである寿司。ですが、実は寿司の正しい食べ方やマナーを知らないという人も多くいます。お店で注文する順番や醤油のつけ方など、寿司の世界は奥が深いです。箸・手を使っての食べ方など、正しいマナーを身に着けることで、よりいっそう寿司が美味しく楽しめるようになります。正しい食べ方を知らずに高級店で恥ずかしい思いをした、なんてことにならないように、季節ごとのおすすめ寿司ネタと寿司の正しいマナーを紹介します。

寿司の食べ方講座!食べる順番や箸・手を使うなど正しいマナーを紹介のイメージ

目次

  1. 1寿司の食べ方を知って大人の品格を上げよう
  2. 2寿司の食べ方の基本マナーを覚えよう
  3. 3寿司の食べ方やマナーでやってはいけないこと
  4. 4回転寿司にも食べ方やマナーがあるの?
  5. 5寿司ネタの季節ごとのおすすめを知っておこう
  6. 6寿司の食べ方を知っていれば高級店でも恥ずかしくない!

寿司の食べ方を知って大人の品格を上げよう

今や日本だけでなく、海外でも人気の寿司。箸を上手に使って寿司を楽しむ外国人観光客も年々増えていますが、実は日本人でも正しい寿司の食べ方を知らないという人が多くいます。ネタの食べる順番や醤油のつけ方によって、寿司の味わいが違ってきます。せっかくの美味しい寿司をきちんと楽しむためにも、また寿司店で恥をかかないためにも、寿司についての正しい知識を身に着けて大人の品格を上げましょう。

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寿司の食べ方の基本マナーを覚えよう

スーパーなどでも売られているほど、日本人にとって寿司はなじみ深い食べ物です。普段は何気なく食べているけれど、いざ高級寿司店に行った時に食べ方がわからない、注文の順番がわからない、でも今更恥ずかしくて人に聞けない、という人も多いのではないでしょうか?これだけ知っておけばお店でも恥ずかしくないという寿司の基本マナーを紹介しますので、正しい寿司の食べ方を覚えてお寿司をもっと楽しみましょう。

寿司は箸で食べるか手で食べるかどっち?

寿司の食べ方といえば、まず箸で食べるのか手で食べるのかで悩んでいる人が多いようです。結論から言えば手で食べるのが基本ですが、箸を使ってもマナー違反というわけではありません。元々、寿司は屋台で立ったまま食べる「おやつ」で手で食べていたことから、寿司は手で食べるのが基本と言われています。ですが時代とともに寿司も変化していきました。ですので、手でも箸でも、どちらも正しい食べ方です。

また、寿司はシャリのご飯粒の間に空気がふんわり入っている方が美味しく感じられるとのことで、緩めに握られていることが多いです。手であれば優しく持つことができますが、箸で持つとシャリが崩れやすいというのもあって手で食べる方が良いとされています。ですが、手でも箸でも、きれいに食べることが出来れば問題はありません。ただし、ガリを食べる際は必ず箸で食べるようにしましょう。

寿司を注文する順番は?

寿司を注文する順番は、基本的には味の薄いものから味の濃いものへと頼むようにすると、一番寿司を美味しく食べる事ができるとされています。最初はタイやヒラメなどの淡白な白身魚からはじめて、コハダやサバなどの光り物、酢締めのもの、徐々にマグロなどの赤身魚や貝類、味の濃いものや脂ののったもの、穴子などのツメのものと頼んでいき、最後にかんぴょうや鉄火などの巻き物を食べるのがおすすめの順番とされています。

ツウの人の中には、初めての店では板前さんの腕前を知るために一番初めに玉子やコハダを頼むという人もいます。玉子はシャリの味がよくわかり、コハダは板前さんの熟練度によって味に差が出やすいと言われています。また、巻き物を頼むのは終わりの合図とされています。一皿盛りで出された場合は、作り手が最も美味しいと思う順番で並べているといわれており、左から(2列の場合は左上から)順番に食べるのが良いとされています。

ですが、あくまでもこの食べ方の順番は正しいマナーとしてではなく、寿司を美味しく食べるためのおすすめの順番なので、自分が美味しいと感じる食べ方で大丈夫です。同じネタを連続で注文しても問題ありません。ただし、味の濃いものを食べた後に味の薄いものを頼む際には、一度お茶などで口の中をさっぱりさせてから頼むとよりネタの味がきちんと感じられますよ。

醤油はネタにつける

寿司に醤油をつける際はネタにだけ醤油をつけるのが正しい食べ方です。シャリに醤油がつくと崩れやすくなります。寿司を優しく横に倒してネタとシャリの両方を挟み、ネタを下にして先端に醤油を少しだけつけて食べます。醤油をつけすぎてしまうと、醤油の味が強くなりすぎて素材そのものの味が楽しめなくなってしまいます。濃い目が好みという人であっても、シャリにもついてしまう程の多量の醤油をつけるのはやめましょう。

アナゴなど、ツメと呼ばれるタレがついているネタの場合は十分に味がついているので、更に醤油をつける必要はありません。また、アナゴ以外でも煮切り(醤油に酒とみりんを加えて煮立てたタレ)が最初からつけてある場合には醤油は必要ありません。玉子も味はついているので醤油はつけなくて良いですが、つけても良いです。好みの違いなのでマナー違反にはあたりません。

醤油を醤油皿に注ぐ時は、一度に大量に注がないようにしてください。最初から寿司をたくさん食べるつもりであっても、先に大量に醤油を注ぐのではなく、なくなったらその都度少しずつ足すようにします。寿司を食べ終わった時に醤油が無くなっているのが正しいマナーです。少しずつ足すことで醤油が寿司につきすぎるのを防ぐことができますし、予定より早く満腹になった時にも醤油皿が一杯ということも避けられます。

ネタが下を向くように一口で食べる

ネタに醤油をつけたら、ネタを下にした状態のまま口の中に入れ舌の上に乗せて頂きます。途中で寿司を噛み切らず、そのまま一口で食べましょう。かじった残りを皿に戻すのはマナー違反です。ネタを下向きで口に入れると、舌にまずネタが当たるので素材の風味がよくわかり口の中でシャリとネタが融合して美味しさが増します。一口で食べられる自信がない場合は、最初に「シャリ小さめで」とお願いしておけば大丈夫です。

巻き物の場合の食べ方は?

通常の握りの場合はネタを下にして醤油をつけますが、軍艦などの巻き物の場合はネタがこぼれてしまうので寿司をひっくり返すわけにはいきません。軍艦の場合、上にきゅうりが付いていればそのきゅうりを一度外し、きゅうりに醤油をつけて寿司に戻してから食べます。かんぴょう巻などの場合、あるいはきゅうりが付いていない場合には、ガリに醤油をつけてそれをネタに浸すようにして醤油をつける食べ方もあります。

ガリを使って巻き物に醤油をつける食べ方の場合、ネタにガリの風味が移って味が変わってしまうこともあります。それを避けたい場合は、巻き物に直接醤油をつける食べ方もあります。この場合も極力シャリに醤油がつかないように、横の海苔の部分につけるようにします。海苔につけた醤油は垂れやすいので気をつけてください。

寿司は早めにいただく

出された寿司はあまり長い時間放置せず、早めにいただくようにしましょう。ネタの多くは生ものですので、鮮度が命です。会話やお酒などを楽しみながら食事をするのは良いことですが、あまりにも夢中になってせっかくの寿司が乾いたりというのはいただけません。寿司は新鮮なうちに食べるのが正しい食べ方で、一番美味しく楽しむ方法でもあります。板前さんもペースを見ながら出してくれるので早めに食べるようにしましょう。

箸は箸置きに置く

箸を置く際には、きちんと箸置きに置きましょう。箸置きがない場合は注意してください。絶対にゲタや寿司の乗っている皿の上には箸を乗せてはいけません。醤油皿や空の取り皿であれば大丈夫です。ただし、乗せるのは箸の先端だけです。箸全体を乗せるのは「渡し箸」と言って嫌い箸の一つで、もういらないという意味があります。寿司に限らず食事の基本マナー違反になります。箸袋で箸置きを作って置くなどしましょう。

ガリの意味を知っておこう

寿司といえばつきものなのがガリです。ガリは生姜を甘酢で漬けたもので、口の中をさっぱりさせる効果があります。寿司と寿司の合間にガリを食べることによって、前に食べたネタの味に邪魔されず次のネタの味を楽しむことができます。また、ガリには生臭さを消す効果や殺菌効果もあります。生魚の多い寿司を食べる際の食あたり予防として、昔からガリはかかせないものだったのです。是非、寿司のお供としてガリも楽しんでください。

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寿司の食べ方やマナーでやってはいけないこと

寿司の正しい食べ方の基本を紹介してきましたが、特別難しいことはなかったかと思います。基本的には一般的な食事のマナーと同じく、寿司を楽しんできれいに食べることを心がけていれば大丈夫。ですが、普段の食事ではオーケーでも、寿司を食べる時にはやってはいけないことがいくつかあります。今まで寿司を食べる際のマナー違反とは知らずにやっていた、という人もいるかもしれませんので、以下の点には注意しましょう。

ネタとシャリは分けない

箸で寿司を食べる時にやってしまっている人が意外と多いのですが、ネタに醤油をつける時にネタを一旦シャリから外して醤油をつけ、またシャリの上に載せるというのはマナー違反になります。板前さんがベストな状態で出したものを分けるというのは失礼ですよね。ネタはしゃりから外さず、そのまま寿司を持ってネタにだけ醤油をつけるようにしましょう。

また、中にはネタを外して醤油をつけるだけでなく、シャリを残すという人もいるようですが絶対にやめてください。寿司屋でネタだけを食べる行為は「追いはぎ」と言い絶対にやってはいけないことです。ゲタの上にシャリだけが並んで残されている状態は美しくありません。炭水化物を控えたいのであれば、シャリを少なめでとお願いするか、刺身を注文してください。

わさびは醤油に溶かない

寿司にはあらかじめシャリとネタの間にわさびが塗ってありますが、それだけでは足りないという人もいます。その場合は、わさびは醤油に溶くのではなく、箸でネタの上に乗せて食べるのが正しい食べ方です。寿司屋で出されるわさびは家庭用のわさびとは違い、すりたてで香りがとても良いです。醤油に溶いてしまうとせっかくの香りが飛んでしまいます。ネタの美味しさを損ねないためにも、わさびは醤油に溶かないようにしましょう。

わさびには、魚の生臭さを消して、味を引き締めるという効果があります。また、わさびのツンとする揮発性の成分が菌のタンパク質と結合して殺菌する効果があることも発表されています。生ものを食べる寿司は、わさびやガリなどで昔から食中毒予防が行われていたということになります。もちろん今は衛生管理もきちんとしているので、わさびが苦手な人は最初にさび抜きでお願いしても問題ありません。

寿司屋で使ってはいけない言葉

カウンター席などについた時は、板前さんとの会話も寿司の楽しみの一つですよね。ですが、実は寿司屋で使ってはいけない言葉というものがあります。醤油のことをムラサキと言ったり、お茶のことをアガリと言ったりという、いわゆる業界用語と言われる言葉がそれにあたります。ツウのつもりで普通に使っている人もいますが、元々は板前さんの間で使う隠語なので客側が使うのはマナーを間違えていることにあたります。

特によく使われている言葉でお茶のことを指す「アガリ」がありますが、これは「食事があがった(終わった)みたいだからお茶を出して」という意味で使われているものです。お客の側から「食べ終わったからお茶を出してくれ」と言うのは失礼ですよね。きちんと、「お茶をください」と頼むようにしましょう。

他にもよく間違えて使われている言葉に「おあいそ」があります。食事を終えて会計をする時に使っている人がいますが、これはお店側が「愛想のないことを言ってすみませんが、お支払いをお願いします」という意味を略して使っている言葉です。店側が勘定というと追い出すようになってしまうため、角が立たないように使う言葉なので、客側が使うのは間違いになります。会計を頼む際は「お勘定」と言うようにしましょう。

「おまかせ」と「おきまり」の使い方

寿司の注文時に使う言葉で「おまかせ」と「おきまり」というのがあります。「おまかせ」はネタを全て板前さんにお任せして順番に出してもらうという注文方式です。予算も含めて全てをお任せする方式と、予算を指定してやりくりしてもらう方式とがあり、お店によって異なります。高級店になると「おまかせ」のみの店もあります。苦手なネタなどがあれば先に伝えておきましょう。

「おきまり」は「松竹梅」のようにあらかじめ料金が決まっているコースのことを指します。高級店などではネタごとの値段を表示しないことが多いので、会計時に心配をしたくなければ「おきまり」を選ぶと良いですね。初めて行くお店の場合は「おきまり」を選ぶとおすすめのネタの順番などその店のスタンスがわかりやすいです。

どちらの場合でも、一通り出し終わったら何か他にも追加があるか尋ねてくれます。板前さんはおすすめの食べる順番で出してくれるので、途中で追加をお願いするのはあまり好ましくありません。他にも食べたいネタがあれば(予算と相談しながら)この時に追加で注文しましょう。もう十分であれば、大丈夫ですと答えれば会計をしてくれます。

ゲタは動かさずに食べる

カウンターの一段高い位置に置いてある寿司を乗せる台をゲタと呼びますが、食べる際にはこのゲタを動かさないようにしましょう。食べる際、カウンターにゲタをおろす人がいますが、板前さんは寿司を置きやすく、客側からは寿司が取りやすい位置にゲタを設置しています。ゲタは動かさず、そのままにしておきましょう。

たばこや香水などのにおいに配慮

寿司をはじめとした和食はとても繊細な料理で、素材の香りなども楽しみの一つです。そのため、たばこや香水などは料理の細かな風味を消してしまい寿司本来の風味を損ねてしまうだけでなく、他のお客の迷惑にもなってしまいます。あらかじめ来店を予定している場合などは喫煙や香水を控えるなどの配慮をしましょう。

注文しないのに長居してはいけない

最近はゆっくりくつろげるカフェなどが増えましたが、寿司屋では食事が終わったらあまり長居をしてはいけません。寿司屋の場合は座席数が多くなく、カウンターだけのお店もあります。注文しないのに長居されると、次のお客に順番がまわってきません。また板前さんも休むことができず迷惑になります。食べ終わったらさっと会計を済ませて店を出るとスマートで粋ですね。

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回転寿司にも食べ方やマナーがあるの?

美味しい寿司が手ごろな値段で楽しめるのが魅力の回転寿司。子供を連れて行きやすいということもあり、家族連れで混雑している人気店も多いです。ですが高級店ほど畏まっていないとはいえ、やはり正しいマナーを守りたいですよね。回転寿司だからこそ気をつけたいマナーもありますので、家族で出かける前には一度チェックしてみてください。

一度取ったお皿を戻さない

回転寿司ではさまざまなネタがレーンで流れてきますが、一度取った皿をまたレーンに戻してはいけません。確認のために取っただけで手をつけていなくてもNG。もちろん食べ残しを戻すのはもってのほかです。他人が一度取った皿というのはあまり気分が良いものではありませんよね?回転寿司では他のお客の迷惑にならないための配慮も必要です。また、レーンに顔を近付け過ぎないように気をつけましょう。

店内を歩き回らない

回転寿司は店内が広い場合が多いですが、必要がないのに店内を歩き回るのはよくありません。特に、回転寿司に限った話ではありませんが、小さな子供が店内を走り回っていることがあります。飲食店であまり動き回るのは行儀が良いことではありません。他のお客の迷惑になりますので止めましょう。

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寿司ネタの季節ごとのおすすめを知っておこう

さまざまな寿司ネタがありますが、季節ごとに「旬」のネタが異なります。一年を通して出されているネタであっても、旬の時期とそれ以外では味に大きな差があります。季節ごとのおすすめネタを知っておけば寿司を更に楽しむことができます。代表的なものを紹介しますので注文する際の参考にしてください。

春が旬の寿司ネタ

春が旬の寿司ネタの代表はカツオです。春に太平洋を北上しはじめるカツオは「初ガツオ」と呼ばれ、脂が少なくさっぱりといただくことができます。また、手頃な価格が嬉しいマアジも春から初夏が旬の魚です。うっすらとピンクに色づいたマダイは桜鯛とも呼ばれ、春に旬なのはオスのみですが美味しくいただけます。

夏が旬の寿司ネタ

夏が旬のネタはアジやアナゴ、タチウオなどが挙げられます。また一年中出回ってはいますがタコやウニなどは夏が旬です。産卵期前のスズキも脂が乗っており美味しい時期です。京料理などで使われるハモも梅雨明けからが旬のネタの一つです。高級魚のカンパチも初夏から秋が旬を迎えます。脂がのっていてコクがあり、絶品ですよ。

秋が旬の寿司ネタ

秋に旬をむかえるネタといえばサンマ。漢字では「秋刀魚」と書くように、脂が乗っている秋が一番美味しくいただけます。普段は家庭で焼いて食べることが多いサンマですが、生で食べる寿司はまた違った美味しさがあります。この時期に北の海から南下してくるカツオは「戻りガツオ」といい、脂が乗って濃厚な味わいです。イクラも秋が旬です。

冬が旬の寿司ネタ

冬は脂が乗る魚が多く、マグロやエンガワ(ヒラメ)、サバなど一年中あるネタも一番美味しくなる時期です。特にブリは「寒ブリ」と呼ばれ、寒くなるほどに脂がのり旨味が増していきます。一年中出回ってはいますが赤貝やホタテなどの貝類、甘エビやカニなどは冬が一番甘みがあり美味しくなります。また、あん肝、白子などの珍味も冬ならではのネタです。

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寿司の食べ方を知っていれば高級店でも恥ずかしくない!

普段は何気なく食べている寿司ですが、食べる順番や旬のネタなど、正しい知識を持っていれば更に美味しく食べることができますね。日ごろからきちんとしたマナーを身に着けておけば、いざ高級店で食事という機会があっても堂々と寿司を楽しめますよ。是非、日本の伝統的な食文化である寿司を正しい食べ方で味わってみてください。

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