ほうれん草は生で食べれる?サラダやスムージーのアク抜きはどうする?
一般的にほうれん草は鉄分が多く含まれることで知られている野菜ですが、皆さんは普段どんな食べ方をしていますか?いつもおひたしばかりしていて、他の食べ方をしない人も多いかもしれません。今回は、このほうれん草が生でも食べられる方法を紹介!サラダやスムージー等、ほうれん草を生で取り入れるにはどんな工夫が必要なのか、そしてそもそもほうれん草ってどんな野菜なのか、詳しく紹介していきます!
目次
ほうれん草ってこんな野菜!
一般家庭でも多く食べられているおなじみの野菜、ほうれん草。皆さんはほうれん草についてどのくらい知っていますか?鉄分が豊富で体にも嬉しい野菜で、その原産地は中央アジアから西アジア、カスピ海南西部近辺といわれていて、初めてほうれん草が栽培されたのはアジアもしくはペルシア地方だったとされています。日本に伝わってきたのは江戸時代初期だといわれています。
ほうれん草は年間を通してスーパー等でも出回っていますが、比較的に多く出回るのはだいたい11月頃から2月頃です。今は品種改良も進み、美味しいほうれん草を年中食べれるようになりました。
ほうれん草の種類
ほうれん草には色んな品種がある!
ひと言でほうれん草といっても、実は色んな種類があることを知っていますか?今回はほうれん草の様々な品種と、それぞれの特徴について詳しく説明します。
ほうれん草の種類①東洋種
原産地とされている西アジア地方から中国方面へ伝わったのが東洋種と呼ばれるほうれん草です。7世紀頃に中国に伝わり、そのまま16世紀頃に日本に伝わってきたのもこの東洋種です。葉肉は薄く葉先がとがっており、深く切れ込みのある形と、根元が赤いのが特徴です。アクが少ないといわれていて、おひたしや炒め物で美味しく食べれる品種とされています。
ほうれん草の種類②西洋種
原産地からヨーロッパ方面へ広まったのがこの西洋種です。西洋種は16世紀にはヨーロッパ中に広まったとされています。葉肉は厚く葉先が丸っこく、東洋種と比べてもしっかりしたつくりなのが特徴です。加熱しても葉形が崩れにくく、高音加熱の料理にも向いています。ただ、アクが強いので土臭く感じる人も多いかもしれません。料理する際は必ずアク抜きしましょう。そしてこの品種は生食やスムージーにはおすすめではありません。
ほうれん草の種類③交配種
ほうれん草の交配種は文字通り、東洋種と西洋種の掛け合わせで、両方の特徴を合わせ持っています。この交配種だけでも多くの種類があり、国内のスーパーでも大変よく見かける品種です。何気なくスーパーで手に取っていたほうれん草、皆さんも今度は品種にも注目して選んでみると面白いかもしれません。
ほうれん草の種類④ちぢみほうれん草
出典: https://tenki.jp
最近見る機会も増えたのがこのちぢみほうれん草です。日本では比較的寒い地域でよく生産されています。そのため「寒じめほうれん草」ともいわれています。葉がしわくちゃなのが特徴で、アクが強いのでしかりとアク抜きをして料理に使うと、美味しく食べれる状態になります。露地栽培で寒さに耐えて育っているので葉肉もしっかりとした厚みがあり、味も濃厚です。料理する際も、表面積が多い分味がしっかり染み込みます。
ほうれん草の種類⑤生で食べられるサラダほうれん草
こちらは前出した交配種の一種になりますが、アクが少なく、甘みをプラスして品種改良されたのがこのサラダほうれん草です。文字通り生でサラダにして食べれる嬉しい品種です。ほうれん草独特のエグみも少なく、簡単にいつものサラダにプラスしてほうれん草を生でも取り入れることができます。また、エグみや青臭さが少ないので、スムージーにして美味しく取り入れることもできます。
ほうれん草が苦手な子どももたくさんいます。大人になると気にならなくなる場合が多いそうですが、子どものほうれん草嫌いの原因は独特のエグみだといわれています。生食ならなおさらです。そんな子どもたちにもこのサラダほうれん草はオススメです。他の食材とも上手に組み合わせて、ほうれん草嫌いを克服させてあげましょう。
新鮮でおいしいほうれん草の見分け方
美味しくて新鮮なほうれん草はどうすれば見分けられるのでしょうか?まず、葉の先までクタッとしおれてなくて張りがあることが大事です。葉肉に厚みがあって緑色が濃いものを選びましょう。また、根元は出来るだけ赤みがあり、茎もしっかりほど良く太いものを選びましょう。ほうれん草は、葉の緑色が濃いものほど栄養素がたくさん含まれているといわれています。スーパーで選ぶ際の参考にしてみてください。
ほうれん草の嬉しい効能
ほうれん草の栄養素
栄養価が高いといわれているほうれん草ですが、皆さんは詳しくその栄養成分を知っていますか?ほうれん草の主な栄養素は鉄分、ビタミンC・E、βカロテン、葉酸、ミネラル、食物繊維、シュウ酸です。このシュウ酸はいわゆるアクの成分になります。一般的な葉物野菜でこれだけ栄養素が詰まっているので、様々な効能はもちろん、保存方法や効果的な食べ方も知って積極的に取り入れたい野菜です。
嬉しい効能
ほうれん草に含まれる様々な栄養素には、私たちの体にも嬉しい効能があります。鉄分は言わずもがな貧血の予防に役立ちます。また、ビタミンC・Eはそれぞれ免疫力アップや生活習慣病の予防に、そして葉酸は動脈硬化を防いでくれ、ミネラルは高血圧の予防にも大変効果的な栄養素です。食物繊維も豊富なので、腸内環境を整えるのにも一役買ってくれるのです。
ほうれん草の食べ方
茹でる
ほうれん草の食べ方で一番ポピュラーなのが、茹でる方法です。おひたしにしてさっぱりいただいたり、茹でたほうれん草を和え物にしたりすることが多いでしょう。和風だしとの相性も良いです。茹でる場合は、根元までしっかりと洗い、沸騰したお湯に塩を少し振り、その中にさっとくぐらせるようにします。葉の色が鮮やかに濃くなったら冷水に取り冷やします。あとは水気を絞り、好みの大きさにカットすれば大丈夫です。
炒める
ほうれん草に含まれるβカロテンは、油で炒めることで吸収率がグンとアップするといわれています。ですので、ベーコンやソーセージなどとソテーしても美味しく食べることができます。お好みできのこ等も加えて炒めると、さらに栄養バランスも良くなります。炒める際は、ほうれん草は早く火が通ってすぐ食べれるので、一番最後に加えるようにしましょう。
生で食べる
ほうれん草が生でも食べれるのか不安な方もいるかもしれませんが、十分美味しく食べることができます。ただ、アクやエグみの原因であるシュウ酸に注意する必要があるので、アク抜きは必須です。心配であればサラダほうれん草を購入して、手軽にサラダ等で取り入れてみましょう。他の野菜との相性も抜群です。
ほうれん草を生で食べるには?
そもそもほうれん草は生で食べても大丈夫?
前述しましたが、本当にほうれん草は生で食べれるのか、食べても大丈夫か不安かもしれません。なんとなく普段おひたしや炒めた状態で食べることが多いからです。また、生で美味しく食べるにはひと工夫必要です。今回はその方法も紹介していきますので、皆さんも是非試してみてください。
生で食べるためには?
サラダほうれん草など、もともとアクが少ない品種はそのままでも十分食べれるのですが、普通のほうれん草を生で食べるときには、必ずアク抜きをしましょう。アクの成分であるシュウ酸は、大量に摂取し過ぎるとカルシウムの吸収を妨げてしまったり、体内にシュウ酸が蓄積され過ぎてしまうと、カルシウムと結合して尿結石になりやすかったりと、体に良くないこともあるのです。
ここで注意点ですが、ほうれん草のアク抜きは重要なのですが、シュウ酸以外の栄養素も水溶性のものが多いため、熱湯にくぐらせ過ぎてせっかくの栄養を逃がしてしまうのは勿体ないです。おくまでも、冷水に浸ける場合は5分~10分、そして加熱して食べる場合は熱湯にさっとくぐらせる程度で大丈夫です。
生で食べたい人へのおすすめレシピ
生でほうれん草を食べたい場合、やはりおすすめなのはサラダです。塩コショウでカリカリに焼いたベーコンと、同じくソテーしたきのこを一旦お皿に取って粗熱を冷まし、生のほうれん草と和えてサワークリーム系のドレッシングで味付けしたら、とても美味しく食べれるサラダになります。ベーコンを生ハムにしてみるのもおすすめです。
ほうれん草を生でアク抜きしたい!
ほうれん草のアク抜きといえば、頭に浮かぶのは沸騰したお湯にくぐらせてアク抜きする方法ですが、実はアクの正体であるシュウ酸は水溶性なので、水に浸けておくだけでアク抜きができます。調理する際、よく水で洗った後に好みの大きさにカットしたら、5分~10分ほど水に浸けるだけで大丈夫です。このひと手間で、ほうれん草が生で食べれる状態になります。
生のほうれん草のアクの体への影響は?
他の野菜でもそうですが、アク抜きをするのには理由があります。皆さんはこのアクが体にどんな影響を及ぼすものなのか知っていますか?料理の一つ一つの工程、下ごしらえにはきちんと理由があります。それを知っていると、ただひと手間として作業をこなすことがなくなり、料理にたくさんの愛情を注ぐこともできます。
ここで、ほうれん草のアクの正体であるシュウ酸について、詳しく説明します。前述したとおり、シュウ酸は体内に蓄積され過ぎるとカルシウムと結合して結石を引き起こしやすくしていまいます。ですが、一食分のほうれん草に含まれるシュウ酸は微々たるものですので、調理する際にひと手間、アク抜きするだけで体への影響を心配する必要は無くなります。単純にエグみが苦手な人も、これでだいぶ和らぐので、試してみてください。
ほうれん草の生食が気になる人は?
生でほうれん草を食べれることも分かったし、ほうれん草サラダも食べてみたいけど、どうしても生食に抵抗がある人もいるかもしれません。そんな時は、水に浸け終わって他の野菜と和える時に、ニンニクを炒めて熱したオリーブオイルをひと回しかけると、ほんのりほうれん草が熱されてかすかなエグみも気にならなくなります。気になる方は試してみてください。
生のほうれん草をスムージーで取り入れよう!
ここ最近の健康志向ブームの到来で、注目されているスムージーにも、ほうれん草を入れるのが人気になっています。生で多くの野菜を取り入れるのは非常に難しく、毎日続けるとなると飽きてしまいますが、スムージーにすると手軽にバランスよく、野菜や果物を摂取することができます。ここではほうれん草を美味しくスムージーにする方法も紹介します。
生のほうれん草をスムージーにするためには?
ではほうれん草入りの美味しいスムージーはどうやって作ればいいのでしょうか?ミキサーにかける前に、ほうれん草は水に浸けてアク抜きをしておきましょう。その下処理をしておけば、リンゴやミカン、牛乳もしくは水を合わせてミキサーするだけでグリーンスムージーの完成です。
青臭さが気になるようなら、はちみつを入れると緩和されます。忙しい朝に朝食を作っている時間が無い時は、このスムージーがあれば栄養バランスも整います。
他の野菜や果物と組み合わせて、オリジナルのスムージーレシピを考えるのも楽しいかもしれません。甘さをプラスしたければ、果汁100%のフルーツジュースを入れてみるのもおすすめです。これなら子どもでも飲みやすく、野菜の好き嫌いが多い時期にも手軽に野菜を取り入れてあげることができます。
ほうれん草の保存方法
栄養価の高いほうれん草、安い時にまとめ買いしてなるべく上手に保存しておきたいものです。うまく保存できれば、後から色んな料理に使うことができて、毎食のレシピを考えるのも楽しくなります。また、葉物野菜の保存のコツが分かると、ほうれん草以外にも応用できるようになり、多くの野菜を美味しく食べれるようになります。そして必ず、保存する際はいつから保存したのか開始日をメモしておくようにしましょう。
常温で保存
寒い時期などは、ほうれん草を常温で保存するのも不可能ではありません。普通に常温で保存する場合、新聞紙やクッキングペーパーなどでくるんで根元を下にして冷暗所に置いておくと、2日位は持ちますが、葉物野菜なのでやはり気温が高い時期は常温での保存はおすすめできません。葉の状態や水分が蒸発してしまってないか必ずチェックしておきましょう。
冷蔵保存
ほうれん草を冷蔵保存する場合は、葉から水分がなるべく蒸発しないように注意する必要があります。新聞紙やクッキングペーパーなどで優しく包んだら、ポリ袋やジッパー付きの保存用袋に入れて、やはり根元を下にして冷蔵庫の野菜実に入れて保存しましょう。この時に、新聞紙やクッキングペーパーをほんのり湿らせておくと、持ちがよくなります。保存期間は3、4日程度が目安になります。
冷凍保存
できるだけ長期で保存したい場合におすすめなのが、冷凍保存です。その場合は、ほうれん草をかために茹でて、しっかりと水気を切っておきます。あとで料理に使いやすい分量に小分けして、それぞれラップで包んだら、それらを保存用のポリ袋に入れて、冷凍庫に入れておけば大丈夫です。保存期間としては2週間程度を目安にしましょう。
生のほうれん草も美味しく食べよう!
いかがでしたか?今回は、ほうれん草がどうしたら生でも美味しく、また体への影響も心配することなく食べられるのか、そしてほうれん草のアク抜きの方法等詳しく紹介しました。栄養価の高い野菜は、せっかくならしっかりと知識を持って普段の食生活に取り入れたいものです。皆さんも是非、ほうれん草を生でも美味しく食べてみてください。