乾燥麹と生麹の栄養の違いは?乾燥麹の戻し方と生麹の保存方法も

乾燥麹と生麹は、和食の基本であり、誰もが知っている日本の健康的な食事を代表する発酵食品です。「麹」と「糀」の2種類の漢字が存在する事、大まかに分けると乾燥麹と生麹の2種類がある事、それぞれに大きな違いがある事、他にも乾燥麹の戻し方や甘酒のレシピ、塩麹にして保存すると良い事等ありとあらゆる麹の情報を共有しましょう!麹には、2000年という長い歴史が今まで刻まれてきました。紀元前からあるという麹の良い所を存分に使った、栄養豊富な生麹と乾燥麹のレシピも紹介しましょう!

乾燥麹と生麹の栄養の違いは?乾燥麹の戻し方と生麹の保存方法ものイメージ

目次

  1. 1乾燥麹と生麹とは?
  2. 2乾燥麹と生麹の違い
  3. 3乾燥麹の戻し方
  4. 4生麹の保存方法
  5. 5麹を使ったおすすめレシピ
  6. 6乾燥麹と生麹をうまく使い分けよう

乾燥麹と生麹とは?

米、麦、豆などの穀物にコウジカビという、食品を発酵させるカビを使って食品を発酵させて麹は作られます。一般家庭で使われる麹には、主に乾燥麹と生麹の2種類があります。生麹を乾燥させると乾燥麹となり、生麹よりも長く保存ができるようになります。

一般的な家庭には乾燥麹の方が適しています。前述したように、乾燥麹の方が保存するには扱い易く、保存性が高いからです。乾燥麹を使った料理や飲み物等も市販で売られている事が多いです。甘酒や味噌等を良く店頭で目にする事でしょう。最近ではフリーズドライの品物も多く、保存性が更に高まっています。家庭の、強い味方です。

生麹は作ったばかりの生のままで売られている麹で、大変健康効果の高い発酵食品として有名です。乾燥麹も生麹も、一般的に売られている麹の種類です。「麹」の言葉は、主に生麹の事を指すそうです。一般的に、どの家庭にも届きやすいのは乾燥麹の方です。

保存期間に大きな違いを付けることによって出来たこの2種類の麹、乾燥麹と生麹の違いを事細かく見てみましょう。

乾燥麹とは?

乾燥麹は、生麹を乾燥させたものです。乾燥させたからと言って、栄養が失われている訳ではありません生麹の非常に良い品質を保った状態のものを乾燥させ、長期保存出来る状態にして、いつでも質の良い麹を食べる事が出来るようにしました。

乾燥麹を食べるには、元の生麹の状態に戻す戻し方の手順を踏んで戻さないといけません。戻し方を間違ってしまうと、美味しく食べられませんので注意しましょう。生麹への戻し方に少し手間が掛かりますが、戻した後は甘酒や塩麹等にして美味しく頂きましょう。

生麹とは?

生麹は、所謂作りたての麹の事を指します。主に味噌や醤油、日本酒、みりんや酢等、和食に欠かせない発酵食品を作る為に長年守られてきた日本の食文化の一つです。出来たばかりの水分がたっぷり含まれた麹は、そのまま使う事が出来る優れものです。

日本は、世界でも有数の麹大国と言われており、その技術は世界中で絶賛を浴びています。和食が無形世界遺産に選ばれたのも、発酵技術・文化が大いに世界から高評価を与えられたからでしょう。

日本で主に使われている調味料の多くは、麹から出来ていると言っても過言ではありません。米の他にも、豆や麦、玄米等が麹の原料となります。麹を作って一番最初に出来る麹が、生麹になります。

乾燥麹と生麹の違い

日本の家庭では使われる事の多い乾燥麹と生麹ですが、使われているのは主に乾燥麹です。生麹は一般家庭で使うには欠かせない多くの調味料の原料になっている事が多いです。

生麹は、加工もせずそのまま使えるのですが、乾燥麹は戻し方の行程を踏む必要性があります戻し方を覚えておくと、家事の役に立ちますのでおすすめします。

さて、そんな便利な乾燥麹と生麹という日本の発酵食品が、世界でも注目を集め始めているようです。乾燥麹と生麹の明白な違いは、どこにあるのでしょう。

栄養成分

乾燥麹と生麹に含まれる栄養成分には、大きな差はあまりありません乾燥麹は生麹の最高品質を保ったまま乾燥させているものです。

新鮮さで比べると、やはり作りたての生麹の方が栄養成分は高いのではないかと言われています。乾燥麹は、加工を加える事によって、栄養が飛んでしまう食品が実際に多いからそう感じてしまう方が多いからではないでしょうか?

実際には、栄養成分に大差は生まれないようです。製造メーカーによって、生麹と乾燥麹の栄養価に違いがあったりなかったりする事があるようですが、基本的には生麹の方が乾燥麹よりも高い栄養価を保っていると考えて良いです。

水分量と保存性

乾燥麹と生麹とでは、水分量が違います乾燥麹には、ほぼ水分が無いのに対して、生麹は出来たばかりの麹なので、水分量が多いです。もちろん、水分量によって違ってくるものもあります。

生麹は、水分量が多いのですぐに使える事が魅力なのですが、残念ながらあまり長持ちしません。水分が多い事により、麹自体の発酵速度が速い上に発酵強度が強く、更に雑菌に大変弱い為に品質劣化がとても早いのです。

生麹は保存方法を工夫すれば保存期間を長くする事は出来ます。主に冷蔵か冷凍、もしくは塩麹に加工すると、もう少し長めに保存する事が出来るようになります。

乾燥麹は、生麹のたっぷりとある水分を飛ばして乾燥させたものなので、暗く涼しい所での長期間の保存が可能です。大体6ヶ月〜1年程保存出来ます

乾燥麹はスーパーマーケット等で見かける事が多い事でしょう。長期間の保存が出来るので、売る方としても扱いやすいのではないでしょうか?だからこそ、一般的に乾燥麹が使われる事が多いのでしょう。

メリット

生麹のメリットと言えば、やはり加工の必要がないまま、使える事ではないでしょうか?生麹は、そのまま食べる事も出来ます。意外に美味しいとの声もあるそうです。

生麹は出来たてを味わうことの出来る生のものです。新鮮な栄養素を丸ごと摂取出来る上に、健康効果が大変高い日本が誇る食材です。

生麹は、デンプンを糖に変える力が強いと言われており、発酵段階が進む程に、旨味成分が増すとも言われています。時間と共に進む熟成の発酵過程を踏む事で、安全性の高い、健康的な栄養効果も高い日本の発酵食品です。

乾燥麹の最大のメリットと言えば、やはり長期間の保存が可能な事でしょう。乾燥麹が開発されたのは、生麹の短期間保存の欠点を解消する為でした。

私達一般人は、麹職人ではないので、生麹の知識を深く知っている訳ではありません。しかし、生ものが長く持つものではない事は知っています。生麹の欠点を補う為に開発されたのが、簡単に長期間保存出来る乾燥麹でした。

乾燥麹は、生ものには天敵である雑菌に非常に強く、乾燥してしまっているので時間経過と共に発酵が更に進む事もありません

乾燥麹を作る行程にもよるのですが、栄養が少なくならないように工夫しながら、高温もしくは低音で麹を乾燥させる事で、乾燥麹は出来上がります。

メーカーや製造元で違ってきますが、乾燥麹の保存期間は長いもので6ヶ月程です。常温で保存が出来るので、家庭で保存するのに大変便利になっています。

デメリット

生麹のデメリットと言えば、やはり長い期間保存する事が出来ない事でしょう。長く新鮮さを保つのが難しい生麹は、多くの水分を含んでいる為、一度雑菌が付いてしまうと、あっという間に腐敗してしまいます。

一方、乾燥麹のデメリットは、デンプンを糖に変える力がほんの少し弱い所でしょう。気になるほど大きな差がある訳ではありませんが、生麹より若干劣るようです。

乾燥によって、生麹の状態では効果が高く出るであろう糖に変える力が弱まってしまうようです。しっかりとした栄養を余す事なく摂る事が出来るのは、乾燥麹ではなく生麹のようです。

そして乾燥麹は、どうしても水で戻す行程が必要になってきますので、生麹よりも手間が掛かってしまいます戻し方の時間短縮方法は、流石にまだありません。あまりに短時間の戻し方では、乾燥麹の芯が残ったままになってしまいます。時間の節約を考えると、乾燥麹はあまりおすすめ出来ないかもしれません。

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乾燥麹の戻し方

乾燥麹を元の生麹と同じ状態に戻すには、ある程度の道具と時間が必要です。道具は、煮沸消毒をして清潔なものを用意しましょう。

乾燥麹は、市販のスーパーで売っているのを見かける事が多い事でしょう。一般家庭で使われている麹の多くは、乾燥麹です。乾燥麹の戻し方は、今後の家事の助けにもなってくれる事でしょう。覚えておいて損はないはずです。

材料と戻し方

乾燥麹を戻すには、乾燥麹と水が必要になります。大きめのボウルに500gの乾燥麹を入れて、乾燥麹が水に十分浸かれば大丈夫です。乾燥麹と水の比率は、1:2が一般的です。乾燥麹を戻した時に、芯が残らないようにしたいなら、少しばかり多めの水を使っても構いません。一般的な水の量は、大体150〜200mlあれば足ります。

乾燥麹には板状になっているタイプと、パラパラの状態にしてあるタイプの2種類があります。板状の乾燥麹は、水につける前にパラパラの状態にしておきましょう。既にパラパラになっているものも、もっとパラパラの状態にしておくと、効率よく且つ均等に水分を吸ってくれるので、おすすめです。

50〜60℃のぬるま湯、又は水を使いましょう。乾燥麹に水分を含ませて、ふっくらと仕上げるにはこの温度が最適です。水を加えたら、全体に均等に行き渡るように混ぜましょう

ボウルにラップをして、1〜2時間程放置しておけば、生麹と同じような柔らかさに戻ります。10〜15分おきに良くかき混ぜましょう均等な水分の調節の為にも、大切な行程ですので忘れないようにしましょう。

元に戻った乾燥麹を少し指ですくって潰してみて、簡単に潰れたら生麹と同じ状態に戻ったという証ですので、生麹と同じように使えます。乾燥麹の芯が残っていないか、確認してから使用して下さい。

ポイントと注意点

味噌や塩麹等の水分を更に加えて作る料理の時には、乾燥麹を少し多めの水で戻すと良いでしょう。多めの水で元に戻すと仕上がりが良くなります。

ただし、製造メーカーによっては、水の量を足す必要性がないものもありますので、購入した乾燥麹の製造メーカーによって多少異なってくる事を明記しておきます。やはり、生麹も乾燥麹も美味しいものを頂きたいと考える方は、多い事でしょう。

乾燥麹を使う上で注意しないといけないのは、生麹と同じ状態に戻す戻し方で、水分を含ませて戻した乾燥麹はその日の内に使い切ってしまいまわないといけない事です。

乾燥麹は元々水分を多く含む生麹を、乾燥させる事によって雑菌を防ぎ、長期的な保存を可能にしたものです。水分を含んだら、その分雑菌が付いてしまう可能性が高まる上に、長く保存する事も出来なくなってしまいますので、使いたい分だけ元に戻すように心掛けましょう。
 

生麹の保存方法

乾燥麹程長期間保存する事は出来ませんが、生麹にも保存方法はあります。一般的に知られている方法は、主に3つです。

冷蔵

作ったばかりの生麹を冷蔵庫で保存すると、生麹の中に含まれる栄養素が高く保たれたまま保存する事が出来ます約2〜3週間保存する事が出来ます

例え冬の寒い時期であったとしても、常温で保存するのだけは避けて下さい。生麹はデリケートで、少しでも雑菌が着いてしまうと品質の劣化が起こってしまいます。必ず、温度は10℃以下に設定しましょう。

冷凍

冷蔵よりも冷凍の方が長く保存出来ます。頻繁に生麹を使うのなら、小分けにして空気が入らないように密閉してから、冷凍庫に入れておくのがおすすめです。

ただし、冷蔵庫で保管した場合よりも、栄養効果は薄れてしまいます。冷蔵庫で保管するよりも長い間保存出来ますが、品質の劣化が少しずつ進んでしまいますので、気をつけて扱うようにしましょう。

冷凍庫で生麹を保存した場合、大体3カ月程保存する事が出来ます。新鮮で美味しい麹の魅力を味わいたいなら、早めに消費してしまう事をおすすめします。

塩麹

もっと長く生麹を保存したいなら、塩麹にしてしまう方が更に保存期間を延ばす事が出来ます。塩麹は、野菜や魚に使うことの出来る、万能な調味料です。発酵が進むと、まろやかな味わいになります。

塩を加えた生麹は、6ヵ月保存出来ます。「出来る」と言うよりは、「6ヵ月発酵を進める事が出来るが、それ以上は危険だ」と言った方が正しいかもしれません。

200gの生麹に対して、約350~400gの塩を加え、水を生麹がひたひたになる位まで加えて、全体に塩分が行き渡るように混ぜた後は、温かくして発酵を促しましょう。

冬場の寒い時期には暖かい部屋で1週間~10日を目安に、夏場の暑い時期には5日を目安に発酵させましょう。1日に一度は塩分と水分が均一になるように、そこから掻き混ぜて下さい。麹と水分が分離していても問題ありません。

麹を使ったおすすめレシピ

麹を使った料理がどれだけあるか、知っていますか?麹を使った料理はたくさんありますが、まずは定番の甘酒から紹介していきましょう!麹を使った料理の代表格の甘酒は、色々なアレンジも豊富にありますが、基本的な手順を覚えておけば便利です。

生の米麹で作る「甘酒の原液」

  • 生の米麹400〜500g
  • 米1合
  • 水1L(全粥用)
  • 水450cc
  • 塩ひとつまみ
 
  1. まずは炊飯器で、粥を作りましょう。お好みの固さの粥で問題ありませんが、今回は全粥にします。全粥は米の量が1なのに対して、水分量は5になるという水分量の多い粥です。
  2. 米麹をしっかりとパラパラの状態にほぐしておきます。
  3. 出来上がった粥は、更に450ccの水を入れて、60℃位の温度になるまで冷ましておきましょう。
  4. 粥が冷めたら、米麹を加えて均一になるように混ぜ、表面を平らにします。
  5. ザルかタオルで表面を覆うように蓋をして、炊飯器で保温します。
  6. 1時間半〜2時間毎に全体を混ぜながら、4〜5時間保温し続けて発酵を進めます。
  7. 4〜5時間発酵させたら、別の鍋に炊飯器の中釜に入っている甘酒の原液の素を移して、沸騰する直前まで加熱します。
  8. 出来た甘酒に塩をひとつまみ加えて全体を掻き混ぜたら、冷ましましょう。

甘酒は、生麹からでも乾燥麹からでも作る事が出来ます生麹から作る甘酒と、乾燥麹から作る甘酒にも、もちろん違いがあるようです。

生麹から作る甘酒は、甘い芳香が乾燥麹よりも濃厚で、お米の美味しさが前面に出るようです。生麹の甘酒と乾燥麹の甘酒の大きな違いは、米の香りと甘さがどれだけ麹から引き出せるかにあるそうです。強い甘味が好きな方には生麹の甘酒を、甘さ控えめの甘酒なら乾燥麹の甘酒をおすすめします。

このレシピは、所謂甘酒の原液のものなので、飲む時には水かお湯を足して甘さを調整しながら飲みましょう。水に限らず、牛乳や豆乳を使っても美味しく頂けます。様々なものを使ってみて、美味しさの違いを楽しんでみるのも良いでしょう。

万能な調味料にもなる「麹味噌」

  • 生麹100g
  • 味噌200g
  • 生姜適量(お好みの量で大丈夫です)
  • ニンニク1片
  • 白ネギ1本
 
  1. 生姜とニンニクと白ネギはみじん切りにします。
  2. ボウルにしっかりとほぐした生麹と味噌を入れて混ぜ合わせます。混ぜムラが残らないように、全体的に混ぜましょう。
  3. みじん切りにした生姜とニンニクと白ネギを、生麹と味噌を混ぜ合わせたものに加えて、更によく混ぜます。
  4. 満遍なく均一に混ざったら、密閉の容器に入れて保存しましょう。

このレシピの麹味噌は、冷蔵庫で保存すると1カ月程保ちます。保存している間も発酵が進み、旨味も足されていきます。

ディップソースとしても使えますし、醤油の代わりにこの麹味噌を使うと、健康的で味噌の風味の香る焼きおにぎりも出来ます。是非、試してみて下さい!

化粧水としても使える乾燥麹で作る「麹水」

  • 乾燥麹100g
  • 水500cc
 
  1. まずは、乾燥麹をパラパラにほぐします。
  2. パラパラにした乾燥麹を不織布またはお茶パック等に入れて、紅茶用ポットや急須に水と一緒に入れます。
  3. 冷蔵庫で約8時間ほど寝かせておきます。

作った麹水は、出来上がった日の内に全て使い切ってしまいましょう。飲むと便秘解消の効果があり、お肌に散布すると立派な化粧水として使えて、美容効果があります。

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乾燥麹と生麹をうまく使い分けよう

生麹と乾燥麹には、それぞれ違いが一長一短あり、両方ともがそれぞれの場面で必要なものなのだと分かりました。塩麹は、生麹を保存するだけではなく、塩麹そのものを食べる事も出来ますし、塩麹を使った料理も数多く存在します。生麹は栄養効果が高く、生である分、発酵効果を存分に発揮できます。しかし、生ものなので保存は効きません。

一方、乾燥麹は長期間保存が出来るように加工されています。若干ではあるものの、生麹と比べると栄養価が少しばかり劣ってしまい、一見万能に見えて、やはり少しばかり見劣りしてしまうようです。それぞれの良い所を上手く扱う事が出来るなら、今後健康的な生活を送る事が出来る事でしょう。

もちろん、生麹や乾燥麹のみを頼りに生活する事は出来ませんので、適材適所、ここぞという時に生麹と乾燥麹の恩恵を授かりましょう。

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