ししゃもは本物と偽物がある!偽物が主流?見分け方や味の違いは?
本物のししゃもと偽物のしゃもの違いを知っています?実は、私たちがスーパーで購入しいてる10匹200円程度の値段のししゃもは本物のししゃもではありません。偽物のししゃもで、洋名をカペリンと言います。スーパーで見かけるししゃももの9割がこのカペリンという魚です。なぜ、偽物のししゃもが主流になっているのでしょう?本物と偽物の見分け方や味の違いはあるのでしょうか?今回はししゃもとカペリンについて紹介します。
目次
ししゃもには本物と偽物があるって本当?
時折無性に食べたくなるししゃも、10匹ほど入った1パックが200円という値段でコスパも良く美味しいししゃもは食卓の強い味方です。ですが、私たちが思い浮かべるスーパーなどで購入するししゃもはほとんどが偽物です。
本物のししゃもはとても高価、200円程度で買える代物ではありません。偽物のししゃもは正しくはカペリンと言います。カペリンはししゃもとは別の魚ですが、全く違うモノかと言われるとそうではありません。
ししゃもの本物と偽物について、本物はどんな魚なのか偽物はなにが違うのか、販売のし方や見分け方、味の違いについて紹介します。
ししゃもの本物と偽物とは?
本物のししゃもとは?
本物のししゃもは、生物学上サケ目キュウリウオ科シシャモ属シシャモに属する魚です。回遊魚(マグロなど、定まった時期にほぼ一定の経路を移動する魚)で、成長すると10~13cm程度になります。大きいものになると16cmをこえます。
漢字に直すと柳葉魚と書き、アイヌ語からきていると言われています。アイヌのししゃも伝説はいくつかありますが、飢餓や病気で苦しむ人々が食料を求めて祈ると柳の葉が魚にかわったという話が定説です。アイヌにおける本物のししゃもは、神様が分けてくれた神聖な食べ物なのです。
生息地は北海道東部の太平洋沿岸のみと狭く、ごく一部でしか漁獲することができません。漁獲時期も10月中旬から11月上旬と短いのも特徴です。年間の漁獲量も1000~2000トンと少なく、本物のししゃもはよく獲れる魚だと勘違いされがちですが実際は違います。
偽物のししゃも「カペリン」とは?
偽物のししゃもはカペリンと呼ばれる魚です。サケ目キュウリウオ科カラフトシシャモ属カラフトシシャモに属する魚で、カペリンは英名、和名ではカラフトシシャモと言います。
本物のししゃもと同じキュウリウオ科の魚ですが、シシャモ属ではなくカラフトシシャモ属です。同じようで違う魚で、例えば同じネコ科でもライオンとネコは違う生き物です。本物のししゃもと偽物のししゃもはそういった関係にあります。
カペリンの生息地は広く、北太平洋・北大西洋沿岸・北海道北部に生息しています。しかし、不思議なことに北海道沿岸ではあまりみられません。漁獲量もカペリンの方が圧倒的に多く、アイスランド・ノルウェー・カナダなどから年間約20000~30000トンも輸入しています。
スーパーなどのししゃもは偽物?
本物のししゃもは漁獲できる時期が短く、量も少ないですが、偽物のししゃもカペリンは漁獲量が段違いです。そのため、スーパーなどで売られているししゃもの9割が偽物のししゃものカペリンになります。そのため、私たち消費者はカペリンを本物のししゃもと勘違いしている人がほとんどです。
本物ではなく、偽物のししゃもカペリンをししゃもとして販売するのは問題ないのか?と思う人も多いと思います。食品関係の法律上、カペリンをししゃもとして売り出すことに問題はありません。
外来魚の魚が高級品と間違われぬよう、和名で記載して販売すれば大丈夫なのです。つまり、カペリンの場合和名のカラフトシシャモの名前で売り出せば、ししゃもとしては偽物でもししゃもの名前で売り出せてしまうのです。クルマエビの代用がブラックタイガーなのと同じような話になります。
また、ししゃもの中に偽物の卵が入っているという噂があります。子持ちししゃも(オス)と表記されているものが売られているためです。
これは、ししゃもと言えば子持ちししゃもと考える人が多いため、規格外のメスのししゃもの卵を注射器で注入しているからです。したがって、卵は本物も偽物も同一種の卵が使われており、偽物というわけではありません。
本物のししゃもが減った理由
あっ⁉️ホントに絶滅危惧種だった:(;゙゚'ω゚'):
— シュシュハム@Ciel Libre (@shushuham_grb) September 11, 2018
シュシュハム=ししゃも pic.twitter.com/ejpvkKf0Ky
偽物のししゃもが日本で食べられるようになったのは約30年ほど前です。1970年代に本物のししゃものおいしさが知られ、漁獲量が増えました。しかしその影響で本物のししゃもの乱獲や産卵場所の減少がおこり、漁獲制限がかけられるようになり、希少価値が出て本物のししゃもはさらに人気になりました。
一時期では絶滅を危惧するほどだったと言われています。偽物のししゃもカペリンは、見た目が似ていることから本物のししゃもの代用品として輸入されるようになりました。カペリンは世界中の魚のなかで漁獲量が4番目に多い魚です。
しかしながら、偽物のししゃもであるカペリンも乱獲による絶滅が危惧されているため、現在は漁獲量に制限がかかっています。逆に本物のししゃもは漁獲量が安定してきたそうですが、どちらの魚も適切な漁獲量で適正値段で市場に出回り守られるべきです。
ししゃもの本物と偽物の見分け方
本物のししゃもと偽物のししゃもはとてもよく似ています。しかし、見分け方を知ると本物と偽物の違うは一目瞭然です。ししゃもの本物と偽物の見分け方を紹介します。
原産地
スーパーで本物と偽物のししゃもの見分け方はとても簡単です。販売されてる食品には必ず原産地が表記されています。原産地に注目して下さい。
本物のししゃもは日本固有の魚です。日本以外では漁獲できません。逆に偽物のししゃもは輸入のものがほとんどですので、原産地が日本ではないものが多いです。原産地を確認すれば本物と偽物が簡単に見分けることができます。一番簡単な本物と偽物の見分け方です。
色
本物と偽物の見分け方2つ目の注目ポイントは色です。どちらも全体的に銀色がかっていますが、本物のししゃもは黄土色みがあり、偽物のししゃもは青みがかっています。
色の違いは背中側が特にわかりやすいです。また、産卵時期のオスのししゃもは婚姻色で全体的に黒っぽくなっていることがありますが、偽物にはその現象がありません。
形
本物と偽物の見分け方3つ目のポイントは形です。本物は少しぷっくりしていて口が大きく、下あごが偽物のししゃもより上をむいています。
偽物のししゃもはさんまに似た細い流線形をしており、本物のししゃもより口が小さいです。サイズの違いは本物・偽物ともにあまり違いがないため、見分け方としてはあまり参考になりません。
うろこ
本物と偽物の見分け方4つ目のポイントはうろこです。本物のししゃものうろこは目視ではっきりとわかるうろこです。焼いて食べるとパリパリとした食感を感じます。偽物のししゃものうろこは目視できないくらい細かく、焼いても食感を感じられません。
穫れる時期
本物と偽物の見分け方5つ目のポイントは撮れる時期についてです。本物のししゃもは漁獲できる時期が非常に短く、メスが産卵を迎えた10月の中旬から11月の上旬までと言われています。
世界的に漁獲できる偽物のししゃもは年中流通しています。漁獲時期以外で市場に出回るししゃもは、ほとんどが偽物のししゃもと判断できます。
値段
本物と偽物の見分け方6つ目のポイントは値段です。本物と偽物のししゃもでは値段が大きく違います。本物のししゃもは漁獲量が少なく、貴重なため値段が高くなります。10匹セットで1000円単位ほどの値段です。オスかメスかの違いでも、本物は値段がかわります。メスの方がオスの倍以上の値段になります。
偽物のししゃもは漁獲量が多いため値段が安くなります。同じ10匹セットで数100円程度の値段です。
販売方法
本物と偽物のししゃも最後の見分け方のポイントは販売方法です。本物のししゃもは天日干し加工されたものが生の状態で売られていることが多いです。
冷凍で売られることもありますが、その場合は表面のパッケージに本ししゃも、食品表示ラベルに北海道などと書かれていて、見分け方も簡単です。偽物のししゃもは冷凍、もしくは一度冷凍したものが解凍されて販売されています。
ししゃもの本物と偽物の味の違いは?本物を食べるには?
本物のししゃもと偽物のししゃもは味が違うのでしょうか?本物のししゃもは具体的にどこで手に入るでしょう?本物と偽物の味の違いと本物のししゃもをどこで手に入れられるか紹介します。
味の違い
本物と偽物では、生息環境の違いから味が違います。本物は食感がふっくらしており、味が濃くて濃厚です。本物はオスかメスかでも味が違い、オスの方が卵に栄養を持ってかれないため、身が引き締まり濃厚な味になります。場合によってはメスの子持ちししゃもやりも高い値段がつくこともあります。
本物のメスは旬の中でも味に違いが出てきます。旬の前半は卵が未熟なため、身に脂が乗って濃厚な味です。旬の半ばは、脂が抜けてあっさりします。旬の最後は、卵に栄養がほとんど貯まっているので甘みや旨みが強いです。香りも本物の方が濃厚です。
偽物は本物より脂の乗りが少なく、全体的にあっさりした味わいになります。細身の体にぎっしりと詰まった卵の食感の方が癖になる人が多いのではないでしょうか?風味も本物より偽物のほうが弱くなります。時期による味の変化もありません。
本物を食べるには?
本物のししゃもを食べるには、干物は1年中出回っているので百貨店のような高級スーパーの売場に行けば購入できます。本物の鮮魚となると時期が限られてきます。
本物のししゃもの旬は10月中旬から11月上旬です。鮮魚はその時期にしか出回りません。確実に食べるなら、旬の時期に北海道のむかわ町行にくのがおすすめです。
この時期の北海道では秋メニューとして本物のししゃもを使ったメニューをたくさん用意しています。また、北海道関連のイベントに行ってみるのも手のひとつです。旬の時期が待てない人は通販がおすすめです。
ししゃものおすすめレシピ!本物が無い時は偽物で代用!
ししゃもは焼いて食べることがほとんどですが、焼く以外にも美味しく料理することができます。本物のししゃもも偽物のししゃもも美味しくいただけるレシピを紹介します
ししゃもフライ
- ししゃも必要な量
- 小麦粉適量
- とき卵適量
- ゆで卵適量
- パン粉適量
- ピクルス適量
- 玉ねぎ適量
- マヨネーズ適量
- レモン汁適量
- 塩適量
- 胡椒適量
- ししゃもに小麦粉、卵、パン粉の順につけて5分ほど置き、衣をなじませる。
- ししゃもを油で揚げる。
- 次に付け合わせのタルタルソースを作る。ゆで卵を白身と黄身に分けてからみじん切りにする。
- 刻んだピクルスと玉ねぎ、マヨネーズ、レモン汁、塩、胡椒を入れ、混ぜ合わせるとタルタルソースの完成。
魚といえばフライは定番です。ししゃものフライもジューシーで美味しく、魚が苦手な子供でもフライなら食べてくれる場合があります。レシピの中でも簡単なほうですので、ぜひ試してみてください。
ししゃもの南蛮漬け
- ししゃも15尾
- 玉ねぎ1/2個
- 人参1/3本
- ピーマン2個
- だし汁100cc
- 酢100cc
- 砂糖大さじ2
- 醤油大さじ2
- 鷹の爪(輪切り) 1本
- 玉ねぎは薄くスライスし、人参とピーマンは千切りにする。
- タッパーなどに南蛮酢の調味料を混ぜ合わせて入れ、1の野菜を漬けておく。
- ししゃもは魚焼きグリルで焼く。
- ししゃもが焼けたら2の野菜を端の方へ寄せ、ししゃもが南蛮酢に漬かるようにして、寄せた野菜を上にかぶせる。
- 1時間ほど漬けたら完成。
ししゃもと一緒に野菜もたっぷり食べられるのが、ししゃもの南蛮漬けです。お好みでブラックペッパーをかけるとアクセントになり、さらに美味しくなります。
ししゃものマリネ
- ししゃも15~20尾
- 酢150cc
- 砂糖大さじ3~4
- 塩小1
- 玉ねぎ1個
- 酢、砂糖、塩を混ぜて甘酢を作る
- 玉ねぎをスライスして塩揉みし、氷水でさらす。
- ししゃもをグリルで焼いて甘酢に漬ける。
- 玉ねぎの水気をよくしぼり一緒に漬ける。
- 一晩冷蔵庫で冷やしたら完成。
ししゃものマリネもさっぱりしていて、酒の肴にもぴったりです。保存もきくので作り置きができ、使い勝手のよい便利なレシピです。余ったししゃもなど使ってぜひ作ってみてください。
ししゃもの本物と偽物を見分けてみて
本物と偽物のししゃもの違いについて紹介してきました。本物のほうが味は濃厚だが高価、偽物のほうは味があっさりしているが安価、見た目も違うことがわかってもらえたと思います。
騙されたと想う人もいるがしれませんが、もともと偽物のししゃもカペリンが輸入されたのは本物のししゃもを人間が食べ過ぎてしまい、数が減ってしまったからです。
本物のししゃもは偽物のししゃもと比べずっと美味しいですが、偽物のししゃもも偽物のししゃもなりの美味しさやコスパの良さがあります。ときには本物のししゃもをじっくりと味わい、日常的な食卓では偽物のししゃもカペリンを楽しんでください。