テキーラの度数はどのくらい?法律で決まっている?他のお酒と度数を比較
テキーラは竜舌蘭という熱帯植物を原料に使ったアルコールです。テキーラと聞くとアルコール度数が高いお酒、悪酔いするお酒というイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、ほかのお酒と比較して特別度数が高いわけではなく、飲み方を間違えなければ、悪酔いすることなくテキーラを楽しむことができます。今回は、テキーラのアルコール度数や、他のお酒とのアルコール度数の比較、テキーラの飲み方や楽しみ方について紹介します。
テキーラのアルコール度数
テキーラは、メキシコ国内で造られている蒸留酒で、竜舌蘭という熱帯植物を原料にしています。テキーラのアルコール度数は高いというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、一体どのくらいあるのか、ここではテキーラのアルコール度数について紹介します。
度数が高いイメージがある
テキーラと聞くとアルコール度数の高いお酒というイメージを持っている人も多いかもしれません。テキーラは、蒸留酒に分類されるお酒です。お酒は、醸造酒と蒸留酒という2つの種類があります。
醸造酒は、穀物や果実を酵母によってアルコール発酵させて造ったお酒です。大麦をアルコール発酵させたものをビール、ぶどうをアルコール発酵させたものをワイン、米をアルコール発酵させたものを日本酒といいます。
蒸留酒は、アルコール発酵によって造った醸造酒を蒸留して造ったお酒です。テキーラのほかにもウイスキーやブランデー、泡盛などがあります。蒸留酒は醸造酒に比べてアルコール度数が高くなります。
法律で決まっている
テキーラのアルコール度数が、ほかの蒸留酒に比べて飛び抜けて高いかと言われると、実はそうではありません。テキーラのアルコール度数は35から55度の間になるように、と、法律で決められています。
このテキーラに関する法律は、テキーラのアルコール度数だけでなく、原料や製造地などについても定められています。竜舌蘭を使った蒸留酒だというだけでは、テキーラと名乗ることはできないのです。
二度の蒸留で度数が半分に
テキーラは、原料をアルコール発酵しただけなら、アルコール度数は7%ほどです。しかし、このテキーラを蒸留することによってアルコール度数はどんどん高くなっていきます。
テキーラは法律によって、最低2回蒸留することが定められています。テキーラを2回蒸留すると、アルコール度数は約50%と、テキーラの半分がアルコールになるほど度数が上がります。
40度前後のものが一般的
このように、テキーラのアルコール度数は、法律によって35から55度の間になるようにと定められています。実際に販売されているテキーラのアルコール度数を見てみても40度前後のものが一般的です。
この度数はウイスキーやブランデーのアルコール度数とほぼ一緒です。決してテキーラのアルコール度数は飛び抜けて高いというわけではありません。
テキーラのアルコール度数を他のお酒と比較
テキーラのアルコール度数は40度前後のものが多いことがわかりました。では、ほかのお酒のアルコール度数はどの程度なのか、代表的な醸造酒と蒸留酒と比較してみます。
まずは、代表的な醸造酒との度数の比較を行います。代表的な醸造酒として、ビール、ワイン、日本酒などが知られています。醸造酒は比較的アルコール度数が低めです。この3種類のうち、最もアルコール度数が低いのはビールで、度数は約5%、次にワインで、度数は10から15%、日本酒の度数は15%前後となっています。
次に代表的な蒸留酒との度数の比較を行います。代表的な蒸留酒として、ウイスキー、ブランデー、焼酎、泡盛などが知られています。ウイスキーやブランデーのアルコール度数は、テキーラとほぼ同じで40%前後です。 焼酎の度数は20から25%、泡盛の度数は30%ほどです。
泡盛は古酒になるとアルコール度数が高くなりますが、それでも度数は43%前後なので、テキーラとほぼ同等の度数です。
蒸留酒の度数が高いのは、この蒸留という工程があるからです。蒸留とは、沸点の違いを利用して液体を分離する方法です。水の沸点が100℃であるのに対し、アルコールの沸点は70℃程度です。先に沸点に達して気化したアルコール成分だけを冷やして液体に戻すことでアルコール度数の高いお酒を造ることができるのです。
繰り返し蒸留を行うことで、アルコール度数はどんどん高くなります。現在、最もアルコール度数が高いと言われているお酒は、ポーランド原産のウォッカであるスピリタスです。スピリタスは70回以上の蒸留を繰り返して造られているお酒で、そのアルコール度数はなんと96%です。
テキーラの悪酔いしない飲み方
テキーラは、アルコール度数が高く悪酔いするお酒というイメージを持っている人もいるかもしれません。しかしそれは度数のせいではありません。テキーラの飲み方を間違えなければ、悪酔いすることなくテキーラを楽しむことができます。ここでは、悪酔いしないテキーラの飲み方を紹介します。
ショットなら3杯〜6杯まで
テキーラの故郷であるメキシコでは、伝統的なテキーラの飲み方があります。まず、カバジートと呼ばれる縦長のショットグラスと櫛形に切ったライム、塩を用意します。ライムを齧り、酸味が消えないうちにテキーラを流し込み、塩を舐めます。この3ステップを続けていくのが、伝統的なテキーラの飲み方です。
テキーラのアルコール度数は40度前後と、ウイスキーやブランデーなどほかの蒸留酒と比較しても同程度の度数です。アルコール度数が高いから悪酔いするというわけではありません。悪酔いしないためにも、ショットグラスでテキーラを飲む場合は3杯から6杯程度にとどめておくことをおすすめします。
風味を味わいながらゆっくり飲む
ショットグラスに注いでストレートで飲むのが、テキーラの伝統的な飲み方ですが、テキーラは使用する竜舌蘭の種類や熟成期間によって、香りや風味が全く異なります。テキーラの香りや風味を楽しむために、ワイングラスのように口の広いグラスに注いで飲む方法もあります。
テキーラをストレートで飲むのは苦手という人は、氷を入れたり、水割りにしたりして度数を下げて飲む方法もあります。伝統的なテキーラの飲み方にこだわるのではなく、風味を楽しみながらゆっくり味わってみるのも、飲み方の1つです。
チェイサーを使う
テキーラは、ほかの蒸留酒と比較して特別アルコール度数が高いというわけではありませんが、ビールなどの度数と比較したらやはりアルコール度数は高いです。度数に関わらずどんなお酒でも、飲む量が増えると悪酔いする可能性は高くなります。テキーラで悪酔いをしないためには、チェイサーを利用します。
甘さと香りを楽しむプレミアムテキーラ
テキーラは法律によって、竜舌蘭の使用割合が決められています。中でも100%竜舌蘭から造ったテキーラは、プレミアムテキーラと呼ばれています。
プレミアムテキーラは、一般的なテキーラに比べてトゲの無い味で飲みやすいと言われています。また、アルコール度数が高いにも関わらず、しっかりとした甘みが感じられ、香りも爽やかなのがプレミアムテキーラの特長です。
テキーラは個性を愉しむ
テキーラもワインやウイスキーのように、熟成させることによって色合いや香りなどが変化します。ここでは、熟成期間によるテキーラの違いを紹介します。
熟成期間で変わる名称
テキーラは熟成期間によって名称が変わります。製造後すぐに瓶詰めされたテキーラを「ブランコ」、2ヶ月から1年未満熟成させたテキーラを「レポサド」、1年以上熟成させたテキーラを「アニェホ」、3年ほど熟成させたテキーラを「エクストラ・アニェホ」と呼びます。
また、ブランコとレポサドやアニェホなど熟成させたテキーラををブレンドしたものを「ゴールド」と呼びます。
それぞれの味わい
テキーラは、熟成期間によって味わいも変わります。ブランコは無色透明なテキーラで、テキーラ特有のスパイシーな香りや苦味を持っています。甘さはほんのり感じる程度です。熟成期間が長くなるにつれて色は琥珀色になっていき、甘みとコクが強くなります。
アニェホほど熟成が進むと、テキーラを熟成させているオーク樽の香りがテキーラに移ります。エクストラ・アニェホはさらに香りがよくなり、バニラやチョコレートを彷彿させるような香りになります。
製造法や生産者のこだわり
出典: https://horti.jp
テキーラは、法律に基づいて生産方法やアルコール度数などが決められています。製造されたテキーラが、その基準を満たしているかも証明する組織として、「テキーラ規制委員会」が設立されています。
製造過程や品質、度数が基準を満たさないものは、テキーラという名称で製造や販売することはできず、違反者には法的措置が取られます。このようにテキーラは、度数や産地などさまざまなことにこだわって造られたお酒なのです。
テキーラのアルコール度数に注意してゆっくりと味わおう
いかがでしたか?テキーラのアルコール度数は40度ほどで、ほかの蒸留酒と比較して特別に高い度数というわけではありません。にも関わらず、ショットグラスで一気に飲むという伝統的な飲み方のためか、テキーラはアルコール度数が高く悪酔いするお酒というイメージをもたれがちです。
テキーラは使用する原料や熟成期間によって、風味や味わいが全く異なるお酒です。また、ショットグラスで飲むだけでなく、ロックやカクテルなど様々な飲み方があります。アルコール度数に注意しながら、ゆっくりとテキーラを味わってみてください。