2019年04月08日公開
2024年09月11日更新
ビールとジンジャエールでシャンディガフ!ジンジャービアは酒じゃない?
ビールをジンジャーエールで割ったビアカクテルの名前を知っていますか?そう、「シャンディガフ」という名のビアカクテルです。ですがまるでビールのジンジャーエール割りのような名前の、「ジンジャービア」という飲み物もあるのです。しかもややこしいことにこのジンジャービアは酒ですらないというのです。シャンディガフを自宅で作るときのビールとジンジャーエールの割合を始めとした作り方のレシピから、ジンジャービアを手作りするときの作り方のレシピまで紹介します。
目次
ビールのジンジャーエール割りとジンジャービアは違う?
ジンジャービアと聞くとビールをジンジャーエールで割ったビアカクテルのようですが、実は全くの別物の飲み物です。ビールをジンジャーエールで割ったビアカクテルは「シャンディガフ」といい、ちゃんと別に存在するのです。
ではあたかもビールをジンジャーエールで割ったかのような名前のジンジャービアとは、一体どんな飲み物のことをいうのでしょうか?ビールのジンジャーエール割りである「シャンディガフ」や、ビールを使ったそのほかのビアカクテルとともに、ジンジャービアがどんな飲み物なのかについても紹介していきます。
ビールとジンジャーエールのビアカクテル「シャンディガフ」
ビールとジンジャーエールを使って作ったビアカクテルは、「シャンディガフ」という名前のカクテルのことです。ではこのシャンディガフはどのようなビアカクテルなのでしょうか?シャンディガフについて、その由来やカロリーといった基本的なことから紹介していきます。
ビールベースのカクテル
シャンディガフとはビールベースのロングカクテルのひとつで、イギリスのパブでは昔からなじみのあるビアカクテルです。ビールをジンジャーエールで割ったカクテルで、飲みやすさと飽きのこない味で人気のカクテルでもあります。
そんなビアカクテルには、ビールをレモネードで割ったカクテルも存在します。ドイツでは地域によって呼び名が違い、ラドラー(Radler)やアルスター・ヴァッサー(Alster wasser)と呼んだりします。フランスにも同じようなカクテルがあり、こちらはパナシェと呼ぶのです。
ではシャンディガフの本場、イギリスではどう呼ぶのかというと、このビールをレモネードで割ったビアカクテルもシャンディと呼ぶのです。ビールを使ったカクテルは甘すぎることもなければ、アルコール度数も低いので、こういったカクテルも楽しんでみたいものです。
由来
シャンディガフは名前の由来が知られていないカクテルのひとつです。通常カクテルはその名前の意味や由来が伝わっていることが多い中で、シャンディガフの由来が伝わっていない理由もわかっていません。ですが昔のシャンディガフは今とは異なる作り方をしていました。
昔のシャンディガフはエールと呼ばれる種類のビールに、ジンジャーエールではなく、ジンジャービアを足して作られていたのです。その後シャンディガフはビールにジンジャーエールを足して作るようになり、今ではビールにレモネードを足した作り方がより一般的になっています。
味
シャンディガフが飲みやすい理由のひとつが、ビール特有の苦味をジンジャーエールが和らげてくれることです。そのため女性はもちろん、ビールが苦手という人でも飲みやすいビアカクテルなのです。その味はビールのほろ苦さの中に、甘さとショウガのピリッとした風味が感じられます。
シャンディガフの見た目はベースとなるビールに良く似ていて、グラスの上をビールの泡が覆っている店もあります。シャンディガフはショウガの刺激のある香りと、ビールやジンジャーエールならではの炭酸が心地良い、ビールとジンジャーエールの良いところだけを取り出して合わせたカクテルといえるでしょう。
カロリー
シャンディガフのカロリーがどのくらいなのか、特に女性は気になる人も多いことでしょう。ビールでも生ビールになると、そのカロリー量は100mlあたり約40kcalになります。ではシャンディガフのカロリー量はというと、100mlあたり38kcalとそう変わらないことがわかります。
100mlで38kcalならば、そんなに高いカロリーではないように感じるかもしれません。市販品のレモンサワーが100mlあたり45kcal~55kcalなので、そういう点では低目と言えます。ですが量を飲むようであれば話は変わってきます。やはり飲めば飲んだだけカロリー量は増えていくのです。
もっともビールにもさまざまな種類があり、カロリーにも差があります。先ほどのデータからもわかるように、ビールとジンジャーエールでは基本的にカロリー差が小さいのです。そのためシャンディガフのカロリーを下げるのであれば、カロリーの低いビールを選んで作るのが良いでしょう。
シャンディガフの作り方・レシピ
シャンディガフは自宅でも簡単に作れるビアカクテルです。材料も少なく作り方も簡単なので、慣れてしまえば自分の好みに合わせてビールやジンジャーエールの割合量を変えるなど、アレンジレシピも作りやすいビアカクテルなのです。そんなシャンディガフの基本の割合レシピを使った作り方を紹介します。
材料
- ビール(好きな銘柄)
- ジンジャーエール(泡が抜けていないもの)
作り方
- 冷やしておいた大き目のグラスに、ビールを半分ほど注ぎます。
- 残り半分が満ちるくらいにジンジャーエールを注ぎます。
- 炭酸が抜けないように気をつけながら、そっとバースプーンなどでかき混ぜて完成です。
ビールとジンジャーエールの割合
ビールとジンジャーエールの基本の割合は1:1です。作り方に慣れてきたら、さまざまな銘柄のビールを試したり、ビールとジンジャーエールの割合を変えて好みの味を見つけるのも良いでしょう。
ビールにもさまざまな特徴があるため、使う銘柄はもちろん、ジンジャーエールとの割合比率でも味に変化を出せます。ジンジャーエールにショウガを少し足して、ピリッと感を強調してみても楽しめます。
本場イギリスに倣って、ビールをジンジャーエールではなくレモネードで割ってみるのもおすすめです。こちらも初めて割るときには、基本の1:1の割合で割るようにしましょう。後は飲んでみてから、ビールとレモネードを好みの割合で割るように調節すると良いでしょう。
グラスはしっかり冷やす
シャンディガフの作り方で大切なポイントは、初めてのときはビールとジンジャーエールの割合を守って作りましょう。基本の作り方で作った味を知っておくと、後でアレンジしやすくなります。
さらにシャンディガフを注ぐグラスはしっかりと冷やしておきましょう。シャンディガフを美味しく楽しむためには、キンキンに冷えた状態が望ましいため、氷を使わないシャンディガフが温まってしまわないようにするためです。
グラスを冷蔵庫で冷やそうとしてもグラスが入らない場合は、グラスの縁まで氷を入れてバースプーンなどでかき混ぜると、水をこぼす心配もなくグラスを冷やすことができます。グラスが十分冷えたら、シャンディガフが薄まらないよう氷と溶けた水は捨てましょう。
ビールやジンジャーエールをしっかり冷やしておいても、グラスが常温のままでは注いだときにぬるんでしまいます。グラスの冷やし忘れにはくれぐれも注意しましょう。
カクテルは混ぜすぎない
シャンディガフの醍醐味のひとつは、ビールとジンジャーエールの炭酸による爽やかな刺激です。そのためビールやジンジャーエールを注ぐときも、グラスの肌にそって優しく注いだり、表面に先を付けたスプーンにそわせるようにして注ぎます。
さらにかき混ぜるときも、優しく1回混ぜるだけにしましょう。味がイマイチ混ざっていないと感じたら、もう1回優しくかき混ぜます。
何度も勢いよく混ぜ合わせてしまうと、ビールやジンジャーエールの醍醐味である炭酸が抜けてしまうだけでなく、縁からこぼれてしまうこともあります。美味しいシャンディガフを味わうためにも、扱いは優しくするようにしましょう。
ジンジャービアとはどんな飲みもの?
ジンジャービアと聞くと、これこそがビールとジンジャーエールのカクテルだといわんばかりに聞こえますが、実際には全く異なる飲み物です。ビールとジンジャーエールとも全く関係ない飲み物だというのです。そんな不思議なドリンクであるジンジャービアについて調べてみました。
ビールではなくノンアルコール飲料
ジンジャーエールはカナダで生まれましたが、ジンジャービアはイギリス発祥のドリンクで、ジンジャーエールのルーツともいえる飲み物です。ジンジャービアの見た目はジンジャーエールとは違って、透明感に欠けて少し濁った黄色みがかった色をしています。
ジンジャーエールはショウガをベースにさまざまなスパイスを入れ、さらにレモンの酸味を足して砂糖やはちみつで甘味を付けたものを、炭酸水で割って作ります。もちろんのことながらジンジャーエールはノンアルコール飲料です。
ではジンジャービアはどうかというと、こちらもノンアルコール飲料なのです。ただしその原材料や作り方はジンジャーエールとは大きく異なり、自作した場合にはわずかながらアルコールが含まれていることもある一種のお酒といえる飲み物なのです。
そんなジンジャービアですが、通常は商品として売り出される前にアルコールの生成が抑えられ、アルコール分も飛ばされて出荷されます。そのため清涼飲料水コーナーに置かれたジンジャービアにはアルコール分は含まれていません。
ですが先ほど紹介したように、本来のジンジャービアにはアルコールが含まれています。もしアルコール飲料のところでジンジャービアを見つけたときには、ノンアルコール飲料ではなくお酒である可能性が高いので、商品表示を確認するなど注意が必要です。
原材料
ジンジャービアの原材料は、ショウガ、レモン、砂糖、イースト、水、そして空のペットボトルです。ジンジャーエールの原材料が、ショウガ、シナモン、ローリエ、唐辛子、クローブ、砂糖、レモン、はちみつ、水、炭酸水なので、ジンジャービアの原材料が意外と少ないことに気づかされます。
ジンジャービアの原材料は少ないだけではありません。かつてシャンディガフはジンジャーエールではなくジンジャービアで割って作っていたのに、ジンジャービアの原材料には炭酸水がないのです。ではジンジャービアにはあの炭酸による爽快感は無いのでしょうか?
味
ジンジャービアは名前にはビアと付きますが、材料を見てもわかるようにビールの味はしません。さらにジンジャーエールと比べてショウガの味が強く、甘味も強いのが特徴です。ショウガの味が強い分、ジンジャーエール以上にショウガが苦手な人には飲みにくいかもしれません。
では材料に炭酸水がないし、ジンジャーエールのようなシュワシュワ感がないのかといえば、そんなことはないのです。ジンジャービアを飲んでみると確かに炭酸を感じるはずです。ジンジャービアを飲んだときに感じるこの炭酸は、一体どこから来ているのでしょうか?
実は原材料のイーストが砂糖を発酵させて作っているのです。ジンジャービアの原料であるイーストが砂糖を発酵させたときに作るのは、炭酸だけではありません。ごくわずかですがアルコールも作るのです。そのため先に紹介したように、ノンアルコールの場合とお酒の場合の2つのジンジャービアがあるのです。
ジンジャーエールとの違い
ジンジャービアとジンジャーエールの違いをまとめると、ジンジャーエールはジンジャービアを元に作られたノンアルコール飲料であることと、材料が違うこと、そして作り方が違うことからジンジャービアの中にはお酒もあることです。
ジンジャーエールは「スパイシーで甘味のあるしょうがの汁を炭酸水で割ったもの」であるのに対し、ジンジャービアは「しょうがに砂糖を入れてイーストで発酵させたもの」なのです。
ジンジャービアの自宅レシピ
ジンジャービアは自宅でも簡単なレシピで作ることができます。ジンジャービアを買ってきても良いのですが、せっかくなら自宅レシピで作ったジンジャービアでビールを割って楽しんでみませんか?ジンジャービアのレシピを紹介します。
材料
- ショウガ1個(手のひら半分ほど)
- 砂糖1カップ
- レモン2個
- 水3カップ
- ドライイースト小さじ1/2
- 冷水4カップ
- はちみつ適量(好みで無くても可)
作り方
- しょうがをよく洗ったら皮付きのままぶつ切りにします。
- ショウガをフードプロセッサーに入れて細かくし、水を加えます。
- レモン(オーガニック推奨)の皮をむいてざく切りにし、果肉は汁を絞っておきます。
- 細かくして水を加えたショウガ、レモンの皮、砂糖を鍋に移して煮込みます。
- 煮立ってきたら弱火にして、蓋を少しずらした状態(切蓋)で15分ほど煮込みます。
- 火を止めたら冷蔵庫で冷やしておいた冷水、レモン果汁の順番で加えてかき混ぜます。
- 人肌くらいまで冷ましてからイーストを入れます。50度以上だとイーストが死んでしまうので要注意です。
- 目の細かい網やキッチンペーパーなどで固形物をこし取りながら、漏斗を使って2Lの空きペットボトルに移します。蓋をきつく閉めてから強めに振ります。ガラス瓶だと危険なので使わないようにしましょう。
- 直射日光を避け、室温のまま6時間~半日のあいだ、ペットボトルが硬くなるまで寝かせます。気温で進み具合が変わるので加減してください。
- 冷蔵庫にそのまま入れて良く冷やします。冷蔵保管していれば発酵はほとんどしなくなります。開けるときに中身が噴出すことがあるので注意してください。
ビールを使ったおすすめのビアカクテル
ビールを使ったビアカクテルには、シャンディガフ以外にもいくつもあります。そんなビアカクテルの中からシャンディガフにも似た、おすすめのカクテルをいくつか紹介します。
コークビア
コークビアはジンジャーエールよりもコーラのほうが好き、という人におすすめのビアカクテルです。レシピも簡単で、ビール1に対しコーラ1の割合で割っただけのカクテルです。注意したいのはコーラのカロリーはジンジャーエールの2.5倍ほどあるため、飲み過ぎないようにしましょう。
パナシェ
パナシェは先にも紹介した、ビールをレモネードで割ったビアカクテルです。正式なレシピはビール1に対してサイダー1の割合で割ったカクテル全般を指します。お好みのサイダーで割った後にレモンをトッピングすると、味が締まってよりおいしく楽しめます。
レッドアイ
レッドアイはビールをトマトジュースで割ったカクテルです。レシピはビール1に対してトマトジュース1の割合で割ります。ビールの苦味がトマトジュースでマイルドになって、ビール嫌いにも飲めるカクテルとしておすすめです。
ひとつ注意したいのは、トマトジュースの酸味が強いと苦味と酸味が合わさってしまい、人によってはより飲みにくい味になってしまうことです。トマトジュース好きにおすすめのカクテルといえるでしょう。
ビールをジンジャーエールで割るのとジンジャービアは別物!
ビールをジンジャーエールで割ったカクテルはシャンディガフの事を指し、ジンジャービアとは全く別の飲み物です。ですがジンジャービアはビアカクテルの材料として定番の飲み物でもあります。現代版シャンディガフと昔のシャンディガフ、両方を並べて飲み比べながら楽しんでみてはどうでしょうか?