2019年03月30日公開
2024年09月10日更新
カンパリオレンジとは?作り方は?カンパリのカクテルレシピも紹介
カンパリオレンジとは、イタリアを代表するリキュールのカンパリと、オレンジジュースを使って作ったカクテルです。フルーティで飲みやすいカンパリオレンジは、女性に人気の高い定番カクテルのひとつですが、自宅でも簡単に作って楽しめるカクテルでもあります。そんなカンパリオレンジの特徴や作り方にカクテル言葉やその意味だけでなく、カンパリを使ったその他のカクテルのレシピも紹介します。
目次
カンパリオレンジとは?
カンパリオレンジとは一体どんなカクテルなのでしょうか?カンパリオレンジの材料でもあるベースのリキュール・カンパリから、カンパリオレンジについてのさまざまな基礎知識をまずは見ていってみましょう。
イタリアのカンパリリキュール
カンパリオレンジのベースとなるのは、イタリアを代表するリキュールであるカンパリです。イタリアのトリノのバーテンダーだったガスパーレ・カンパーリ氏の開発したリキュールであり、現在はイタリアのダヴィデ・カンパリ社が製造しています。
カンパリのアルコール度数は25度で、酒そのものを熱して蒸発させたときに残るいわゆるエキス分は19%と言われています。イタリア語で「苦い」を意味する「アマロ(アマーロ、Amaro)」から、アマロ系リキュールと言われることもあります。
そんなカンパリの製造方法は、明らかにはされていません。ただしビター・オレンジやキャラウェイ、コリアンダー、リンドウの根といった、60種類を超えるハーブなどの材料が使われていることはわかっています。そんなカンパリはビター系リキュールに分類されています。
カンパリはその鮮やかな赤い色と苦味が特徴で、通常はカクテルのベースとして割って飲むことの多いリキュールです。本場イタリアでは白ワインと1:1で割って飲むことが多いリキュールでもあります。
カンパリオレンジの味や特徴
カンパリオレンジは、カンパリの独特な苦味とオレンジジュースの酸味のある甘味との調和が取れた味が特徴の、冷たくて美味しいカクテルです。その飲みやすさから女性にも人気のカクテルで、柑橘系との相性の良いカンパリの良い特徴が存分に出たカクテルのひとつでもあります。
カンパリオレンジはイタリアを代表するリキュールであるカンパリと、イタリア南部特産のオレンジを組み合わせた作り方から、イタリア統一のために戦った英雄の名をとって、別名・ガリバルディとも呼ばれています。
カンパリオレンジの本場イタリアでは、カンパリオレンジにさらに微量のオレンジ・キュラソーを加えて、味に奥行きを出して飲むレシピが好まれているといいます。
度数やカロリーは?
カンパリオレンジは、ベースのリキュール・カンパリのアルコール度数が25度ということもあり、一般的なアルコール度数は7度~8度とカクテルとしては低めで、お酒の弱い人でも飲みやすいカクテルのひとつです。ただしオレンジ・キュラソーを足した場合は、少しアルコール度数が上がることになります。
またカンパリオレンジの一般的なカロリーは、グラス1杯(180.4g換算)で185kcalが目安となります。ちょっとお酒に強い人ならスイスイ飲めてしまうため、簡単にカロリーを取れてしまう計算になります。さらにアルコールは分解するのにもさまざまな栄養を消費します。飲みすぎにはくれぐれも注意が必要です。
カクテル言葉や意味は?
カンパリオレンジを始めとしたカクテルには、花に意味を込めた花言葉のように、カクテルに意味を込めたカクテル言葉があります。
カンパリオレンジにも他のカクテル同様に、意味を込めたカクテル言葉があります。カンパリオレンジのカクテル言葉は「初恋」です。まさにその甘酸っぱい味に意味を込めたような、カンパリオレンジにぴったりな意味のカクテル言葉です。
カクテルのショートとロングの違い
カクテルには、ショートカクテルとロングカクテルと呼ばれる、2種類のタイプがあります。それぞれのカクテルの違いと特徴をまとめてみました。
ショートカクテルとは?
ショートカクテルとは、一般的に三角形をした小さいグラスを使い、強めのお酒を使ったカクテルの事を意味します。通常のアルコール度数は20度を超える強いお酒が多いのが特徴のひとつですが、もうひとつの特徴として「氷が入っていないこと」があります。
ショートカクテルの「ショート」は短時間を意味します。つまり「氷が入っていないので、すぐぬるくなって味が落ちてしまうカクテル」がショートカクテルなのです。足の長いグラスに入っているのも、手の温度でぬるくなるのを防ぐためであり、15分以内で飲みきることを前提としたカクテルです。
ロングカクテルとは?
ロングカクテルとは、一般的に大きめのグラスに氷と一緒に入ったカクテルを意味します。ショートカクテルと比べて比較的長い時間味わうことができる特徴があり、アルコール度数の幅が広いのも特徴です。また知名度の高いカクテルが多く、カンパリオレンジもこのロングカクテルになります。
ロングカクテルの「ロング」はこちらも時間の長さを意味します。つまり「氷を入れるため、ぬるくなるまでの時間が長いカクテル」がロングカクテルになります。そのためロックグラスのように、直接手で持つグラスに入っていることが一般的という特徴もあります。
カンパリオレンジの作り方
カンパリオレンジの特徴や意味がわかったところで、今度はカンパリオレンジの作り方とそのレシピを紹介します。カンパリオレンジは作り方が簡単なので、材料さえ揃えれば自宅でも楽しめるカクテルなのです。そんなカンパリオレンジの作り方と材料を見ていってみましょう。
材料と作り方
カンパリオレンジの作り方のレシピは、とても簡単なものです。材料もカンパリと氷、そしてオレンジジュースを用意するだけです。
作り方のレシピもとても簡単で、氷を入れたタンブラーにカンパリとオレンジジュースを1:3の割合で注いだら、バー・スプーンなどで軽く混ぜ合わせるだけで完成です。あればスライスオレンジを飾り付け、雰囲気を出すのもおすすめです。
作り方のポイント
カンパリオレンジをより美味しくする作り方のコツは、オレンジジュースを絞りたてのフレッシュジュースで作ると、より香り高く美味しいカンパリオレンジになります。本場イタリアに倣ってオレンジ・キュラソーを加え、風味と味に奥行きを出す作り方もおすすめです。
タンブラーに注ぐときに、オレンジジュース、カンパリの順に揺らさないよう静かに注ぐと、色が層になる「ブース・カフェ・スタイル」のカンパリオレンジも作れるので、試してみるのも良いでしょう。
カンパリのカクテルレシピ【ショート】
カンパリはカンパリオレンジ以外でも、リキュールベースのカクテルを始め、さまざまなカクテルレシピで使われるリキュールです。カンパリベースのみならず、カンパリを使ったさまざまなショートカクテルのレシピを紹介します。
オールドパル
オールドパルはウイスキーベースのカクテルで、アメリカでは禁酒法以前から飲まれていたと言われる、歴史のあるカクテルです。ウイスキーの香りとカンパリのほろ苦さがマッチした味と言われますが、日本ではあまり飲まれていないカクテルです。
オールドパルとは「古くからの仲間」「懐かしい友人」という意味であることから、名前の良さで知名度が上がったと言われているカクテルでもあります。
オールドパルの一般的なレシピは、ライウイスキー20ml、ドライベルモット20ml、カンパリ20mlを合わせて、バー・スプーンなどで混ぜ合わせます。材料は全てお酒のため、アルコール度数も25度~27度となります。
ブリザード
ブリザードは、第1回フィンランディアウォッカ・カクテルコンペ世界大会のアペリティフ部門準優勝作品というカクテルです。製作者はホテルオークラの長島茂敏氏という、日本人考案のカクテルです。
ブリザードはウォッカベースのカクテルで、ピーチツリーという桃の風味のピーチリキュールと、グレープフルーツジュースのフルーティさを、カンパリの苦味が深いコクとなって引き締めています。カンパリの苦味が苦手という人にも飲みやすい、美味しい大人のカクテルです。
ブリザードのレシピは、ウォッカ35cc、ピーチツリー10cc、カンパリ5cc、グレープフルーツジュース35cc、レモンジュース5ccをシェーカーでシェークしてから、冷やしたソーサー方シャンパングラスに注いで、マラスキーノチェリー(砂糖漬けのサクランボ)をグラスの縁に飾ります。
ブリザードはウォッカベースのカクテルですが、ジュースもそれなりに入れるため、アルコール度数は20度と、高めながらも飲みやすいカクテルです。
メイフォア(梅花)
メイフォア(梅花)は、1981年の日本ホテルバーテンダー協会主催の創作カクテルコンペティションの優勝作品です。梅酒をベースに、カンパリとグレープフルーツジュースを使った、とても日本的なカクテルです。梅酒の甘酸っぱさとカンパリの苦味、そしてグレープフルーツの香りが溶け合った上品なカクテルです。
メイフォアのレシピは、梅酒30cc、カンパリ10cc、グレープフルーツジュース20ccを、シェーカーでシェークして、冷えたカクテルグラスに注ぐだけでできます。アルコール度数は13度の、薄紅色のカクテルです。
マリリンモンロー
マリリンモンローは、かつて銀座にあったオールドムービーというスコッチパブのオリジナルカクテルです。マリリンモンローはバー・スプーンなどでかき混ぜて作るのが本来の作り方ですが、シェーカーでシェークして作ることもよくあります。
マリリンモンローのレシピは、ウォッカベースにカンパリとスイートベルモットを材料に作りますが、その割合には差があります。基本はウォッカ3/4、カンパリとスイートベルモット1/8ずつですが、カンパリの割合を多くしたものや、ウォッカの量を減らしたものなどもあります。
マリリンモンローをウォッカ45cc、カンパリ10cc、スイートベルモット5ccを混ぜ合わせて作った場合、アルコール度数は29度と高めのカクテルになります。
カンパリのカクテルレシピ【ロング】
カンパリを使ったショートカクテルの次は、カンパリオレンジ以外のロングカクテルも見ていってみましょう。カンパリを使ったロングカクテルを紹介していきます。
カンパリソーダ
カンパリソーダはカンパリをソーダ水で割った、カンパリ好き向けのロングカクテルです。カンパリの赤と苦味を楽しむカンパリカクテルの定番ですが、本場イタリアよりも日本で人気の定番カクテルなのです。
そんなカンパリソーダのレシピは、カンパリオレンジのオレンジジュースがソーダ水に変わっただけです。カンパリ30ml、ソーダ水90mlを氷を入れたグラスに注いで、炭酸が抜けないよう軽くかき混ぜて完成です。カンパリの苦味をしっかり感じたいときには、カンパリとソーダ水を1:3で割るのがおすすめです。
お酒の強さに合わせてアルコール度数も調節できるので、苦味は平気だけどお酒に弱いという人にはおすすめの割り方です。
カンパリモヒート
カンパリモヒートは、カンパリソーダにミントとライムを足して味を爽やかにしたカクテルです。カンパリは苦いだけという人は、ミントとライムの酸味で爽やかさを増したカンパリモヒートを試してみてはどうでしょうか?
そんなカンパリモヒートのレシピは、カンパリ30ml、ソーダ水90ml、ミントの葉15枚程度、ライム1/8カット、砂糖ティースプーン1杯を用意します。グラスに揉んでちぎったミントの葉、ライム、砂糖、カンパリを入れて軽くすりつぶします。氷を入れてソーダ水を注げば完成です。
アルコールに弱かったりミントが強すぎる場合には、ソーダ水の量を調節してアルコール度数を調節したり、ミントの葉の量も好みで調節してください。甘さも砂糖の量を調節して好みの甘さを見つけてください。
ミート
ミートは1870年ごろから本場イタリアで飲まれているカクテルです。ミラノのカンパリとトリノのベルモットで作る「MILANO-TRINO」カクテルを由来として、「MI-TO(ミート)」と名付けられたカクテルなのです。
ミートのレシピは、カンパリ30ml、チンザノ・ベルモット・ロッソ30mlを氷を入れたロックグラスに注いで軽くかき混ぜ、オレンジピールを飾って完成です。アルコール度数は正確な資料は見つかりませんでしたが、ベルモットのアルコール度数がカンパリよりも低いため、アルコール度数は下がるものの20度以上と考えられます。
プレリュードフィズ
プレリュードフィズは、カンパリソーダにカルピスとレモンを入れた、リキュールベースのカクテルになります。日本生まれのカクテルながら、作者が誰なのかはわかっていません。
プレリュードフィズの「プレリュード」に「導入部」や「前奏曲」といった意味があることからか、「最初にオーダーしたいカクテル」と紹介されることもあります。確かにプレリュードフィズは食前酒に向いているものの、最初でないと頼めないお酒ではありません。
そんなプレリュードフィズのレシピは、カンパリ30cc、カルピス20cc、レモンジュース10ccをシェーカーでシェークしたら、氷を入れたオールドファッショングラスに注ぎ、さらに炭酸水を注いでグラスを満たします。炭酸が抜けないよう気をつけながら軽くかき混ぜ、スライスレモンを飾って完成です。
プレリュードフィズはカンパリベースとはいえ、他がすべてノンアルコールのためアルコール度数は低く、5度未満が目安になります。そのため甘酸っぱい味も手伝って、女性やお酒の苦手な人にも人気のカクテルです。
カンパリオレンジでお洒落におうちバーを愉しもう!
カンパリオレンジは本場イタリアでも大人気のカクテルです。自宅でちょっとおしゃれに手軽なカクテルを楽しみたくなったときには、ぜひカンパリオレンジでおうちバーを満喫してください!