白菜にある「黒い点」の正体はカビ?黒い斑点ができる原因の成分は?
白菜にある黒い点の正体を皆さんは知っていますか?白菜と言えば鍋物や炒め物、漬物などさまざまな料理に使えて万能な野菜の1つでもありますが、黒い点があると食べても良いのかどうなのか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか?実は、そのカビのようにも思える黒い斑点ですが、正体はポリフェノールなのです。また、別名ゴマ症とも呼ばれています。この記事では白菜に黒い斑点ができる原因やその成分について解説していきます。黒い点がある白菜の味は変わるのでしょうか?
白菜にある黒い点はカビ?
冬になると食べる機会が多くなる野菜と言えば白菜ではないでしょうか?鍋物には欠かせない野菜の1つでもあり、炒め物、漬物、サラダなどメインのおかずや副菜ともる万能な白菜です。料理をするときにあれば大活躍してくれる白菜なのですが、虫みたいな、カビのような黒い点がついているのを見たことありませんか?
このカビのように思える斑点ですが、実はこの黒い点はカビではなく、白菜の表面にポリフェノールが出てきたものなのです。黒い点があると買うときにも食べるときにも気になりますが、食べても問題はありません。白菜にあるこの黒い点について解説していきます。
白菜に黒い点ができる原因
どのようなものなのか知らないと気になる黒い点ですが、安心して食べられます。では、何故白菜に黒い点ができるのでしょうか?その黒い点ができる原因について解説していきます。
栽培環境
黒い点が発生する原因の一つに、栽培環境や栽培方法によって白菜が受けるストレスの生理障害と言われています。栽培過程で肥料の与えすぎや過密な生育環境、過酷な気象状況で起きるようです。他にも降水量の多さや収穫時期のズレなども原因です。
また、畑の鉄分やミネラルのバランスが影響して黒い点ができることもあるみたいです。食べても問題はありませんが、窒素が多く、ホウ素や鉄分が少なくなっていてミネラルバランスが崩れている可能性があるので、日持ちはあまりしず、鮮度も落ちていると考えられます。
栄養失調/栄養過多
白菜特有の生理障害と言われているのは、虫やカビなどによる被害ではなく栄養失調や栄養過多、低温度、高温度によるものでそれが黒い点が発生する原因の1つと考えられます。過剰な窒素肥料により細胞壁が破壊されて細胞内のポリフェノールが流出し酸化したものだそうです。因みに白菜にはもともとポリフェノールと言う成分が含まれています。
肥料の窒素成分が多すぎることが黒い点ができる主な原因でもあり、またこの黒い点は大きい白菜に多く見られることがあるようです。ポリフェノールが酵素と反応することによって黒い点になると言われています。そして、この黒い点は白菜のストレスによってできるものなので完全に防ぐことは難しいようです。
自宅で白菜を育てる場合でも、黒い点が出てくるときには肥料を控えめにするか、効果がゆっくりと現れる緩効性肥料を使うのが良いそうです。
温度
上記でも少しふれましたが、黒い点が発生する原因の1つに、保管する温度によって黒い斑点ができることもあります。白菜を収穫後、その保管温度が低温などとストレスが与えられることによってできます。また、保管倉庫や運搬中、冷蔵庫の中の冷えすぎも原因の1つです。
このような、栽培環境や栄養失調・栄養過多、温度の管理などの白菜にかかるストレスが黒い点ができる原因です。黒い点があると見た目が良くないので避けがちですが、白菜が頑張った証拠とも言われています。買ったときに黒い点がなくても冷蔵庫の保管が長くなると黒い点が現れることもあるようなので気になる方は早めに食べましょう。
白菜の黒い斑点の成分はポリフェノール
白菜の黒い斑点は、白菜にかかるさまざまなストレスが原因なのですが、その黒い斑点の正体はポリフェノールです。ポリフェノールとはどのような成分なのでしょうか?ポリフェノールについて効果など解説していきます。
ポリフェノールとは?
ポリフェノールは、野菜を含むほぼすべての植物に含まれている植物特有の光合成によってできる成分で、苦みや渋み、色素のもとになります。コーヒーや赤ワイン、ブルーベリーにも多く含まれていることで知られていますが、そのポリフェノールは抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える働きがあります。
ポリフェノールは、5000種類以上あると言われていてその種類によってそれぞれの機能があります。緑茶や紅茶に含まれているカテキン、赤ワインやブルーベリーに含まれているアントシアニン、チョコレートに含まれているカカオポリフェノール、そばに含まれているルチンなど、それぞれ食品により含まれているポリフェノールの種類は異なります。
動脈硬化や生活習慣病の予防に役立つとされているポリフェノールですが、健康や美容などさまざまな効果があることでも有名です。
ポリフェノールの効果
ポリフェノールの効果で最も代表的なのは抗酸化作用です。ポリフェノールは、食品によってそれぞれ独自の効果があります。例えば上記で紹介した、緑茶や紅茶に含まれているカテキンには抗がん作用など、赤ワインやブルーベリーに含まれているアントシアニンには目の機能の改善が期待できます。
そして、チョコレートに含まれているカカオポリフェノールには血管を広げる作用など、そばに含まれているルチンには毛細血管強化作用などがあります。ポリフェノールは種類によってさまざまな働きや効果があるので状況により使い分けて摂り入れていくのが良いでしょう。
ポリフェノールは、水溶性の性質で一度に大量摂取しても、体内に蓄積されず持続効果は2~3時間なので、こまめに摂取した方が高い効果が得られるようです。健康効果だけでなく、女性に嬉しい美肌効果やアンチエイジング効果もあることで有名です。
白菜の黒い点の別名「ゴマ症」
白菜の黒い点の現れる原因や成分を解説してきましたが、次はこの黒い点について紹介していきます。この黒い点の別名は、「ゴマ症」と呼ばれていて食べても問題はないと言われていますが、「症」とみると病気のような気もします。ゴマ症と言われている黒い点は病気でないのか、また本当に食べても大丈夫なのか調査しました。
病気ではない
ゴマ症と呼ばれている黒い点ですが、病気やカビ、虫ではありません。ゴマ症という名前から病気のようにも感じますが、ゴマ症の白菜食べて体に害を与えるようなものでもないです。
上記でポリフェノールについて解説しましたが、このゴマ症はポリフェノールが小さな塊となり白菜の表面に出てきたもので気にする必要はありません。
食べても大丈夫
では、このゴマ症を食べてしまっても問題はないかと言うと、食べても大丈夫と言えます。先ほどもお伝えしましたが、病気やカビ、虫など私たちの体に害を与えるものではないので安心して食べることが出来ます。お店で白菜を買うときに気になる黒い点ですが、ゴマ症がついているからと言って買うことを躊躇しなくても大丈夫です。
体に害がないとは言え、見た目が気になってしまう場合は、そぎ落としたり加熱するなどして食べるのが良いでしょう。
白菜の黒い点で味は変わる?
白菜の黒い点は、ポリフェノールで病気ではないので食べても問題はなく大丈夫ですが、黒い点がある場合、その白菜の味は変わるのでしょうか?栄養過多も黒い点の原因の1つと紹介しましたが、何が違うのか、黒い点のある白菜の味について解説していきます。
黒い点のある白菜の味
ゴマ症がある白菜の味ですが、やはりゴマ症のない白菜に比べたら、多少ですが味は劣ってしまいます。ゴマ症の白菜は、栽培環境や栄養過多、収穫後の保管温度などのストレスを受けて育っていて、ゴマ症のない白菜よりもミネラルのバランスが悪くなっていると言えます。また、ゴマ症の白菜は水分を多く含んでいるものもあるので日持ちもしません。
ですが、味が劣っていると言っても極端に「美味しくない」などと言うことはなく、それほど味に変化はありません。ただ、ゴマ症の白菜がある場合には、なるべく早めに食べることをおすすめします。
成分の違い
成分の違いですが、葉の成分調査の結果を見ると、ホウ素と鉄の他に糖分も少ないと言うことが分かっているようです。ですが、ゴマ症の白菜とそうでない白菜を食べて、私たちの体に大きな変化が出ることはないようなので、気にすることはありません。
購入するときに、美味しい白菜を選ぶコツの1つとして、覚えておくことが良いのではないでしょうか?
白菜の黒い点は食べても問題なし!
白菜を買うときに、黒い点のゴマ症がついていると躊躇して避けてしまったりすると思いますが、食べても問題はないので安心して料理に使い食べることが出来ます。そして、ゴマ症の正体は、ポリフェノールで健康にも美容にも良い成分なのです。また、ゴマ症がついているからと言って、その白菜の味や栄養面にほとんど変わりはありません。
私たちの体に害はありませんが、それでも見た目が気になってしまうという場合には、包丁でそぎ落としたり加熱調理するのが良いでしょう。
白菜は、冬場の食卓に大活躍してくれ、さまざまな料理に使える万能な野菜の1つですので、気にせず安心して使いましょう。