ピンクペッパーはどんな胡椒?黒/白胡椒との違いや成分は?
ピンクペッパーは胡椒?スパイスのカテゴリーで良い?何故、赤い色をしている?ピンクペッパーはどのような製造方法で出来るのか?どのような香りがする?スパイス以外にどのような使い方があるのか、などなど解らないことが沢山あります。黒胡椒や白胡椒との使い方の違いや、どのような成分を含んでいてどのような効果効能を持っているのでしょうか?どのようなレシピとしての使い方があるのかなどを調べてみたいと思います。
目次
ピンクペッパーの特徴を解説
お店などでも良く見かけるようになった、赤い実が特徴のスパイス、ピンクペッパー。原料は何の実なのか?香りや製法などの特徴を調べてみましょう。
種類
ピンクペッパーには3種類の木の実が使われていますが、ウルシ科のコショウボクという植物の果実を乾燥させた物が一般的で、スパイスの一種として使われています。また、バラ科のセイヨウナナカマドという植物の実がピンクペッパーとして扱われることもあります。更に、日本では完熟して赤い胡椒の実を指すこともあります。
日本では3種類の実が全て「ピンクペッパー」として販売されているので、コショウの実とコショウボクの実と同じものだと勘違いをしている人が多いようです。
胡椒ではない?
出典: https://note.mu
ピンクペッパーはペッパー(胡椒)とは言いますが、一般的な胡椒とは種類が違います。実際には、胡椒ではなく、色がピンク色で胡椒と似ていたので、ピンクペッパーと呼ばれるようになったものなのです。南北アメリカの砂漠地帯が原産で、古くからはスパイスとしてではなく、薬用として利用されていました。
香り
胡椒の中で最も香りが弱いのが、ピンクペッパーでしょう。ほのかで繊細な香りですが、じっくりと味わうと独特の風味を楽しむことが出来ますのでレシピとしても使い方の範囲が広くなります。黒胡椒・白胡椒・緑の胡椒と違い刺激的な辛味はなく、かすかに胡椒っぽい香りの中に、ほんのりとした酸味と甘みがあります。
製造方法
ピンクペッパーの特徴は赤い外皮で、これは製造過程に由来します。成熟させた種子を塩漬けにした後、乾燥させて製造されているのがピンクペッパーです。実を成熟させることで実の外皮が赤い色に変化します。この赤い色に変化することによって、様々な栄養素を含むようになる訳です。
赤い表皮
結実した実が、赤い色に完熟してから収穫するので、実の色が赤い表皮に反映しています。この赤い表皮を剥がさずに使用します。この赤い表皮が、ピンクペッパーの特徴になります。なお、加熱をすると、ピンクペッパーの色が落ちてしまいますので、盛り付けの最後に飾り付け用レシピとして使う事をおすすめ致します。
外皮に含まれる赤色の色素として知られるのがリコピンです。トマトに含まれていることで知られているリコピンは抗酸化作用によって活性酸素の除去が期待でき、肌や血管などの組織の老化を防止するのに役立ちます。様々な成分が含まれていて、身体にとって嬉しい魅力があるスパイスがピンクペッパーなのです。
黒胡椒・白胡椒とは?
料理のスパイスとして使用している黒胡椒や白胡椒。何気なく使用していますが、それぞれに特徴があります。おすすめの使い方、よりマッチングした胡椒の使い方によって料理を一層引き立ててくれます。どのような特徴があり、どのような料理のレシピとして使用したらよいかを調べてみましょう。
黒胡椒の特徴
黒胡椒の辛味の主成分となるピペリンと、香りの主成分となるモノテルペンを豊富に含んでいるためスパイシーで刺激的な風味を持ち、この辛味が他の胡椒と違い、さまざまな料理のレシピとしてアクセントになり、用途範囲も多岐に渡り、多くの料理に使用されています。
黒胡椒の使い方
黒胡椒は香りも辛味も強いので、肉料理など味の濃い物によくあいますが、それ以外にも料理全般で使われています。また、食材に刷り込んでグリルにしても食感と風味を楽しむ事ができます。黒胡椒は加熱により香り成分がとんでしまうので、料理の最後に加えるか料理を食卓に出す直前に加えると風味をいかせます。
黒胡椒の香りは粒よりも細かく挽いたものの方が強いので煮込み料理には粒を、香りをつけたいくらいなら粉末を最後にかけると良いでしょう。料理の最初または途中で使うと、肉料理などの臭み消しとして使えます。粒とパウダーの違いの特徴を活かして使いましょう。
黒胡椒の製造方法
黒胡椒はブラックペッパーとも云われており、実が熟す前、緑色の胡椒の実を収穫して長時間乾燥させて黒色に変色したもので、黒色の皮は乾燥の際にシワが発生し、このシワが黒胡椒の特徴とも言えます。胡椒の成分の多くはこの皮に含まれており、黒胡椒は皮をそのまま使いますので風味が強く感じられます。特に、牛肉との相性が良いでしょう。
白胡椒の特徴
白胡椒は、黒胡椒ほど辛くなく上品で穏やかな香りです。風味が黒胡椒よりも弱く柔らかなので、魚料理などに合います。味は勿論のこと、料理の色を邪魔しない方が良いという場合にも白胡椒をレシピとして使うことをおすすめ致します。
白胡椒は製造方法が黒胡椒よりも工程に手間がかかることと、生産量も若干少なくなるので、価格は黒胡椒よりも若干割高となります。
白胡椒の使い方
外皮を取り除くため香り成分は黒胡椒と違い、より少なくなりピリッとした辛味も感じません。白胡椒の使い方としては、素材の味を引き立てるというスパイスとしての役割となり、素材の味を活かしつつ、かすかに香りを付けたい時や、ホワイトシチューなどのような、白色の料理や魚料理のレシピとして使われる事が多いのが白胡椒です。
白胡椒の製造方法
白胡椒はホワイトペッパーとも云われています。白胡椒の作り方は、完熟し赤い色がついた胡椒の実を収穫し、乾燥させます。乾燥した後に水に漬けて外皮を柔らかくして皮を取り除くと白い実が出てきます。これが、白胡椒です。製造過程で実を水に漬けて外皮を腐敗させ除去する際に発生するインドール等の成分が発生し独特の発酵臭がする為です。
ピンクペッパーと黒胡椒/白胡椒の違い
ピンクペッパー・黒胡椒・白胡椒と収穫の時期や収穫後の製造方法によって、色や味わいが変わり、おすすめの使い方の違いがあるということが解かったかと思います、では、その使い方やレシピとしての使い方などの違いを改めて詳細に知らべてみましょう。
製造方法
黒胡椒も白胡椒も共に原料は同じで、黒胡椒は未熟な実を皮ごと乾燥させた物。白胡椒は実が完熟して赤くなるのを待って摘み、皮を剥いだもの。そして、ピンクペッパーは成熟させた種子を塩漬けにしてから乾燥させて製造されています。完熟させることで実の外皮がピンク色に変化します。
色
名前の通り、黒胡椒は黒、白胡椒は白、そしてピンクペッパーの色は綺麗な彩りのピンクで、使い方を覚えると料理のレシピとして使用するだけでなく、食卓やそれ以外のクラフトにも華やかにアレンジ出来、様々な応用が可能になります。
香り
黒胡椒の刺激的な香り、白胡椒の素材を引きたてる香り、それに比べてピンクペッパーは辛味はなく、ほんのりと甘く、わずかな酸味と渋さが特徴です。スパイスのなかでもひときわ香りが弱いと言われるほど繊細な香りです。
使用目的
黒胡椒や白胡椒は料理用のスパイスを目的に使用しますが、ピンクペッパーは料理用のレシピとしては勿論のこと、使用目的が多岐に渡ります。繊細なスパイシーさであることから、デザートやアルコールの風味付けなどにも幅広く使われます。特にデザートとの相性がよく、ピンクペッパーの繊細なスパイシーさがデザートの甘さを引き立てます。
ピンクペッパーの他の胡椒との違いは料理以外にもボディケアやフレグランスとしてコロンや香水、アロマセラピー、クラフトなど、さまざまな分野で利用出来るという事です。
ピンクペッパーの成分と効能
ピンクペッパーは、料理のスパイスとして使用するだけでなく、健康や美容にも効果的な成分が沢山含まれています。あの赤い粒の中に詰まった成分が、美容や健康に対してどのような効能があるかを調べてみましょう。
ピペリン
ピンクペッパーの主要な辛味成分はピペリンです。ピペリンは血行促進や新陳代謝の活性化に作用することが出来る成分です。血管を拡張させ、血液を身体の末端まで行き渡らせてくれる為、冷え症の方に特に効能が高くなります。また、消化の補助をしてくれたり、食欲増進の効能もあるため、栄養を吸収しやすくなります。
食物繊維
ピンクペッパーの成分としては、第六の栄養素である食物繊維が比較的多いので様々な要因に効果的な働きをもたらしてくれます。食物繊維は便秘解消・血圧降下・コレステロール値の減少・大腸がんの抑制・など、美容・健康・ダイエット効果と様々な効能をもたらしてくれる、大切な栄養成分なのです。
腸は第二の脳とも云われている大切な臓器です。食物繊維は腸内環境を整えるためには必須の栄養素となりますので、しっかりと採りたい栄養素になります。
ビタミンA
ピンクペッパーの成分であるビタミンAは、目の角膜や鼻・のど・子宮・消化器などの粘膜、皮膚を健康に保つ効能があり、体内にウイルスなどが入って来るのを防いでくれます。また、 目の網膜で光を感じる物質を作り出して、視力を正常に保つ働きをしています。風邪をひきやすい人や皮膚の弱い人、目が悪い人にはおすすめの栄養素です。
ビタミンK
ピンクペッパーの成分であるビタミンKは、血液の凝固作用に効能があるとして知られています。また、腸から吸収されたカルシウムを取り込み骨の形成にも作用するビタミンとされています。
光やアルカリによって壊れやすく、油脂に溶けやすい性質があります。ビタミンKが不足すると骨粗鬆症の原因にも繋がります。
鉄
ピンクペッパーの成分である鉄は、血液の主成分である赤血球を作るための必須ミネラルです。鉄は、主に赤血球中のヘモグロビンという形で存在し、全身の組織や細胞に酸素を運ぶ効能があります。鉄の約70%は血液中に存在し酸素を運ぶ機能鉄と、機能鉄が不足した時のために蓄えられている貯蔵鉄が存在します。貧血予防の効能がありますので、積極的に摂りたいミネラルの一種です。
マンガン
ピンクペッパーの成分であるマンガンは、さまざまな酵素の構成成分になったり、さまざまな酵素を活性化する栄養素となります。様々な代謝過程に必要とされるミネラルであり、組織の老化を防いだり、エネルギーを生み出したりするのに重要な役割を果たしています。
効能としては、糖質・脂質・尿素の代謝、エネルギーの供給を助ける・骨の形成を助ける・血糖値を下げる・記憶力を高める・疲労回復など、身体の健康を守るために多岐に渡り効果を発揮してくれるのがマンガンです
ピンクペッパーの使い方とおすすめレシピ
ピンクペッパーを使った料理として、最初に思い浮かぶのが白身魚のカルパッチョです。出来上がりに、ピンクペッパーをアクセントとして飾り付けます。レシピは好きな白身魚や青魚・ホタテなどをスライスして、オリーブオイル・ワインビネガー・レモン汁・塩・胡椒に漬けておくのみでカルパッチョが出来ます。
飾り付けに、イタリアンパセリやチャービルなどのハーブを飾り、最後のアクセントにレシピとして用意しておいたピンクペッパーを散らして出来上がりです。
フレグランスティー
フレグランスティー、香りの紅茶?これは、飲む紅茶ではなく、紅茶のような香りの香水を表します。紅茶の中で香り高いといえばアールグレイ・紅茶のシャンパンと云われるダージリン・爽やかな香りのレモンティーやジャスミンティなど。
ストレートティに様々な香りを入れたフレーバーティなどのような香りを持つピンクペッパーを使ったフレグランスは科学的にもリラックス効果のある紅茶のような香りを持つ香水をフレグランスティーといいます。甘い香りやさっぱりした香りなど、様々な香りがあり選ぶのもとても楽しいです。
コロンや香水
出典: https://wowma.jp
ピンクペッパーのフレグランスは、フレッシュでありながら官能的です。シャープ過ぎないスパイシーな香りは他のシナジー効果がある香りをミックスさせやすく、様々なメーカーが商品を作っています。
ユニセックスとして使用でき、男性でも女性でもさり気ない香りで違和感を持たずに使用する事が出来るでしょう。夏の昼間でも、爽やかな香りでオフィス・シーンなどでも活用できる爽やかな香りが特徴です。
ボディケア商品
ボディローション・ハンドクリームなどボデイケア用品に応用されています。ピンクペッパーは、赤い成分に良く見られるように、カプサイシンの成分が含まれています。その刺激で脂肪を分解して排出します。更にはセルライトの予防やリンパの循環を促してくれたり、脂肪の蓄積を防ぐのに効果を発揮してくれます。
ピンクペッパーは色々使える赤いスパイス!
出典: https://note.mu
胡椒の仲間であるピンクペッパーは、料理のスパイスとしての使い方やデザートなどのアクセントのレシピとしての使い方をはじめ、料理意外にも沢山の使い方があります。香りの柔らかさや赤い実が持つ効能からボデイケア商品として、美しい赤い実を活かしてフラワーアレンジメントやクラフトにも活躍します。
使い方は無限大にありますが食用として使う際には、フラワーアレンジメント用に売られているものは使用しないようにすることです。食用のものを使うという点は気にしておくべきです。