2019年02月24日公開
2024年09月04日更新
大納言と小豆の違いとは?特徴や由来とおすすめの食べ方レシピ9選!
大納言小豆と小豆の違いは何だと思いますか?どら焼き・大福・おはぎ・かき氷のトッピングなど日本のスイーツに欠かせないものが、餡子の原料である小豆です。大納言小豆は高級なイメージですが、どんな特徴があるのか詳しく説明していきます。また、小豆との味や栄養価の違い、大納言小豆の名前の由来も取り上げています。大納言小豆の食べ方・レシピも定番編とアレンジ編に分けて紹介しています。是非参考にしてみて下さい。
大納言と小豆は何が違う?
和菓子に欠かせない小豆ですが、大納言小豆は特に高級和菓子に使用されているイメージが強いです。具体的に大納言小豆と小豆ではどんな違いがあるのでしょうか?詳しく紹介していきます。そして大納言小豆の栄養価、小豆との栄養価の違い、さらにはおすすめの食べ方も取り上げています。
違いの最大の特徴はサイズ
大納言小豆は小豆と比べて、高級で上質であるというイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか?大納言小豆は小豆に比べ、色の赤みも強くつやがあります。しかし小豆と大納言小豆の特徴で最も違いがあるのが、大きさです。一粒の長さが5.8mm以上ある小豆が大納言小豆に分類されます。
大納言小豆は皮が丈夫で、長時間煮ても破れず煮崩れないという特徴があります。たとえ大粒の小豆であっても、この特徴を持たないと大納言小豆には分類されないのです。この違いが大納言が普通の小豆よりも高級である理由です。
栄養価の違いはある?
大納言小豆は食品成分表でもアズキの中に含まれています。小豆は何世紀も前は漢方薬に使用されていた程栄養価の高い食品です。高たんぱく低脂質で、必須アミノ酸も多く含まれています。ビタミンB群も多く疲労回復にも役立ちます。食物繊維・ポリフェノールが豊富に含まれていて、腸内環境改善やアンチエイジングにも効果があります。皮にはサポニンも含まれていて、利尿作用がありむくみを改善します。
大納言の栄養は豊富
大納言小豆は小豆より皮が丈夫なため、食物繊維が多く含まれます。食物繊維は便秘解消に役立ち、大腸がん大腸がん予防に効果があります。満腹感も得られ、糖の代謝を助けるためダイエットにも繋がります。小豆の赤い色にはポリフェノールが含まれており、大納言は赤みが濃いためポリフェノールが豊富です。体を錆びさせない抗酸化作用があるため、女性に嬉しい老化を予防する効果が期待出来ます。
大納言の特徴
小豆は古くから日本人に食べられ、お祝い事や行事食のお菓子には欠かせません。大納言小豆は粒が大きいため、和菓子の粒あんや甘納豆などに使用されています。大納言小豆の特徴とはどんなものか、詳しく紹介していきます。
名前の由来は?
大納言小豆の名前の由来は諸説あります。最も有力な由来の説は、昔の高い冠位である大納言は殿中で抜刀しても切腹を免れたことから、煮込んでも皮が破れず腹割れしない小豆を例えたという由来の説です。その他に、大納言が被る烏帽子(えぼし)という帽子が大納言小豆の俵のような形と似ているという由来の説があります。
普通の小豆に比べて大きいため、単に大という字のつく位である大納言に由来して呼ばれるようになったという説もあります。さらに現在の滋賀県である近江の国で、上納用の小豆を「納め(おさめ)小豆」と呼んだことが由来し徐々に変化し大納言小豆となったという説もあります。
高級な大納言にも種類がある
大納言小豆には種類があり、北海道ではアカネダイナゴン・ほくと大納言・とよみ大納言・ほまれ大納言などが栽培されています。兵庫県・京都府では丹波大納言、京都府の馬路大納言・京都大納言、兵庫県の美方大納言があります。岡山県には備中大納言・夢大納言・白雪大納言、石川県には能登大納言と様々な種類があります。
江戸時代から栽培されている大納言
大納言小豆の中で最も有名なものが、「丹波大納言」です。兵庫県の丹波地域は温暖で霧が深く、昼と夜の寒暖差が大きいため大納言小豆の栽培に適した気候です。丹波市春日町は、江戸時代から大納言小豆の栽培され江戸幕府への献上品として納められていました。丹波大納言は他の大納言に比べ種皮の赤みが非常に強く、大粒な俵の形をしていることが特徴です。そのため日本一高級な小豆とも言われています。
大納言のおすすめの食べ方レシピ【定番編】
ほくほくで美味しい「大納言小豆の粒あん」
大納言小豆で作る粒あんのレシピを紹介します。圧力鍋を使用すれば手軽に作ることが出来ます。食べ切れない場合は冷凍保存も可能です。餅やトースト、ホットケーキにつけたりそのまま食べても美味しいおやつになります。
- 大納言小豆250g
- 水1250㏄
- 砂糖150g
- 塩小さじ1/5
- 小豆を水洗いし、浮いている小豆は取り除きザル上げします。
- 鍋に小豆と、分量外のしっかりかぶる程の水を入れます。圧力をかけずに10分煮て、ゆで汁を捨て小豆を洗う「渋抜き」をします。
- 鍋に洗った小豆と分量の水を入れ、蓋をして沸騰したら弱火にし10分加圧します。10分後火を止めて圧力が下がるまで置いておきます。
- 圧力をかけず中火で加熱し、砂糖・塩を入れ煮詰めます。焦げ付かないよう底から混ぜながら、水分が減ってきたら弱火に落とします。
- 好みの柔らかさになったら完成です。
冬至に欠かせない「いとこ煮」
冬至に食べると風邪を引かずに済むと言われているかぼちゃと小豆のいとこ煮を紹介します。大粒な大納言小豆を使用することで小豆の旨味をより感じることが出来ます。かぼちゃと小豆の組み合わせは栄養的にも代謝が良くなりおすすめです。このレシピは5人分です。
- かぼちゃ1/2個
- 大納言小豆1/4カップ
- 砂糖100g
- A.しょうゆ大さじ1
- A.塩小さじ1/2
- A.出汁3カップ
- かぼちゃを洗い、3㎝角程度に切ります。
- 小豆をしっかり水洗いし鍋に入れ、水を浸るくらい入れ沸騰するまで加熱します。
- ゆで汁を捨て、水を入れ直し再度中火で茹でます。差し水をしながら弱火で柔らかくなるまで煮ます。
- 鍋にかぼちゃを入れ砂糖をふりかけ、しばらく放置し砂糖が溶け始めたらAの調味料を加え加熱します。
- 煮立ったら弱火にし、かぼちゃが柔らかくなるまで煮ます。
- 茹でた小豆を加え、煮汁がほぼ無くなるまで煮て完成です。
皮の食感も楽しむ「ぜんざい」
大納言小豆の皮の存在感を活かした食べ方である、ぜんざいのレシピを紹介します。体も温まり、お餅も入るためお椀1杯で非常に満足感のあるスイーツです。
- 大納言小豆1カップ
- 砂糖140g~250g
- 塩1つまみ
- 切り餅4個
- 大納言小豆をボウルに入れ水洗いし、しっかり余分なゴミを取り除きザルで水切りします。
- 鍋に大納言小豆と水3カップを入れ、強火にかけます。
- 沸騰したらザルにあけて、茹で汁を捨てます。
- もう一度鍋に水3カップと小豆を入れ、強火にかけます。
- 煮立ったら差し水1/2カップを加え、弱火に落とし小さな泡と灰汁をすくいながら煮込みます。
- 小豆が指で潰せる程度の柔らかさになったら、少ない値の量の砂糖を入れ味を見ながら好みの甘さにし、味を含ませます。
- 小豆につやが出てきたら仕上げに塩を加え、お椀に注ぎます。
- 焼いた切り餅を乗せて完成です。
大粒で贅沢な「大納言の赤飯」
赤飯にはササゲという種類の豆を使用することがポピュラーですが、大納言は加熱しても形が崩れないため赤飯にも適しています。煮汁も使用するため、皮に含まれる栄養も残さず摂取できる効果的な食べ方です。このレシピは4人分です。
- 大納言小豆大さじ8
- 白米3合
- A.塩少々
- A.三温糖少々
- A.みりん小さじ1
- A.酒小さじ1
- 小豆をよく洗い水400㏄入れた鍋に入れ、沸騰させます。強火で3分茹で、茹で汁を捨てます。
- 再度水400㏄入れ中火で30分茹で、ザルで茹で汁と小豆に分けます。
- 白米を研ぎ炊飯窯に入れ、茹で汁を加えます。水を足して足りない分を補います。さらに大さじ8の水を余分に加えます。
- 茹でた小豆とAの調味料を加え炊飯し、混ぜ合わせお好みでごま塩をかけて完成です。
しっとりした口当たり「甘納豆」
- 大納言小豆150g
- A.グラニュー糖100g
- B.グラニュー糖100g
- グラニュー糖20g(仕上げにまぶす用)
- 小豆の割れた豆・虫食いのある豆を取り除き、よく洗い水を切ります。
- 鍋に小豆・水500mlを入れ加熱し沸騰させます。10分茹で、茹で汁を捨てます。
- 再度鍋に小豆・水400mlを入れ沸騰させ、弱火にし灰汁を取り差し水をしながら煮込みます。
- 指で潰せる柔らかさになったら、火を止め蓋をして30分蒸らし汁を捨てます。
- 別の鍋にAを入れ沸騰したら火を止め、小豆を入れオーブンシートをかぶせ冷蔵庫で一晩置きます。
- 翌日中火にかけ沸騰させて別の鍋にザルを置き、小豆と汁に分けます。
- 汁にBを加え沸騰させ、弱火に落として小豆を入れ30分煮ます。
- 汁気が少なくなったら小豆をザルにあけ、オーブンシートに小豆を広げ約4時間乾かします。
- 小豆が乾いたらボウルに入れ、グラニュー糖をまぶし完成です。
大納言のおすすめの食べ方レシピ【アレンジ編】
パーティーにもおすすめ「しるこフォンデュ」
おしるこに具材をディップするしるこフォンデュのレシピを紹介します。おしるこに餅を溶かし、具材に絡みやすくしています。チョコレートフォンデュよりカロリーが低く、果物やカットしたカステラやクッキーなどを付けてもおすすめです。
- 大納言小豆の粒あん200g
- 水1カップ
- 塩ひとつまみ
- 切り餅1個
- パン1個
- 好みの果物
- 餅を1㎝角程度に切ります。
- 鍋に粒あんと水を入れ、かき混ぜながら中火にかけます。
- 煮立ってきたら弱火にし2分煮ます。
- 塩・餅を加え溶かし、耐熱皿に入れます。
- 一口サイズに切った具材を盛り付け完成です。
栄養満点「大納言入り野菜スープ」
- 大納言1/2カップ
- 玉葱1/2個
- れんこん100g
- 人参1/2本
- セロリ1/2本
- トマト缶1缶
- にんにく1片
- 固形スープ2個
- 塩・こしょう少々
- オリーブオイル少々
- 鍋に小豆と水2カップを入れ、強火で煮立たせます。灰汁抜きと差し水をし、再度沸騰したらザルにあけ小豆と茹で汁を分けます。
- にんにくをみじん切り、他の野菜はサイの目切りにします。
- 鍋にオリーブオイルを入れにんにく・玉葱を炒め、香りが立ったら残りの野菜を入れます。
- トマト缶を加え、水・小豆の茹で汁を半分ずつ具材が浸る程度に入れ煮ていきます。
- 小豆を加え、具材が柔らかくなったら塩・こしょうで味付けをし完成です。
ヘルシーで食べ応え十分「大納言のドライカレー」
大納言小豆は良質なたんぱく質を含みカサ増しもなるため、ひき肉の量を減らしたヘルシーな食べ方が出来ます。小豆のコクで深い味わいのドライカレーです。ここでは大納言小豆の茹でた状態のものを使用します。このレシピは3人分です。
- ゆで大納言小豆50g
- 合いびき肉100g
- 玉葱1個
- A.塩少々
- A.トマトジュース1カップ
- A.カレー粉小さじ3
- A.砂糖小さじ1/4
- サラダ油適量
- 玉ねぎをみじん切りにし、サラダ油を引いたフライパンできつね色になるまで炒めます。
- ひき肉を加え色が変わったら、Aの材料・小豆を入れ、汁気が無くなるまで煮ます。
- ごはんを皿に盛りカレーをかけて完成です。
優しい甘味の「大納言とさつま芋のコロッケ」
- ゆで大納言40g
- さつま芋200g
- 玉葱1/4個
- ベーコン2枚
- 塩・こしょう少々
- 卵1個
- 小麦粉50g
- パン粉50g
- 揚げ油適量
- 玉葱・ベーコンをみじん切り、さつま芋の皮をむき2㎝幅程度に切ります。
- さつま芋を蒸し器で蒸し、マッシュします。
- フライパンでベーコン・玉葱をしんなりするまで炒め、さつま芋と混ぜ合わせ味付けします。
- コロッケ種が冷めたら丸め、小麦粉・卵・パン粉の順番に付けます。
- 170度の油できつね色になるまで揚げ完成です。
大納言の高級な味や香りを活かしてレシピを試してみよう!
大納言小豆はスイーツだけでなく、おかずにも活用でき栄養効果もアップする優れた食材です。味にも高級感が加わり食卓が華やぎます。ダイエットの強い味方でもあるので、様々な料理にプラスして試してみて下さい。