2019年02月06日公開
2024年09月02日更新
メープルシロップとはちみつの違い!栄養・甘味成分の比較や代用品も!
メープルシロップとはちみつには、どんな違いがあるのでしょうか?どちらもとろりとして甘く同じような色をしており、美容や健康に良いと定番の人気があるので、似ているイメージを持っている方も多いと思います。しかし実は、メープルシロップとはちみつは根本的に全く別の食材なのです。今回はそんなメープルシロップとはちみつの違いについて、原料やカロリー、味、栄養成分、美容・健康に良い効能、甘味成分、使い方や保存方法、代用品、注意点などについて徹底的に比較していきます。
目次
メープルシロップとはちみつの違いは何?
メープルシロップとは?
メープルシロップとは、ホットケーキやワッフルなどに使用される甘味料のことです。北米原産のカエデ科の木などに傷をつけてあふれ出した樹液を採取し、人工的に煮詰めて濃縮して作られています。40リットルの樹液を集めても、メープルシロップは1リットルしか作れません。流通しているメープルシロップの70%以上は、カナダのケベック州産のメープルシロップになります。
はちみつとは?
はちみつは、ミツバチが花の蜜を集めて巣に運び、ハチの体内酵素で分解されて熟成され貯蓄されたものです。1匹のミツバチが一生で集めるはちみつの量は、ティースプーン1杯程度といわれています。本来はちみつはミツバチの食料ですが、昔からジャムやのど飴などの食用や薬などに用いられています。はじめは野生のミツバチの巣から採取していましたが、今ではミツバチを飼育して採取したものから作られています。
原料やカロリー・味は?
メープルシロップの原料はカエデ科などの木の樹液で、カロリーは100gあたり256.9kcalです。さらっとしていてほのかな甘みが特徴で、植物の独特な渋みや香りを感じられます。一方はちみつは、花の蜜とミツバチの体内酵素が原料で、カロリーは100gあたり294kcalです。はちみつはどろっとしてコクがあり、メープルシロップよりも強い甘みを感じます。
はちみつは甘みが強い分カロリーが高く、さらっとしてほのかな甘みのメープルシロップのほうがカロリーが低いことがわかります。ダイエットをしている方には、カロリーの低いメープルシロップのほうが向いているといえます。
メープルシロップとはちみつの栄養成分の違い
メープルシロップの栄養成分
メープルシロップの栄養成分は、炭水化物と水分のほかにカリウムやカルシウム、マグネシウム、マンガンなどのミネラルが豊富に含まれています。特にカリウムの栄養成分が豊富に含まれており、メープルシロップにははちみつの約13倍のカリウムが含まれています。カリウムは、身体の細胞を正常に保ったり血圧を調整したりなど、体を良いバランスに保つ重要な働きがあります。
またカルシウムは、骨や歯を丈夫にしたり、血圧の上昇を防いで食べたものをエネルギーに変換する作用があります。最近ではメープルシロップにはポリフェノールが64種類も含まれているという研究結果が出ており、抗酸化作用によってアンチエイジング効果も期待できます。
はちみつの栄養成分
はちみつの栄養成分は、炭水化物を多く含む他にはカルシウム、ビタミンB1、B2、葉酸、鉄、パントテン酸、ナトリウムなど22種類ほどのアミノ酸や、27種類ほどのミネラル、約80種類の酵素などが含まれています。その中でもビタミンやナトリウム、ナイアシンの栄養素を豊富に含んでいます。
はちみつにいろいろな種類の栄養素が含まれているのは、はちみつの原料が花の蜜であり花粉が含まれているからです。ミツバチは蜜と一緒に花粉も集めるためはちみつに混ざり、花粉には他の器官よりもたくさん栄養素が含まれています。
どっちが栄養価が高い?
メープルシロップには、はちみつと比べて身体の機能のバランスを保つカリウム、骨や歯を丈夫にするカルシウム、糖質や脂質の代謝を促すマグネシウムの栄養素が豊富に含まれています。またポリフェノールの栄養素も多種類に渡って含まれています。一方はちみつは、メープルシロップと比べると、冷え性の改善に効果のあるナイアシン、神経の働きを正常に保つナトリウムが豊富に含まれています。
またはちみつは鉄分の栄養成分を豊富に含んでおり、メープルシロップの2倍近くの量があります。貧血などを起こしやすい方にはおすすめの食品です。表で比べてみると、メープルシロップ、はちみつのどちらにも、量に違いはありますが、肌の調子を調えたり粘膜の再生を助ける働きを持つビタミンB群や、不足しがちなミネラルを豊富に含んでいます。
豊富に含まれている栄養成分に違いはありますが、メープルシロップとはちみつはそれぞれ栄養価が高い食品ということがわかります。
メープルシロップとはちみつの効能の違い
メープルシロップの効能
メープルシロップの効能は、カリウムによるむくみの改善をはじめ、低GI食品としても注目を集めています。低GIとは、インスリンの分泌を抑えて血糖値の上昇を緩やかにしてくれることで、糖尿病予防の効能が期待されています。また、インスリンの分泌を抑えることで、摂取した糖が脂肪として蓄えられる働きが抑えられ、痩せやすい体を作りダイエットにも効果を発揮します。
また、メープルシロップに含まれる60種類以上のポリフェノールは、活性酸素を取り除く抗酸化作用があります。抗酸化作用により、肌のシミやシワ、血管の老化、動脈硬化などの予防の効能が期待でき、さらにアンチエイジングへとつながる効果を発揮するといわれています。アミノ酸やビタミンB群も含まれているので、健康や美容にも効果があります。そのほか、抗炎症作用や抗ガン作用の効能を期待できる研究が進められています。
はちみつの効能
はちみつには、メープルシロップにはない糖類であるブドウ糖を多く含んでいます。ブドウ糖は、体に吸収されやすく素早く脳や体のエネルギー源として働くため、疲労回復の効能に効果があります。また、冷え性の改善や貧血防止など女性に嬉しい効能があります。またはちみつには、グルコン酸という有機酸が含まれており、強力な殺菌作用・消毒作用の効能があるので、ケガをしたときの消毒薬としても代用が可能です。
はちみつには傷の回復を早める働きもあり、ちょっとしたヤケドにも利用できます。またはちみつの殺菌作用は、口内炎の治療にも効果を発揮します。そのまま口内炎に塗るか、はちみつを薄めた水でうがいをしても効果を発揮します。さらにはちみつは咳止めとしても民間療法で昔から使用されていますが、はちみつの殺菌作用で細菌の繁殖をおさえ、のどを潤す効能があるという研究結果で実証されています。
美容や健康にいいのはどっち?
出典: https://beeme.jp
メープルシロップは、むくみを改善し血糖値の上昇を抑える効果や、ポリフェノールによる生活習慣病の予防やアンチエイジング効果などの健康、美容ともに優れた効能があります。またはちみつは、疲労回復や冷え性の改善、貧血防止、殺菌作用や咳止めなどの健康や美容に役立つ効能があります。どちらもそれぞれ健康・美容に良い効能があるので、必要な効能に応じて上手に使い分けるのをおすすめします。
メープルシロップとはちみつの甘味成分の違い
メープルシロップの甘味成分
メープルシロップもはちみつもどちらも甘いですが、甘味成分に違いがあります。メープルシロップは、樹液を煮詰めたもので添加物などが含まれない自然の甘味料で、甘味成分の主成分はショ糖です。どの時期に樹液を採取するかによって色と味が変化し、それによって等級付けがされています。「ダーク」「ミディアム」などと等級がついたものは100%天然のメープルシロップで、糖度と透明度が高いほど高級品になります。
はちみつの甘味成分
はちみつは、ミツバチが花の蜜を集めて巣に持ち帰る過程で、花の蜜にミツバチの唾液が混ざります。唾液に含まれている消化酵素によって、花の蜜の主成分であるショ糖が分解されてブドウ糖と果糖になります。巣の中で水分が蒸発して濃厚な状態になるので、とろりとしたはちみつが出来上がります。またはちみつは、花の種類によって味や香り、色、栄養素も変わってきます。
代用はできる?
メープルシロップもはちみつも甘味料として扱えるので、コーヒーの砂糖の代わりに入れたり、ヨーグルトやドレッシングに混ぜたりして他の甘味料の代用として使っても美味しく頂けます。むしろその方がコクが出て美味しくなることもあります。またホットケーキにかけるメープルシロップの代わりにはちみつを代用したり、また逆にはちみつの代わりに砂糖を代用することも可能です。
しかし、メープルシロップは樹液が原料なので独特の香りが強いです。いつも砂糖を使っている代用として使用すると、料理によっては味や匂いが強調されるので代用しにくい場合もあります。一方はちみつは、無臭であり甘みが強くコクもあるので、煮物や肉の付けダレなどに使用すると、素材をやわらかくして照りを出してくれる効果があります。
ただし、1歳未満の赤ちゃんに与える時には、はちみつの代用はしないように注意が必要です。はちみつに含まれているボツリヌス菌は、1歳未満の子供の腸内に入ると悪影響を及ぼす場合があります。メープルシロップは離乳食に使用しても良いとされていますが、与え過ぎないように注意をしながら代用に利用するのがよいでしょう。
それぞれの使い方は?
メープルシロップの使い方は、そのままホットケーキやヨーグルト、パンなどにかけてメープルシロップそのものの甘さを楽しむのがおすすめです。特に等級の高いものほど、コクがあり美味しく頂けます。またお菓子や煮物の調理料として入れる使い方もあり、料理によって砂糖を使うよりより風味とコクを味わえます。また変わった使い方として、フレーバービールや直接肌に塗ってスキンケア効果を得るという使い方もあります。
はちみつの使い方は、まず40度以上に加熱するとはちみつの栄養素が壊れてしまうので、加熱しすぎないようにしましょう。はちみつは、ビタミンとブドウ糖がたっぷりで疲労回復に効果的な「レモンのはちみつ漬け」や、のどの痛みなど風邪に効く「はちみつ大根」、またホットドリンクに入れて体を温めたりと、体に優しい使い方がおすすめです。また肉を柔らかくしたり、魚の臭みを消したりする使い方もできます。
メープルシロップとはちみつの保存方法や注意点
保存に注意が必要なのはメープルシロップ
メープルシロップは未開封のボトルなら常温で保存しておくことができますが、開封してしまうとカビが発生しやすいので、冷蔵庫か冷凍庫で保管するようにしましょう。冷蔵庫に入れた場合は、味の劣化を防ぐためにできるだけ1か月以内に使い切るのがおすすめです。1か月以上かかる場合は、冷凍庫で保存してもよいです。メープルシロップは冷凍庫で凍ることなく、おいしく保存することが可能です。
はちみつは常温保存
はちみつは協力は殺菌作用があるので、開封しても賞味期限がとても長く、中には2年以上常温で保存できるはちみつもあります。日の当たらない湿気の少ない場所に、密封容器に入れて保管します。またはちみつは温度が下がると固まる性質があるので、冷蔵庫に入れたりすると結晶化して白く固まります。品質に影響はないので、50~60度のお湯に漬けると戻りますが、使用の手間を考えると常温保存のほうがよさそうです。
メープルシロップとはちみつの違いを活かして使い分けよう!
いかがでしたか?身近な甘味料であるメープルシロップとはちみつの違いについて、原料やカロリー、味、栄養成分とその効能、甘味成分の違い、それぞれの使い方や保存方法、注意点などについて詳しく紹介してきました。
メープルシロップとはちみつは、原料、カロリー、栄養成分などさまざまな違いがあり、効能や使い方も異なりますが、それぞれに甲乙つけがたい健康や美容に良い効能がありました。メープルシロップとはちみつのそれぞれの違いから生まれる良さを生かしながら、美味しく毎日の生活に取り入れましょう!