2019年01月21日公開
2024年08月29日更新
ブレンデッドウイスキーとは?シングルモルトとの違いや人気銘柄も紹介!
ブレンデッドウイスキーというお酒を知っていますか?ハイボールの人気の高まりにあわせて、ウイスキー人気が高まっています。好みの銘柄がある人でも、ブレンデッドウイスキー、シングルモルトくらいは何となく違いを知っていても、グレーンウイスキーやスコッチと言われると、違いが明確でないこともあります。日本人の口にも合うブレンデッドウイスキーのこと、人気銘柄やその味、おすすめの選び方をまとめます。これでウイスキーがもっと好きになり選び方も変わります。
目次
ブレンデッドウイスキーとは?
ウイスキーの基本として、ブレンデッドウイスキー、シングルモルトの違いを抑えることが必要です。ブレンデッドウイスキーは、多種多様な味わいが広がりオーケストラのようなもの、シングルモルトな個性を発揮するソロ演奏ともいわれます。
モルトウイスキーとグレーンウイスキーの違い
ブレンデッドウイスキーがどんなものかを知るためには、モルトウイスキーとグレーンウイスキーについて、知っておく必要があります。モルトウイスキーは、モルトといわれる大麦麦芽を原料にしています。一般的に、ポットスチルというウイスキー造りならではの1つの蒸留器で蒸留させる単式蒸留という方法で製造され、大量生産が難しくいですが、モルトそのものの風味が強く、個性のあるウイスキーといえます。
グレーンウイスキーは、大麦麦芽だけでなく、トウモロコシ、ライ麦、小麦などの穀物を原料としています。穀物類を英語ではグレーンと言うので、グレーンウイスキーと呼ばれます。一般的に、ポットスチルをいくつかつないだ構造で蒸留する連続式蒸留という製造方法で、大量生産も可能です。モルトウイスキーに比べると、クセが無く、すっきりとした味わいで、ほとんどがブレンド用として使われます。
ブレンデッドウイスキーの特徴
ブレンデッドウイスキーは、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせブレンドしているウイスキーです。1つの蒸留所のウイスキーだけでなく、いくつかの蒸留所のウイスキーをブレンドすることで、理想とする味に近づけています。
モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドするのは、多くの人にとって飲みやすいウイスキーにするためです。モルトウイスキーは、個性的な味がして好む人もいますが、強い味わいが苦手という人もいます。そのため、飲みやすい味を求めて、いくつかのウイスキーをブレンドしているので、ブレンデッドウイスキーの原材料には「モルト、グレーン」と表記されているものもあります。
ブレンデッドウイスキーの味わい
ブレンデッドウイスキーは、飲みやすさを求めて造られているので、香りや味に特徴がありつつ、穏やかな味わいのものが多いです。シングルモルトとして味わうには強すぎるものでも、モルトウイスキーの強い風味と、グレーンウイスキーの軽やかさをあわせて、香りは強めでも飲みやすい味わいといったものもあります。それでも、ブレンドの具合によって個性をだしているので、複雑な味わいのものもあります。
ブレンデッドウイスキーと比較されることもある、シングルモルトウイスキーは、モルトウイスキーの中でも、1つの蒸留所で醸造されたウイスキーです。シングルモルトは醸造された蒸留所の個性が強く、蒸留所の名前がそのままブランドの名前にしているものが多くあります。シングルモルトウイスキーでも、別の蒸留所のものと合わせているものは、ヴァッテッドモルトウイスキーと呼ばれます。
ブレンデッドウイスキーの選び方【産地】
世界中で飲まれているウイスキーですが、5大産地で世界中の9割りが造られています。スコッチ・カナディアン・アメリカン・アイリッシュ、そして日本です。この中でも特に日本で目にすることの多い、3つの産地の特徴で、選び方に迷ったら、産地ごとの特徴や違いを抑えておくと好みのものを選びやすくなります。
種類豊富なスコッチウイスキー
スコッチウイスキーは、イギリス北部のスコットランドを産地とするウイスキーです。「スコッチを」とバーで注文する人もいて、個性の強いシングルモルトウイスキーもありますが、ブレンデッドウイスキーの種類が豊富にあります。どのウイスキーを飲もうか迷った時には、スコッチウイスキーの中から、好みを探すというのもおすすめです。
香りに特徴があるものが多く、スモーキーな香りや、芳醇で豊かな味わいといったものが特徴です。よく目にする銘柄では、「バランタイン」「シーバスリーガル」「ジョニー・ウォーカー」「オールド・パー」などがあります。熟成の年数によって、価格も異なりますが、手頃な値段のものも多く市販されています。
ライトな味のカナディアンウイスキー
カナダで造られるカナディアンウイスキーは、トウモロコシを主原料とするベースになるウイスキーの配合が9割以上で、クセが無く飲みやすいという特徴があります。スコッチウイスキーとは大きく違い、軽快な味わいなものが多く、ウイスキーを飲みなれていない人でも飲みやすく、果汁やリキュールなどと合わせてカクテルに使われることも多いです。
カナディアンウイスキーの代表銘柄といえば「カナディアン・クラブ」で「C・C」の愛称でも親しまれています。香りや刺激的な味わいではないので、食事とも合わせやすいですが、スモーキーな香りや、余韻のある味わいを楽しみたい人には、物足りないかもしれません。
日本のジャパニーズウイスキー
スコッチウイスキーの流れをくむのが、日本のウイスキーです。スコッチウイスキーよりも、スモーキーさをおさえて、丸みのある味わいを造り出していることで、日本人に合いやすいだけでなく、世界からもジャパニーズウイスキーとして注目されています。他の産地と明らかな違いは、繊細なブレンドとも言え、優しい香りや口当たりでも、余韻が広がるような日本人の口に合いやすいのが特徴です。
「山﨑」「白州」「余市」といった人気のシングルモルトウイスキーもありますが、ジャパニーズウイスキーを代表するブレンデッドウイスキーでは「響」があります。日本ならではのミズナラの木樽で造られたウイスキーをベースにしていて、30種以上のウイスキーをブレンドして造られています。「角瓶」「ブラックニッカ」という、長く多くの人に愛されているブレンデッドウイスキー銘柄もあります。
ブレンデッドウイスキーの選び方【熟成年数】
ウイスキーは樽で寝かせて熟成させるという工程があります。この工程のおかげで、独特の色と香りがつき、深い味わいをつくっています。熟成させる年数によって、味や香りが違い、この年数での選び方というのも1つの方法です。
熟成年数が若いとキリッとした味で価格も手ごろ
ウイスキーには「ザ・マッカラン15年」「山﨑10年」「バランタイン12年」という具合に、年数が銘柄についているものがあります。これは熟成させた期間で、10年以上のものがよく銘柄に表記されています。まだ熟成期間が比較的若い3~5年くらいのものは、熟成年数を重ねたものよりも、比較的安い価格になっています。若いからといって、質が劣るのではなくて、熟成させる手間や時間がかからないということだけです。
ウイスキーは蒸留酒ですが、ジンやウォッカといった透明な蒸留酒と比べると、茶色になっています。これは、蒸留したウイスキーを樽で寝かせて熟成させる工程があるからです。熟成年数が若いウイスキーは、色が茶色でも薄い色のものが多いです。味わいは、まろやかになる前のキリッとするような感覚や、アルコールそのものの刺激を楽しむことができます。手ごろな価格でウイスキーの味を比べるには、若いものがおすすめです。
熟成年数が古いとまろやかで芳醇
熟成年数が10年以上、中には20年、30年といったウイスキーもあります。こうした熟成年数が長いものは、価格が高価なものがほとんどです。これは、熟成させている長い年月の手間に加え、ブレンデッドウイスキーになると20年前にブレンドした原酒は、現在ではすでに手に入らないものもあるなどの希少価値ということもあります。
熟成年数が長いものは、そのウイスキーそのものの量には限界があるという意味でも価値が高くなります。味わいは、30年のものが必ず美味しいとは限らず、20年くらいが舌にもなじみやすいとか、15年くらいのものの方が、キレとまろやかさを堪能できるという人もいます。好みの銘柄のブレンデッドウイスキーができたら、熟成年数を若い方から順番に試して、好みの年数を見つけるというのも、ウイスキーならではの楽しみ方です。
ブレンデッドウイスキーの選び方【飲み方】
ブレンデッドウイスキーの選び方にこだわったら、飲み方にもこだわりたいものです。飲み方の選び方でウイスキーの味が違い、それを楽しむというのもかなりのウイスキー通になれます。
ストレートなら度数と口当たりをチェック
「ストレート」は、小さなグラスに、ブレンデッドウイスキーを半分ほど注ぎ入れて味わう飲み方です。ウイスキーの特徴がそのまま口に入るので、アルコール度数が高すぎない40度から45度のものがおすすめです。香りと味がダイレクトに分かるので、好みの銘柄ができたら、ストレートを試して特徴を知ることもできます。初めてストレートを味わうなら口当たりの良い、ジャパニーズウイスキーなどがおすすめです。
ストレートで味わうときには、チェイサーという水を準備します。ウイスキーのダイレクトな味わいで、刺激された口の中、舌の上をこのチェイサーを飲むことで、リフレッシュさせます。氷水に限らず、常温の水でも、ウーロン茶などでもチェイサーになります。ストレートの場合は、グラスの縁いっぱいにまで注ぐと、香りが広がりにくいので、半分くらいにして、強いと思えば、氷や水を足せるようにして味わいます。
水割りにはすっきりとした味がぴったり
ウイスキーを優しくマイルドに味わいたいのであれば、水を足した「水割り」がおすすめです。水割りには、すっきりとした味わいの、カナディアンウイスキーやジャパニーズウイスキーが適しています。水割りという飲み方は、日本ならではともいえる味わい方で、ビールや日本酒、焼酎などアルコール度数がウイスキーの半分くらいのものに慣れていたので、ウイスキーをそのまま味わうには強すぎたので、水で薄めたのが始まりです。
水割りにするときには、グラスに氷をいくつかいれて、そこにブレンデッドウイスキーと水を注ぎ、軽く混ぜて味わいます。氷をいれなくてもよいですし、アルコールに弱いけれど、食事やおつまみにあわせて飲みたい時には、水を多めにしても構いません。
ロックなら氷に負けない味わいを
大きめの口をしたグラスに、大きな氷を入れてそこにウイスキーを注いだものが「ロック」です。「オン・ザ・ロック」ともいわれます。氷がゆっくりと解けて、ストレートよりも、口当たりがやわらかくなり、時間の経過にあわせて、香りや味わいの変化を楽しめる飲み方です。氷が入ることで、香りの広がりが弱まるので、刺激的な香りのするものやアルコール度数の高いもの、シングルモルトを選ぶのがおすすめの味わい方です。
バーなどでは、ロックの場合、溶けにくく固い氷を使います。中には丸く削った氷を使っているところもあり、氷の角が口にあたらず、ウイスキーとの馴染みをよくする効果があります。量は飲まなくても、じっくりと時間をかけて味わいたい時には、ロックがおすすめです。スモーキーな香りがストレートでは飲みにくいと感じるブレンデッドウイスキーでも、ロックにすることで味わいやすくなるものもあります。
ハイボールにはクセのある銘柄が合う
ウイスキーをソーダで割る「ハイボール」は、爽やかな口当たりで、若い人にも人気があります。ハイボールにするのであれば、優しい香りやマイルドな味わいのブレンデッドウイスキーでは、味が炭酸の刺激に負けてしまうので、クセの強いものがおすすめです。独特な香りを抑えたい時には、レモン果汁を加えて、香りの変化を楽しむこともできます。
ハイボールを作るときには、グラスに氷を入れブレンデッドウイスキーを入れたら、その時点でかき混ぜて、炭酸水を注いでからは、軽く混ぜる程度にするというのがコツです。炭酸をいれた後にたくさんかき混ぜてしまうと、炭酸がなくなってしまいます。炭酸水の選び方で味も違い、ほんのりとした甘味のあるトニックウォーター、微発泡のミネラルウォーターで割る味わい方もあります。
ブレンデッドウイスキーの人気おすすめランキング10選
日本で人気の、ブレンデッドウイスキーの10銘柄を紹介します。ブレンデッドウイスキーの選び方に迷った時の参考にしてください。
第10位:ロックで味わいたい人に「富士山麓」
キリンから販売されている「富士山麓」は富士山からの湧水を使い、樽の状態に近い香りを残したブレンデッドウイスキーです。アルコール度数は50度と高いですが、ジャパニーズウイスキーならではのまろやかさもあり、ストレートやお湯割りで香りを広げて味わうのがおすすめです。
第9位:甘さとフレッシュさを味わえる「ホワイトホース」
値段がやすくてもバランスが良く人気の銘柄が「ホワイトホース」です。グレーンウイスキーならではの、花のような香り、蜜のような甘みも感じられて、若々しくフレッシュな味わいです。ハイボールにして味わうのにもおすすめです。
第8位:スコッチを代表する「シーバスリーガル12年」
12年の熟成がありながらも、ほど良い余韻で軽やかな味わいが楽しめるのスコッチウイスキーが「シーバスリーガル12年」です。18年、25年といったものもありますが、12年はグレーンウイスキーのバニラやナッツのような香りも残り、飲みやすくなっています。
第7位:バーボンの最高峰「ウイスキーブッカーズ」
バーボンはアメリカのケンタッキー州周辺で造られるウイスキーのことです。バーボンの中でも人気が高いのが「ブッカーズ」です。アルコール度数が63.7度と高いですが、グレーンウイスキーをたっぷりと使い、まろやかな味になっています。
第6位:ストレートで味わいたい「フロム・ザ・バレル」
ウイスキーの強い香りが苦手という人にもおすすめなのが「フロム・ザ・バレル」です。日本で造られ、割水をしていないながらも、甘い香りと味が特徴的です。ストレートにも、ハイボールにもおすすめな味です。
第5位:スコッチウイスキーの代表的銘柄「バランタイン17年」
スコッチらしい深みのあっておすすめなのが「バランタイン17年」です。スモーキーな香りがするため、熟成させた深みや奥行きを楽しみたい方におすすめです。ノンエイジングのものから30年というものもあるので、熟成期間での違いも楽しめる銘柄です。
第4位:コスパが良くバランスも良い「ブラックニッカ」
ジャパニーズウイスキーで、水割り、ハイボールでもウイスキーの香りがほんのりとする「ブラックニッカ」が、価格も手ごろでおすすめです。毎日飲みたいという人にも、値段での負担が少なく、飽きのこない味は、さすがジャパニーズウイスキーといえます。
第3位:ハイボールやカクテルに!「サントリー角瓶」
日本で長く、多くの人に愛されているのが「サントリー角瓶」です。「角」として常備している飲食店も多く、水割りやハイボールにしても軽やかでドライな味わいが楽しめるウイスキーです。女性でも、レモンやライムなどを足して、カクテル風にして楽しむのもおすすめです。
第2位:香りと爽やかさ「イチローズモルト&グレーンホワイトラベル」
日本で大手メーカーではなく、ウイスキー造りをする先駆けともいえるのが「イチローズモルト」です。柑橘系のフルーツのような香り、爽やかな口当たりが楽しめるウイスキーです。大量生産をしているのではないので、手に入りにくいかもしれませんが、ウイスキー好きな方へのプレゼントにもおすすめです。
第1位:クセがなく繊細な味わいはノンエイジングで「響」
おすすめで人気の1位は、「響」です。高級イメージーですが、熟成年数を明示していない、ノンエイジングのものであれば、手を出しやすい価格であります。17年、21年といった深みはない代わりに、クセがなくモルトとグレーンウイスキーのバランスが良く、香りもあってロックで味わうのにおすすめの銘柄です。
ブレンデッドウイスキーの人気銘柄を飲んでみよう!
シングルモルトのように強い個性はないですが、ブレンデッドウイスキーには多様な香りや複雑な味わいがあり、好みの味を見つけるのが楽しいウイスキーです。選び方で迷ったら、産地や熟成年数、おすすめ人気銘柄を参考に、先ずは好きな味を見つけてみてください。