アカイカとは?味/さばき方/美味しいレシピなど紹介!
アカイカというのはアカイカ科として本種のイカを指していますが、ケンサキイカやソデイカあるいはスルメイカまでもが地方によってアカイカとして流通しています。その得体のしれないアカイカの旬やさばき方、味の特徴からアカイカを使った沖漬けなどの簡単なレシピも紹介します。また、アカイカは生でよりも冷凍の状態で流通することが多いイカなので、その実態も調べてみるとともに、アカイカの保存方法も併せて紹介します。
アカイカとはどんなイカか見ていこう
アカイカの生息地や旬
アカイカは外洋性の大型種で、季節的に南北回遊を行っています。春から夏に掛けてはエサを求めて北上し、秋から冬に掛けては産卵場となる亜熱帯地域に南下します。また、夜は水深にして50mくらいから昼間はその10倍くらいの水深まで、垂直に移動する棲息を繰り返してもいます。これにはアカイカが、エサを捕獲するためと外敵から身を守るためという、二つの理由が考えられます。
アカイカの旬としては、やはり夏場というのが適当になります。アカイカの種類や大きさによっては一年中獲れることや、市場に流通しているのが冷凍状態が多いことなどもあって、アカイカの旬はあってないようなものとも言えます。
アカイカの特徴
アカイカの寿命は、他のイカと同様で一年です。他のイカと異なるのはメスのほうがオスよりも大きいということで、オスのアカイカは45cmほどですがメスは60cmほどになるものもいます。アカイカの種類であるアメリカオオアカイカなどは、外套長1.75mにも達します。アカイカは生きているときは透明ですが、興奮したり釣り上げられたりすると赤色に変色します。また、アカイカはヤリイカなどと比べると触腕が長いのも特徴です。
アカイカは大型で肉厚の特徴をもっていて、加工用に使用されることが多いイカです。フライや中華料理の炒め物などに多用されています。そのためもあって、冷凍状態で流通することが普通で、アカイカが生で流通することのほうが稀です。釣り上げたようなケースでアカイカの鮮度の見分け方は、イカ一般がそうであるように、簡単に色の変化で見分けます。アカイカは時間経過とともに透明から赤色、そして白色と変化します。
また、胴体が太くて丸く張りのあること、はっきりと黒い目などが鮮度を見分ける基準にもなります。しかし、これも加工され冷凍されたアカイカでは見分けは困難になります。
アカイカの種類とは?
アカイカと呼ばれるイカはいろいろ多くあります。アカイカと同じ種類でも地方によって呼び名が異なるケースと、アカイカの種類ではないけれど地方によって、それをアカイカとして流通させているケースの両方です。前者の例では「ゴンドウイカ」「バカイカ」「ベニイカ」「ムラサキイカ」などがあります。後者の例は「ソデイカ」や「ケンサキイカ」に、「スルメイカ」も所によってはアカイカと呼ばれています。
アカイカの味は淡白
アカイカは大型のイカで、味は淡白で甘味や旨味はそれほど強くありません。ただ、生でも加熱調理をしても、身が変わらず柔らかいのが特徴です。この特徴を活かして燻製や裂きイカなどの加工惣菜とか、フライや中華などの加熱料理にも人気のイカでもあります。いずれの場合も、アカイカの甘味や旨味の薄さを補う必要から、沖漬けのように濃いめの味付けが施されているのが一般的です。
アカイカのさばき方
美味しいアカイカの選び方
前述したように、冷凍状態のアカイカは加工されてもいますので、美味しいアカイカの選び方とはあくまで生のアカイカが対象になります。簡単な見分け方としては、アカイカは時間経過とともに、透明から赤色、次に白色と変色していきます。したがって、できれば透明のアカイカかそれでなくても濃い赤色のものを選びたいものです。刺身で食べるためなら白色のアカイカは避けたほうがよいでしょう。
色以外のアカイカの鮮度の簡単な見分け方としては、アカイカの胴の張りを見ることがたいせつです。イカは一般的に鮮度が落ちてくると、まず内臓が潰れてきます。イカのお腹がペコリと平たくなっているような見た目の場合は、かなり鮮度が落ちているとみなしてよいでしょう。逆に、新鮮なアカイカは胴が丸く太っていて張りがあります。また、くっきりした黒い目をしたアカイカは、鮮度が良いことの証になります。
さばき方①内臓を取り出す
アカイカのさばき方は簡単です。イカ全般がそうであるように、まずイカの胴から内臓とゲソを取り出します。この際に、アカイカの内臓を後で料理に使用する場合は、取り分けるためのトレーをいくつか用意するとよいでしょう。アカイカのエンペラのある側を上にしてまな板にのせます。アカイカの胴の中に指を差し込み、胴と内臓がつながっている部分を指で切り離し、ゲソを持って引っぱると内臓ごと引き抜けます。
次にアカイカの胴をひっくり返して、胴にくっついている軟骨を引き抜きます。あっけないほど簡単に内臓が引き抜けたはずです。後は内臓とゲソを切り離します。その場合に、内臓や墨袋を使用する場合には内臓からワタがこぼれ出ないように、ゲソの軟骨に近い個所で切り離します。また、墨袋が内臓に沿うようにくっついていますから、これを傷つけないようにやさしく内臓から外します。これらをトレイに別々に取り分けておきます。
ただし、アカイカの場合は入手した時点で墨が吐かれているケースがほとんどです。その場合にはアカイカの墨で汚れた所を流水できれいに洗い流す作業が必要になってきます。これで、アカイカの内臓のさばき方は終了です。
さばき方②皮とゲソを処理する
アカイカの皮とゲソのさばき方は、他のイカと異なることはなく簡単なさばき方になります。まずは胴の皮を剥きます。エンペラの中心部分の身との間に親指を差し入れて、エンペラをつかんだままアカイカの尖った先端から、ゲソのあった方へ剥き始めます。エンペラごと皮もきれいに剥き取ることができます。エンペラの皮も中心に指を差し入れてやれば、同じように簡単に剥くことができます。
アカイカのゲソの目と目の間に、縦に包丁で切れ目を入れます。両目の周囲に浅く切れ込みを入れて、目玉を取り出しやすくしたら、これ以降の作業は水を張ったボウルの中で行います。アカイカの目玉やクチバシをボウルの水の中で取り除けば、目玉から液体が飛び出して周囲を汚す恐れもなくなります。きれいに洗ったら、キッチンペーパーなどで水気をしっかりとふき取っておきます。後はゲソを適当に切り分けるだけです。
アカイカの簡単美味しいレシピ
ご飯もお酒も進む「イカの沖漬け」
イカと言えば定番レシピは簡単なご飯も酒も進む「イカの沖漬け」になります。もちろん、アカイカでも沖漬けは可能です。今回の簡単沖漬けのレシピは、釣りたての活きているアカイカを前提にしていますが、刺身用のアカイカでも同じ手順で作ってください。沖漬けを柚子風味に仕上げた簡単なレシピになっています。
- アカイカ3ハイ
- 醤油200cc
- ミリン100cc
- 酒200cc
- 砂糖大さじ1
- 鷹の爪1本
- ゆずの皮(なければ柚子の粉末)適量
- 水100cc
- 酒とミリンを鍋に入れて、強火で沸騰させアルコールを飛ばします。水、砂糖、醤油、柚子、鷹の爪も鍋に加えて、ひと煮立ちさせ冷ましておきます。
- 冷めたら沖漬け用のアカイカが入る、適当な大きさのタッパーか瓶に1.のタレを移しておきます。
- 釣り上がったアカイカは一度バケツなどに入れてスミを吐かせます。その後、クーラーボックスでザルなどの上に置いて、アカイカが息絶えるまで水分を出させます。
- アカイカをタレの入った沖漬け容器に漬け込んで、1~2日経過すれば簡単に完成です。
- 沖漬けのポイントはタレを煮詰めないことと、漬け込む前にアカイカの水分を極力抜いておくことです。
白ワインでふっくら「イカと玉ネギのガーリック炒め」
白ワインをからめることで、ふっくらとした味に仕上がる「イカと玉ネギのガーリック炒め」のレシピです。ヘルシーなうえ、沖漬け同様おかずにもつまみにも向く簡単レシピとなります。
- アカイカ1パイ
- ★白ワイン小さじ1、塩コショウ少々
- 玉ネギ1/2個
- ジャガイモ(メークイン)1個
- ニンニク1片
- ☆白ワイン小さじ2、醤油小さじ2、塩コショウ少々
- ドライパセリ小さじ2
- オリーブオイル大さじ1
- バター10g
- アカイカは皮の付いたまま胴とゲソを使います。さばき方のところで紹介したように掃除した胴は、1cm巾の輪切りにします。同じく掃除したゲソは2本に切り分けます。ボウルにアカイカを入れて★の調味料をからめて下味をつけておきます。
- 玉ネギは1cmはばに切り分けます。ジャガイモは適当な大きさで棒状に切ります。ニンニクは薄切りにしておきます。
- フライパンにオリーブオイルを熱して、玉ネギとジャガイモを透き通るくらいに炒めてから取り出しておきます。
- フライパンにバターとニンニクを加えて熱し、バターが溶けだしたらアカイカも加えて炒めます。玉ネギとジャガイモも戻し入れて☆の調味料を加えます。全体を混ぜ合わせたら器に盛り、ドライパセリを散らしたら完成です。
こってり味付けで子供も喜ぶ「アカイカのフライ」
生のアカイカでも冷凍のアカイカでも可能なレシピで、こってりとした味つけは子供も喜ぶおかずになる「アカイカのフライ」のレシピです。フライはアカイカの持ち味が活きるレシピになります。冷凍のアカイカを使用する場合は、解凍してから衣をつけるように注意してください。
- アカイカ100g
- 小麦粉・溶き卵・パン粉各適量
- サラダ油適量
- ☆とんかつソース大さじ1、ケチャップ大さじ1、マヨネーズ大さじ1、レモン汁少々
- アカイカは適当な大きさに切り分けます。アカイカに小麦粉、溶き卵、パン粉の順にまぶし、180℃の油で3分ほどこんがりとした揚げ色がつくまで揚げます。
- ☆の材料を混ぜ合わせておきます。
- アカイカのフライを器に盛り、ソースを回し掛けるか別の器に盛って付けながらいただきます。
風味の良い本格簡単レシピ「明日葉とイカのパエリア」
フライパンを使ってできる本格的でかつ簡単なパエリアのレシピです。明日葉の風味が利いた、美味しい「明日葉とイカのパエリア」になります。
- 明日葉50g
- アカイカ1パイ
- 玉ネギ1/4個
- ニンニク1片
- オリーブオイル大さじ1
- 白ワイン大さじ1
- ホールトマト缶1/2缶
- 鶏ガラスープ400cc
- 米(無洗米)2合
- 塩小さじ1/2
- レモン適宜
- 明日葉は洗って、葉は3cm長さに茎は小口切りにします。ニンニクと玉ネギはみじん切りにします。
- アカイカの胴とゲソは、さばき方のところで紹介したように掃除した後、胴は1cm巾の輪切りにしゲソは2本に切り分けます。
- フライパンにオリーブオイルを入れて、ニンニクを加え香りが立ってきたら玉ネギと明日葉の茎を加えて炒めます。
- 3.のフライパンにアカイカと白ワインを加えて、アルコールが飛んだらホールトマトをつぶしながら加えます。
- さらに鶏ガラスープと米を加えて、蓋をして中弱火で15分蒸し煮します。明日葉の葉を加えてさらに3分加熱したら蓋を取り、水分を飛ばします。
- 器に彩りよく盛って、お好みでレモンを飾ったら完成です。
アカイカの保存方法
アカイカの冷蔵保存方法
アカイカにかぎらずイカは鮮度が落ちやすい食品です。特に、内臓は傷みやすいので新鮮なうちに解体、掃除をして、部位ごとに分けて保存することが大切です。これまで紹介したアカイカのさばき方で、部位ごとにさばいたら水気をしっかりとふき取り、使いやすいサイズにカットしてタッパーなどに入れて冷蔵保存します。2~3日で食べきるのなら冷蔵庫における保存で大丈夫です。
アカイカの冷凍保存方法
イカは水分が基本的に少ないために冷凍保存にむいています。解凍後の使用方法によって皮をつけたままか皮を剥いて、キッチンペーパーでしっかりと水気をふき取って適当な大きさにカットしてから、冷凍保存用のジッパー袋に入れて保存します。刺身用に冷凍保存する場合は、一度ラップにくるんで冷凍にかけます。冷凍保存ならば1ヵ月ほどは保存可能です。
アカイカの解凍方法
アカイカを解凍するときはアカイカを空気に触れさせると、旨味が逃げてしまうことに注意しなければなりません。袋に入れたまま水にさらすか、冷蔵庫で自然解凍するかがおすすめです。内臓は傷みやすいので一つずつラップして冷凍保存して、解凍せずに冷凍状態のまま加熱調理する方法で使います。
アカイカは味良し料理のアレンジも良しの万能イカ
アカイカは味も良しのうえに、料理のアレンジも良しの万能なイカだと言えます。沖漬け以外の料理に用いるのには、アカイカは捌かねばなりません。胴と内臓を分け、内臓も墨袋を注意深く外しゲソと分けねばなりません。そんなアカイカのさばき方をここまで紹介してきました。アカイカをきれいに捌いたうえに、その場でいろいろな料理に用いるのもよいし、冷凍して後日使用するのもよいというアカイカを堪能しましょう。