獅子柚子(鬼柚子)の食べ方と保存方法は?栄養価・効果も紹介!
獅子柚子を知っていますか?鬼柚子とも呼ばれ、大きな柚子に似たインパクトのある見た目が特徴の柑橘類です。縁起物としても知られお正月に飾られることもあります。今回は獅子柚子(鬼柚子)についてまとめました。ピールなど獅子柚子のおすすめの食べ方と旬、保存方法をはじめ、栄養効果や文旦との意外な関係についても解説します。獅子柚子について詳しくなり、美味しく食べましょう。
獅子柚子(鬼柚子)について詳しくチェック!
柚子のような大きな柑橘類、獅子柚子を知っていますか?あまりスーパーなどでは見かけない果実ですが家庭で栽培されていて誰かからもらったことがある人もいるかもしれません。今回は獅子柚子についてまとめました。食べ方や旬と保存方法、栄養とその効果についても紹介します。
獅子柚子は柚子ではなく文旦の仲間
獅子柚子は鬼柚子とも呼ばれ、「柚子」という名前がついていますし見た目は巨大な柚子のようで、柚子だと思われがちですが実は柚子ではありません。ミカン科ミカン属ブンタン類に分類され、文旦の仲間です。原産は中国で奈良時代に日本に入ってきたと言われています。
獅子柚子(鬼柚子)は縁起物として飾られることもあります。鬼の顔のような見た目から邪気を祓うといわれたり、大きいことから実入りがいい、先客万来、お金が入ると言われたりもします。このことから料理屋さんで飾られたり、お正月の縁起物として大きな鏡餅の上に飾られたりします。
獅子柚子の特徴
獅子柚子(鬼柚子)は柑橘類の中でも名前に反して文旦の仲間ということですが、柚子や文旦と比べてどんな特徴があるでしょうか?獅子柚子(鬼柚子)は見た目の特徴は柚子に似ていて一見巨大な柚子のようです。皮は黄色くとてもごつごつしています。この大きくてごつごつした見た目の特徴から獅子柚子・鬼柚子という名前がつけられたのでしょう。とても大きな実で直径20cmほどになり、大きさを普通の柚子と比較すると4倍ほどもあります。
獅子柚子を切ってみると、これほど大きい果実の割りに中の果肉部分は少なくグレープフルーツほどしかないことがわかります。果肉は水分が少なく、触った感じはパサパサとしています。その代わり、文旦と同じように表皮と果肉の間にある白いふわふわしたアルベドと呼ばれる部分がとても厚いのが特徴です。
獅子柚子(鬼柚子)の見た目以外の特徴は、香りと味です。香りは柚子と違いあまり強くありませんが、柑橘系独特の良い香りがします。食用にもなりますが、同じ仲間の文旦はそのまま美味しく食べられるのに比べ、獅子柚子は生で食べるのはあまり美味しくありません。
獅子柚子の味の特徴は、酸味は柚子ほどきつくなく、果肉部分はパサパサした感じではっきりしないボケた味がします。食用にするならそのまま生食よりも調理・加工してからの方が食べ方としてはおすすめです。
獅子柚子の旬と収穫時期
獅子柚子(鬼柚子)の旬は柚子の旬と同じく11月~12月頃です。獅子柚子は関東以西で栽培され、早い地域では10月中旬頃から収穫でき、12月中旬頃までとなります。獅子柚子はお店で売られているのを見かけることは少ないですが、これは柑橘類としてはあまり美味しいものではないので商業用というよりも園芸用としての栽培が多く、家庭で観賞用に栽培されているためです。
獅子柚子(鬼柚子)の食べ方と保存方法
獅子柚子はピールにして甘いおやつに
獅子柚子(鬼柚子)のおすすめの食べ方のひとつは皮をピールにすることです。ピールとは砂糖漬けの果皮のことで、柑橘類の皮の食べ方として一般的です。この食べ方は文旦でもよくされますが、文旦の仲間ある獅子柚子も同じ食べ方で美味しく食べることができます。作り方は文旦ピールと同じで大丈夫ですが、苦味が文旦より少ないので茹でこぼしは1回でも大丈夫です。
グラニュー糖をかけても
— G.Grace (@g_musica) November 27, 2019
溶けなくなってきました😊
そろそろ完成間近かな?😋
獅子柚子のピール✨ pic.twitter.com/jyAudzm9GW
- 獅子柚子1個
- 砂糖は獅子柚子と同じ量
- グラニュー糖大さじ1
- 獅子柚子1個は表面を塩で良く洗い皮をむきます。8等分など大きめのままで大丈夫です。
- 白い綿状の部分を少し取り除き、たっぷりの水につけて一晩おいておきます。苦味が苦手な人は水に浸す時間を長めに置いてください。
- 獅子柚子を充分水に浸した後は新しい水に換えて塩少々を加えたら鍋で煮ます。何度か煮こぼして苦味と渋みを取ります。
- ひたひたの水と、砂糖を加えて中火で上下を返しながら水分がなくなるまで煮詰めてグラニュー糖をまぶし、乾燥させます。
獅子柚子ピールの乾燥方法は自然乾燥のほか低温のオーブンで乾燥させることもできます。100度くらいの低い温度で3時間くらい乾かしてください。乾燥させないで砂糖で煮詰めた状態を冷凍保存してもいいでしょう。
獅子柚子ピールの食べ方はそのままでも美味しいですし、チョコレートをコーティングするのもおすすめです。獅子柚子チョコピールを作る方法は、溶かしたチョコレートに棒状に切ったピールをくぐらせるだけなので簡単です。お好みの食べ方で楽しんでください。
獅子柚子はマーマレードにして用途いろいろ
もうひとつ獅子柚子(鬼柚子)のおすすめの食べ方はマーマレードです。マーマレードの場合は皮だけでなく果肉も使います。白い綿状のアルベドの部分は好みで少し取り除くか黄色い外皮の部分だけを使ってもいいでしょう。獅子柚子は苦味が少ないですが気になる人は皮を茹でこぼして苦味を抜いてから煮てもいいでしょう。獅子柚子マーマレードのレシピの材料は獅子柚子2個分です。
- 獅子柚子の皮400g
- 獅子柚子の果肉300g
- 砂糖400g
- 水300cc
- レモン汁大さじ1
- 獅子柚子をきれいに水洗いしたら皮の黄色い部分を剥いて細切りにします。果肉の方はあま皮を取り除いておきましょう。
- 鍋にレモン汁以外の材料を入れて中火にかけ、砂糖が溶けて水分が出てきたら弱火にします。
- 木杓子などで混ぜながら焦げ付かないように煮詰めます。だいたい1時間くらいです。
- 仕上げにレモンを加え、消毒した瓶に入れて完成です。
獅子柚子をマーマレードやジャムにしておくといろいろな利用方法ができます。そのままパンにつけるなどして食べるのはもちろん、ケーキに入れたり、寒天やゼリーに入れたりするのもいいでしょう。肉料理や、柚子味噌などにも使えます。
獅子柚子は室内保存でOK
獅子柚子(鬼柚子)の保存方法は常温で大丈夫です。観賞用にも使われる獅子柚子ですが、室温に置いて飾っておいても日持ちがします。常温保存の場合、まだ黄色くなっていない青みの強いものならひと月置いておいても大丈夫です。黄色く色づいて香りが出てきたものの保存期間は2週間程度です。飾った後で食べたいときは香りが損なわれる前に使用したいので、黄色くなった後はあまり長く保存しないで早めに使うのが良いでしょう。
獅子柚子は冷凍保存もできる
オニユズ(鬼柚子)をもらう。シシユズ(獅子柚子)とも、昔はジャガタラ柚とも。大きいが、中身は外皮と果肉の間の白いところが分厚い上、食用にはイマイチ。ママレードかピールにすればまあまあいける、という話。……冷凍保存して冬至に風呂へ入れようかな……🍊🛁 pic.twitter.com/9CXjZUaAQ3
— 誠の栞 (@bkmakoto) November 24, 2018
獅子柚子が黄色く色づいた後すぐに使わないなら、冷凍保存することもできます。冷凍保存にするときは皮と果肉に分けて保存しましょう。獅子柚子の皮をむき、白いアルベドの部分を少し取り除いて皮と果肉を別々に密閉できる袋で冷凍しましょう。冷凍した獅子柚子を使いたいときの解凍方法は自然解凍で大丈夫です。
獅子柚子(鬼柚子)の栄養効果に驚き!
一般的に食用というより観賞用に用いられることも多い獅子柚子ですが、実は栄養も優れています。獅子柚子の栄養効果の一部を紹介しましょう。そのままではあまり美味しくない獅子柚子ですが、ピールやマーマレードで美味しく栄養を摂取しましょう。
ペクチンの効果で腸内環境を整える
獅子柚子(鬼柚子)のマーマレードやピールにはペクチンがたくさん含まれます。ペクチンは水溶性の食物繊維で、ヒトの消化酵素では分解されず腸内環境を整える効果やコレステロールを低下させる効果があります。ペクチンを食事と一緒に摂取すると血糖値の上昇が抑えられ、インスリンの分泌も抑制されたという報告もあります。
ワタの部分のヘスペリジンは美容効果抜群
ヘスペリジンはポリフェノールの一種で、獅子柚子や文旦などミカン科の果皮に含まれます。皮や筋など、獅子柚子では特に白い綿状の部分に多く含まれていて、毛細血管の強化や血流を改善する効果があると言われます。ミカンの皮を乾燥させた陳皮は昔から体調の悪いときに使われてきましたし、冬は柚子湯に入ると体に良いといいますが、これはヘスペリジンの栄養効果を古くから利用してきた証拠といえます。
二ツ沼直売所でミカンのついでに買ってきました。
— yajifun (@yajifun) December 24, 2017
獅子柚子(シシユズ)または鬼柚子(オニユズ) https://t.co/5je0JGcwPQ
お店の方は飾り物で食用ではないと仰ってましたが、
獅子柚子(鬼柚子)の保存方法や食べ方と栄養価 https://t.co/OIVVYkUSUY
正月明けたら砂糖漬けにしてみよう。 pic.twitter.com/c0iJQNuzmT
獅子柚子(鬼柚子)に含まれるヘスペリジンには美容効果があります。そのひとつが肌質改善効果です。美肌といえばコラーゲンを思い浮かべますが、コラーゲンとヘスペリジンを同時に摂取るると保湿性が高まり肌の弾力を上げてくれます。またヘスペリジンが持つ血流改善効果は、継続して摂取することで目の周りの血流が良くなりメラニン量を減らしてくれるので、くまやくすみにも効果があります。
獅子柚子(鬼柚子)は皮も身もワタも美味しく食べよう
柚子そっくりの大きな文旦の仲間、獅子柚子(鬼柚子)について紹介しました。獅子柚子は見た目のインパクトだけでなく、縁起物として観賞用にも、マーマレードなどの食用にもできます。保存もきいて栄養もある柑橘類ですので、獅子柚子の旬の時期に手に入ったらぜひ紹介した食べ方を参考にして食べてみてください。美容効果もあるワタの部分も全て利用し美味しく食べましょう。